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食べ物のうらみは恐ろしい
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警察署の二階、刑事課に白石刑事の声が響き渡った。
「高野、俺の机の上に置いてあった温泉まんじゅう知らないか?」
「ああ、交通課の長峰さんが旅行に行った土産だって朝、配っていたおまんじゅうですか」
「そうだ、後で食べようと大事にとっておいたのに誰かが食っちまった」
「ひどいですね」
「おのれ」白石はデスクに座わりこめかみを親指で押しながら考えはじめた。
彼がこうなると没頭して何を言っても無駄なのを承知している高野は横の自分のデスクで報告書の作成を始めた。
するとものの数分もしない内に白石は腰を上げると斜め後ろのデスク脇にあるゴミ箱の中を探り始めた。
「え? そこ沢口刑事の机じゃないですか」
「ああ、多分、まんじゅうを食べたのはヤツだ」
「まさか沢口さんにかぎってそんな・・」
高野の言葉に耳を貸すことなく白石はゴミ箱をあさり続ける。そして・・
「ほーら見ろ」
そう言ってゴミ箱に捨てられていた温泉まんじゅうの包み紙をとりだした。
二枚あった。
「そんなダンディーな沢口さんが・・」
「禁煙のせいさ」
「え?」
「この一週間、沢口からタバコの臭いがしない。禁煙してるのだろう。だが事件の犯人を挙げられないイライラが募ってヤツは無性にタバコが吸いたくなったんだ。でも吸えばこの一週間の努力が水の泡だ。そこで咄嗟に口寂しさを紛らわす為に俺のまんじゅうに手を出したんだ」
そして白石刑事はニタリと笑って言った。
「仕返ししてやる」
一時間後、聞き込みから帰って来た沢口刑事はデスクに座り机の引き出しを開けた。
中にはタバコが三本入っていた・・
「高野、俺の机の上に置いてあった温泉まんじゅう知らないか?」
「ああ、交通課の長峰さんが旅行に行った土産だって朝、配っていたおまんじゅうですか」
「そうだ、後で食べようと大事にとっておいたのに誰かが食っちまった」
「ひどいですね」
「おのれ」白石はデスクに座わりこめかみを親指で押しながら考えはじめた。
彼がこうなると没頭して何を言っても無駄なのを承知している高野は横の自分のデスクで報告書の作成を始めた。
するとものの数分もしない内に白石は腰を上げると斜め後ろのデスク脇にあるゴミ箱の中を探り始めた。
「え? そこ沢口刑事の机じゃないですか」
「ああ、多分、まんじゅうを食べたのはヤツだ」
「まさか沢口さんにかぎってそんな・・」
高野の言葉に耳を貸すことなく白石はゴミ箱をあさり続ける。そして・・
「ほーら見ろ」
そう言ってゴミ箱に捨てられていた温泉まんじゅうの包み紙をとりだした。
二枚あった。
「そんなダンディーな沢口さんが・・」
「禁煙のせいさ」
「え?」
「この一週間、沢口からタバコの臭いがしない。禁煙してるのだろう。だが事件の犯人を挙げられないイライラが募ってヤツは無性にタバコが吸いたくなったんだ。でも吸えばこの一週間の努力が水の泡だ。そこで咄嗟に口寂しさを紛らわす為に俺のまんじゅうに手を出したんだ」
そして白石刑事はニタリと笑って言った。
「仕返ししてやる」
一時間後、聞き込みから帰って来た沢口刑事はデスクに座り机の引き出しを開けた。
中にはタバコが三本入っていた・・
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