逃げるが価値

maruko

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20 夢

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翌朝は少し寝坊したのかもしれません。
起きたときにはミナさんが既に部屋にいて朝仕度用のお湯とタオルを用意してくれてました。

「おはようございますミナさん」

「マイラ様おはようございます、昨夜は眠れましたか?」

「最初は興奮しちゃって寝れなくて、少し遅くまで起きていたかもしれません。寝坊してしまってますか?」

「まだ大丈夫ですよ、朝のお仕度のお手伝いいたしますね、本日のお召し物はどうされますか?」

「動きやすいものでお願いしたいです」

ベッドから起きて顔を洗ってからドレッサーに座ってサラお義母様が用意してくださった化粧水をつけます。
たっぷりつけてクリームをつけたら、ミナさんが選んでくれたワンピースを着てそれからドレッサーに戻って髪を整えてもらいます。

きっとこれが当たり前の令嬢の朝なのでしょう。

今の一連の流れは宿に泊まっていた時のサラお義母様の真似をしてみました。

これも、初めてです。

アルとサラお義母様に会ってから私は初めてだらけです。

「マイラ様、明日からアルフォンソ様が学園の寮に戻られるので寂しくなりますね」

「そうなの?そう、そうですよね。アルはまだ学生でした。今回は師匠様のお迎えで学園をお休みしていたのですか?」

「そうですね、それと奥様が王妃様に呼ばれてたのでご機嫌伺いも兼ねて行かれてました。王妃様のご都合に合わせたので学園をお休みしたみたいですよ」

なんと、サラお義母様と王妃様は学園の同級生で、親友の間柄だそうです。
サラお義母様って凄い。

「私も試験がありましたので、ご一緒に連れて行って頂きました。そして王妃様にお会いする事も叶って、とても緊張しました」

「ミナさん凄いです!王妃様にご紹介頂けたなんて」

「奥様のおかげです。本当は王都の上位貴族の方に侍女見習いで試験を受ける資格を取るんですけど、奥様は王妃様のご学友で親友なので、私はこちらで勉強させて頂いたんですよ」

「そうだったんですね、では来年には王都に行ってしまうんですね。寂しいです、こちらのシルバー領でしたら辺境に近いので偶にお会いできれば嬉しいなと思ってましたから」

「王宮で侍女になるのが夢だったんです。うちのように下位貴族はたとえ長女でもお嫁候補に選ばれるのはなかなかに難しいんです、ましてや私は3女なので、早いうちから将来を考えなければいけなかったんです。だったら開き直って侍女になろうって思いました、で、どうせなるなら侍女の頂点にって感じです」

ミナさんが、しっかり者で尊敬します。
私も自分の力で生きていけるようにならなければ、一念発起して家出したものの、結局アルとサラお義母様や伯爵様に甘やかされてしまってます。

反省しなければって言うと

「マイラ様はそのままでいいと思いますよ、生意気言うようですが、マイラ様はまだ侯爵家と公爵家しか知らなくて、世間をよく知ってからでも夢を見つけられたらいいと思います、奥様やアルフォンソ様、旦那様にまだ頼られていいと思います」

「でも私昨日成人したから、ちゃんとしないといけないのではないかしら?」

「普通はそうです。でも少しお伺いしましたがマイラ様は今までが普通ではありません。最初から平民でしたら問題なかったかもしれませんが、今から少しずつお勉強されてはどうでしょうか?それからでも遅くはないと思います、生意気言いまして申し訳ありません」

ミナさんは率直に意見を言ってくれました。
まるでお姉様みたい。

ミナさんに言ったら末っ子だったから嬉しいと言ってもらえました。

そうですね、まだまだ私は今世こちらをよく知りません。
知ってからでも将来を考えるのは遅くないと言ってもらえたから、ゆっくり考えようと思います。

昨日伯爵様から提案された件も、伯爵様に甘えることにしました。
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