婚約話も持ってこられないモブ令嬢はとりあえずイモを植える

ピエ

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モブ的な校外魔法実習1

罠作戦1

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私達は林の端にある川に来た。スライムを狩るのに一番良い場所と判断したのは私達以外にもいてすでに他のグループがスライムと戦闘に入っている。
彼らの邪魔にならないようにセラビーの指示で川の下流を目指す。

「ところでさ、罠を仕掛けるために静かで人が少ない所を探すなら普通は上流を目指すもんじゃないの?」

ケイティの質問にセラビーが小さく首を振った。

「多分、きっと皆もそう思って上流に行くよ。ダンジョン攻略なら川の上流に向かうのが正しいと思う。
坂を上がるのはしんどいから自然と魔物も体力があって強いものが集まるし、基地を作るなら上から見下ろすことができる方が監視の目が届いて安全だからね。
だけど僕達はスライム狩りをするのが目的だから、僕は下流に向かうのが正しいと思うんだ」

「下流にスライムが集まっているの?スライムってあっちこっちにいるイメージだけど」

私がセラビーにたずねると彼はうなずいた。

「うん。実戦経験が少ないとはいえ僕達のレベルでも3人あつまればスライムを倒せる。だけど瀕死状態になると戦闘から逃げるスライムも多いはずだよ。
核を集めるために授業で使うスライムは弱いスライムだよね。弱くて瀕死のスライムが巣もないのに坂を上がるのは強い魔物と鉢合わせないように本能的に避けると思う。
そしてスライムにとって水は大事なものだから川から離れるのは考えにくいんだ。
だから安全で川がある場所を求めて下流に向かっていく。そう僕は思うんだ」

「なるほどね。その瀕死なスライムとなら攻撃力が低いあたし達でも戦えば勝てる。そういう算段だね」

「ええ。瀕死で注意力も散漫になるから罠にもかかりやすいと思ったんです」

「敬語なしっ」

「あっ、敬語を使わないのってきびしい」

セラビーは女子と話すときはいつも敬語。だからこ敬語を使わない話し方やケイティに敬語を注意されて困って笑う顔をするのを見るのは新鮮だった。
私達は他愛もない話をしながら歩いていった。
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