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4話 頼りになるS級冒険者

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 さっきジークとギルド団員証をかざしたとき、ジークのカードの方が上になって、彼のステータスがチラッと見えてしまった。

 年齢は僕の4つ上の22歳。そして……。

「ごめんジーク、さっき団員証、見えちゃったんだけど……」
「ん? 何か気になったか?」

「ジークってS級冒険者なんだね! すごいね、通りで強い訳だ」
「はは、バレたか。まぁ、あっちこっち旅してたら、いつの間にかS級になってたよ」

「ホントすごいよ。僕と4つしか歳も変わらないのに……」

 4歳年上……? あれ、なんだっけ、何かあったような……。ダメだ、やっぱり思い出せないや。

「まぁ、ガキの頃から強くなりたくて必死に特訓してたからなぁ」

「どうして、そんなに強くなりたかったの?」

「まぁ……何となくだよ……」
 ジークはそう言って寂しそうに笑った。しまった、僕聞いちゃいけないこと聞いちゃったかな。

「あ、ごめんね、会ってすぐなのに、こんなズケズケと聞いちゃって……何でだろう、ジーク、話しやすいからかな……ホントごめん」

「うん? いやいや、全然良いんだ。せっかくパーティ組んだんだし、ノアのことも聞いていいか?」

「うん、僕、多分つまんない人間だけど、何でも聞いて?」

「そんな自分をつまんないなんて言うなよ。じゃ、遠慮なく……。ノアはどこで生まれてどこで育ったんだ?」

「僕は、生まれも育ちも田舎の町カルムってところだよ。多分知らないと思うけど……」

「カルムか。のどかで良い町だって聞いたことあるぞ」

「わー、すごい、知ってるんだぁ……。うん、本当に良い町なんだよ。何もないけど、空気はすごく美味しいよ」

「そっか、一度行ってみたいなぁ。そうだ、今度案内してくれよ」

「え、ホントに何にもないけど、いいの?」

「いいの。冒険がてら行ってみたいんだ」

「そっか、なら、早速明日行く? 丸1日くらいかかっちゃうけど……」

「ありがとう。行く行く。なら今日ここで旅費稼がないとな」

「うん、そうだね。頑張ろう」


 僕たちはどんどん洞窟の奥まで潜り、次々に魔物を蹴散らしていった。
 と言っても、ほとんどジークが倒したけど……。

 彼はめちゃくちゃ頼りになる冒険者で、常に僕と魔物の間に位置取りをして、僕が絶対に魔物の攻撃を食らわないようにしてくれていた。

 そんな強くて頼りになって、オマケに優しい彼に、僕はちょっと惹かれていた。

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