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38 ニヤける
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「ハハハ、その笑顔は⋯。わかり易いなぁ、でもどちらかというとさっきまでの気持ち悪いものを見るような目の方が私の好みではあるんだが、まぁその笑顔も悪くない」
この御方どんなフェチなんだ。
また私は辛辣な目を辺境伯に向けた。
「それそれ、いいねぇ。マイラ、君は伯爵に感謝すべきだな。彼が味方になった事で君のこれからの人生はきっと薔薇色じゃないかな」
それは当然、お義父様には感謝していますがおそらく私が思ってる考えのことではないような?
「伯爵こうなる事がわかっていたんだろう、君は」
「なんのことでしょう?」
「とぼけても無駄無駄。私がマイラを気に入ることが君にはわかってたんだ。マイラは義姉上に似ているからね」
私が王妃様に似てる?
いやナイナイナイナイ。
「フフだからマイラわかり易いって。伯爵は私の弱みを知ってるんだよ、おそらくね。だからそれを立てに取って後押しをお願いするというフリで話し始めた。最初から弱みを立てに君を私の養女にする方をお願いする事も出来たのにね。ただ最初からそれをしていたら断ってたけどね。それも見越して君を連れて話に来たのさ。あ~まぁしょうがないからその手に乗ってあげる」
そうか、言われてみればそうなんだ。
お義父様⋯⋯尊敬します。
私はお義父様を見上げる、きっとそこには貴方を崇めるまなこが映っているでしょう。
「マイラ、その目はやめてくれ⋯」
お義父様は私の賞賛の目を照れて否定していますがお顔は笑っております。
満更でもない?
「さて、先の第二王子が何故隔離されてるか知っているかな伯爵」
「いえそこまでは知りえません。醜聞にはなりますので処分される方が妥当だとは思ってましたが」
「まぁね、その方が楽かな王家にはね。まぁまだ使いみちもあるにはあるからさ。マイラ、知ってるだろうけど君の父上は最低な男なんだよ」
「知っております、私の想像以上でした」
「もっと想像できない事教えてあげるよ、今度ね。その前に養女の手続きの流れを伯爵と話したいから、君はここからは蚊帳の外だ。成人してはいるけれどまだ君は世間知らずすぎる。まだ庇護下にいるといい。案内させるから邸でも見物していればいいよ」
そう言ってお義父様と辺境伯はお邸に戻られました。
私の側には侍女が一人と騎士が二人残ってます。
彼らが案内役なのでしょう。
その前に考えをまとめて見たくてお茶のお代りをお願いしました。
お代わりはハーブティーを淹れてくれたのですが、前述の通り私はカモミールティーしか前世で飲んだことがないため、このお茶の種類がわかりません。
少しジンジャーエールを温めたような匂いと味がします。
「イライラ解消の気持ちを落ち着かせる効果と眼精疲労を助ける効果のあるお茶にしております。旦那様とお話しされると皆様一様にお疲れになられますので、お含み頂いてから飲むと効果が上がります」
普段からあの御方は人を不快にさせているんですね。
侍女の物言いはきっと不敬に当たるのだろうけど騎士様達も平然としているから、ここでは当たり前の事なんだろうな。
目まぐるしく周りが変わってくる。
両親の事や、シルバー伯爵家の想い、そして私のこれから。
前にも思ったけれど私のちょっとした家出が段々と大事になってくる。
でもそうしなければ私は幸せにはなれないと思うの。
この先を導いてくれたアル
貴方は今、何をしているかな?
愛しい人を思い浮かべて恋する乙女の顔になるはずが、ニヤけて気持ちの悪い顔になってくる。
辺境伯のニヤニヤ顔もついでに思いだして。あぁ私は辺境伯に似ているなと落ち込んでしまった。
この御方どんなフェチなんだ。
また私は辛辣な目を辺境伯に向けた。
「それそれ、いいねぇ。マイラ、君は伯爵に感謝すべきだな。彼が味方になった事で君のこれからの人生はきっと薔薇色じゃないかな」
それは当然、お義父様には感謝していますがおそらく私が思ってる考えのことではないような?
「伯爵こうなる事がわかっていたんだろう、君は」
「なんのことでしょう?」
「とぼけても無駄無駄。私がマイラを気に入ることが君にはわかってたんだ。マイラは義姉上に似ているからね」
私が王妃様に似てる?
いやナイナイナイナイ。
「フフだからマイラわかり易いって。伯爵は私の弱みを知ってるんだよ、おそらくね。だからそれを立てに取って後押しをお願いするというフリで話し始めた。最初から弱みを立てに君を私の養女にする方をお願いする事も出来たのにね。ただ最初からそれをしていたら断ってたけどね。それも見越して君を連れて話に来たのさ。あ~まぁしょうがないからその手に乗ってあげる」
そうか、言われてみればそうなんだ。
お義父様⋯⋯尊敬します。
私はお義父様を見上げる、きっとそこには貴方を崇めるまなこが映っているでしょう。
「マイラ、その目はやめてくれ⋯」
お義父様は私の賞賛の目を照れて否定していますがお顔は笑っております。
満更でもない?
「さて、先の第二王子が何故隔離されてるか知っているかな伯爵」
「いえそこまでは知りえません。醜聞にはなりますので処分される方が妥当だとは思ってましたが」
「まぁね、その方が楽かな王家にはね。まぁまだ使いみちもあるにはあるからさ。マイラ、知ってるだろうけど君の父上は最低な男なんだよ」
「知っております、私の想像以上でした」
「もっと想像できない事教えてあげるよ、今度ね。その前に養女の手続きの流れを伯爵と話したいから、君はここからは蚊帳の外だ。成人してはいるけれどまだ君は世間知らずすぎる。まだ庇護下にいるといい。案内させるから邸でも見物していればいいよ」
そう言ってお義父様と辺境伯はお邸に戻られました。
私の側には侍女が一人と騎士が二人残ってます。
彼らが案内役なのでしょう。
その前に考えをまとめて見たくてお茶のお代りをお願いしました。
お代わりはハーブティーを淹れてくれたのですが、前述の通り私はカモミールティーしか前世で飲んだことがないため、このお茶の種類がわかりません。
少しジンジャーエールを温めたような匂いと味がします。
「イライラ解消の気持ちを落ち着かせる効果と眼精疲労を助ける効果のあるお茶にしております。旦那様とお話しされると皆様一様にお疲れになられますので、お含み頂いてから飲むと効果が上がります」
普段からあの御方は人を不快にさせているんですね。
侍女の物言いはきっと不敬に当たるのだろうけど騎士様達も平然としているから、ここでは当たり前の事なんだろうな。
目まぐるしく周りが変わってくる。
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前にも思ったけれど私のちょっとした家出が段々と大事になってくる。
でもそうしなければ私は幸せにはなれないと思うの。
この先を導いてくれたアル
貴方は今、何をしているかな?
愛しい人を思い浮かべて恋する乙女の顔になるはずが、ニヤけて気持ちの悪い顔になってくる。
辺境伯のニヤニヤ顔もついでに思いだして。あぁ私は辺境伯に似ているなと落ち込んでしまった。
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