婚約話も持ってこられないモブ令嬢はとりあえずイモを植える

ピエ

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モブ的な校外魔法実習1

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爽やかな朝。ただいま5時です。鳥が鳴いています。天気は良いです。
だけど実習が終わると反省文5枚が待っている私の気分はどんよりしていたけど身支度を整える。
最後の集合時間は9時30分。これは帰宅前にスライムの核をいくつ集められたか確認するためと帰宅前に点呼をするためだ。それまでに私達はスライムの核を6個集める必要がある。

「おはあう。エイイイ」

後ろからほとんど目の開いていないケイティがなにかを言ってきた。彼女は早起きが苦手なようだ。

「おはよう。ケイティ。大丈夫?水は持ってる?顔を洗って目を覚ましたほうがいいよ」

「ふああぃ」

あくび混じりの返事が返ってきた。挨拶をしていると男子用のテントからセラビーも出てきた。

「おはよう。ケイティ、レイリリ。パンを食べながらわなを見にいこうか」

彼はケイティより目が開いていたものの眠たそうな声をしていた。

「おはああ、えあい゛ー」

「おはよう。セラビーも眠そうだね」

「うん。いつもはまだ寝ているからね。でも核のためには早起きしないとだめだから」

まだ眠たそうな二人が身支度を整えている間に私は朝食としてバターを塗ったパンを用意した。昨日はバターを使わないとこだわっていたケイティだけど眠たすぎて頭が働かないのか特に怒ったりせずバターを塗ったパンを渡すと受け取った。食べる時間を取るのがもったいなくて三人でモソモソとパンを食べながら川に向かった。


道を進みながら途中に仕掛けた罠を確認するけどスライムはいなかった。期待していた川のそばに仕掛けた罠もスライムが一匹もかかっていなかった。それどころか壊されている罠が増えていた。
ケイティの眉を剃った跡が眉間に寄る。

「スライム全部抹殺してやる!」

爽やかな朝をスライム汁で塗り潰す発言をするケイティ。そんな彼女をみてセラビーは苦笑いを浮かべていた。

「落ち着いて。スライムが壊したとは限らないよ。たとえスライムがやったとしても無鉄砲に突っ込んだら倒せないよ」

「そうだよ。ケイティ、落ち着いて。本当ならセラビーが一番怒ってるところなんだから。それに怒ったままだと上手くいかないよ」

セラビーと私でケイティをなだめると彼女は「スライム共、覚えてやがれ!」と悪役の言うセリフを吐いたのでセラビーが苦笑いを深くしていた。

スライムとの一回戦目はケイティの怒りが収まらずパラライズの命中率が下がっていた。しかし、スライムを逃してしまったことが彼女の集中力をあげたようで二回戦目からはパラライズの命中率がグンと上がった。
セラビーは戦闘で経験値が上がって攻撃魔法の威力が上がりスライムを倒す時間が短くなった。集合時間ギリギリになったけど二人のおかげでスライムの核が9個集まった。

私達はキャンプ地点に戻った。

「先生。スライムの核を9個集めました」

セラビーがグループの代表でチェック係のアメリア先生に集めた核を渡した。私とケイティは彼の後ろで待機する。

「はい、スライムの核9個確認しました。時間内に達成できましたね」

先生が優しく微笑んでくれたので補講は免れたと思った。

「でもね。残念だけどあなた達のチームは9位だったの。補講は嫌かもしれないけど皆より一日多く経験できると思って頑張ってね」

優しい微笑みのまま9位という順位を伝える先生。他の人は一日補講だけど私は追加で5枚の反省文です。せめて反省文はなしにしてもらえませんかと言いたいけど恥ずかしくて言えなかった。
いろいろとあった実習は無事?に終わることができた。
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