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第一章
第二話「赭は、再会の色。」その伍
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「和志……?!久しぶりやね。なんでうちに?」
最後に見た和志と一致しなくて少し驚いた。背は随分伸びたし、畑仕事の影響か筋肉もついていた。
「お祖母さんに用事があって……悠姉ちゃんこそ、親の仕事の都合で名古屋に引っ越したのに何で……てっきり、次会うのはもっと先やと思ってた」
「私は毎年、夏休みとか、冬休みに宮崎に来てるじゃない……って、それは知ってるか。和志、ここ5年くらい顔出しとらんかったやろ?」
そう。祖父母の家では、元日に親戚が集まってお節料理を食べるのが恒例だ。なのに、和志は私が中学生になった頃から出席しなくなった。
「ああ……そうやな。ごめん、いろいろあって」
そう言った和志の表情が少し暗くなったように感じて、なんとなく、深く聞いてはいけないと思った。
「それは全然いいんやけど……あ、ねえ、和志すごい背伸びたね!」
和志の表情が、口元が、綻んだ。私は内心ほっとする。しばらく会えていなかったから、いきなり成長したように見えたけれど、その無邪気な笑顔は昔と変わっていなかった。和志の目に、5年越しの私はどう映っているのだろう。
「やっと悠姉ちゃん追い越せたなぁ。悠姉ちゃん、身長高かったから……」
私は6年生の頃160cmで、周りと比べると身長が高かった。しかしその分、成長期が終わるのが早く、中学校3年間では5cm程しか伸びていない。ストレスで寝付けなかったせいもあるかもしれないというのは、置いておいて。私の目の前にいる和志は、かなりの高身長。会わない間に成長したんだと思うと微笑ましくなった。
「やね。久しぶりにあったらこんなに成長しとって、驚いたよ」
「成長……って。親みたいな言い方、せんでよ。」
「ごめんごめん。かっこいいよ」
和志は目を見開き、顔を赤くした。手を顔に押さえ付けてため息を漏らすと、脱線した話を元に戻した。
「ところで、お祖母さんは……差し入れ、あるんやけど」
最後に見た和志と一致しなくて少し驚いた。背は随分伸びたし、畑仕事の影響か筋肉もついていた。
「お祖母さんに用事があって……悠姉ちゃんこそ、親の仕事の都合で名古屋に引っ越したのに何で……てっきり、次会うのはもっと先やと思ってた」
「私は毎年、夏休みとか、冬休みに宮崎に来てるじゃない……って、それは知ってるか。和志、ここ5年くらい顔出しとらんかったやろ?」
そう。祖父母の家では、元日に親戚が集まってお節料理を食べるのが恒例だ。なのに、和志は私が中学生になった頃から出席しなくなった。
「ああ……そうやな。ごめん、いろいろあって」
そう言った和志の表情が少し暗くなったように感じて、なんとなく、深く聞いてはいけないと思った。
「それは全然いいんやけど……あ、ねえ、和志すごい背伸びたね!」
和志の表情が、口元が、綻んだ。私は内心ほっとする。しばらく会えていなかったから、いきなり成長したように見えたけれど、その無邪気な笑顔は昔と変わっていなかった。和志の目に、5年越しの私はどう映っているのだろう。
「やっと悠姉ちゃん追い越せたなぁ。悠姉ちゃん、身長高かったから……」
私は6年生の頃160cmで、周りと比べると身長が高かった。しかしその分、成長期が終わるのが早く、中学校3年間では5cm程しか伸びていない。ストレスで寝付けなかったせいもあるかもしれないというのは、置いておいて。私の目の前にいる和志は、かなりの高身長。会わない間に成長したんだと思うと微笑ましくなった。
「やね。久しぶりにあったらこんなに成長しとって、驚いたよ」
「成長……って。親みたいな言い方、せんでよ。」
「ごめんごめん。かっこいいよ」
和志は目を見開き、顔を赤くした。手を顔に押さえ付けてため息を漏らすと、脱線した話を元に戻した。
「ところで、お祖母さんは……差し入れ、あるんやけど」
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