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軽食を食べ終えて、ほっと一息つく。
周りには私、ひー君、李衣菜ちゃんと、お父さん、森乃のおじさんおばさん、そして、李衣菜ちゃんのお母さんだけだ。
他の人は、この場で食べたり、部屋に食べ物を持って行ったりして、早い段階でいなくなっちゃった。
まあ、部屋の片づけとかあるからなあ。
「ねえ、穂香。本当にこの学校で大丈夫かい?お父さん今からでも普通の中学校に……」
「お父さん、私この学校がいいって!ほら、今流行りの少人数学級ってやつじゃん!!最先端!!授業もほぼマンツーマンみたいなものだろうし、頭良くなっちゃうかもよっ!ね、ひー君!!」
「まあ、人数が少なければ少ないほど、一人にかける時間が取れるから、学力が上がりやすいってデータはあるみたいだけど」
「ほら、ひー君もこう言ってるよっ!」
「それに、穂香パパっ!!見たでしょ!!FIZZER!!すっごい恰好よかったでしょっ!!はーー、あんなに近くで透真君を見られるなんて!!はっ!!上手くいけば、私、推しに認知してもらえるかも!!だって7人しかいないなんて、逆に目立つっ!!」
「李衣菜ならそういうと思っていたわ。ちゃんと勉強もがんばるのよ」
李衣菜ちゃんママは呆れたように言って、その場が笑いに包まれた。
よかった、連れ戻そうと考えているのはお父さんだけだったんだ。
お父さんさえ、思いとどまってくれたらこっちのものっ!!
「ねえ、入学式の時、隣に座ってた男の子、アレって芸能科の子よね。どこかで見たことあるんだけど」
森乃のおばさんが、聞いてほしくないことをさくっと聞いてきた。
「えっ?穂香の隣??誰だったの?りいな、入場してすぐ先生達と並んで座ってた透真君見つけてから、ずーっとそっちばっかり見てた!!」
流石李衣菜ちゃん。透真君をそんなに前から見つけていたとは。
「私も見覚えが……って、えっ??もしかしてこれって、李衣菜が好きなFIZZERのシオン君じゃないっ!?」
李衣菜ちゃんママは、手元でビデオの映像を再生していた。
ビデオの映像って拡大可能だ。顔がよく見えたんだろう。
いきなり思い当たってしまったらしく、大きな声を出していた。
「そ、そうみたいです」
「穂香、知り合いなのかい?随分親しく見えたけど」
お父さんは、私の右手を見ながら聞いてくる。
「う……ううん、初対面」
「じゃあ、なんで、穂香の手、ずーっと触ってたんだい?」
「そんなのこっちが聞きたいよー。」
お父さんは静かに怒っている。
わ、私のせいじゃないのにーー!!
「プリンセスなんて言って、あんなにしつこく手握ってきて、まじでムカつく」
ひー君は静かに言っていたんだけど、声が低めだからよく響く。
「な、そんなこと言ってたのかい!?」
「わー、ほのちゃん流石、よっ、モテモテ!!」
森乃のおじさんが適当に囃し立ててきたから、なかなか腹がたった。
「知らないよ、まだ小学生気分が抜けないんじゃない?
嫌がらせでちょっかいかけちゃう系のおこちゃまなんだよっっ?」
理由を考えたら、それくらいしか思い当たらない。
「「「「…・・・・・」」」」」
大人達は何故か残念な物でも見るような目で私を見てきた。
「えっ……何なに?どうしたの?」
「……ひー君、この調子で穂香のこと頼んだよ。くれぐれも、くれっぐれも」
「わかってる。任しておいて、おじさん」
お父さんは、ひー君が、何やら二人で話しているけど全部聞こえているからね!
私が頼りないってことーー!?
私はプンスコしながら、李衣菜ちゃんとケーキを食べていた。
周りには私、ひー君、李衣菜ちゃんと、お父さん、森乃のおじさんおばさん、そして、李衣菜ちゃんのお母さんだけだ。
他の人は、この場で食べたり、部屋に食べ物を持って行ったりして、早い段階でいなくなっちゃった。
まあ、部屋の片づけとかあるからなあ。
「ねえ、穂香。本当にこの学校で大丈夫かい?お父さん今からでも普通の中学校に……」
「お父さん、私この学校がいいって!ほら、今流行りの少人数学級ってやつじゃん!!最先端!!授業もほぼマンツーマンみたいなものだろうし、頭良くなっちゃうかもよっ!ね、ひー君!!」
「まあ、人数が少なければ少ないほど、一人にかける時間が取れるから、学力が上がりやすいってデータはあるみたいだけど」
「ほら、ひー君もこう言ってるよっ!」
「それに、穂香パパっ!!見たでしょ!!FIZZER!!すっごい恰好よかったでしょっ!!はーー、あんなに近くで透真君を見られるなんて!!はっ!!上手くいけば、私、推しに認知してもらえるかも!!だって7人しかいないなんて、逆に目立つっ!!」
「李衣菜ならそういうと思っていたわ。ちゃんと勉強もがんばるのよ」
李衣菜ちゃんママは呆れたように言って、その場が笑いに包まれた。
よかった、連れ戻そうと考えているのはお父さんだけだったんだ。
お父さんさえ、思いとどまってくれたらこっちのものっ!!
「ねえ、入学式の時、隣に座ってた男の子、アレって芸能科の子よね。どこかで見たことあるんだけど」
森乃のおばさんが、聞いてほしくないことをさくっと聞いてきた。
「えっ?穂香の隣??誰だったの?りいな、入場してすぐ先生達と並んで座ってた透真君見つけてから、ずーっとそっちばっかり見てた!!」
流石李衣菜ちゃん。透真君をそんなに前から見つけていたとは。
「私も見覚えが……って、えっ??もしかしてこれって、李衣菜が好きなFIZZERのシオン君じゃないっ!?」
李衣菜ちゃんママは、手元でビデオの映像を再生していた。
ビデオの映像って拡大可能だ。顔がよく見えたんだろう。
いきなり思い当たってしまったらしく、大きな声を出していた。
「そ、そうみたいです」
「穂香、知り合いなのかい?随分親しく見えたけど」
お父さんは、私の右手を見ながら聞いてくる。
「う……ううん、初対面」
「じゃあ、なんで、穂香の手、ずーっと触ってたんだい?」
「そんなのこっちが聞きたいよー。」
お父さんは静かに怒っている。
わ、私のせいじゃないのにーー!!
「プリンセスなんて言って、あんなにしつこく手握ってきて、まじでムカつく」
ひー君は静かに言っていたんだけど、声が低めだからよく響く。
「な、そんなこと言ってたのかい!?」
「わー、ほのちゃん流石、よっ、モテモテ!!」
森乃のおじさんが適当に囃し立ててきたから、なかなか腹がたった。
「知らないよ、まだ小学生気分が抜けないんじゃない?
嫌がらせでちょっかいかけちゃう系のおこちゃまなんだよっっ?」
理由を考えたら、それくらいしか思い当たらない。
「「「「…・・・・・」」」」」
大人達は何故か残念な物でも見るような目で私を見てきた。
「えっ……何なに?どうしたの?」
「……ひー君、この調子で穂香のこと頼んだよ。くれぐれも、くれっぐれも」
「わかってる。任しておいて、おじさん」
お父さんは、ひー君が、何やら二人で話しているけど全部聞こえているからね!
私が頼りないってことーー!?
私はプンスコしながら、李衣菜ちゃんとケーキを食べていた。
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