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6 ピクニックと淡い恋心(?)そして無謀な私
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湖を見ながら昼食を始めた。
ピクニックだねとアルが言ったとき私はピクニックを今世でした事がなかったことに気付いた。
初めてだという私の顔を3人は凝視すると、夫人がため息をつく。
「アルシェ侯爵ほどのお方が何故そんな真似を⋯侯爵夫人も良識ある方だと思っていたのにマイラは実の娘なのに⋯⋯」
伯爵夫人は姉が養女だという事を知っていたみたいだなと思った。
「フンバル公爵家は評判が悪すぎてそろそろ降格になるのでは?何故そんなところに娘を嫁がせようと思ったのでしょうね」
師匠さんが疑問に思ったのか夫人に尋ねている。
降格の話がある家に婚姻だなんて両親は何を考えていたんだろう。
私も疑問だわ、いくら娘がキライだとしても侯爵家にどんな旨味があるんだろう。
まぁそんな謎を今更解明したところで意味はないし正直逃げ果せれば如何でも良い。
「どうでもいいじゃん。マイラが無事に逃げられれば問題ないよ」
「そうね、アルの言うとおりだわ。嫌なことは考えるの止めましょう!マイラちゃん、ちゃんとたくさん食べるのよ」
大量のサンドイッチを私の目の前に広げて夫人が薦めてくれた。
このサンドイッチも美味しいなぁ
自然の中で食べるからなのか、一緒に食べる人がいるからなのか
多分両方だね。
食事のあとに少し腹ごなしをしようとアルに言われて遊歩道を散歩する。
物珍しさも手伝いキョロキョロ忙しなくしていたらアルに笑われる。
「クックックク、王都から来たのにマイラは田舎者みたいだね」
「⋯田舎者⋯いい響き」
「そうかぁ?俺は地方の学園に通ってるから偶に王都に出てきて知り合いに会うといっつもそう言って蔑まれたぞ」
「えっ?田舎者って悪口なの?」
「お前⋯やっぱり変わってんなぁ。まぁそんなとこが⋯こ、好ましいんだけども⋯」
アルは最後はゴニョゴニョ言ってたから良く聞こえなかったけど悪口とか言われて悲しくなかったのかな?
男の子は平気なのだろうか?
前世も女だったから男の子の考えはイマイチどころか全然想像つかないや
「おい!聞いてる?そこのベンチで休もうぜ」
ぼーっとしてたらアルに顔を覗きこまれながら誘われる。
うわっ!顔が近い、すごく近い。
あぁベンチねベンチ⋯⋯今私は顔が真っ赤じゃないかな?暑い⋯⋯両手を顔にパタパタしながら風を送りつつベンチに腰掛ける。
おや?思ったよりも距離が近いんですけど⋯⋯。
また顔が赤くなる。
アレ?胸もドキドキしてきた。
これって⋯⋯私はアルを意識しちゃった?
恥ずかしい~~
なんて事をアルと普通に会話しながら思ってたら私達の前をゆっくり歩きながら手を繋いだカップルが通り過ぎようとしていたんだけど⋯⋯
「ねぇねぇ此処に来るときの辻馬車の列に公爵家の騎士がいたわよね。人を探してるんですって」
「あぁなんだろうな、漠然とした質問だっただろう?若い女の子ってさ、笑うよな、世の中に若い女が一人か二人とでも思ってんじゃねえの、あの聞き方」
「きっと写真もないのよ、でも普通は特徴とか言うわよね、それすら言わなかったじゃない?なんでだろう」
「さぁなぁお貴族様の考えは我々には想像もつかないよ。でもあんな探し方じゃ見つからないだろうな」
カップルの会話に耳を欹てていた私とアルは自然に顔が向き合う。
急いで夫人と師匠さんのところに引き返した。
「ヤバイよ母上。公爵家の方が探し始めたみたいだ。今の所到底見つからないような探し方してるけど念の為急ごう」
夫人にアルが提案したら二人とも見越してたのか既にピクニック仕様は片付けしてた、素早いな。
「多分アルの事には気づいてないだろうけど念の為急ぎましょう」
4人で場所止めの所に着くと師匠さんはここから一足先に辺境に向かうそうです。
ジョルデ叔父様を探してくれるらしい。
そうなんですよ!
私、叔父様が辺境で騎士として働いてるとしか聞いてなくて何処の騎士団なのかとか住んでる場所とか全く知らないの。
師匠さんが教えてくれたんだけど辺境の領地でも騎士団は2つあるんだって、そんな事も知らなかった。
それを先に行って調べてくれるって、本当に有り難い。
これを一人で行こうと思ってたんだから私って前世思い出しただけで無謀と言うものだ。
あそこでアルに会えたのは奇跡だった。
ピクニックだねとアルが言ったとき私はピクニックを今世でした事がなかったことに気付いた。
初めてだという私の顔を3人は凝視すると、夫人がため息をつく。
「アルシェ侯爵ほどのお方が何故そんな真似を⋯侯爵夫人も良識ある方だと思っていたのにマイラは実の娘なのに⋯⋯」
伯爵夫人は姉が養女だという事を知っていたみたいだなと思った。
「フンバル公爵家は評判が悪すぎてそろそろ降格になるのでは?何故そんなところに娘を嫁がせようと思ったのでしょうね」
師匠さんが疑問に思ったのか夫人に尋ねている。
降格の話がある家に婚姻だなんて両親は何を考えていたんだろう。
私も疑問だわ、いくら娘がキライだとしても侯爵家にどんな旨味があるんだろう。
まぁそんな謎を今更解明したところで意味はないし正直逃げ果せれば如何でも良い。
「どうでもいいじゃん。マイラが無事に逃げられれば問題ないよ」
「そうね、アルの言うとおりだわ。嫌なことは考えるの止めましょう!マイラちゃん、ちゃんとたくさん食べるのよ」
大量のサンドイッチを私の目の前に広げて夫人が薦めてくれた。
このサンドイッチも美味しいなぁ
自然の中で食べるからなのか、一緒に食べる人がいるからなのか
多分両方だね。
食事のあとに少し腹ごなしをしようとアルに言われて遊歩道を散歩する。
物珍しさも手伝いキョロキョロ忙しなくしていたらアルに笑われる。
「クックックク、王都から来たのにマイラは田舎者みたいだね」
「⋯田舎者⋯いい響き」
「そうかぁ?俺は地方の学園に通ってるから偶に王都に出てきて知り合いに会うといっつもそう言って蔑まれたぞ」
「えっ?田舎者って悪口なの?」
「お前⋯やっぱり変わってんなぁ。まぁそんなとこが⋯こ、好ましいんだけども⋯」
アルは最後はゴニョゴニョ言ってたから良く聞こえなかったけど悪口とか言われて悲しくなかったのかな?
男の子は平気なのだろうか?
前世も女だったから男の子の考えはイマイチどころか全然想像つかないや
「おい!聞いてる?そこのベンチで休もうぜ」
ぼーっとしてたらアルに顔を覗きこまれながら誘われる。
うわっ!顔が近い、すごく近い。
あぁベンチねベンチ⋯⋯今私は顔が真っ赤じゃないかな?暑い⋯⋯両手を顔にパタパタしながら風を送りつつベンチに腰掛ける。
おや?思ったよりも距離が近いんですけど⋯⋯。
また顔が赤くなる。
アレ?胸もドキドキしてきた。
これって⋯⋯私はアルを意識しちゃった?
恥ずかしい~~
なんて事をアルと普通に会話しながら思ってたら私達の前をゆっくり歩きながら手を繋いだカップルが通り過ぎようとしていたんだけど⋯⋯
「ねぇねぇ此処に来るときの辻馬車の列に公爵家の騎士がいたわよね。人を探してるんですって」
「あぁなんだろうな、漠然とした質問だっただろう?若い女の子ってさ、笑うよな、世の中に若い女が一人か二人とでも思ってんじゃねえの、あの聞き方」
「きっと写真もないのよ、でも普通は特徴とか言うわよね、それすら言わなかったじゃない?なんでだろう」
「さぁなぁお貴族様の考えは我々には想像もつかないよ。でもあんな探し方じゃ見つからないだろうな」
カップルの会話に耳を欹てていた私とアルは自然に顔が向き合う。
急いで夫人と師匠さんのところに引き返した。
「ヤバイよ母上。公爵家の方が探し始めたみたいだ。今の所到底見つからないような探し方してるけど念の為急ごう」
夫人にアルが提案したら二人とも見越してたのか既にピクニック仕様は片付けしてた、素早いな。
「多分アルの事には気づいてないだろうけど念の為急ぎましょう」
4人で場所止めの所に着くと師匠さんはここから一足先に辺境に向かうそうです。
ジョルデ叔父様を探してくれるらしい。
そうなんですよ!
私、叔父様が辺境で騎士として働いてるとしか聞いてなくて何処の騎士団なのかとか住んでる場所とか全く知らないの。
師匠さんが教えてくれたんだけど辺境の領地でも騎士団は2つあるんだって、そんな事も知らなかった。
それを先に行って調べてくれるって、本当に有り難い。
これを一人で行こうと思ってたんだから私って前世思い出しただけで無謀と言うものだ。
あそこでアルに会えたのは奇跡だった。
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