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モブ的な学校生活1

モブ女子、畑で子供の頃を振り返る。

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~回想 レイリリ・モブーナ 幼少期~
あれは私が子供のときの夢から始まった。その夢は自分視点でかごを両手にかかえていて、
そのかごの中にはたくさんの芋が入っていた。さつま芋、じゃがいも、里芋、山芋。芋がゴロゴロしていたわ。
なぜか私は焦りだして早く行かなければと走った。走って転んだ拍子にかごの芋達がゴロンゴロンと転がっていく。それを拾おうとした私の目の前に車が迫って……
目が覚めると前世で食べた芋とそれに関連する前世の記憶が私の中に誕生していた。小さい子供だったから前世の記憶だとわからなかったけど。
ベッドで目が覚めた私の隣に美味しそうなさつま芋が一個だけ転がっていた。まるで夢も前世のことも地続きの現実だと言わんばかりに・・・・・・。
小さな子供だった私は起きてすぐに私はお母さんのところへさつま芋を持っていったわ。

「あら、これは見たことがないわね。芋……かしら」
「うん!おいも!さつまいも!」
「あっ、またこの子ったらお父さんの倉庫に入ったの?いつ取ってきたの?」
「わかんない!あった!」
「古いものを商品として売りだしてしまったら困るわね。これはもう売り物にならないわ。うちで食べちゃいましょ」

普通なら見たことのない、ドコから持ってきたか分からない食べ物は食べないわよね。
だけど当時は貿易商のお父さんが珍しい食べ物を持って帰ってくるからお母さんは見たことがない食べ物に抵抗がなかったのよね。

「今日の朝は新作お芋のスープよ」
「さつまいもー!」
「ほお、芋のスープか。この黄色の具が芋だな」

スープの具にされたさつま芋は両親に好評だった。

「ふう。ごちそうさま。今日のスープはとびきり美味しかったよ。甘い芋を初めて食べたが誰かからもらったのか?」
「やだ。お父さん。仕事の倉庫からこの子が持ってきたのよ」
「おいおい、俺はここ半年ほどは芋なんて仕入れてないぞ。どういうことだ?」

食べたあとにさつま芋はドコで手に入れたのかという話になって、両親ともに身に覚えがない芋だからちょっとした騒ぎになったわ。

「お芋ぽん!」

騒ぎの最中にさつま芋を食べてご機嫌になった私はなぜかテーブルに向かって呪文を唱えてさつま芋をだした。
なぜさつま芋が出せると思ったのかやどうやって芋を生んだのかは理論的なことは今もよくわからない。ただ出せると直感的に思って実行したことは覚えている。
私が出した一つのさつま芋は母が「埋めたら育って増やせるはずよ」と畑に埋めて大事に育てて増やしていき、珍しい食材としてご近所に好評になった。
そしてもっと魔法を極めれば美味しいさつま芋がたくさん作れるのではないかという両親のススメで星・ルルーナ学院に進
学することにした。
~回想終了~




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