Silver Week

セリーネス

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First Period 3

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『そう言えば…』

今夜、1週間ぶりにルーに逢える。
新学期が始まり、佳夜がルーと逢えるのは学校が休みの土日と祝日だけとなった。すると、ルーも自分の休みを土曜日に変更したのだった。
金曜日の仕事帰りに佳夜を迎えに来て、翌日はゆっくりと共に過ごす。そして翌々日、仕事へ行くルーを見送ったらサラは日本へ帰って来ると言う過ごし方になった。
ついこの前にもルーは自分の勤務条件を変更してもらったばかり。そんなに簡単に休みを自己都合で変えられるものなのだろうか?と疑問に思い聞いてみると、どうやら隊長や団長に彼等の弱味をちらつかせてもぎ取った様だ。

「ヤクザかよ…」

一緒にいて話を聞いていた時の久志のなんとも言えない表情と呆れ返った声音の呟きが面白くて、佳夜は今でも思い出すとつい笑いが出てしまう。

久志も今日はルーが迎えに来る日だと解っているので、佳夜への欲情を抑えて先程解放をしてくれた。しかし、久志と深く蕩ける様なキスをし更に散々胸や乳首を弄られてしまったので、佳夜の身体は熱く疼き、とても辛くなっていた。
でも、その事を久志に言うのは恥ずかしいしそんな火照った身体のままでルーに逢うのも恥ずかし過ぎるので、佳夜は到着する迄まだだいぶ先だと判っていたけど、1人で火照りを冷ましたくてルーが転移して来る部屋へ入った。

『そうだ。変な汗かいちゃったからシャワー浴びよう』

その部屋に備え付けられているシャワールームに入った。
しかし、泡立てたボディタオルで身体を洗っていた時に、ふと触れる乳首や繁みの先の尖りにビクンッと身体が揺れる程敏感に感じ、益々変な気持ちになってしまった。

『どうしよう!いつもだったらこんなに感じないのにっ!』

久志に弄られた所為?それとも今生理中だから?

自分で自身の感じてしまう所を弄った事等無く、どうしたら良いのか判らなかった。
だけど、身体はイきたくて変になっている。

佳夜は、少し水圧を上げたシャワーを繁みの奥に当てた。

「あっ………!」

この前久志と一緒にお風呂に入った時に、久志が「こうしても気持ち良いんだよ❤」と水圧を上げたシャワーをクリトリスに当ててきて喘がされたのを思い出したのだ。
あの時は昂らされるだけで、最後は久志が舐めしゃぶりイかされたが、今自分でシャワーを当ててみてあの時よりも気持ち良く感じてしまい恥ずかしくなった。
だが実は、手が無意識に一番感じる部分にシャワーヘッドの角度を変えて気持ち良さを高めていたのだった。

「あっ…あん!んっ!あん!やっ、キモチイイ!!」

これが自慰行為だとは佳夜は判っていないが、恋人の部屋から近い別室で1人でエッチな事をしてしまっているという背徳感から更に気持ち良さが昂り、あっという間に達してしまった。

「あぁ………っ!」

はぁ、はぁ、と肩で呼吸を繰り返している中でなんとかシャワーを止めたが、クリトリスはビクンビクンと震えていて触れると「んっ!」と思わず声が出てしまう程敏感な状態になってしまっていた。だが、イけた事で先程迄の疼きも身体の火照りもどうにか治まってくれたみたいだ。

『凄く変な気になっちゃっていたとは言え、1人でイッちゃうなんて……っ!』

恥ずかし過ぎて、絶対に誰にも言えない!と佳夜は一人全身真っ赤になった。
羞恥と先程の快楽からまだ身体は火照っていたが、佳夜は手早く身体を拭いて服を着終えるとそのまま部屋でルーが着くのを待った。
イってしまった為に身体が疲れたのか、少し眠くなりながらもぼんやりと外の景色を眺めて待っていると、脳内で鈴の音が聞こえた。
そして床に魔方陣が浮かび上がりその中からルーが現れた。
現れたルーは目の前に佳夜が待っていてくれている事に気付くと、魔方陣が消え去る前に腕を伸ばし、佳夜を抱き寄せて深く口付けた。
1週間ぶりの愛しい番の唇と舌を堪能しようと舌を絡めてきたルーだったが、突如パッと口を離して佳夜の顔を見つめた。

「血の臭いがする。……サラ、何処か怪我でもしているのか!?」

「!?」

若干青ざめかけながらも優しく佳夜の身体を触り、血の臭いの元を探し始め佳夜が説明をしようと口を開くよりも早く、ルーは血の出所を見つけた。

そして、一瞬言葉を失い佳夜の顔をまじまじと見つめた。

「……もしかして、生理、か?」

「う…うん、そうなの。良く判ったね」

「……まあ、それはサラは俺の番だし、何度も交わっているからサラの体内を巡っている魔力の流れは感じやすいんだ。だから口付けたりすれば、体調の変化はだいたいは解る。あと、俺は元々血の臭いは敏感な方で、特に番のサラの血の臭いは花の香りみたいな良い匂いだから良く判るんだ」

「花の香り…?」

改めてルーは異世界の人なんだなぁと思わされる発言だ。
しかし、「うん」と頷くルーは何処か元気が無い。

「しかし、……そっかぁ、生理来ちゃったかぁ。判っていれば来る前に休み取って会いに行ったんだけどなぁ」とガックリと肩を落として、ぶつぶつと独り言を呟いた。

「あ、あのね?…その、実は初めてなの」

「……え?」

「何で気付かなかったんだ先週の俺~!」とまだルーは落ち込みながら独り言を言っていたので、佳夜は恥ずかしかったが、正直に言った。
すると、ルーはキョトンとした表情で顔を上げた。

「あの…。昨夜遅くだったんだけど、突然来ちゃって。…その、私も初めてで凄く驚いているの」

佳夜は顔を更に赤らめながら説明した。

「え?じゃあ、初潮って奴……?」

コクンと黙って頷く佳夜を見て、ルーまで顔を赤らめた。

「そ、そうだよな。今までずっと魔力も本体も封印して、仮の身体でしかも男として育ったんだから生理なんて無かったよな……。あれ?じゃあ俺ってまさか初潮前のサラに……!?」

ルーは、真っ赤な顔から一気に真っ青になった。

『あ、久々のリトマス試験紙だ』

ルーの呟きは、徐々にとても声が小さくなった為に佳夜は最後の方が全く聞き取れ無かった。故に何故突然青ざめたのか解らなかったが、ルーの瞬間顔色変化はある意味顔芸よねぇ。とのんきに感心していた。

「サランシーラ!」

青ざめた顔のままでルーはガシッと佳夜の両手を握り大声で真名で呼んだ。

「はっ、はい!?」

驚いた佳夜も思わず大声で返事をしてしまった。

「いや、ここじゃダメだ…!」

何か話し出そうと口を開いたがハッと顔を上げ、ルーは佳夜の手を引き部屋を出ると、佳夜を横抱きにして一目散に屋上へ向かった。そして、ベンチの前に来ると自身のマントを肩から外してそこに敷き、優しく佳夜を座らせた。
更にルーは佳夜の前に跪き、手袋をはめたままの左手で佳夜の左手を包む様に握り、そのまま優しく持ち上げると手の甲に口付けを落とした。

「!?」

目の前に跪いて手の甲に口付け…。しかも騎士服姿で!!
ただでさえ格好良いのに、騎士服姿はイケメン度が10倍増しになる。
ルーの行動そして柔らかくて温かい唇の感触に、心臓が耳の間近にあるのかと思ってしまう程煩く脈動した。
顔を上げたルーは真っ直ぐ佳夜を見つめた。佳夜も引き込まれる様にその瞳を見ると、深い青色の瞳の中の瞳孔がスッと縦に細く金色に輝きだした。

『なんて綺麗なの……』

佳夜はその美しい碧と金の光りに捕らわれ、目が離せなくなってしまった。
空は藍色に染まり、宵の明星が美しく瞬き出す中で東の空からは満月も輝き始めていたけれど、世界から音も景色も消え去り、ルーしか見えなかった。

「我が最愛なる番」

ルーも佳夜を見つめ、右手で頬に触れて優しく撫でたまま耳心地の良いテノールで甘く言葉を紡いだ。
佳夜はその声だけで下半身が甘く痺れ、全身が熱くなった。更にルーは思わずこちらが赤面してしまう程の破壊力抜群の甘く蕩ける様な笑顔になった。

『何その王子様スマイル!?……眩し過ぎて目が潰れちゃう!!』

もう、心臓が保たないよ…っ!

下半身からは血以外のものも溢れ出ている様な気がするし、胸が痛い程張ってブラジャーも濡れている様な感じまでしてきてしまった。
格好良過ぎるルーに見惚れ過ぎて思考回路も何もかもめちゃくちゃだった。
『お願い、ナプキン様許容越えないで!そして誰か私に今すぐ強心剤を下さい!』とどっかにテレパシーまで飛ばしてしまった程だ。(勿論そんな能力は無い)

「…発情期を抗え無かったとは言え、初潮前の身体を抱いて申し訳なかった」

「?」

サランシーラが未成年だと判っていても発情が止められ無かったし、今まで何度も抱き何度も溢れる程吐精してすまなかった。とルーが突然謝ってきたのだ。

「サランシーラ。…心から愛している。番だから、等では無い。その宝石の様な瞳も光の糸の様な髪も小鳥のさえずりの様な甘い声も、何もかも全てが愛しい。決して悲しませない。永遠とわに愛すると誓う。こんなタイミングで言われたら嫌かも知れないが、……どうか、このグヴァイラヤー・ルーフェス・タル・マーツルンドの生涯の伴侶となり、共に人生を歩んでくれないだろうか?」

「!?」

真名でプロポーズ。
それがどれ程真剣な思いを込めた言葉か、同じく真名を持つ佳夜には自分に流れる異世界の血の力で理解出来た。
真名はその者の魂そのもの。番と巡り合う為のものだけでなく、悪意ある者に知られてしまえば、大変な事になるから決して番以外には口にしない。
魔術で真名を縛り上げればその身は意思とは関係無く捕らわれ、奴隷になり果てる。または瞬時にその者の命を奪えるものでもあるのだ。
そもそも、ルーフェスは佳夜の番なので“結婚しない”なんて選択は存在しない。出逢った時点でもう結婚している様なものだ。だから、未成年だろうが身体が未成熟だろうが関係無く発情に身を任せても問題は無いのだ。だけど、優しくて真面目なルーフェスはまだ未成熟だった佳夜を抱いた事に気付くと、真剣に悪いと思い俺が責任を取る!絶対幸せにする!と誓いプロポーズをしてくれたのだ。
佳夜はそんなルーフェスを心から愛しいと思った。そしてルーフェスの想いが嬉しくて、涙が溢れてきてしまった。

「そんなに、生真面目じゃなくても良いのに。だって、私達番だよ?……でも、凄く嬉しい。身体は大人になったのかも知れないけど、まだまだ考え方も性格も幼い私だから、きっとルーフェスに沢山迷惑をかけてしまうと思う。だけど、私もルーフェスを心から好き、です。私をお嫁さんに貰って下さい」

熱く火照った顔でそう返事を返すと、ルーは私を強く抱き締めそのまま夜空へと高く高く舞い上がった。

「サランシーラ!愛している!あぁ、本当に嬉しいよ!!……約束する!俺の全てをかけて絶対に幸せにするからな!!」

「ちょっ!ルー!ここ地球だから!!」

誰かに見られたら大変な事になっちゃうよ!と叫ぶと、ハッとしたルーはすかさず2人の姿を隠す魔術式を展開した。

「…悪い。嬉し過ぎて舞い上がってしまった」

羽のあるルーは文字通り空へ舞い上がってしまったのだ。
謝り、照れた表情を見せたルーがまた可愛いかった。

「それにしても。……サラ、胸が随分張っていないか?」

強く抱き締めた時に気付かれた様だ。

「う、うん。そうなの。ちょっと痛いんだけどね…。たぶん、これって生理の所為みたいなんだけど、なんかブラジャーが濡れてきてるみたいだし変なんだよね」

「そうなのか?」

どれどれ?と言いながら、ルーは飛んだままで佳夜を姫抱っこに抱き直すと、器用に片手でブラウスのボタンを外して胸を開けさせたのだった。

「ちょっ、ルー!?」

慌てふためく佳夜を気にせず、そのままブラジャーのカップを下にずらしぷるん❤と胸を出した。

「うわ、スゲェ…」

出された胸は、なんと乳首からポタポタと白濁とした液体を垂らしていた。気のせいではなく、本当にブラジャーは濡れてしまっていたのだ。

『な、何これ!?……母乳!?』

更に慌てる佳夜だが、乳首をじっと見つめていたルーはパクリと胸にかぶり付き少し強めに乳首を吸い始めたのだった。

「んっ!あん!」

じゅー、じゅー、と胸から液体が吸われて行くのが判る。しかも時折舌で乳首を転がしたり軽く歯を立てるので感じてしまい、余計に胸が張った。
だけど、吸われる事で痛かった胸の張りが徐々に弱まってきた。
ルーはもう片方の胸も出すと、やはりそちら側も乳首からポタポタと零れ出ていた。
またパクリとかぶり付き、強く吸い出した。

左右両方の胸の張りが消え、液体も漏れでなくなる迄ルーは吸い続けた。その間にルーの舌使いに何度も感じてしまい、その都度小さくイッてしまった事は言えない。

「はぁ、上手かった❤」

ちゅぽんっと乳首から口を離したルーは、本当に嬉しそうだった。

「…お粗末様でした」

そう返して良いのか判らなかったけど。

「まさか、サラのミルクを飲めるなんてなぁ❤」

ルーはかなりデレデレな表情だ。

「これって、やっぱり母乳なの?」

「さあ?飲んだ事無いから判んないけど、ほんのり甘くて上手かったぞ❤」

乳首から零れ出る白濁とした甘い液体。
普通に考えれば乳なんだろうけど、私まだ15だし子供出来た事無いし生理中に乳って出るもん!?

『後でこっそり蕾紗さんに聞いてみよう…』

顔がデレたままだったけど、ルーは佳夜の着崩れた服を直してからゆっくりと降下し始めたのだった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



夜、全員揃った所で佳夜の初潮のお祝いが開かれた。
ダイニングテーブルの上には母~S'と都子さんが腕によりをかけた沢山のご馳走が並んだ。
皆でその美味しさに舌鼓を打ち「おめでとう!」と佳夜を祝った。
佳夜は嬉しい気持ち半面、恥ずかしい気持ちになり複雑だった。
だけど、隣に座り異世界日本料理を堪能しているルーが楽しそうで佳夜は嬉しかった。

「他の種族は判らないが、サーヴラーには初潮を祝う文化は無いからとても新鮮だ」

「私は少し恥ずかしいけど、グヴァイが楽しんでくれて嬉しい」

「そうだな。偶然とは言え共に祝えて俺も嬉しいよ❤…それよりも、具合はどうだ?どこも痛くは無いか?」

グヴァイはきちんと生理について解っていた。何故、生理の症状に詳しいのかと言えばルーの姉と妹は生理が重かったのだそうだ。

「俺がまだ学舎に居た頃、夏等の長期休暇の時にしか帰郷出来なかったけど、生理中の姉等が酷い腰痛だったり腹痛に悩まされているのを見かけたんだ。だから、何度も生理痛に効く薬を送って上げた事もある」

あの痛み様は、本当に見ていて辛そうで可哀想だったんだ。とルーは優しく私のお腹をさすった。

「ふふふ♪ありがとう。私なら大丈夫だよ。お腹も腰も痛くないわ」

「そうか、それなら良かった。……しかし」

サラの成長は心から嬉しいのだが、サラを抱けないのは本当に残念だよ。と眉毛を下げたルーは耳に口を寄せて呟いた。

「ごめんね、ルー」

佳夜もそっとルーにだけ聞こえる様に囁き謝った。
顔を近付けてきた佳夜の頬に素早く口付け、緩く頭を横に振り、微笑んだ。

「いや、すまない。カヤは何も悪くない。これは良い事なのだからいいんだ。……カヤ、明日アキノブは家に居るだろうか?もし居るなら会いたいと伝えてくれないか?」

「え?…えぇ、たぶん?後で母さんに聞いてみるね」

急に話が変わり、少し驚いたサラだった。

「あぁ、頼む。……ヒサシ、話があるのだが少し良いか?」

更にルーは佳夜の左隣に座る久志にも話し掛け、何やら佳夜抜きで話をしたい様子だった。久志はそれを察し無言で頷くと、2人は立ち上がり庭へと出て行った。

まだ残暑が厳しく涼しい秋の訪れを願うばかりな毎日だが、日が落ちれば僅かに涼を含む夜風が吹き、庭の草木からもコオロギの羽音が聞こえてくる。1日いちにち確実に秋へと近付きつつはある様だ。
「良い庭だな。いつか散策してみたいものだ」とグヴァイが以前言っていたので、久志は東屋へは行かず庭を歩く事にした。
わざわざ自分に声を掛けたと言う事は佳夜が絡んだ話なのだろうが、見ればそのグヴァイはどう話を切り出そうか何処か悩んでいる風だった。
だが、自分よりもずっと大人のグヴァイにこちらから何か言えるものでも無いと思い、久志は黙って話し出してくれるのを待った。


『こんなにも狂いそうな感情に襲われるとはな…』

ルーは夜空を見上げ、溜め息をこぼした。

サラに週に一度しか逢えない事は正直辛いが、相手は異世界に住みまだ学舎に通う未成年。直ぐに一緒に暮らすのは無理な事ぐらい承知済みだった。一応無事発情期は乗り切ったし自分自身訓練と仕事に忙殺される日々なので、まだ大丈夫と思ってもいた。
夜のふとした時に疼き暴れ狂う分身を、己の手で慰める事にも慣れた。しかしそれも、7日に一度はあの柔らかな肢体に触れ、全身を味わい尽くし何度も貫き、注ぎ込むからこそ我慢出来たものだった。
番への執着の強さが自分の中に流れる血と力の所為なのは解っている。されど、もう一つ流れる血のおかげでそれでもまだ耐えられると思っていた。
しかし、今回の事ではっきりと判ってしまった。

自分がもう限界であると。

月経はとても大事な事だと解っている。だが、頭で理解していても心と身体の均等は違う。
例え逢えたとしても、柔らかな繁みの奥に隠れた赤い宝石にむしゃぶりつく事が叶わない所か、ピクンッピクンッと可愛く震える突起を舐める事で溢れ出す甘い蜜を味わう事も蜜壺の最奥に己の硬く反り起つ陰茎を突き刺し啼かせイかせる事も出来ない。

『こんな事が続けば確実に気が狂う…』

狂えば本能のままにサラを拐い、犯し続け壊してしまう。そうならない為には、早々に一緒に暮らし出すしかないのだろう。
先日2人に目星を付けていた家を見せ、満場一致でここに住もう!と決めたところだった。そしてこれから3人で家具や食器等好みの物を見つけて、相談しながら買い揃えていこうと話し合ったばかりだった。

だが、そんな余裕はもう自分には無い。

「ヒサシ、俺は明日アキノブに挨拶へ伺おうと思っているんだ。そして、これは相談なんだが…。イルツヴェーグで共に暮らす時期を早めても良いか?」

サラの両親からは、サラとの仲は番と判った時点で了承を得ているし、もう既に結婚をしている様な濃厚な関係にまで至ってしまってもいるが、けじめは大事である。
少し暗い表情で話すグヴァイの言葉に、久志は軽く驚いた。何故なら、グヴァイもまた久志と同じで佳夜の為を思い自分の欲望は押さえ付けて彼女が一番喜ぶ事を優先してきていたからだ。
だが、前々から同じ佳夜の番であるのにグヴァイだけが好きな時に佳夜に触れられず我慢を強いられているのを久志は悪いと思っていた。そして、恐らく佳夜に初潮が来て終わる迄抱けない事がきっかけなのだろう。と彼の言いたい事は言葉にされずとも久志は理解出来た。

『正直に言ったら殺されそうだから絶対に言わないけど…。俺は毎晩サラを抱いていたしなぁ』

等と頭の端で呟いたが「あれは抱き潰している!って言うんだ!!」と笹間家と木根家一同から総ツッコミが聞こえてきそうな程激しく執拗にサラを抱いている事実を久志は都合良く棚に上げた。

「えぇ、俺は構いませんよ。その挨拶へは俺も一緒に行っても良いですか?」

「そうか、ありがとう。…そうだな。アキノブへの挨拶はきちんと3人揃っての方が良いだろうな」

「えぇ、そうですね」

2人は頷き合い、その後は互いが思っている佳夜の事を話しながら庭を一周し、家へと戻って行った。
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