推し活ぐー!

明日葉

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・君を守る約束は《SIDE 久臣》

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「あーーー、学強すぎっ、どんだけハンデつけても勝てないじゃーーん」
「ほんと、流石eスポーツの大会出場者なだけあるなーー」
「でも、二人とも最初より大分上手になったよ」
「おう、じゃあ、またゲームしようぜーー!」
ゲームを終えて、そろそろとゲームを片付けだ。
オープンスペースを見渡すと、穂香の姿が見えなかった。
「あれ?穂香は?」
「さっき、杏果と一緒にトイレ行ったよーーーって、あれ?杏果??」
杏果が首を傾げて手を組みながら一人で戻ってきた。
「二湖、穂香は?」
「あーーー、李衣菜と森乃なら知ってるのかな?ちょっと二人、こっち来て?」
二湖は、俺と瀬口を手招きして、エレベーターホールへと連れて行った。
「二湖、何なの?」
「あー、あんた達幼馴染なんでしょ?穂香、付き合っている人いるの知ってる?穂香、その人に連れていかれちゃったんだけど、こういうの注意するのって、私よりあんた達からした方が聞くんじゃないかと思って……」
「うん?」
「はっ????」
付き合っている奴ーー??何言ってるんだ二湖は???
「穂香も李衣菜も森乃も、皆付き合っている人なんていないよーー??」
「えっ、じゃあ、あんた達にも秘密にしているの!?って、あーー、相手はあの人だもんね。言えないか。ごめんっ、今言ったこと忘れてっ!!」
ぱちんと手を合わせてオープンスペースに戻ろうとする二湖を瀬口が引き止める。
「えっ、李衣菜意味わかんない!!杏果何見たの??」
「あーー、そうだよね、ここまで聞いたら気になるよね。もう、誰にも言わないでよ。穂香、FIZZERの樹林と付き合ってる。」
「は??そんなわけ??」
「だって、ついさっきここで抱き合ってて、一緒に手を繋いでエレベーターに乗ってったよ??59階って芸能科フロアでしょ?そこにエレベーター止まったし……って、森乃!?」
俺は、全てのエレベーター認証に自分の学生証をかざした。
1基のエレベーター止まり、扉が開く。
そこに載っていたのは、FIZZERの水流と、紫苑寺だった。
くそっ、見たくもない顔、だけど、こいつらがいれば、樹林の部屋に行けるはず!!
俺はエレベーターずかずか乗り込み、指示を出しながら、扉の閉めるボタンを連打する。
「俺が探しに行くっ!!李衣菜、定期連絡するから、携帯わかるようにしてて!もし、俺が20分後に連絡がつかず、戻らなかったら管理人さんに今のこと伝えて!」
「ちょ、森乃!!」

「ーーーーで?何の騒ぎ何だい??」
涼しい顔ですかして聞いてくるのは水流だ。
「お前んとこの樹林棋王が穂香を攫っていった!!」
「は?」
「はーーー????」
流石におどろいたのか二人とも口をぽかーんと開けている。
「そして、59階でエレベーターが止まったんだと。クラスメイトが見てた。」
「まさか」
「いや、でも棋王だからなーーあ、やっちゃうかも??」
二人の目的地だったであろう1階の扉が一度開く。
俺はあわてて閉めるボタンを押して、二人に言う。
「学生証で戻れるんだろ59階??連れてけよ!!」
「ーーーわかった。」
水流は、カードをかざし、59階のボタンを押した。

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