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26 独占欲
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雨は思ったよりも強くなかったので今日中に少しでも進もうと言うことになり、1時間ほど休憩したあとに出発しました。
ミナさんのお兄様は騎馬でご一緒するそうです。
お義父様が少し飛ばすから眠気が来たら寝ていいと言ってくれましたが、寝顔を見られるのは淑女として有るまじき行いなので目に力を入れて踏ん張りましたが、いつの間にか寝ていました。
起こされた時は、辺りが真っ暗で本日のお宿に着いた所でした。
私⋯寝すぎでしょ。
馬車を降りるといい匂い(端ない)
お昼も食べずに寝てたらしいです、ミナさんに「起こしたんですけどすみません」と謝られましたが、全くもって私が悪いです。
夜更かししてたからかなぁ
昼間にたっぷり寝たせいでその日は眠れなくてどうしようと思っていたら、ミナさんが眠れないならと言ってハーブティーを入れてくれました。
これはカモミールティーだと思います。
前世で唯一飲んだことのあるハーブティーです。
懐かしさも合って匂いを十分に楽しみながら飲みます。
ずっと気にしていたみたいでミナさんがヤイナさんの話しを始めました。
私も忘れたふりして気になっていたので少し身を乗り出して聞きます。
「ヤイナはずっと勝手に勘違いしていたんです」
「勘違いですか?」
「そうです、世にも恐ろしい勘違い女だったんです、ヤイナは」
2年ほど前に子爵家からアルに婿入りの話があったそうです。
でも常日頃からアルは結婚しないと宣言していたのでお断りしたらしく、その時にリース様とお義父様が執務室で「アルは幼馴染が好きだ」っていう会話をしてて、それが自分だと思いこんでいたそうです。
ヤイナさんはアルが7歳で王都に行くまでは、伯爵家に何人か呼ばれるリース様やアルの遊び相手に選ばれた子の中の一人だったそうで、あながち幼馴染だと思いこむのもわからんでもない勘違い。
でも当のアルはヤイナさんの子供の時のことを覚えてないとミナさんは言っていました。
「今回マイラ様が奥様やアル様に連れられて伯爵家に来られた時に自分の勘違いに気付いたみたいなんです。それで終わればよかったんですけどねぇ」
「終わらなかったんですか?」
「ヤイナは勘違いしてる間、アル様がいつかプロポーズしてくれると思いこんでいたんで、自分からはアプローチせずにおとなしくしてたんです」
うんうん、ん?アプローチ?
「シルバー伯爵家のご子息は二人とも見目がよろしいでしょう、だから侍女見習いには応募が殺到するんです。
でもご子息に色目を使ったりする娘も多くて、そういう娘は直ぐに外されてお暇をってコースで、今まで何人もいたんですよそういう娘が、でも勘違いヤイナは悠長にしてたので、周りには好ましく思われてました。今回勘違いがわかるまでは」
(まさか⋯⋯。)
「そうなんですよぉ、自分の勘違いに気づいてから、こうしちゃいられない位思ったんでしょうね、まぁ勘違い女の気持ちはわかりませんが、急にアプローチしだしてアル様の逆鱗に触れてました。でもティナにはあまり詳しい事は言ってなかったので、ただの配置転換との認識だったからですね。今朝の失態は」
私がこちらに来た初日にはヤイナさんのやらかしで配置転換していた事をティナさんはあまり重く受け止めてなくて、今朝は忙しかったからヤイナさんに起こしに行くのを任せてしまったんじゃないかとミナさんは言います。
「本来は自分の持ち場と違う所で働くには家人の命令か侍女長、執事様の指示以外ではしてはいけない決まりがあるんです。ヤイナが親切で言ったとしてもティナは断らないといけない立場で、強引に言われたとしても止めないといけなかったのに止められなかったって言ってましたからねぇ。相当強引だったかヤイナが突っ走ったかですね」
「そうだったのですね⋯⋯それじゃあヤイナさんは」
「おそらくお暇を頂くのではないでしょうか、既に配置転換された後の行動ですから、今までの娘達と同じ処遇になると思います」
「そうですか」
始まりが勘違いなのでなんとなく気の毒に思う反面、ホッとしている私です。
アルのそばに女の子がいるのが嫌だなってちょっと思ってしまいました。
私は嫌だけど婚約者がいる分際で何言ってるんですかね。
でもこれって⋯⋯独占欲⋯⋯では?
また私の初めてが増えました。
ミナさんのお兄様は騎馬でご一緒するそうです。
お義父様が少し飛ばすから眠気が来たら寝ていいと言ってくれましたが、寝顔を見られるのは淑女として有るまじき行いなので目に力を入れて踏ん張りましたが、いつの間にか寝ていました。
起こされた時は、辺りが真っ暗で本日のお宿に着いた所でした。
私⋯寝すぎでしょ。
馬車を降りるといい匂い(端ない)
お昼も食べずに寝てたらしいです、ミナさんに「起こしたんですけどすみません」と謝られましたが、全くもって私が悪いです。
夜更かししてたからかなぁ
昼間にたっぷり寝たせいでその日は眠れなくてどうしようと思っていたら、ミナさんが眠れないならと言ってハーブティーを入れてくれました。
これはカモミールティーだと思います。
前世で唯一飲んだことのあるハーブティーです。
懐かしさも合って匂いを十分に楽しみながら飲みます。
ずっと気にしていたみたいでミナさんがヤイナさんの話しを始めました。
私も忘れたふりして気になっていたので少し身を乗り出して聞きます。
「ヤイナはずっと勝手に勘違いしていたんです」
「勘違いですか?」
「そうです、世にも恐ろしい勘違い女だったんです、ヤイナは」
2年ほど前に子爵家からアルに婿入りの話があったそうです。
でも常日頃からアルは結婚しないと宣言していたのでお断りしたらしく、その時にリース様とお義父様が執務室で「アルは幼馴染が好きだ」っていう会話をしてて、それが自分だと思いこんでいたそうです。
ヤイナさんはアルが7歳で王都に行くまでは、伯爵家に何人か呼ばれるリース様やアルの遊び相手に選ばれた子の中の一人だったそうで、あながち幼馴染だと思いこむのもわからんでもない勘違い。
でも当のアルはヤイナさんの子供の時のことを覚えてないとミナさんは言っていました。
「今回マイラ様が奥様やアル様に連れられて伯爵家に来られた時に自分の勘違いに気付いたみたいなんです。それで終わればよかったんですけどねぇ」
「終わらなかったんですか?」
「ヤイナは勘違いしてる間、アル様がいつかプロポーズしてくれると思いこんでいたんで、自分からはアプローチせずにおとなしくしてたんです」
うんうん、ん?アプローチ?
「シルバー伯爵家のご子息は二人とも見目がよろしいでしょう、だから侍女見習いには応募が殺到するんです。
でもご子息に色目を使ったりする娘も多くて、そういう娘は直ぐに外されてお暇をってコースで、今まで何人もいたんですよそういう娘が、でも勘違いヤイナは悠長にしてたので、周りには好ましく思われてました。今回勘違いがわかるまでは」
(まさか⋯⋯。)
「そうなんですよぉ、自分の勘違いに気づいてから、こうしちゃいられない位思ったんでしょうね、まぁ勘違い女の気持ちはわかりませんが、急にアプローチしだしてアル様の逆鱗に触れてました。でもティナにはあまり詳しい事は言ってなかったので、ただの配置転換との認識だったからですね。今朝の失態は」
私がこちらに来た初日にはヤイナさんのやらかしで配置転換していた事をティナさんはあまり重く受け止めてなくて、今朝は忙しかったからヤイナさんに起こしに行くのを任せてしまったんじゃないかとミナさんは言います。
「本来は自分の持ち場と違う所で働くには家人の命令か侍女長、執事様の指示以外ではしてはいけない決まりがあるんです。ヤイナが親切で言ったとしてもティナは断らないといけない立場で、強引に言われたとしても止めないといけなかったのに止められなかったって言ってましたからねぇ。相当強引だったかヤイナが突っ走ったかですね」
「そうだったのですね⋯⋯それじゃあヤイナさんは」
「おそらくお暇を頂くのではないでしょうか、既に配置転換された後の行動ですから、今までの娘達と同じ処遇になると思います」
「そうですか」
始まりが勘違いなのでなんとなく気の毒に思う反面、ホッとしている私です。
アルのそばに女の子がいるのが嫌だなってちょっと思ってしまいました。
私は嫌だけど婚約者がいる分際で何言ってるんですかね。
でもこれって⋯⋯独占欲⋯⋯では?
また私の初めてが増えました。
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