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モブ的な学校生活2
モブ女子の友は恋に夢中
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下を向いたケイティが意を決したように顔を上げた。
「実はさ、好きな男ができたんだ。推しのファントム様は別格だけどよ。その、そんでさ」
「うん?うん」
実習の時も聞いたけどファントム様って何者だろう。カツレアさんに聞こうと思ってすっかり忘れていた。
それにしても私の周りでポンポンと恋の花が咲くけど、なんで私自身には咲かないのかな~?
「あたしよりレイリリの方が、そのさ、学校での付き合いが長いだろ?だから知ってるかなってさ」
んんん?私と・・・・・・学校で交流がある男子ってだれ?・・・・・・あ、学校で喋れる男子と言えばセラビーがいる。生徒じゃないけどカツレアさんの従者さんとも喋る。それとローラを好きなマックスとは実習で迷子になったときにちょっと話した。
誰だろう?やっぱりセラビーかな。実習の時に自然とリーダーになって頑張ってくれたし、失敗ばかりなのに一生懸命な姿を見て好きになるって少女漫画あるあるだし。
「も、もう分かっちまったかもしんねーけどよ。・・・・・・センセーが好きなんだ」
んんーっ、肝心の名前で声が小さくなって聞き取れない。
「ごめん。名前、もう一回言って。なにせんせー?」
「ばっヵ!何度も言わせんなよ!恥ずかしーじゃねーか!もう一回だけだかんな。よく聞けよ」
ダンッと音を立てて前足を踏み込み、ブンブンと左右に上半身を振り回すケイティ。いきがっている不良が喧嘩の時にやりそうな行動だけどその顔は真っ赤になっている。
動き疲れたのか揺れが小さくなってやがて止まると今度は両手で頬を抑えて動かなくなった。その姿はまさしく顔を赤くして照れる美少女だ!まばらに生えた眉が乱れた前髪で隠れたから脳の錯覚で困って下がった眉があるように思ってしまう!
「・・・・・・バードンせんせい」
バードン センセイ ?
体育のバードン先生?ムキムキの、背が高い。教師として人気だけど三枚目なバードン先生?なぜに?他にもカッコイイ先生いるよ?
「い、良い先生だけどドコに惚れたの」
「どこって・・・・・・面白いし、すげー優しいんだよ。実習の時にさ、レイリリ、迷子になっただろ。そん時にさ、先生に知らせるためにキャンプまで走ってたら転んじまってよ。でもお前は一人で林の中だろ。アタシの怪我どころじゃねーからさ、そのまま走ったんだよ。んで、セラビーと一緒に先生達に報告してさ。そのまま皆とレイリリを探そうとしたんだ。
だけどアタシはバードン先生に引っ張られるように先生達のテントに引っ張られて救急箱の薬と包帯で手当てされたんだ。アタシはそれどころじゃないって怒ったんだけどよ。先生がさ『仲間を助けたいならまず自分を守れ。邪魔するなって言われても自分を守れない生徒を守るのが俺の役目だ』って真面目な顔して言うんだ。
アタシ、転校生してすぐだし学校なんて嫌いだからさ。『あんたの生徒なんかじゃねーよ。早くいかせろ』っていったのに、なのに先生は『お前が認めなくてもお前は俺の生徒だ』って言うんだぜ。手当てが終わったら「次はモブーナだ。絶対に見つけてやるから心配すんな」ってアタシの頭をめっちゃ強く撫でるんだぜ。そんで皆と合流したときにレイリリが戻って来たから先生がちょっと泣いてるの見ちまってさ。こんなん惚れちまうだろ」
顔を真っ赤にして語るケイティ。私が迷子になっている間にそんなことがあったなんて。バードン先生、心配させすぎて泣かせてしまいすみません。
「あの時は心配させてしまってごめんね」
あらためて迷子になったことを謝るとケイティが「しゃーなしに許してやっからよ。バードン先生のことたくさん教えろよ」と言ってきた。
残り少ない昼休みの間、私はコロッケパン、ケイティはジャムパンを食べながらバードン先生のことを話した。初めて受けた体育の授業のときにお調子者の男子が先生に彼女がいるか質問して「彼女はいない!奥さんもいない!誰か紹介してくれ!」と断言したことを教えるとケイティの目が輝いていた。そこからさらにケイティに質問攻めにあううちに予鈴がなって私達は大慌てで教室に戻った。
「実はさ、好きな男ができたんだ。推しのファントム様は別格だけどよ。その、そんでさ」
「うん?うん」
実習の時も聞いたけどファントム様って何者だろう。カツレアさんに聞こうと思ってすっかり忘れていた。
それにしても私の周りでポンポンと恋の花が咲くけど、なんで私自身には咲かないのかな~?
「あたしよりレイリリの方が、そのさ、学校での付き合いが長いだろ?だから知ってるかなってさ」
んんん?私と・・・・・・学校で交流がある男子ってだれ?・・・・・・あ、学校で喋れる男子と言えばセラビーがいる。生徒じゃないけどカツレアさんの従者さんとも喋る。それとローラを好きなマックスとは実習で迷子になったときにちょっと話した。
誰だろう?やっぱりセラビーかな。実習の時に自然とリーダーになって頑張ってくれたし、失敗ばかりなのに一生懸命な姿を見て好きになるって少女漫画あるあるだし。
「も、もう分かっちまったかもしんねーけどよ。・・・・・・センセーが好きなんだ」
んんーっ、肝心の名前で声が小さくなって聞き取れない。
「ごめん。名前、もう一回言って。なにせんせー?」
「ばっヵ!何度も言わせんなよ!恥ずかしーじゃねーか!もう一回だけだかんな。よく聞けよ」
ダンッと音を立てて前足を踏み込み、ブンブンと左右に上半身を振り回すケイティ。いきがっている不良が喧嘩の時にやりそうな行動だけどその顔は真っ赤になっている。
動き疲れたのか揺れが小さくなってやがて止まると今度は両手で頬を抑えて動かなくなった。その姿はまさしく顔を赤くして照れる美少女だ!まばらに生えた眉が乱れた前髪で隠れたから脳の錯覚で困って下がった眉があるように思ってしまう!
「・・・・・・バードンせんせい」
バードン センセイ ?
体育のバードン先生?ムキムキの、背が高い。教師として人気だけど三枚目なバードン先生?なぜに?他にもカッコイイ先生いるよ?
「い、良い先生だけどドコに惚れたの」
「どこって・・・・・・面白いし、すげー優しいんだよ。実習の時にさ、レイリリ、迷子になっただろ。そん時にさ、先生に知らせるためにキャンプまで走ってたら転んじまってよ。でもお前は一人で林の中だろ。アタシの怪我どころじゃねーからさ、そのまま走ったんだよ。んで、セラビーと一緒に先生達に報告してさ。そのまま皆とレイリリを探そうとしたんだ。
だけどアタシはバードン先生に引っ張られるように先生達のテントに引っ張られて救急箱の薬と包帯で手当てされたんだ。アタシはそれどころじゃないって怒ったんだけどよ。先生がさ『仲間を助けたいならまず自分を守れ。邪魔するなって言われても自分を守れない生徒を守るのが俺の役目だ』って真面目な顔して言うんだ。
アタシ、転校生してすぐだし学校なんて嫌いだからさ。『あんたの生徒なんかじゃねーよ。早くいかせろ』っていったのに、なのに先生は『お前が認めなくてもお前は俺の生徒だ』って言うんだぜ。手当てが終わったら「次はモブーナだ。絶対に見つけてやるから心配すんな」ってアタシの頭をめっちゃ強く撫でるんだぜ。そんで皆と合流したときにレイリリが戻って来たから先生がちょっと泣いてるの見ちまってさ。こんなん惚れちまうだろ」
顔を真っ赤にして語るケイティ。私が迷子になっている間にそんなことがあったなんて。バードン先生、心配させすぎて泣かせてしまいすみません。
「あの時は心配させてしまってごめんね」
あらためて迷子になったことを謝るとケイティが「しゃーなしに許してやっからよ。バードン先生のことたくさん教えろよ」と言ってきた。
残り少ない昼休みの間、私はコロッケパン、ケイティはジャムパンを食べながらバードン先生のことを話した。初めて受けた体育の授業のときにお調子者の男子が先生に彼女がいるか質問して「彼女はいない!奥さんもいない!誰か紹介してくれ!」と断言したことを教えるとケイティの目が輝いていた。そこからさらにケイティに質問攻めにあううちに予鈴がなって私達は大慌てで教室に戻った。
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