10 / 33
10話 依頼受注
しおりを挟む
「と言う事でヴィリーどうしよう、僕まだ戦えない!」
「てめぇ……やる気あんのか」
ヴィルヘルムはブチ切れ寸前だ。
「あるよ! だけど、すらにゃんは戦わせたくない……」
『きゅぅ……』
すらにゃんに顔を埋めていじけると、ヴィルヘルムは諦めたようにため息を吐いた。
「……もうちょいマシな魔物をテイムするしかねぇな……」
「うん、そうしよう? さっきのダークウルフとかどうかな。強そう」
「あれは最低のGランクだ。雑魚だぞ」
「えっ、あれで!?」
『きゅっ!?』
「勢いだけあって攻撃の威力は大したことねぇんだ。だから"ストロングゼリー2号"も大してダメージ受けてねぇだろ」
「す・ら・にゃ・ん!」
『きゅ・きゅ・きゅ・う!』
ぷくーっと頬を膨らませて不満をアピールすると、ヴィルヘルムにふんと鼻で笑われた。
「まぁ、西の"レスト大森林"ならこの平原よりもマシなレベルの魔物が徘徊してんな」
「おぉ、じゃぁそこに行こう!」
「レスト大森林の中には村がある。そこからの依頼が何かないかギルド支部に行って確かめる」
「了解です!」
『きゅぅ♪』
「すらにゃんって出しっぱなしで町に入ってもいいの?」
「基本的に目が赤く光ってねぇ魔物は邪魔にならなければ一緒に入れる。テイムした魔物だけじゃねぇ、ペットやなんかもそれに当たる」
「おぉ、じゃぁすらにゃんここでいい?」
ローブのフードの中にすらにゃんを入れると、すらにゃんは嬉しそうに『きゅぅ♪』と鳴いた。
⸺⸺冒険者ギルド、フラリス支部⸺⸺
依頼書が大量に貼ってあるコルクボードを、上から下まで順番に眺めていく。レスト大森林の中にある村の名前は"オウル村"。
「オウル……オウル……」
『きゅぅ、きゅぅ……きゅ!』
僕の頭の上で一緒に探してくれていたすらにゃんが、身体の一部を指のように尖らせてある依頼書を指し示した。
「あっ、オウル村! すらにゃんすごいね、字読めるんだ!」
『きゅっきゅん♪』
えっへん、と言っている。確かテイムした魔物の知識は召喚士に依存するんだったかな。
「見せろ、どれだ?」
と、ヴィルヘルム。僕は「これだよ」と言って一枚の紙をコルクボードから剥がし、彼へと手渡し一緒に覗き込んだ。
「アラガミ様の討伐依頼……!? B級の依頼って……結構ヤバめ?」
「まぁ、F級のてめぇだけじゃぁ受けらんねぇ依頼だな。これ、受付に出してこい。パーティで受けるって一言言えばいい」
「うん、分かった」
そのB級の依頼を受付へと持っていき、「パーティで受けたいです」と一言添える。すると、受付嬢は焦ったように僕のパーティの確認を始めた。
「あっ、先程のS級の方と一緒のパーティなんですね。こちらの依頼、B級の方がパーティを組んで挑んでもこの"アラガミ様"に勝てなく、A級に上げようかと思っていたところなんです。S級の方がご一緒なら問題ないかと思いますが、くれぐれもお気を付けくださいね。ルカ王子殿下に何かあってはアルフレッド王太子殿下が悲しみますので」
「あはは、分かりました、気を付けます」
A級に上げようと思っていたなんて、大丈夫かな。依頼を受注してヴィルヘルムのもとへ戻り、事情を説明した。が、彼は一言「A級? だからなんだ、楽勝だろ」とだけ言った。
何でだろう。その一言だけで、本当に大丈夫だって思える。
僕とヴィルヘルムは酒場で昼食を済ますと、オウル村を目指してレスト大森林へと足を踏み入れた。
「てめぇ……やる気あんのか」
ヴィルヘルムはブチ切れ寸前だ。
「あるよ! だけど、すらにゃんは戦わせたくない……」
『きゅぅ……』
すらにゃんに顔を埋めていじけると、ヴィルヘルムは諦めたようにため息を吐いた。
「……もうちょいマシな魔物をテイムするしかねぇな……」
「うん、そうしよう? さっきのダークウルフとかどうかな。強そう」
「あれは最低のGランクだ。雑魚だぞ」
「えっ、あれで!?」
『きゅっ!?』
「勢いだけあって攻撃の威力は大したことねぇんだ。だから"ストロングゼリー2号"も大してダメージ受けてねぇだろ」
「す・ら・にゃ・ん!」
『きゅ・きゅ・きゅ・う!』
ぷくーっと頬を膨らませて不満をアピールすると、ヴィルヘルムにふんと鼻で笑われた。
「まぁ、西の"レスト大森林"ならこの平原よりもマシなレベルの魔物が徘徊してんな」
「おぉ、じゃぁそこに行こう!」
「レスト大森林の中には村がある。そこからの依頼が何かないかギルド支部に行って確かめる」
「了解です!」
『きゅぅ♪』
「すらにゃんって出しっぱなしで町に入ってもいいの?」
「基本的に目が赤く光ってねぇ魔物は邪魔にならなければ一緒に入れる。テイムした魔物だけじゃねぇ、ペットやなんかもそれに当たる」
「おぉ、じゃぁすらにゃんここでいい?」
ローブのフードの中にすらにゃんを入れると、すらにゃんは嬉しそうに『きゅぅ♪』と鳴いた。
⸺⸺冒険者ギルド、フラリス支部⸺⸺
依頼書が大量に貼ってあるコルクボードを、上から下まで順番に眺めていく。レスト大森林の中にある村の名前は"オウル村"。
「オウル……オウル……」
『きゅぅ、きゅぅ……きゅ!』
僕の頭の上で一緒に探してくれていたすらにゃんが、身体の一部を指のように尖らせてある依頼書を指し示した。
「あっ、オウル村! すらにゃんすごいね、字読めるんだ!」
『きゅっきゅん♪』
えっへん、と言っている。確かテイムした魔物の知識は召喚士に依存するんだったかな。
「見せろ、どれだ?」
と、ヴィルヘルム。僕は「これだよ」と言って一枚の紙をコルクボードから剥がし、彼へと手渡し一緒に覗き込んだ。
「アラガミ様の討伐依頼……!? B級の依頼って……結構ヤバめ?」
「まぁ、F級のてめぇだけじゃぁ受けらんねぇ依頼だな。これ、受付に出してこい。パーティで受けるって一言言えばいい」
「うん、分かった」
そのB級の依頼を受付へと持っていき、「パーティで受けたいです」と一言添える。すると、受付嬢は焦ったように僕のパーティの確認を始めた。
「あっ、先程のS級の方と一緒のパーティなんですね。こちらの依頼、B級の方がパーティを組んで挑んでもこの"アラガミ様"に勝てなく、A級に上げようかと思っていたところなんです。S級の方がご一緒なら問題ないかと思いますが、くれぐれもお気を付けくださいね。ルカ王子殿下に何かあってはアルフレッド王太子殿下が悲しみますので」
「あはは、分かりました、気を付けます」
A級に上げようと思っていたなんて、大丈夫かな。依頼を受注してヴィルヘルムのもとへ戻り、事情を説明した。が、彼は一言「A級? だからなんだ、楽勝だろ」とだけ言った。
何でだろう。その一言だけで、本当に大丈夫だって思える。
僕とヴィルヘルムは酒場で昼食を済ますと、オウル村を目指してレスト大森林へと足を踏み入れた。
459
あなたにおすすめの小説
追放オメガ聖帝の幸せな結婚〜クールなスパダリ騎士に拾われて溺愛されるまで〜
あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
ノルディーナ王国の聖帝サーナは、教皇のありもしない嘘のせいで聖宮から追放されてしまう。
行く当てがないサーナが国境に向かうと、そこで隣国ルミルカ王国の騎士であるムーシュと出会う。ムーシュから諸事情により偽装結婚を提案されて、サーナは期限付きの偽装結婚ならばよいと承諾し、一時的に保護してもらうことに。
異国暮らしに慣れていく中で、やがてムーシュから溺愛されるようになり……?
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
聖女召喚の巻き添えで喚ばれた「オマケ」の男子高校生ですが、魔王様の「抱き枕」として重宝されています
八百屋 成美
BL
聖女召喚に巻き込まれて異世界に来た主人公。聖女は優遇されるが、魔力のない主人公は城から追い出され、魔の森へ捨てられる。
そこで出会ったのは、強大な魔力ゆえに不眠症に悩む魔王。なぜか主人公の「匂い」や「体温」だけが魔王を安眠させることができると判明し、魔王城で「生きた抱き枕」として飼われることになる。
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
炎の精霊王の愛に満ちて
陽花紫
BL
異世界転移してしまったミヤは、森の中で寒さに震えていた。暖をとるために焚火をすれば、そこから精霊王フレアが姿を現す。
悪しき魔術師によって封印されていたフレアはその礼として「願いをひとつ叶えてやろう」とミヤ告げる。しかし無欲なミヤには、願いなど浮かばなかった。フレアはミヤに欲望を与え、いまいちど願いを尋ねる。
ミヤは答えた。「俺を、愛して」
小説家になろうにも掲載中です。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
【連載版あり】「頭をなでてほしい」と、部下に要求された騎士団長の苦悩
ゆらり
BL
「頭をなでてほしい」と、人外レベルに強い無表情な新人騎士に要求されて、断り切れずに頭を撫で回したあげくに、深淵にはまり込んでしまう騎士団長のお話。リハビリ自家発電小説。一話完結です。
※加筆修正が加えられています。投稿初日とは誤差があります。ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる