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第二章 【学園】
三槍~後ろは振り向かない~
しおりを挟む「あの……」
「えっ、あぁ!!け、怪我はないか!?」
固まっていた、貴族の少年は我に返り慌てだす。さっきの傲慢な貴族感が抜けたようでオロオロと私を見てくる。
その姿はまるで怯えた子供だ。現に艶やかな藍色の髪から伺える瞳は僅かに涙で潤んでいる。それが髪と同じ色の藍色の瞳と相まって不謹慎だが、綺麗だと思ってしまった。
「大丈夫ですよ、それより貴方は怪我はありませんか?魔法を食らってましたよね?」
「我は……平気だ」
少年は返答に詰まりならがら、平気だと言っているが髪で今は隠れてるが頬に傷ができている。飛んでくるときに見えた。
いやまぁ、それだけで済む方が可笑しいのだが。普通ならあの魔法をなんの防御もなしに食らえば骨が折れている。
たが、見たところそんな感じはない。我慢しているとしても、流石に骨が折れていたら気づく。
「そうですか……一応、回復魔法かけておきましょうか?」
「い、いやいい。本当になんともないからな、次の授業にさしつかうであろう」
「魔力なら多いので心配なさらずとも、大丈夫ですよ」
魔力を使うには魔力が必要になる。魔力のなんたるかは今はひとまず、世界を構成する物質と大まかに認識していればいい。原子的や分子的なポジションで肉眼で捉えることは出来ないとされる。
その魔力を糧に現象を構築するものが、魔法になる。光、火、水、土、雷、風、闇と基本的な六つの属性に、一子相伝や秘伝、個人オリジナルな属性もある。私も一応六つに含まれない属性にあたる。
まぁ、それはいいとして魔法を行使するには詠唱を必要とするが、それはあくまで魔力を変換させるイメージ作りの為に必要とされる。故にイメージさえしっかりして魔力を思うように操れれば別に詠唱必要なかったりする。と師匠が言っていた。
けどこう詠唱すればこの魔法になると覚えれば扱いやすい、言わば暗記のようなものだ。
回復魔法なら、傷を直し元の状態に治すを「かの者に癒しを」=「ヒール」となる。
「冠位十二の位を作った人」=「聖徳太子」的な感じだ。
「……しかしなぁ……」
「【ヒール】」
「!?」
変に遠慮する方だ。チラッと時計を見るともうすぐ授業が始まってしまう。急がないと、初日から遅刻とか笑えない。少年には悪いけど勝手にかけさせてもらう。
「では、私はこれで失礼します」
「えっ!?ちょと!?」
待ってーー!と後ろから聞こえてくるが私は窓から飛び降りて訓練所に向かう。
えっ?窓から飛び降りのは駄目だろ?知るか、常識と規律は時には忘れ去ることも必要なのだ。私は過去は振り向かず未来に足を進めるの女なのだよ。
すまぬな、少年……
「待ってて言っているであろう!」
「!?」
マジか!?ついてきたよ!この少年!
普通窓から飛び降りるか!?常識考えなさいよ!階段がすすり泣いているぜ?
大人しそうな見た目によらずアグレッシブだな。
「危ないですよ?」
「いや!それ貴様が言うか!?」
全くもってその通りだが、黙秘しよう。
「……少年さん、訓練所どこでしたっけ?」
「うぇぇ!!わからないで飛び降りたのか!?」
「多分下なんだろうと思っていまして……」
「適当過ぎであろ……。そこを曲がって右に行って左で……口で説明するの面倒だな。我についてまいればいい」
「はい、ありがとうございます」
少年さん口調は偉そうだけどいい人だ。
そと、今更だけど「我」ってなに?……深くツッコまない方がいいか……。ちょと変わった人だと思うことにしよう。
「それと、少年さんではなく【メフィルク】である」
「はい、私は【ヨハネス】です」
「知っている。有名だからな」
「そうですか?」
「そうだ」
メフィルク……失礼だが、明日になったら名前忘れてそうだ。覚えにくい、二文字ならもっと簡単に覚えられるのにと思う私は怠惰なのだろ。
メフィルク……メフィ……ルク。メフィとしよう。そうしよう、最初は短く覚えて最終的に全部覚えればいい。
「こっちだ」
「はい」
メフィさん足は速いな。これは戦闘の方も期待できる。暇なときに手合わせしてくれないかなぁ?
◆◆◆◆◆
名前がぁぁぁ~…。名前が思いつかない。本当は結構前に文は出来ていたんです!けど名前が全然思いつかなくて……ヨ、ア、ト、デと被らないように名前をつけようとしたんです。
感想欄に名前こんなのどうですか?とか書いていださると嬉しいです。
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