Summer Vacation

プロローグ

９月３日、新学期がやってきた。 
それは、俺が夢から覚める日でもあった……。 
 

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「いよーっ、彰！元気だったか？」 

俺に話し掛けてきたのは、友人の洋介である。 
どうやら、この夏休み中に何か良い事があった様で、やたらと元気だ。 
そんな洋介とは反対に、俺は死ぬ程疲れていた所為で、気の抜けた返事をする。 

「んぁ？……やあ、洋介か。………元気だなぁ」 

約１ヶ月半ぶりのクラスメイト達との再会は、俺だって嬉しいし本当ならもっとテンション高く休み中はどうしていたのかをしゃべり合って明るい会話をしたかった。 

……だが、どうにも気分が乗らない。 

別に俺は、夏休み最後の夜に溜めに溜め込んだ宿題を片付けたから疲れているとか、長い休み中に彼女の一人も出来なかったから気が重い。というベタな理由をかかえている訳ではない。 

……とある人達の所為で、この１ヶ月半丸々疲れさせられて、学生時代にしか味わえない長期の休みを忙殺させられたのだ。 
その、とある人達は平々凡々で平和をこよなく愛するこの俺に、俺の人生の中で一生に一度あるかないか、又はもう二度と経験する事はない！………と、心から願いたい事をさせてくれたのだった