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モブ的な学校生活2
モブ女子の周囲は平和なはず?
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今日は星堂で全校集会の日だ。集会の合図が鳴るまでは星堂の中で他愛のない話をして過ごしていた。
「ねえねえ、聞いた?先月の全校集会で婚約破棄されたディッチャ様、この学院を辞めたんですって」
「ええ。初めて聞いたときは驚いたわ。でも仕方がないわよね。学院で断罪されてしまったら恥ずかしさで通えなくなりますもの」
「慰謝料はディッチャ様側が払うのでしょう?取り立ては家が傾くほど厳しいと聞いたことがありますわ」
「あら、私が聞いた話では婚約破棄ではなく婚約解消になったそうよ。慰謝料は向こうにも不義があって相殺されたとか」
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
私はカツレアさんやローラさん、ケイティと話をしながらディッチャ嬢の噂話に聞き耳を立てていた。
先日、ディッチャ嬢がお母さんを訪ねてきた時に私も少しだけ話したのだけど彼女は自分の意思で学校を辞めて市井に降り仕事に就くと言った。その仕事のことでお母さんに相談がしたいと言っていたから私は邪魔しないように自分の部屋に戻った。婚約破棄か解消かは分からないけど両家で決着が着いたから相談に来たんだね。あれから私は彼女と会っていないけど元気にしていればいいなあ。
カツレアさんがツンツンと私の肩を軽く突いた。
「ねえ、モブーナさん。この頃、あなたの畑の周りでウロウロしている人がいるそうよ。何か問題を抱えているのではないの?大丈夫なの?」
「私の畑に?他の畑や人が住んでいる家が道沿いにあるからたまたま通った人だと思うよ」
畑をしている間、人が通ることや話しかけられることもあるのでそのことかと思った。
「畑とかのどかなところを散歩するやついるもんな。何が楽しいのかあたしには分かんねー趣味だけど」
「でもわざわざ明るいうちからフードを被って顔を隠していたのをアレックスが見てるのよ。あれは謎芋のスパイよ。きっと」
「農業にスパイがいるなんて。そんな話、聞いたことがないわ。考えすぎだわ」
ローラさんが言うように農業のスパイというのは聞いたことがない。畑に悪いことをする者がいるとしたら作物泥棒だ。
だから畑にスパイなんて来ないと言いたいところだったのに頭の中でブレーキがかかった。前に他校の男女が来たことがある。名前は忘れたけど緊張したのは覚えている。男子生徒の方がまた来ると言っていたから、カツレアさんの従者さんが見た人はその人かもしれない。
だけど一度顔を見て話もしているし、私に顔を隠す必要ってあるの?あ、他校のあの人じゃないのかも。
私に顔を見られたくないけど畑の様子が見たい人・・・・・・もしかしたらお父さんかお母さんの仕事の関係者?
「心当たりというか、畑を見に来そうなのはお父さんかお母さんの仕事関係の人かも」
「親の仕事の関係者?親の畑を見るなら分かっけどよ。わざわざ娘の畑に来る必要あるのかよ」
ケイティが言う通り商品の農作物をチェックしたいならお母さんの畑や果樹園の様子や作物を見た方がはっきり分かる。
「うーん、そうねえ。もしかしたらモブーナさん一家が人格者かどうかの抜き打ちテストかもしれないわ。家庭環境をみて商売の相手として信用できるか判断するために偵察にきているのだと思うわ」
「それはあるかも。お父さんが高価な物を扱うときもあるから調べられたのかな。お父さん達には畑を見に来ている人がいること話しておくよ」
「そうね。ご両親に伝えておくべきだわ。誰か分からない以上、警戒しておくべきよ。アレックスには定期的に畑をみるように伝えておくわ」
「カツレアさんの従者さんはいろいろ忙しいのに私の芋畑まで見なくていいよ。迷惑をかけたくないし」
私がそう言うとカツレアさんが首を振った。
「私が気になるのよ。次はいつ謎芋を植えて収穫するのかとても楽しみなんだから」
「植えるときと収穫する時は教えるから従者さんに無理させないであげてね」
そういえばなんで従者さんは畑に不審者がいると分かったのか不思議だったけどカツレアさんが私の畑を見に行かせてたのね。
「なにかあったらあたしを呼べよ。変な奴はぶっ飛ばしてやっからよ」
「私にも言ってくれたらマックスやその友達に手伝ってもらうからね」
マックスさん達が来てくれるなら頼もしいけど不審者をぶっ飛ばす前にケイティがぶっ飛ばされないか心配と言うと怒られそうなので笑ってごまかした。
「ねえねえ、聞いた?先月の全校集会で婚約破棄されたディッチャ様、この学院を辞めたんですって」
「ええ。初めて聞いたときは驚いたわ。でも仕方がないわよね。学院で断罪されてしまったら恥ずかしさで通えなくなりますもの」
「慰謝料はディッチャ様側が払うのでしょう?取り立ては家が傾くほど厳しいと聞いたことがありますわ」
「あら、私が聞いた話では婚約破棄ではなく婚約解消になったそうよ。慰謝料は向こうにも不義があって相殺されたとか」
・・・・・・
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私はカツレアさんやローラさん、ケイティと話をしながらディッチャ嬢の噂話に聞き耳を立てていた。
先日、ディッチャ嬢がお母さんを訪ねてきた時に私も少しだけ話したのだけど彼女は自分の意思で学校を辞めて市井に降り仕事に就くと言った。その仕事のことでお母さんに相談がしたいと言っていたから私は邪魔しないように自分の部屋に戻った。婚約破棄か解消かは分からないけど両家で決着が着いたから相談に来たんだね。あれから私は彼女と会っていないけど元気にしていればいいなあ。
カツレアさんがツンツンと私の肩を軽く突いた。
「ねえ、モブーナさん。この頃、あなたの畑の周りでウロウロしている人がいるそうよ。何か問題を抱えているのではないの?大丈夫なの?」
「私の畑に?他の畑や人が住んでいる家が道沿いにあるからたまたま通った人だと思うよ」
畑をしている間、人が通ることや話しかけられることもあるのでそのことかと思った。
「畑とかのどかなところを散歩するやついるもんな。何が楽しいのかあたしには分かんねー趣味だけど」
「でもわざわざ明るいうちからフードを被って顔を隠していたのをアレックスが見てるのよ。あれは謎芋のスパイよ。きっと」
「農業にスパイがいるなんて。そんな話、聞いたことがないわ。考えすぎだわ」
ローラさんが言うように農業のスパイというのは聞いたことがない。畑に悪いことをする者がいるとしたら作物泥棒だ。
だから畑にスパイなんて来ないと言いたいところだったのに頭の中でブレーキがかかった。前に他校の男女が来たことがある。名前は忘れたけど緊張したのは覚えている。男子生徒の方がまた来ると言っていたから、カツレアさんの従者さんが見た人はその人かもしれない。
だけど一度顔を見て話もしているし、私に顔を隠す必要ってあるの?あ、他校のあの人じゃないのかも。
私に顔を見られたくないけど畑の様子が見たい人・・・・・・もしかしたらお父さんかお母さんの仕事の関係者?
「心当たりというか、畑を見に来そうなのはお父さんかお母さんの仕事関係の人かも」
「親の仕事の関係者?親の畑を見るなら分かっけどよ。わざわざ娘の畑に来る必要あるのかよ」
ケイティが言う通り商品の農作物をチェックしたいならお母さんの畑や果樹園の様子や作物を見た方がはっきり分かる。
「うーん、そうねえ。もしかしたらモブーナさん一家が人格者かどうかの抜き打ちテストかもしれないわ。家庭環境をみて商売の相手として信用できるか判断するために偵察にきているのだと思うわ」
「それはあるかも。お父さんが高価な物を扱うときもあるから調べられたのかな。お父さん達には畑を見に来ている人がいること話しておくよ」
「そうね。ご両親に伝えておくべきだわ。誰か分からない以上、警戒しておくべきよ。アレックスには定期的に畑をみるように伝えておくわ」
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私がそう言うとカツレアさんが首を振った。
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そういえばなんで従者さんは畑に不審者がいると分かったのか不思議だったけどカツレアさんが私の畑を見に行かせてたのね。
「なにかあったらあたしを呼べよ。変な奴はぶっ飛ばしてやっからよ」
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