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モブ的な学校生活1
モブ女子。入学一ヶ月目で婚約破棄を目撃。
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ここは星・ルルーン学院。立派な魔法使いになるための魔法学院。この学院へ今年の春に入学した私。
歴史は浅く全校生徒100人に満たない小さな学校の星堂(星への祈りの場所)で全校集会で始まった婚約破棄騒動が起きていた。
「ディッチャ嬢、君との婚約は破棄する!」
「なぜですの!?私がなにをしたとおっしゃるのですか!?」
「なにをしたかだと!?自分で罪を認めるのならまだしもしらばっくれるのか!?これは私の従者が集めてきた数々の悪行の証拠品だ!」
只今、悪女と噂のご令嬢は婚約者に婚約破棄を告げられて、さらに証拠の品々を突きつけられ断罪されるシーンに突入しております。
断罪される悪女や婚約破棄したがる婚約者を他の生徒と混じって私は眺めていた。
「モブーナさん。この茶番、いつ終わるのかしらね?」
私に話しかけてきたのは背の高いボーイッシュな【カツレア】さん。赤い髪と緑色の目をした友達。
背が高くてスタイル抜群で胸も大きくて羨ましすぎなかっこいい美女が眉間に皺を寄せると周りで小さな黄色い声が上がった。
「いつ終わるのかしら~?先生達、どうしたのかな~?」
カツレアさんの怒りが爆発しそうで怖いし、クラスが同じ以外に接点がないせいで名前を覚えられないけど隣に並んだツンツンヘアの不良系の男子も怖い顔して怖い。
婚約のもつれを学校内で起こすなんてありえないことなのだから早く止めればいいのに先生たちは困った顔をして立っている。
「王家関係の二人の婚約破棄騒動だから先生たちも止めれないのですよ。早く終わるといいのですけどねえ」
騒動に乗じて男前な黒髪ロン毛がカツレアさんの隣に来た。カツレアさんの新しい従者アレックスと名乗る彼は薄く笑いながら私の心を読んだかのようにそう話した。
「モブーナさん、体調が悪くなったふりをして星堂を出てください。終わったら連絡しますので待ち合わせ場所はお芋の畑で。多分、このままだとお嬢様が乱入してしまいますので」
薄い笑顔のまま従者さんが私に小声で促す。立っているのに疲れたこともあり私は小さくうなずいた。
「カツレアさん。私、ちょっと気分が良くなくて……外で休みたいので一緒に出てくれませんか」
「具合が悪いの?モブーナさん歩けるかしら?肩をお貸しするわよ」
「歩くのは大丈夫。ちょっと休めば大丈夫だから」
肩を借りたら身長差でカツレアさんの腰に負担がかかるわ。それに抜け出すための仮病だし……。
嘘が嫌いなカツレアさんに悪いけど筋の通っていないことも嫌いで火魔法を使う彼女が暴れると星堂が崩壊してしまう危険があるし………。
婚約破棄騒動に注目されすぎているおかげで私はカツレアさんに付き添われて無事に星堂をでることができた。
保健室に行こうと言ってくれるカツレアさんに畑のほうが落ち着くからと説得して二人で学院の裏手にある畑のところまで来た。
この畑は偶然、学校の裏にある畑の持ち主が高齢化して売り出していたのを両親が「レイリリへの入学祝いよ!お芋の研究、がんばってね!」と買ってくれた畑だ。
「今日の午後も見事な謎芋1号の畑ね!朝と昼前に見たときも素晴らしかったわ!」
彼女がいう謎芋。実はジャガイモである。しかし本当ならこの世界にはない芋だ。
なぜ存在しない芋がこの学院の畑にあるのかというと私の魔法は無から前世で食べたことのある芋を生む力である。
歴史は浅く全校生徒100人に満たない小さな学校の星堂(星への祈りの場所)で全校集会で始まった婚約破棄騒動が起きていた。
「ディッチャ嬢、君との婚約は破棄する!」
「なぜですの!?私がなにをしたとおっしゃるのですか!?」
「なにをしたかだと!?自分で罪を認めるのならまだしもしらばっくれるのか!?これは私の従者が集めてきた数々の悪行の証拠品だ!」
只今、悪女と噂のご令嬢は婚約者に婚約破棄を告げられて、さらに証拠の品々を突きつけられ断罪されるシーンに突入しております。
断罪される悪女や婚約破棄したがる婚約者を他の生徒と混じって私は眺めていた。
「モブーナさん。この茶番、いつ終わるのかしらね?」
私に話しかけてきたのは背の高いボーイッシュな【カツレア】さん。赤い髪と緑色の目をした友達。
背が高くてスタイル抜群で胸も大きくて羨ましすぎなかっこいい美女が眉間に皺を寄せると周りで小さな黄色い声が上がった。
「いつ終わるのかしら~?先生達、どうしたのかな~?」
カツレアさんの怒りが爆発しそうで怖いし、クラスが同じ以外に接点がないせいで名前を覚えられないけど隣に並んだツンツンヘアの不良系の男子も怖い顔して怖い。
婚約のもつれを学校内で起こすなんてありえないことなのだから早く止めればいいのに先生たちは困った顔をして立っている。
「王家関係の二人の婚約破棄騒動だから先生たちも止めれないのですよ。早く終わるといいのですけどねえ」
騒動に乗じて男前な黒髪ロン毛がカツレアさんの隣に来た。カツレアさんの新しい従者アレックスと名乗る彼は薄く笑いながら私の心を読んだかのようにそう話した。
「モブーナさん、体調が悪くなったふりをして星堂を出てください。終わったら連絡しますので待ち合わせ場所はお芋の畑で。多分、このままだとお嬢様が乱入してしまいますので」
薄い笑顔のまま従者さんが私に小声で促す。立っているのに疲れたこともあり私は小さくうなずいた。
「カツレアさん。私、ちょっと気分が良くなくて……外で休みたいので一緒に出てくれませんか」
「具合が悪いの?モブーナさん歩けるかしら?肩をお貸しするわよ」
「歩くのは大丈夫。ちょっと休めば大丈夫だから」
肩を借りたら身長差でカツレアさんの腰に負担がかかるわ。それに抜け出すための仮病だし……。
嘘が嫌いなカツレアさんに悪いけど筋の通っていないことも嫌いで火魔法を使う彼女が暴れると星堂が崩壊してしまう危険があるし………。
婚約破棄騒動に注目されすぎているおかげで私はカツレアさんに付き添われて無事に星堂をでることができた。
保健室に行こうと言ってくれるカツレアさんに畑のほうが落ち着くからと説得して二人で学院の裏手にある畑のところまで来た。
この畑は偶然、学校の裏にある畑の持ち主が高齢化して売り出していたのを両親が「レイリリへの入学祝いよ!お芋の研究、がんばってね!」と買ってくれた畑だ。
「今日の午後も見事な謎芋1号の畑ね!朝と昼前に見たときも素晴らしかったわ!」
彼女がいう謎芋。実はジャガイモである。しかし本当ならこの世界にはない芋だ。
なぜ存在しない芋がこの学院の畑にあるのかというと私の魔法は無から前世で食べたことのある芋を生む力である。
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