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・いざ中学校!
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校門をくぐると、そこは別世界だった。
木が等間隔に立ち並び、花壇には色とりどりの花であふれている。
3棟に分かれた建物へと続く歩道の真ん中には、大きな噴水が。
次々生み出される水しぶきは、夏の強い日差しを受けながら、キラキラと輝いていた。
「すっっっっごーーーーーーーい!!!!!ねえねえ、穂香、ここ、凄すぎるよっ!!
すぅーー、しかもどこもかしこも新しい匂いがするーーー!!」
淡いクリーム色のワンピースに、茶色の髪を複雑に結い上げている李衣菜ちゃんは、今日も完璧美少女だ。
たとえ、足元が小学校の上履き姿で、匂いを嗅ぐために鼻を大きく開いていても、それはそれで可愛らしい。
私、李衣菜ちゃん、野々原さん、東園寺さんは、黒白星学園の広い廊下を歩いていた。
「ね、どこも真っ白。所々にある木でできたスペースもなんか落ち着くわねー。私もこんな素敵な所で学生生活、送ってみたかった―!!」
野々原さんは、白のブラウスにベージュのスカート、ヒールのあるスリッパを履いている。
李衣菜ちゃんみたいに目をキラキラとさせて、私以上に学校に興味深々だ。
「ほんと、どこも凄い綺麗でおしゃれ。学校じゃないみたいですね」
私は紺色の襟付きワンピース。肩までの黒い髪はいつもより丁寧にブローして、内巻きになるようにセットした。
いつもより念入りに身だしなみを整えていたせいで、家から出る時には時間がなくなって、上履きを忘れそうになって焦った。
ビニール袋に入れっぱなしになっていた上履きを手に持ったら袋が破けて、入れ物を探す時間もなく、先日作ったライブツアーTシャツで作ったトートバックに入れてきてしまった。
派手なバックは学校見学に浮いていて、流石に少しいたたまれなかった。
みんな、準備の時間配分は大事だよ……。
中学校の各教室は白を基調としたおしゃれな空間。
木でできているのにデザイン性の高い机や椅子が、各個人用に設置されている。
そして、教室の真ん中にある休憩スペースはすごく広くて、ベンチの他に、カーペットのある一画にはビーズクッションが何個もおいてあった。
「おうおう、そうだろ、そうだろ。新しくて綺麗ってのはポイント高いよな。」
今日も今日とて、アロハシャツの東園寺さん。
さすがにサングラスは胸ポケットの中だったんだけど、派手な物は派手だ。
私の推しトートの派手さが少し和らぐようで、今日ばかりは東園寺さんの服装に感謝した。
「最新設備と木のぬくもりとの共存がテーマなんです。授業はクラス単位でも行いますが、進度や内容によって、教室を変えて学ぶことが多いです。なので、学校というよりは大学に近いですね。普段はあまり解放しないんですが、ここからだと全部が見渡せるので、どうぞ、あ、柵にはよりかからないようにしてくださいね。」
学校の案内をしてくれているのは事務の方。
スーツを着た細身の若い男の人だった。
事務の方は私達というよりは、大人二人に向けて説明しつつ、屋上へとつながる扉を開けてくれた。
「うっわーーー、ひろーーーーーい!!!!」
李衣菜ちゃんは、タタンと屋上を駆け回る。
「ちょ、嬢ちゃん落ち着け!ったく、子犬みてえだな!ちゃんと見とけー!」
李衣菜ちゃんを捕まえて、ぽーいと私の方に軽く押し出す東園寺さん。
「す、すみません」
私は李衣菜ちゃんの両肩を軽く掴んでキャッチした。
屋上から見る黒白星学園も圧巻だった。
小学部、中等部、高等部は3つの建物に分かれ、それぞれが廊下でつながっている。
体育館は3つ、屋内プールに、ナイター完備のテニスコート、野球場にサッカー場。
敷地内にはそびえ立つ高いタワーマンションまである。
所々に小さな庭があって、どこでも休める用ベンチや東屋があって、自然と近代的な建物が見事に調和していた。
「さあ、次は、特別室を案内します」
木が等間隔に立ち並び、花壇には色とりどりの花であふれている。
3棟に分かれた建物へと続く歩道の真ん中には、大きな噴水が。
次々生み出される水しぶきは、夏の強い日差しを受けながら、キラキラと輝いていた。
「すっっっっごーーーーーーーい!!!!!ねえねえ、穂香、ここ、凄すぎるよっ!!
すぅーー、しかもどこもかしこも新しい匂いがするーーー!!」
淡いクリーム色のワンピースに、茶色の髪を複雑に結い上げている李衣菜ちゃんは、今日も完璧美少女だ。
たとえ、足元が小学校の上履き姿で、匂いを嗅ぐために鼻を大きく開いていても、それはそれで可愛らしい。
私、李衣菜ちゃん、野々原さん、東園寺さんは、黒白星学園の広い廊下を歩いていた。
「ね、どこも真っ白。所々にある木でできたスペースもなんか落ち着くわねー。私もこんな素敵な所で学生生活、送ってみたかった―!!」
野々原さんは、白のブラウスにベージュのスカート、ヒールのあるスリッパを履いている。
李衣菜ちゃんみたいに目をキラキラとさせて、私以上に学校に興味深々だ。
「ほんと、どこも凄い綺麗でおしゃれ。学校じゃないみたいですね」
私は紺色の襟付きワンピース。肩までの黒い髪はいつもより丁寧にブローして、内巻きになるようにセットした。
いつもより念入りに身だしなみを整えていたせいで、家から出る時には時間がなくなって、上履きを忘れそうになって焦った。
ビニール袋に入れっぱなしになっていた上履きを手に持ったら袋が破けて、入れ物を探す時間もなく、先日作ったライブツアーTシャツで作ったトートバックに入れてきてしまった。
派手なバックは学校見学に浮いていて、流石に少しいたたまれなかった。
みんな、準備の時間配分は大事だよ……。
中学校の各教室は白を基調としたおしゃれな空間。
木でできているのにデザイン性の高い机や椅子が、各個人用に設置されている。
そして、教室の真ん中にある休憩スペースはすごく広くて、ベンチの他に、カーペットのある一画にはビーズクッションが何個もおいてあった。
「おうおう、そうだろ、そうだろ。新しくて綺麗ってのはポイント高いよな。」
今日も今日とて、アロハシャツの東園寺さん。
さすがにサングラスは胸ポケットの中だったんだけど、派手な物は派手だ。
私の推しトートの派手さが少し和らぐようで、今日ばかりは東園寺さんの服装に感謝した。
「最新設備と木のぬくもりとの共存がテーマなんです。授業はクラス単位でも行いますが、進度や内容によって、教室を変えて学ぶことが多いです。なので、学校というよりは大学に近いですね。普段はあまり解放しないんですが、ここからだと全部が見渡せるので、どうぞ、あ、柵にはよりかからないようにしてくださいね。」
学校の案内をしてくれているのは事務の方。
スーツを着た細身の若い男の人だった。
事務の方は私達というよりは、大人二人に向けて説明しつつ、屋上へとつながる扉を開けてくれた。
「うっわーーー、ひろーーーーーい!!!!」
李衣菜ちゃんは、タタンと屋上を駆け回る。
「ちょ、嬢ちゃん落ち着け!ったく、子犬みてえだな!ちゃんと見とけー!」
李衣菜ちゃんを捕まえて、ぽーいと私の方に軽く押し出す東園寺さん。
「す、すみません」
私は李衣菜ちゃんの両肩を軽く掴んでキャッチした。
屋上から見る黒白星学園も圧巻だった。
小学部、中等部、高等部は3つの建物に分かれ、それぞれが廊下でつながっている。
体育館は3つ、屋内プールに、ナイター完備のテニスコート、野球場にサッカー場。
敷地内にはそびえ立つ高いタワーマンションまである。
所々に小さな庭があって、どこでも休める用ベンチや東屋があって、自然と近代的な建物が見事に調和していた。
「さあ、次は、特別室を案内します」
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