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再会
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セルトはそれから3日ほどして訪ねて来てくれました。
「ギルドに来てくれたんだろう?どうした?何か進展あった?」
「変わりなしよ、相変わらず延長しか言わないわ。相談があって行ったの」
「うん、俺も提案があったから丁度いいや。さきに相談を聞こうかな」
私はセルトに両親への連絡方法とその後もこちらに残る為の戦略を一緒に考えてほしい旨を話したのだけど、話してる途中でセルトはニマニマし始めた。
「そっか考える事が一緒だった事が嬉しい!」
「どういう事?」
「一応手は打ってあるから心配せずとも大丈夫!」
「本当?」
「あぁ安心していいよ」
「そっか!じゃあお任せするわ。そういえばそろそろマリリンさんの完成しそうだったけど進捗見ていく?」
「行こうかな」
「あっ!セルトの話は?ひょっとしたら同じだった」
「あぁそうだよ、でも打った手が来てからでもいいかな。また話すよ」
ちょっと変に思ったけどお任せしたのだからと気にしないことにして、二人でマリリンさんの部屋に向かった。
マリリンさんの部屋は元々客室だった所を二部屋分改造して、仕事部屋兼寝室にしている。
仕事部屋の方の扉をノックすると、ポーションを飲みながらマリリンさんが顔を出した。
「なぁに~」
「進捗を見たいってセルトが」
「ふうん、どうぞ」
今マリリンさんが作っているのは遠方に魔法念写の念写部分だけを送る事が出来る魔道具だ。
転移と似てるので転移の魔導具に使う数式を利用して新しい数式を考えてたんだけど、あと一つ何かが足らないと数式の組み換えを頑張っていた。
数式とは古来から魔法が詠唱を唱えて発動すると云うのを利用して、詠唱を数式という物に変化させる。
物言わぬ魔石に魔力と一緒にそれを組み込むことで詠唱と同じ効果を生み出させることが出来るのだ。
数式って便利よね~考えた人凄いわ!
それを今マリリンさんは魔石に頑張って入れこんでるのだけど数式が長すぎて簡略化に苦戦していた⋯⋯。
だけど昨夜閃いたと言っていたのでセルトにも言ってみたのだ。
「どう?魔石に組み込めそう?」
「もう少しはみ出るんだよね」
「魔石の大きさを変える?」
「それが手っ取り早いけどそうすると予算が⋯」
マリリンさんがセルトを見て言った。
依頼主の設定金額が割に合わなかったのだろう。
「取り敢えず大きい魔石で完成させて欲しい、交渉はこちらでするから」
セルトがそういった途端「はい」とマリリンさんが魔導具を出した。
「何だ出来てたのか」
受け取って壁に貼ってあったマリリンさんの若い時の写真を魔導具に嵌めた。
もう一つの魔導具には紙だけを置いている。
すると暫くして真っ白の紙にマリリンさんの顔が浮かび上がる。
「マリリンさん!凄いわ貴方天才だわ!」
私が歓喜の声を上げるとマリリンさんは「ホホホあったりまえよ~ん」と踊りだした。
ホクホク顔で現金の遣り取りをしてセルトは帰って行った。
それからも毎日毎日毎日毎日ロットは執拗いほどに延長延長延長延長と言いに来る。
セルトに言われて門前払いをしないようにしているけれど、いい加減疲れてきた。
そんなある日セルトから先触れの報せが入った。
いつもそんな事しないのにどういう風の吹き回し?変には思ったけれど、了承して返したらその日の午後セルトはやって来た。
お客様を連れて⋯⋯。
「⋯⋯お兄様!」
約2年と7ヶ月振りに兄のカイサムと再会した。
「ギルドに来てくれたんだろう?どうした?何か進展あった?」
「変わりなしよ、相変わらず延長しか言わないわ。相談があって行ったの」
「うん、俺も提案があったから丁度いいや。さきに相談を聞こうかな」
私はセルトに両親への連絡方法とその後もこちらに残る為の戦略を一緒に考えてほしい旨を話したのだけど、話してる途中でセルトはニマニマし始めた。
「そっか考える事が一緒だった事が嬉しい!」
「どういう事?」
「一応手は打ってあるから心配せずとも大丈夫!」
「本当?」
「あぁ安心していいよ」
「そっか!じゃあお任せするわ。そういえばそろそろマリリンさんの完成しそうだったけど進捗見ていく?」
「行こうかな」
「あっ!セルトの話は?ひょっとしたら同じだった」
「あぁそうだよ、でも打った手が来てからでもいいかな。また話すよ」
ちょっと変に思ったけどお任せしたのだからと気にしないことにして、二人でマリリンさんの部屋に向かった。
マリリンさんの部屋は元々客室だった所を二部屋分改造して、仕事部屋兼寝室にしている。
仕事部屋の方の扉をノックすると、ポーションを飲みながらマリリンさんが顔を出した。
「なぁに~」
「進捗を見たいってセルトが」
「ふうん、どうぞ」
今マリリンさんが作っているのは遠方に魔法念写の念写部分だけを送る事が出来る魔道具だ。
転移と似てるので転移の魔導具に使う数式を利用して新しい数式を考えてたんだけど、あと一つ何かが足らないと数式の組み換えを頑張っていた。
数式とは古来から魔法が詠唱を唱えて発動すると云うのを利用して、詠唱を数式という物に変化させる。
物言わぬ魔石に魔力と一緒にそれを組み込むことで詠唱と同じ効果を生み出させることが出来るのだ。
数式って便利よね~考えた人凄いわ!
それを今マリリンさんは魔石に頑張って入れこんでるのだけど数式が長すぎて簡略化に苦戦していた⋯⋯。
だけど昨夜閃いたと言っていたのでセルトにも言ってみたのだ。
「どう?魔石に組み込めそう?」
「もう少しはみ出るんだよね」
「魔石の大きさを変える?」
「それが手っ取り早いけどそうすると予算が⋯」
マリリンさんがセルトを見て言った。
依頼主の設定金額が割に合わなかったのだろう。
「取り敢えず大きい魔石で完成させて欲しい、交渉はこちらでするから」
セルトがそういった途端「はい」とマリリンさんが魔導具を出した。
「何だ出来てたのか」
受け取って壁に貼ってあったマリリンさんの若い時の写真を魔導具に嵌めた。
もう一つの魔導具には紙だけを置いている。
すると暫くして真っ白の紙にマリリンさんの顔が浮かび上がる。
「マリリンさん!凄いわ貴方天才だわ!」
私が歓喜の声を上げるとマリリンさんは「ホホホあったりまえよ~ん」と踊りだした。
ホクホク顔で現金の遣り取りをしてセルトは帰って行った。
それからも毎日毎日毎日毎日ロットは執拗いほどに延長延長延長延長と言いに来る。
セルトに言われて門前払いをしないようにしているけれど、いい加減疲れてきた。
そんなある日セルトから先触れの報せが入った。
いつもそんな事しないのにどういう風の吹き回し?変には思ったけれど、了承して返したらその日の午後セルトはやって来た。
お客様を連れて⋯⋯。
「⋯⋯お兄様!」
約2年と7ヶ月振りに兄のカイサムと再会した。
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