14 / 34
救世主現るその名はヒロイン Part3
しおりを挟む
私は期待の目でエミリーを見つめる。
「これの為に、ソフィーア様まで巻き込んじゃいました。
殿下には1度目を話してます。
協力してもらいたかったので、誤魔化したくはありませんでしたので。
メリー様はアリー様の母親のご出自を知ってますか?」
「アリーの母親?知らないわ」
「そうですか。オーラン様やスワロ伯爵はご存知だと思いますのでお話しますね。彼女はメーキリー侯爵とご結婚される時に身分差を解決するために、ある伯爵家と養子縁組してます。この国での身分は平民でしたので。しかも父親が流れの商人なんです」
「えぇっ!初めて知ったわ」
「そうですよね。侯爵家の恥になるので公にはなってないです。でも一族の方たちはアリー様を跡継ぎとは認められないと言って、あの家の跡継ぎは親戚筋から養子をもらうことになってます。ここまではいいですか?」
エミリーは私に言い聞かすように子供扱いを始めた。
失礼しちゃうわと思ったけど続きが聞きたくてウンウンと頷いた。
「それをあの母親は良しとしてません。でもこれに関しては侯爵の方が納得してて、既に別邸に養子を引き取って後継者教育を始めてます。アリー様の婚約者を決めるのに侯爵も動いてますが、母親が納得しないから決まらないんです」
エミリーは今度はお茶を飲んでお菓子を摘んだ。
「彼女の父親が流れの商人になったのは、無実の罪で財産を没収された上で国外追放になったからです。既に冤罪の証明はできてるみたいですけど、それは彼女の父が亡くなった後だった。だから彼女は国に帰りたくても帰れなかったんです。国に帰る目的が郷愁なのか復讐なのかは知らないですけどね。まぁその冤罪のときに一族がちりぢりになっちゃったので一人で帰るには勇気がいりますもんね」
「よく調べたのね。凄いわ」
「敵は知らなければ攻略できないですよ。
彼女は元々貴族です。でも冤罪によって身分を剥奪され財産没収のうえで国外追放になって、この国にたどりついたのでこの国では平民だった。冤罪だったのにこの国では自分を貴族と認めてもらえなかったし、しかも愛した男と結婚するのに養子縁組をしなければならなかった。しかも娘は後継ぎになれない」
アリーの事情を知らされて私は驚愕してしまった。
それなら前回オーランを婚約者と納得したのはなぜなのかしら?
「そこ疑問ですよね!でも前回も納得してなかったと思いますよ そうじゃなければもっと早くに婚約してたと思います。前回も今回も。彼女の元の爵位は公爵なんです。彼女は16歳まで公爵令嬢だったんです。彼女は娘を使ってでも元の身分にたどり着きたかったでしょうしね そして自分を貶めた人達を見返したかった。なのに娘は侯爵令息如きに現を抜かしてしまって言う事聞かないから、前回は放逐したんじゃないでしょうか?」
「放逐?」
「そうだと思います。前回の時にアリー様がサミーの前に現れたとき一人だったそうです。既に母親とは離れてた。でも私そこ重要じゃないと思って調べなかったんですよね~。調べればよかったと後悔してますが、もう今更しょうがないので、前回の母親の行動は推測です。でも当たってると思うんですよ。
ならば、今この状態でどんな相手なら納得するか。メリー様はわかります?」
「王族か公爵家の嫡男」
「正解です!しかも今回ソフィーア様のご協力で、とびっきりの相手を見つけました」
「誰?」
「ラシュトニア王国の第二王子です!」
「ラシュトニア?」
「アリー様の母親の出身国です」
私はエミリーから後光が差すのが見えた。
「これの為に、ソフィーア様まで巻き込んじゃいました。
殿下には1度目を話してます。
協力してもらいたかったので、誤魔化したくはありませんでしたので。
メリー様はアリー様の母親のご出自を知ってますか?」
「アリーの母親?知らないわ」
「そうですか。オーラン様やスワロ伯爵はご存知だと思いますのでお話しますね。彼女はメーキリー侯爵とご結婚される時に身分差を解決するために、ある伯爵家と養子縁組してます。この国での身分は平民でしたので。しかも父親が流れの商人なんです」
「えぇっ!初めて知ったわ」
「そうですよね。侯爵家の恥になるので公にはなってないです。でも一族の方たちはアリー様を跡継ぎとは認められないと言って、あの家の跡継ぎは親戚筋から養子をもらうことになってます。ここまではいいですか?」
エミリーは私に言い聞かすように子供扱いを始めた。
失礼しちゃうわと思ったけど続きが聞きたくてウンウンと頷いた。
「それをあの母親は良しとしてません。でもこれに関しては侯爵の方が納得してて、既に別邸に養子を引き取って後継者教育を始めてます。アリー様の婚約者を決めるのに侯爵も動いてますが、母親が納得しないから決まらないんです」
エミリーは今度はお茶を飲んでお菓子を摘んだ。
「彼女の父親が流れの商人になったのは、無実の罪で財産を没収された上で国外追放になったからです。既に冤罪の証明はできてるみたいですけど、それは彼女の父が亡くなった後だった。だから彼女は国に帰りたくても帰れなかったんです。国に帰る目的が郷愁なのか復讐なのかは知らないですけどね。まぁその冤罪のときに一族がちりぢりになっちゃったので一人で帰るには勇気がいりますもんね」
「よく調べたのね。凄いわ」
「敵は知らなければ攻略できないですよ。
彼女は元々貴族です。でも冤罪によって身分を剥奪され財産没収のうえで国外追放になって、この国にたどりついたのでこの国では平民だった。冤罪だったのにこの国では自分を貴族と認めてもらえなかったし、しかも愛した男と結婚するのに養子縁組をしなければならなかった。しかも娘は後継ぎになれない」
アリーの事情を知らされて私は驚愕してしまった。
それなら前回オーランを婚約者と納得したのはなぜなのかしら?
「そこ疑問ですよね!でも前回も納得してなかったと思いますよ そうじゃなければもっと早くに婚約してたと思います。前回も今回も。彼女の元の爵位は公爵なんです。彼女は16歳まで公爵令嬢だったんです。彼女は娘を使ってでも元の身分にたどり着きたかったでしょうしね そして自分を貶めた人達を見返したかった。なのに娘は侯爵令息如きに現を抜かしてしまって言う事聞かないから、前回は放逐したんじゃないでしょうか?」
「放逐?」
「そうだと思います。前回の時にアリー様がサミーの前に現れたとき一人だったそうです。既に母親とは離れてた。でも私そこ重要じゃないと思って調べなかったんですよね~。調べればよかったと後悔してますが、もう今更しょうがないので、前回の母親の行動は推測です。でも当たってると思うんですよ。
ならば、今この状態でどんな相手なら納得するか。メリー様はわかります?」
「王族か公爵家の嫡男」
「正解です!しかも今回ソフィーア様のご協力で、とびっきりの相手を見つけました」
「誰?」
「ラシュトニア王国の第二王子です!」
「ラシュトニア?」
「アリー様の母親の出身国です」
私はエミリーから後光が差すのが見えた。
749
お気に入りに追加
1,130
あなたにおすすめの小説

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。

【完結】どうかその想いが実りますように
おもち。
恋愛
婚約者が私ではない別の女性を愛しているのは知っている。お互い恋愛感情はないけど信頼関係は築けていると思っていたのは私の独りよがりだったみたい。
学園では『愛し合う恋人の仲を引き裂くお飾りの婚約者』と陰で言われているのは分かってる。
いつまでも貴方を私に縛り付けていては可哀想だわ、だから私から貴方を解放します。
貴方のその想いが実りますように……
もう私には願う事しかできないから。
※ざまぁは薄味となっております。(当社比)もしかしたらざまぁですらないかもしれません。汗
お読みいただく際ご注意くださいませ。
※完結保証。全10話+番外編1話です。
※番外編2話追加しました。
※こちらの作品は「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています。

[電子書籍化]好きな人が幸せならそれでいいと、そう思っていました。
はるきりょう
恋愛
『 好きな人が幸せならそれでいいと、そう思っていました。』がシーモアさんで、電子書籍化することになりました!!!!
本編(公開のものを加筆・校正)→後日談(公開のものを加筆・校正)→最新話→シーモア特典SSの時系列です。本編+後日談は約2万字弱加筆してあります!電子書籍読んでいただければ幸いです!!
※分かりずらいので、アダム視点もこちらに移しました!アダム視点のみは非公開にさせてもらいます。
オリビアは自分にできる一番の笑顔をジェイムズに見せる。それは本当の気持ちだった。強がりと言われればそうかもしれないけれど。でもオリビアは心から思うのだ。
好きな人が幸せであることが一番幸せだと。
「……そう。…君はこれからどうするの?」
「お伝えし忘れておりました。私、婚約者候補となりましたの。皇太子殿下の」
大好きな婚約者の幸せを願い、身を引いたオリビアが皇太子殿下の婚約者候補となり、新たな恋をする話。

愛を語れない関係【完結】
迷い人
恋愛
婚約者の魔導師ウィル・グランビルは愛すべき義妹メアリーのために、私ソフィラの全てを奪おうとした。 家族が私のために作ってくれた魔道具まで……。
そして、時が戻った。
だから、もう、何も渡すものか……そう決意した。

【完結】この地獄のような楽園に祝福を
おもち。
恋愛
いらないわたしは、決して物語に出てくるようなお姫様にはなれない。
だって知っているから。わたしは生まれるべき存在ではなかったのだと……
「必ず迎えに来るよ」
そんなわたしに、唯一親切にしてくれた彼が紡いだ……たった一つの幸せな嘘。
でもその幸せな夢さえあれば、どんな辛い事にも耐えられると思ってた。
ねぇ、フィル……わたし貴方に会いたい。
フィル、貴方と共に生きたいの。
※子どもに手を上げる大人が出てきます。読まれる際はご注意下さい、無理な方はブラウザバックでお願いします。
※この作品は作者独自の設定が出てきますので何卒ご了承ください。
※本編+おまけ数話。

私を運命の相手とプロポーズしておきながら、可哀そうな幼馴染の方が大切なのですね! 幼馴染と幸せにお過ごしください
迷い人
恋愛
王国の特殊爵位『フラワーズ』を頂いたその日。
アシャール王国でも美貌と名高いディディエ・オラール様から婚姻の申し込みを受けた。
断るに断れない状況での婚姻の申し込み。
仕事の邪魔はしないと言う約束のもと、私はその婚姻の申し出を承諾する。
優しい人。
貞節と名高い人。
一目惚れだと、運命の相手だと、彼は言った。
細やかな気遣いと、距離を保った愛情表現。
私も愛しております。
そう告げようとした日、彼は私にこうつげたのです。
「子を事故で亡くした幼馴染が、心をすり減らして戻ってきたんだ。 私はしばらく彼女についていてあげたい」
そう言って私の物を、つぎつぎ幼馴染に与えていく。
優しかったアナタは幻ですか?
どうぞ、幼馴染とお幸せに、請求書はそちらに回しておきます。

【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる