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5 寄り道
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前日の宿屋では夫人と一緒の部屋で寝かせてもらった。
夫人が寝る前に準備するといいのよって言って髪を三つ編みにしてくれた。
それを朝支度する時に解いてもらうと思ったとおりのウェーブになってる。
そういえば前世でも私はあまりオシャレしてなかった。
興味はあったけどオシャレにはお金がかかる。
例え100均でも必要最低限の物しか私は使ってなかった。
こんな三つ編みくらいならできた筈だからすればよかったなって今は思うけど、気持ちの余裕もなかったしね。
夫人と朝食を宿屋の食堂でとってたらアルと師匠さんが朝練から戻ってきた。
毎日の鍛錬お疲れ様です。
騎士になるって大変なんだなぁ
タンキ様も少し位体を動かせば良かったのに、年々丸くなっていってたよね。
あ~思い出しただけでゾワッとした、ヤメヤメ。
今夜泊まる予定の宿屋に行く途中で寄り道したいからって少し早めに出発するみたい。
アルと師匠さんが物凄い勢いで朝食を食べてた。
その様子を見て久しぶりに心の底から笑えた。
3台の馬車で移動してる途中で物凄く大きな湖に到着した。
湖へ行く歩道の脇には色とりどりの花が植えてある。
自然の湖を利用した公園をこの地の領主が作ったみたい。
馬車止めには何台かの馬車が止まっていたから、先客もいるみたい。人気の場所なのね。
夫人とアルが私を此処に連れてきたかったんだって言ってくれた。
二人の言うようにとてもきれいな場所
その花達を見ていたら小さい頃に侯爵家で働いていた庭師の青年を思い出した。
その庭師はとても上手に花を育てる人だった。
いつも一人で寂しくしている私を気の毒に思った彼は私に小さな鉢植えを用意してくれた。
「植物に話しかけると気持ちが優しくなれますよ」
そう言ってくれて、それから私はその鉢植えに毎日お水をあげていたの話しかけながらね。
その時間は寂しい私の紛れもない癒やしの時間だった。
でもそれが何故か姉の逆鱗に触れたみたい。
庭師の彼は馘首になってしまった。
鉢植えが欲しかったのなら直ぐにでも彼は用意するはずなのにそのときは理由がわからなかったけど、1年後に解った。
庭師の彼は私の誕生日に合わせてあの鉢植えを用意してくれたみたい。
丁度誕生日近くになって花が咲いたから⋯ピンクの可愛い小さな花だった。
その花を眺めていたら姉に言われた。
「あらっそんなに小さな花だったのね。なぁんだ、怒って損した気分よ。馘首にしなくても良かったのかしら?
所詮貴方はその小さな花のようにとるに足らない小者よね」
「お姉様が彼をクビにしたのですか?何故ですか?仕事もちゃんとされている方だったのに」
「その鉢植えのせいよ」
「何故?欲しければいくらでも用意してくれたと思いますわ」
「何故、私が貴方の後に貰わなければいけないの?貴方に先に用意した時点でクビよ」
「そんな⋯そんな事で⋯」
「重要な事よ、私は何でも貴方より優先してもらわないといけないのよ。そういう決まりなの」
意味不明の決まり事は姉が作ったルールなのだろうか。
それからは益々使用人を避けるようにした。
私の様に可哀想に映る子は(実際虐げられてるけれども)やはり良心のある人は庇ってしまうのだ。
ならば私が近づかなければ問題ないと判断したの。
キレイな花達を見ながらそんな風に物思いに耽っているとアルが私の肩を叩く
「見て、マイラ。これを見せたかったんだよ」
そこには広大な湖
水鳥が何羽か泳いでいる。
太陽の光が湖に反射してる、水鳥の泳ぎに合わせて水面が揺れて光も揺れる。
とてもとてもキレイだ。
この世にはこんなにもキレイと思える物があったのね。
感動して涙が溢れてくる。
私は⋯孤独だったんだ。
考えないようにしていた気持ちが涙とともに流れるような気持ちになった。
夫人が寝る前に準備するといいのよって言って髪を三つ編みにしてくれた。
それを朝支度する時に解いてもらうと思ったとおりのウェーブになってる。
そういえば前世でも私はあまりオシャレしてなかった。
興味はあったけどオシャレにはお金がかかる。
例え100均でも必要最低限の物しか私は使ってなかった。
こんな三つ編みくらいならできた筈だからすればよかったなって今は思うけど、気持ちの余裕もなかったしね。
夫人と朝食を宿屋の食堂でとってたらアルと師匠さんが朝練から戻ってきた。
毎日の鍛錬お疲れ様です。
騎士になるって大変なんだなぁ
タンキ様も少し位体を動かせば良かったのに、年々丸くなっていってたよね。
あ~思い出しただけでゾワッとした、ヤメヤメ。
今夜泊まる予定の宿屋に行く途中で寄り道したいからって少し早めに出発するみたい。
アルと師匠さんが物凄い勢いで朝食を食べてた。
その様子を見て久しぶりに心の底から笑えた。
3台の馬車で移動してる途中で物凄く大きな湖に到着した。
湖へ行く歩道の脇には色とりどりの花が植えてある。
自然の湖を利用した公園をこの地の領主が作ったみたい。
馬車止めには何台かの馬車が止まっていたから、先客もいるみたい。人気の場所なのね。
夫人とアルが私を此処に連れてきたかったんだって言ってくれた。
二人の言うようにとてもきれいな場所
その花達を見ていたら小さい頃に侯爵家で働いていた庭師の青年を思い出した。
その庭師はとても上手に花を育てる人だった。
いつも一人で寂しくしている私を気の毒に思った彼は私に小さな鉢植えを用意してくれた。
「植物に話しかけると気持ちが優しくなれますよ」
そう言ってくれて、それから私はその鉢植えに毎日お水をあげていたの話しかけながらね。
その時間は寂しい私の紛れもない癒やしの時間だった。
でもそれが何故か姉の逆鱗に触れたみたい。
庭師の彼は馘首になってしまった。
鉢植えが欲しかったのなら直ぐにでも彼は用意するはずなのにそのときは理由がわからなかったけど、1年後に解った。
庭師の彼は私の誕生日に合わせてあの鉢植えを用意してくれたみたい。
丁度誕生日近くになって花が咲いたから⋯ピンクの可愛い小さな花だった。
その花を眺めていたら姉に言われた。
「あらっそんなに小さな花だったのね。なぁんだ、怒って損した気分よ。馘首にしなくても良かったのかしら?
所詮貴方はその小さな花のようにとるに足らない小者よね」
「お姉様が彼をクビにしたのですか?何故ですか?仕事もちゃんとされている方だったのに」
「その鉢植えのせいよ」
「何故?欲しければいくらでも用意してくれたと思いますわ」
「何故、私が貴方の後に貰わなければいけないの?貴方に先に用意した時点でクビよ」
「そんな⋯そんな事で⋯」
「重要な事よ、私は何でも貴方より優先してもらわないといけないのよ。そういう決まりなの」
意味不明の決まり事は姉が作ったルールなのだろうか。
それからは益々使用人を避けるようにした。
私の様に可哀想に映る子は(実際虐げられてるけれども)やはり良心のある人は庇ってしまうのだ。
ならば私が近づかなければ問題ないと判断したの。
キレイな花達を見ながらそんな風に物思いに耽っているとアルが私の肩を叩く
「見て、マイラ。これを見せたかったんだよ」
そこには広大な湖
水鳥が何羽か泳いでいる。
太陽の光が湖に反射してる、水鳥の泳ぎに合わせて水面が揺れて光も揺れる。
とてもとてもキレイだ。
この世にはこんなにもキレイと思える物があったのね。
感動して涙が溢れてくる。
私は⋯孤独だったんだ。
考えないようにしていた気持ちが涙とともに流れるような気持ちになった。
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