26 / 54
セイシャル王家の目論見
しおりを挟む
思いが通じ合った途端セルトは私を自分の隣に座らせるようになった。
呆れ顔のマリリンさんを気にもせずお茶のお代わりを入れようとするから、慌てて代わろうとすると
「いいのいいの、俺はミランダの前では出来るだけセルトで居たいんだ」
そう言って私の横でいそいそとポットにお湯を注いでいた。
この部屋はアルセルト様の部屋らしい。
二部屋連なっているそうで隣が寝室だそうだ。
「父上と母上には話していないけれどおそらくミランダの素性はバレているから」
セルトの言葉に私は頷いた。
それはそうだろう、王子の側にいる者の素性を調べないなんて有りえない。
「さっきの公爵家での話で解ったけど、おそらくお嬢ちゃんの力にセイシャルの王家は気付いていたんだろうね」
マリリンさんの言葉にセルトは頷いてマリリンさんの後を続ける。
「最初は王太子で絡め取るつもりが隣国の王女に覆された、それで第三王子に役目を回したんじゃないかな、それなのに第三王子も希望通りに動かなかった、どうするか思案していたらあの公爵家のアホ息子が思いもかけずにいい働きをしたんだろう」
そうね、そういうことになるわね。
悔しい~
私はハンカチを握って歯で噛みキーっと念願の仕草をした。
それを見て苦笑しながらセルトは続ける。
「今まで強引にしなかったのはミランダが気付いてないと踏んでたか、伯爵家を国に留めて置くためだろうと思うよ。だが籍まで入れて安心していたのにアホ息子は真実のアホだった。公爵家も離婚の話しが出るまで王家の目論見を知らなかったんじゃないかな」
「えっ?」
「そうじゃなければもっと早くに手を打っていたはずだ、あの時も言ってただろう」
王家に言われたから穏便にと言っていたけど⋯そういう事だったのかもしれない。
公爵家も別に離婚する事になっても本当は良かったのよ、サミュエルを放逐すればいいだけだから。
でも、いよいよ離婚って時に私の事を王家から聞いて、そして尚且つ穏便に事を進めるようにと厳命されたから、それでロット達を使った。
あとは私とサミュエルが本来の夫婦になればそれで良かったということだったのだろう。
王家にとって私は取り込むべき人間だった。
そしてスチュート伯爵家も留めて置かなければならない家系だったということなんだろう。
じゃあもっと大事にして欲しかった⋯⋯あっ!呪いだ。
「お嬢ちゃんがアル坊を好きなら呪いのおかげで良かったねというべきかい?」
マリリンさんの言葉が図星だった私は顔が真っ赤に染まるのが解った。
「そう⋯⋯かもしれない」
呪いがあったから巡り巡ってセルトと出会えた。
私は呪いに感謝すべき?
「で、これからどうするのさ」
マリリンさんがセルトに聞いている。
「向こうが俺の素性を知ってるか知らないかで随分変わるんだよね、どうかな?」
「アル坊の素性ねぇ、調べられる布石はあるね」
「取り敢えずはミランダは父上と母上に会ってほしい」
「!」
何が取り敢えず?
一国の王と王妃に会うのをそんなに簡単に言わないで欲しい。
真っ青な私の肩を抱きながらセルトは優しく言った。
「大丈夫二人とも怖くないから」
止めて!
全然大丈夫じゃないわ
脳天気なセルトをマリリンさんが叩くのを青い顔のままぼんやりと眺めた。
呆れ顔のマリリンさんを気にもせずお茶のお代わりを入れようとするから、慌てて代わろうとすると
「いいのいいの、俺はミランダの前では出来るだけセルトで居たいんだ」
そう言って私の横でいそいそとポットにお湯を注いでいた。
この部屋はアルセルト様の部屋らしい。
二部屋連なっているそうで隣が寝室だそうだ。
「父上と母上には話していないけれどおそらくミランダの素性はバレているから」
セルトの言葉に私は頷いた。
それはそうだろう、王子の側にいる者の素性を調べないなんて有りえない。
「さっきの公爵家での話で解ったけど、おそらくお嬢ちゃんの力にセイシャルの王家は気付いていたんだろうね」
マリリンさんの言葉にセルトは頷いてマリリンさんの後を続ける。
「最初は王太子で絡め取るつもりが隣国の王女に覆された、それで第三王子に役目を回したんじゃないかな、それなのに第三王子も希望通りに動かなかった、どうするか思案していたらあの公爵家のアホ息子が思いもかけずにいい働きをしたんだろう」
そうね、そういうことになるわね。
悔しい~
私はハンカチを握って歯で噛みキーっと念願の仕草をした。
それを見て苦笑しながらセルトは続ける。
「今まで強引にしなかったのはミランダが気付いてないと踏んでたか、伯爵家を国に留めて置くためだろうと思うよ。だが籍まで入れて安心していたのにアホ息子は真実のアホだった。公爵家も離婚の話しが出るまで王家の目論見を知らなかったんじゃないかな」
「えっ?」
「そうじゃなければもっと早くに手を打っていたはずだ、あの時も言ってただろう」
王家に言われたから穏便にと言っていたけど⋯そういう事だったのかもしれない。
公爵家も別に離婚する事になっても本当は良かったのよ、サミュエルを放逐すればいいだけだから。
でも、いよいよ離婚って時に私の事を王家から聞いて、そして尚且つ穏便に事を進めるようにと厳命されたから、それでロット達を使った。
あとは私とサミュエルが本来の夫婦になればそれで良かったということだったのだろう。
王家にとって私は取り込むべき人間だった。
そしてスチュート伯爵家も留めて置かなければならない家系だったということなんだろう。
じゃあもっと大事にして欲しかった⋯⋯あっ!呪いだ。
「お嬢ちゃんがアル坊を好きなら呪いのおかげで良かったねというべきかい?」
マリリンさんの言葉が図星だった私は顔が真っ赤に染まるのが解った。
「そう⋯⋯かもしれない」
呪いがあったから巡り巡ってセルトと出会えた。
私は呪いに感謝すべき?
「で、これからどうするのさ」
マリリンさんがセルトに聞いている。
「向こうが俺の素性を知ってるか知らないかで随分変わるんだよね、どうかな?」
「アル坊の素性ねぇ、調べられる布石はあるね」
「取り敢えずはミランダは父上と母上に会ってほしい」
「!」
何が取り敢えず?
一国の王と王妃に会うのをそんなに簡単に言わないで欲しい。
真っ青な私の肩を抱きながらセルトは優しく言った。
「大丈夫二人とも怖くないから」
止めて!
全然大丈夫じゃないわ
脳天気なセルトをマリリンさんが叩くのを青い顔のままぼんやりと眺めた。
528
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?
すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。
人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。
これでは領民が冬を越せない!!
善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。
『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』
と……。
そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる