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妖の琥珀 その1

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 僕は有働郁弥うどうふみや20歳、大学2年生だ。

 大学近くのマンションで下宿をしている。
 広さは1LDKでオートロック付きの3階。そこそこ快適な生活を送れている。

 趣味はゲームやアニメ等々、いわゆる2次元オタクってやつ? 超絶インドア。
 全然陽キャでもないから彼女とかもできたことはないし、特に仲のいい女の子とかもいない。
 つまり、童貞。そういうのも、ちょっとは興味あるけど、女の子と仲良くするくらいなら家でゲームしていたい……そう思っちゃう性格。
 まったら1人ですればいいし……なんつって。

 それでも僕なりにはまぁまぁ充実した大学生活だと思ってる。

 今日もバイトを終えて帰ってくると、適当に自炊して風呂に入る。
 僕は湯船にかるのが大好きだから1人でもお湯ためちゃう派。勿体無もったいないとか言わないで。

 そして寝室のベッドに潜り込んで寝落ちするまでスマホのゲーム。
 明日は大学もバイトも休みだから少し夜更ししちゃお……って思ったけどやっぱりすぐに寝てしまった。

 うん、いつも通りの毎日。


⸺⸺だと思っていたのに。


 寝落ちしてからどのくらい経っただろうか。たぶん日付回ったくらいだと思うけど……。

「ん……んん……」

 なんか股間がもぞもぞする。くすぐったいっていうか……。

「ぁっ……」

 気持ちいい……。


 寝ぼけながら身体を起こすと……。

「えっ誰!? ちょ、何してんの!?」

 布団の中がもっこりしていて、誰かが僕の股間をまさぐっていた。

「ちょ、やめ……んぁっ」

 僕は恐怖で後ずさり、ベッドの頭の方のヘッドボードへもたれかかった。

 すると、布団がめくれ、そこにいたのは……。


 猫耳のさわやかイケメンだった。

『ごめん、気持ち良くなかった?』
 彼は聞き心地のいい適度な低音ボイスで少し残念そうに言った。

「いや、そういう問題じゃなくて……。ふ、不法侵入で警察呼ぶぞ」
 僕がそう言うと、彼はぷっと吹き出した。

『俺、君以外には見えないから、警察呼んでも冷やかしだって怒られるよ?』

「何、言ってるの……?」

『俺、猫のあやかし琥珀こはく。よろしくね』
 彼はそう言って意地悪く微笑ほほえんだ。

「あやかし……? お、お化けってこと!?」
 
 ボクがそう言うと琥珀こはくはぷくーっとほおふくらませた。

『お化けって言い方下品だからやめて』
「君が今していたことは下品じゃないの!?」
 ボクは思わずそうツッコむ。

『あはは、確かに~。でも、気持ち良かったでしょ?』
「そ、それは……」
 
 ボクは言葉に詰まる。だって、気持ち良かったから……。

『ほら、続きするから、ジッとして』
 琥珀こはくはそう言ってボクの股に顔を埋めた。

「え、ちょ、やめ……」

 僕は恐怖でなのか何でなのか分からないけど、股を開いてヘッドボードにもたれかかったまま動けなくなっていた。

 もしかしてこれって金縛りかも!?

 そんな呑気のんきなことを考えていると、いつの間にか寝間着のズボンが脱がされていた。

「わぁ、いつの間に!? ってか寒っ!」

『寒い? ならこうしよう』
 琥珀こはくは自分ごと僕の下半身を毛布でおおった。

 これなら暖かいけど……何されてるか見えないよ。

 僕がドキドキしていると、僕の股間が何か生暖かいものでスッと撫でられた。
「ひゃぁっ、何、今の。何したの?」

『教えてあげなーい』
 毛布の中からそう聞こえてくる。

 するとすぐに、また同じ感触が僕の股間を襲った。

「あっ、また……! やぁ、ん、それ、ダメぇ……」

『何で駄目? もっと、でしょ?』
 
 何で駄目ってそんなの……。

「ひぁっ……んん……ぁっ、ぁぁ、だめって……!」

 気持ち良くて出そうになっちゃうからに決まってるでしょ……!?
 そんなのお構いなしに琥珀こはくの動きは更にエスカレートし、じゅぼっと音を立てて僕の股間全体が熱いものの中に入っていった。

「あぁんっ!」

 僕は思わず大きな声が出る。ってか僕って、こんな女みたいな声出るんだ……。

 ここで琥珀こはくはわざと毛布を少しまくり、何をしているのか僕へ見せつけてきた。

「ぁあっ、僕のちんこくわえてる……!?」

 この熱いものは琥珀こはくの口の中だったの?
 つまりフェラってこと? じゃぁ、さっきまでのは、琥珀こはくが僕の股間を舐めていたんだ……。

 琥珀こはくはじゅぼじゅぼと口を上下に動かし始める。

 その瞬間に僕はこれまでに感じたことのないような超絶の気持ち良さに襲われた。

「あっ! ああ! ああん、だめ、きもちぃ……はぁん、あああっ!」


 僕は琥珀こはくの口の中で果てた。






 
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