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26話 因縁
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⸺⸺ジルディス共和国、ギルド本部⸺⸺
この大陸の各国の要人が一斉に会している。そんなお偉いさん方の圧に押しつぶされそうになりながらも、何とか席に座っていた。
僕の両サイドに座るヴィルヘルムもアルフレッド兄様も全然物怖じしてない。すごいなぁ。でも、僕だって一国の王子なんだから、堂々としていれば良いんだよね。
会議では、ジルディス共和国の調査員による調査結果の報告がされていた。
その報告によると、ルガナの洞窟の魔物が半年前と比較して2ランクほどパワーアップしている事が分かった。
「そしてその原因がルガナの洞窟と最深部で繋がっている“ジルディス活火山”から流れてくる異常な量の“魔障”です」
活火山から魔障が? と、部屋中がざわつく。
魔障とは、魔物を倒した時に出る黒い霧の大元だ。それが長時間かけて魔物を形成し、その後は邪気として魔物の中に存在している。
「主に、その魔障が新たに強力な魔物を生み出しているものと、既に洞窟内に存在していた魔物にドーピングのように更なる力を与えているものと、2種類存在していました」
「その魔障の発生源は特定されているのかね」
と、どこかの国のお偉いさん。
「いえ、これ以上の探索は調査員に危険が及ぶと判断したため、現地での調査は出来ておりません。ですが、遠隔で魔障の測定を行ったところ、火山洞窟の火口付近から2年前のあの大災害と同じ濃度の魔障が検出されました」
「何だと……2年前の大災害だと……!?」
「 東方のあれか!」
辺りが一層ざわつく。東方の……2年前の大災害? なんだろう。心が急に締め付けられるような……。
その時、黙っていたヴィルヘルムが急にドカッと立ち上がった。
「……あの時の邪竜が復活したのか」
低く、唸るようにそう言う。
「目視が出来ている訳では無いので確証は持てませんが、あの邪竜と同等のものです」
と、調査員。
「……俺が行く。緊急討伐依頼を出せ」
ヴィルヘルムがそう言うと、彼に少し似ているおじさんも立ち上がった。
「ヴィルヘルムよ。ひとりで行くつもりか」
「いや、こいつと一緒に行く。見覚えあんだろ、このペンダント」
ヴィルヘルムは僕の首から下げているペンダントを少しだけ持ち上げた。
「それは……バルニエ王家に献上した召喚士のペンダント……! そうか、お前はルカ王子殿下と行動していたのだな……。分かった、私が正式に依頼を出そう」
ざわつく一同。更に立ち上がるアルフレッド兄様。
「本気なのかヴィリー。そんな危険なところにルカを連れて行くというのか」
「“ルカだから”連れて行くんだろうが。てめぇの弟を舐めてんじゃねぇ。こいつは俺の相棒だ。てめぇは口を挟むな」
「何だと……! 私だってルカの兄だぞ……!?」
ちょ、こんなところで喧嘩が……!
「お二方、静粛に!」
と、司会が注意をしてくれたおかげで2人は黙って席に着いた。
「ルーベン国王陛下、我々にも分かるよう、ご説明いただけますか?」
その司会に「うむ」と頷いたヴィルヘルム似のおじさんは、皆を見渡し口を開いた。
「2年前に我が東方の地に出現した未曾有の大災害、それは1体の竜によるものであり、我々は“邪竜”と名付けた。当時邪竜の討伐に当たったのが、ヴィルヘルム、私の倅だ」
えっ!? 国王の息子って事!? えっ!?
僕の頭は大パニック。だってヴィルヘルムは王族の召喚士に仕えていたって……あ、いや、でもだからといって自分が王族ではないとは言ってなかったか……。
「しかし、貴殿のご子息殿はその時相討ちになり、亡くなられたはずでは……? 本当に、その時のご本人様で……?」
と、どこかのお偉いさん。
「確かに我が息子はその時命を落とした。だが“ヴィルヘルム”はこうして生きている」
「???」
一同の頭上にハテナが飛び交うのが分かる。もちろん僕もだ。
「ご兄弟と、言うことでしょうか……?」
「そう受け取ってもらって構わん」
なんだろうそのルーベン国王陛下の意味深な返答は。更に彼はこう続けた。
「あの時の召喚士のペンダントよりも更に発動条件を強くしたものが、このルカ王子殿下の持つペンダントだ。もうあんな悲劇を生まぬよう、あえて強い条件を課したのだ。つまり、彼の召喚魔を操るセンスは“私の息子”を遥かに凌駕しておる。彼とヴィルヘルムになら、任せられる。むしろ、彼らしかおらん」
「なんと、そんなすごい召喚士様だったとは……」
と、盛り上がる一同。ね、僕も自分がそんなすごい召喚士様だったなんて知らなかったよ……。
会議は意見がまとまり無事終了。会議室にはルーベン国王陛下と僕たち3人だけが残った。
この大陸の各国の要人が一斉に会している。そんなお偉いさん方の圧に押しつぶされそうになりながらも、何とか席に座っていた。
僕の両サイドに座るヴィルヘルムもアルフレッド兄様も全然物怖じしてない。すごいなぁ。でも、僕だって一国の王子なんだから、堂々としていれば良いんだよね。
会議では、ジルディス共和国の調査員による調査結果の報告がされていた。
その報告によると、ルガナの洞窟の魔物が半年前と比較して2ランクほどパワーアップしている事が分かった。
「そしてその原因がルガナの洞窟と最深部で繋がっている“ジルディス活火山”から流れてくる異常な量の“魔障”です」
活火山から魔障が? と、部屋中がざわつく。
魔障とは、魔物を倒した時に出る黒い霧の大元だ。それが長時間かけて魔物を形成し、その後は邪気として魔物の中に存在している。
「主に、その魔障が新たに強力な魔物を生み出しているものと、既に洞窟内に存在していた魔物にドーピングのように更なる力を与えているものと、2種類存在していました」
「その魔障の発生源は特定されているのかね」
と、どこかの国のお偉いさん。
「いえ、これ以上の探索は調査員に危険が及ぶと判断したため、現地での調査は出来ておりません。ですが、遠隔で魔障の測定を行ったところ、火山洞窟の火口付近から2年前のあの大災害と同じ濃度の魔障が検出されました」
「何だと……2年前の大災害だと……!?」
「 東方のあれか!」
辺りが一層ざわつく。東方の……2年前の大災害? なんだろう。心が急に締め付けられるような……。
その時、黙っていたヴィルヘルムが急にドカッと立ち上がった。
「……あの時の邪竜が復活したのか」
低く、唸るようにそう言う。
「目視が出来ている訳では無いので確証は持てませんが、あの邪竜と同等のものです」
と、調査員。
「……俺が行く。緊急討伐依頼を出せ」
ヴィルヘルムがそう言うと、彼に少し似ているおじさんも立ち上がった。
「ヴィルヘルムよ。ひとりで行くつもりか」
「いや、こいつと一緒に行く。見覚えあんだろ、このペンダント」
ヴィルヘルムは僕の首から下げているペンダントを少しだけ持ち上げた。
「それは……バルニエ王家に献上した召喚士のペンダント……! そうか、お前はルカ王子殿下と行動していたのだな……。分かった、私が正式に依頼を出そう」
ざわつく一同。更に立ち上がるアルフレッド兄様。
「本気なのかヴィリー。そんな危険なところにルカを連れて行くというのか」
「“ルカだから”連れて行くんだろうが。てめぇの弟を舐めてんじゃねぇ。こいつは俺の相棒だ。てめぇは口を挟むな」
「何だと……! 私だってルカの兄だぞ……!?」
ちょ、こんなところで喧嘩が……!
「お二方、静粛に!」
と、司会が注意をしてくれたおかげで2人は黙って席に着いた。
「ルーベン国王陛下、我々にも分かるよう、ご説明いただけますか?」
その司会に「うむ」と頷いたヴィルヘルム似のおじさんは、皆を見渡し口を開いた。
「2年前に我が東方の地に出現した未曾有の大災害、それは1体の竜によるものであり、我々は“邪竜”と名付けた。当時邪竜の討伐に当たったのが、ヴィルヘルム、私の倅だ」
えっ!? 国王の息子って事!? えっ!?
僕の頭は大パニック。だってヴィルヘルムは王族の召喚士に仕えていたって……あ、いや、でもだからといって自分が王族ではないとは言ってなかったか……。
「しかし、貴殿のご子息殿はその時相討ちになり、亡くなられたはずでは……? 本当に、その時のご本人様で……?」
と、どこかのお偉いさん。
「確かに我が息子はその時命を落とした。だが“ヴィルヘルム”はこうして生きている」
「???」
一同の頭上にハテナが飛び交うのが分かる。もちろん僕もだ。
「ご兄弟と、言うことでしょうか……?」
「そう受け取ってもらって構わん」
なんだろうそのルーベン国王陛下の意味深な返答は。更に彼はこう続けた。
「あの時の召喚士のペンダントよりも更に発動条件を強くしたものが、このルカ王子殿下の持つペンダントだ。もうあんな悲劇を生まぬよう、あえて強い条件を課したのだ。つまり、彼の召喚魔を操るセンスは“私の息子”を遥かに凌駕しておる。彼とヴィルヘルムになら、任せられる。むしろ、彼らしかおらん」
「なんと、そんなすごい召喚士様だったとは……」
と、盛り上がる一同。ね、僕も自分がそんなすごい召喚士様だったなんて知らなかったよ……。
会議は意見がまとまり無事終了。会議室にはルーベン国王陛下と僕たち3人だけが残った。
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