逃げるが価値

maruko

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8 新婚さんいらっしゃ〜い??

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本日のお宿に着いた私達はとりあえず各部屋に移動した。
私と夫人の部屋は昨日の宿とは違い贅を尽くした部屋だった。
部屋の灯りは何故シャンデリア?
窓は出窓方式、備え付けの家具は全て白、ソファは一つだったけど二人がけの・・・これはファー?がかかってる。
ローテーブルはこの世界では珍しいガラステーブル
極めつけはベッドがクイーンサイズで一つしかない。

夫人が苦笑してる。

「アルとマイラちゃんを新婚旅行で私を侍女と勘違いしたのかしら」

その言葉にギョッとした。

「伯爵夫人⋯申しわけありません」

「何故貴方が謝るの?ねぇねぇこんな立派なベッドに寝るなんて滅多にないわ。今日は一緒に寝ましょうね」

明るい夫人に救われる。
でも少し照れちゃう(何にだろう⋯)
先にお風呂にどうぞと促されたのでバスルームに向かったらここでも苦笑した。

「伯爵夫人!夫人来てください」

「どうしたのマイラちゃん。アラアラまぁ凄いわね。今度家でもしてみようかしら?」

猫脚のバスタブには既にお湯が張ってありそれにはバラの花びらが浮かんでいた。
薔薇ぶろって初めて見たよ、スゲぇ
おっと、淑女に有るまじきお下品な物言いが⋯⋯心の中なので勘弁して。

「ねぇ滅多に見れないし後学の為にもアルに見せちゃおう」

突然お茶目な事を言い始めた夫人はお隣の部屋に素早く行ってしまった。
暫くしてアルを連れて戻ってきたんだけど、当のアルは部屋に入った途端「うわっ何この豪華な部屋」って言う声が聞こえてきた。

バスルームに二人で入ってくる。
入る直前まで何を勘違いしたかアルは「嫌だよ恥ずかしいじゃないか、母上!マイラが可哀想です。俺は除きの趣味は⋯」てな声が聞こえながらバスルームここへ入ってきた。

普通に服を着て立ってる私の顔を真っ赤な顔のアルが見る。
「アレッ?」って何想像したんだよ‥と心でツッコミ。

「アル貴方何喚いてるのよ。ねぇ見て薔薇よ薔薇の花びらキレイでしょう。貴方も見たことないと思ったから、どう?いつか新婚旅行でお目にかかれるかもだけど、貴方結婚しないって言ってたから、これ見たら結婚したくならない?」

「は・は・う・え!要らぬ事は言わないでください。へぇでもキレイですねぇ。薔薇ぶろかぁ」

アルが何故かうっとりしてる。
えっ?アルって男の娘?
結婚しないって言ってたみたいだし、そうなんだぁ
少しがっかりした私は、不機嫌に問う

「アルは結婚しないの?何故?」

「えっ?イヤするよ、結婚するよ」

「えぇでも夫人がさっき⋯⋯」

「ほらぁ母上が要らぬ事を言うからマイラに誤解されたじゃないか!」

「えぇ?誤解って、でも貴方言ってた⋯⋯なるほどねぇ。マイラちゃんごめんね、私の勘違いみたいなの。さっきの私の言葉は無かった事にしてね」

ウインクしながら夫人が私に言ってくる、そっか夫人の勘違いなのね。
ホッとする⋯⋯アレ?何故ホッとしたんだろう。

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