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「えーーーっ、東園寺さんておじさんも知り合いなんですか」
「まあ、狭い業界だからねー。知っている知ってる!なんだ、東園寺がこの白黒星学園のアドバイザーなのかー。」
森乃のおじさんの職業は音楽プロデューサー。
森乃のおばさんは元歌手で、今はボイストレーナー。
二人とも芸能界の人達だ。
知り合いの知り合いは知り合い。
凄いことだなー。と思いながら、熊の形のクリームが乗ったプリンをすくって食べた。
このプリン、見た目だけじゃない。すっごく美味しい。
「……父さん、母さん、俺、この白黒星学園に入りたい。できれば、エンタメ科で」
すでにプリンを食べ終えたひー君は、携帯電話で何やら調べていたと思ったら、いきなり言い出した。
「えっ、久、受験やめるの?って、はーーーん。お母さんはどっちでもいいよ。」
「ふーーーーん。俺も別にいいと思うけど?」
森乃のおばさんとおじさんはなんだかしたり顔で、ひー君を見ている。
「えっ、良いのかい?久臣君すっごく頭いいって……」
それに対して、一番慌てているのはうちのお父さんだ。
優秀な子供がエンタメ科に入りたいとか言い出したら、こう反応するのが普通だと思う。
「今の時点で、どの学校も受かる成績なんだ。これからだって成績は落とす気はない。
どの学校に入ったって結局は塾で勉強することには変わりはないんだから、学校にこだわりはない。
それなら、面白そうな学校に入ってみたいって思ったんだけどーーーダメかな?」
ひー君は真剣な顔で、大人に向かって話している。
「うんうん、久がなんかやりたいって言い出すの珍しいからな。でもいいのか?エンタメ科だったら、お前のーー」
「そっちじゃなく、こっち。VitterとKinstaの勉強垢の方でエンタメ科入れないかな」
ひー君は携帯電話を森乃のおじさんに見せる。
「あーー、そっちね。了解。ちょっと、聞いてみるわーー」
おじさんは、プリンをかきこむと、二階にトトトと上がっていった。
「ひー君、勉強垢って……??」
「あー、小学生はあんまりやってないよね。これ。」
ひー君はテーブルの上のひー君の携帯を私達親子に見えるようにしてくれた。
勉強をどのくらいやったかの記録、ノートのまとめ方、おすすめの文房具の投稿、模試の結果や、勉強の様子を映した映像などがアップされている。
「これ、この勉強の様子をアップするだけで、記録になるし、金になるしで投稿してたら、俺、今、小学生部門の1位なんだよね。」
ーーーエンタメの世界って色々だ。
私は、ひー君が1位になるほどの実力の持ち主だなんて今の今まで知らなかった。
「まあ、狭い業界だからねー。知っている知ってる!なんだ、東園寺がこの白黒星学園のアドバイザーなのかー。」
森乃のおじさんの職業は音楽プロデューサー。
森乃のおばさんは元歌手で、今はボイストレーナー。
二人とも芸能界の人達だ。
知り合いの知り合いは知り合い。
凄いことだなー。と思いながら、熊の形のクリームが乗ったプリンをすくって食べた。
このプリン、見た目だけじゃない。すっごく美味しい。
「……父さん、母さん、俺、この白黒星学園に入りたい。できれば、エンタメ科で」
すでにプリンを食べ終えたひー君は、携帯電話で何やら調べていたと思ったら、いきなり言い出した。
「えっ、久、受験やめるの?って、はーーーん。お母さんはどっちでもいいよ。」
「ふーーーーん。俺も別にいいと思うけど?」
森乃のおばさんとおじさんはなんだかしたり顔で、ひー君を見ている。
「えっ、良いのかい?久臣君すっごく頭いいって……」
それに対して、一番慌てているのはうちのお父さんだ。
優秀な子供がエンタメ科に入りたいとか言い出したら、こう反応するのが普通だと思う。
「今の時点で、どの学校も受かる成績なんだ。これからだって成績は落とす気はない。
どの学校に入ったって結局は塾で勉強することには変わりはないんだから、学校にこだわりはない。
それなら、面白そうな学校に入ってみたいって思ったんだけどーーーダメかな?」
ひー君は真剣な顔で、大人に向かって話している。
「うんうん、久がなんかやりたいって言い出すの珍しいからな。でもいいのか?エンタメ科だったら、お前のーー」
「そっちじゃなく、こっち。VitterとKinstaの勉強垢の方でエンタメ科入れないかな」
ひー君は携帯電話を森乃のおじさんに見せる。
「あーー、そっちね。了解。ちょっと、聞いてみるわーー」
おじさんは、プリンをかきこむと、二階にトトトと上がっていった。
「ひー君、勉強垢って……??」
「あー、小学生はあんまりやってないよね。これ。」
ひー君はテーブルの上のひー君の携帯を私達親子に見えるようにしてくれた。
勉強をどのくらいやったかの記録、ノートのまとめ方、おすすめの文房具の投稿、模試の結果や、勉強の様子を映した映像などがアップされている。
「これ、この勉強の様子をアップするだけで、記録になるし、金になるしで投稿してたら、俺、今、小学生部門の1位なんだよね。」
ーーーエンタメの世界って色々だ。
私は、ひー君が1位になるほどの実力の持ち主だなんて今の今まで知らなかった。
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