【完結】婚約破棄された僕は過保護な王太子殿下とドS級冒険者に溺愛されながら召喚士としての新しい人生を歩みます

八神紫音

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10話 依頼受注

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「と言う事でヴィリーどうしよう、僕まだ戦えない!」
「てめぇ……やる気あんのか」
 ヴィルヘルムはブチ切れ寸前だ。 
「あるよ! だけど、すらにゃんは戦わせたくない……」
『きゅぅ……』
 すらにゃんに顔を埋めていじけると、ヴィルヘルムは諦めたようにため息を吐いた。

「……もうちょいマシな魔物をテイムするしかねぇな……」
「うん、そうしよう? さっきのダークウルフとかどうかな。強そう」
「あれは最低のGランクだ。雑魚だぞ」
「えっ、あれで!?」
『きゅっ!?』
「勢いだけあって攻撃の威力は大したことねぇんだ。だから"ストロングゼリー2号"も大してダメージ受けてねぇだろ」
「す・ら・にゃ・ん!」
『きゅ・きゅ・きゅ・う!』
 ぷくーっと頬を膨らませて不満をアピールすると、ヴィルヘルムにふんと鼻で笑われた。

「まぁ、西の"レスト大森林"ならこの平原よりもマシなレベルの魔物が徘徊してんな」
「おぉ、じゃぁそこに行こう!」
「レスト大森林の中には村がある。そこからの依頼が何かないかギルド支部に行って確かめる」
「了解です!」
『きゅぅ♪』
「すらにゃんって出しっぱなしで町に入ってもいいの?」
「基本的に目が赤く光ってねぇ魔物は邪魔にならなければ一緒に入れる。テイムした魔物だけじゃねぇ、ペットやなんかもそれに当たる」
「おぉ、じゃぁすらにゃんここでいい?」
 ローブのフードの中にすらにゃんを入れると、すらにゃんは嬉しそうに『きゅぅ♪』と鳴いた。

⸺⸺冒険者ギルド、フラリス支部⸺⸺

 依頼書が大量に貼ってあるコルクボードを、上から下まで順番に眺めていく。レスト大森林の中にある村の名前は"オウル村"。
「オウル……オウル……」
『きゅぅ、きゅぅ……きゅ!』
 僕の頭の上で一緒に探してくれていたすらにゃんが、身体の一部を指のように尖らせてある依頼書を指し示した。
「あっ、オウル村! すらにゃんすごいね、字読めるんだ!」
『きゅっきゅん♪』
 えっへん、と言っている。確かテイムした魔物の知識は召喚士に依存するんだったかな。
「見せろ、どれだ?」
 と、ヴィルヘルム。僕は「これだよ」と言って一枚の紙をコルクボードから剥がし、彼へと手渡し一緒に覗き込んだ。
「アラガミ様の討伐依頼……!? B級の依頼って……結構ヤバめ?」
「まぁ、F級のてめぇだけじゃぁ受けらんねぇ依頼だな。これ、受付に出してこい。パーティで受けるって一言言えばいい」
「うん、分かった」

 そのB級の依頼を受付へと持っていき、「パーティで受けたいです」と一言添える。すると、受付嬢は焦ったように僕のパーティの確認を始めた。
「あっ、先程のS級の方と一緒のパーティなんですね。こちらの依頼、B級の方がパーティを組んで挑んでもこの"アラガミ様"に勝てなく、A級に上げようかと思っていたところなんです。S級の方がご一緒なら問題ないかと思いますが、くれぐれもお気を付けくださいね。ルカ王子殿下に何かあってはアルフレッド王太子殿下が悲しみますので」
「あはは、分かりました、気を付けます」

 A級に上げようと思っていたなんて、大丈夫かな。依頼を受注してヴィルヘルムのもとへ戻り、事情を説明した。が、彼は一言「A級? だからなんだ、楽勝だろ」とだけ言った。
 何でだろう。その一言だけで、本当に大丈夫だって思える。

 僕とヴィルヘルムは酒場で昼食を済ますと、オウル村を目指してレスト大森林へと足を踏み入れた。
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