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プロローグ

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 ——どうして、こうなった。

「先生、こちらです」

 純白の神官衣に身を包んだ男が、重い扉を両手で押し開いた。

 中は円形の広い部屋だった。中央に長方形の石の祭壇があり、その上に女が横たわっていた。

「早く……! 先生、お願いします。もう時間が……」

 女は口を開けて苦しそうに短く息をしていた。毒を盛られたらしい。

 神聖魔法とやらでなんとか命をつないでいたらしいが、いよいよヤバくなって俺を呼んだということだ。

 俺は部屋を見回した。

 神官衣の男と女以外、誰もいない。

 俺は咳払いをした。

「あー、あのさ。悪いんだけど、これから秘術を使うんだ。だから……」俺は女を指差した。「二人っきりにしてくんない?」

「はいっ、はいっ。なにとぞ、なにとぞ、巫女をお願いいたします!」

 男が慌てて退出する。扉を閉められる前に俺はもう一つ追加した。

「あと、何があっても扉は絶対に開けないで」

 神官衣の男は涙目で頷きながら、扉を閉めきった。



「さてと」

 俺は巫女とやらに近づいて観察した。

 意識はないようだ。汗ぐっしょりで、着ている神官衣が艶めかしく濡れていた。

 綺麗な黒髪が汗で顔にはり付いている。俺は指でそっと髪を除けて顔をのぞいた。

「めっちゃ美人じゃん」

 巫女になるためには、ルックスも必要なのかね。

 俺はそこから淡々と巫女の神官衣を脱がせた。

 変なところが結んであったりして、脱がせづらいったらない。巫女をゴロゴロと右へ左へと転がしながら、なんとか裸にした。

 神官衣を床にポイッと放ると、びしゃっと音を立てた。

「どんだけ汗かいてんのよ。ちゃんと水分補給してんのか? ポ○リとかで」

 あらためて巫女の体を観察する。

 透き通るような綺麗な白い肌。まだ若いようでムダ毛もほとんどない。もしかしたら処理しているのかも。

 陰毛も生えているが、薄い。ちょっと摘んでみた。巫女は反応しない。

 それより気になったのはやはり毒のまわり具合だ。太い血管がクッキリと赤紫色になって全身を覆っていた。

 ファイアーパターンのタトゥーを全身に彫ったみたいだ。

「よく生きてんな、巫女ちゃん」

 俺はペチペチと太ももを叩いた。毒でうなされ続けていたわりに、なかなか肉付きがいい。

 こんな良い女を毒殺しようなんて、この世界の暗殺者は何を考えているのか。

「もったいない」

 俺は首を振りながら巫女の頭側に回った。

「助けてやるからな」

 毒を全て出さなければならない。

 俺は中腰になって腕を伸ばした。巫女の両胸に手をのせる。ふよんっとした感触。

 柔らかい両乳首を指でそっとこすったが、巫女にも乳首にも何の反応もない。

 そりゃそうだ。

 俺は両乳首を指で摘んだ。まずは低刺激から。

「ヒール」

 俺はささやいた。俺の手が暖かくなる。

 乳首を摘んだ指は動かさず、しばらくじっとする。

 巫女は相変わらず苦しそうに息をしている。変化はない。

「……」

 一分ぐらいそうしていただろうか。俺は一瞬だけ、乳首を摘んだ指に、くっと力を入れた。

 乳首が固くなってきた。

 巫女はそれでもまだ苦しそうだった。

 俺は指先に全神経を集中した。

「カタツムリのように……」

 ほんの少しずつ、ゆっくりと指を動かす。本当に些細な動作だ。

 巫女の口に耳を近づけて、呼吸音を聞く。

 巫女が息を吐いた瞬間に、乳首をきゅっと引っ張った。

「は……ぁ」

 乳首がつんと立った。

「よし、頑張れ」

 俺は巫女の頬にキスをした。汗がしょっぱかった。

 続けて乳首を人差し指の腹だけで何度も撫でた。

 巫女はまだ苦しそうだったが、時折「んっ」と反応を見せるようになっている。

 俺は巫女の両胸を鷲掴みにした。巫女の上半身がぴくくっと揺れる。

 胸を外側から回すように揉み続ける。時々乳首を指で弾いたり摘んだりする。

「は……ぁ、あ……は……、んん……ん……」

 徐々に苦しさとは違う吐息が増えてきた。

「ヒール」

 俺はヒールを唱えながら、巫女の両腕から両肩、首筋までを撫で回した。

 巫女の手を見ると、中指がピクピクと痙攣していた。汗はすっかり引いている。

 鎖骨のあたりを撫でたとき、巫女の胸から両腕にかけて、ぶわっと鳥肌が立った。乳首もコリッコリに立っている。

 乳首を摘んだ。くりくりとねくり続ける。

 くりくりくりくりくりくりくりくり——。

「ふっ……んっ、んっ、んっ、んっ、あっ……あっ……あっ……」

「よし」

 俺は下半身の方へ移動した。

 心なしか、赤紫だった血管の色が薄くなっている。

 俺は巫女の両脚を軽く開いた。

「ヒール」

 俺は唱えながら、太ももからすね、そして足先まで丁寧に撫でた。足先までいったら、今度は太ももまで撫で……、何度も往復した。

「んぐうっ……んっ、んっ」

 腰がびくびくと痙攣を始めた。脚はつま先までピンと伸びて震えている。

 脚の付け根から覗く割れ目から、透明の愛液が一滴ひとしずくたれていた。

 俺は愛液を親指ですくった。巫女の脚をもう少しだけ広げる。ぷっくりとした赤いクリトリスがあらわになった。

「ヒール」

 愛液がついた親指で、クリトリスをぬるんと撫でた。

「あっ!」

 ぴゅっと潮を吹いた。ぱたたっと石の祭壇にシミがつく。

 ヒダをかき分けて割れ目に人差し指を挿入すると、中はぬっぷぬぷに愛液で溢れていた。

「あっ、ああっ、な、な……ん……」

「あれ、気がついたか?」

 巫女が目を開けていた。しかし、とろんと目尻も口角も下がって、状況が分からない快感に混乱しているようだった。

 もっとも今の巫女の体では、俺のヒールの快感と毒で削られた体力のせいで自由には動けないはずだ。

 俺は素早く指を抜くと、今度は中指と薬指をクロスさせて巫女の中にずるんと挿入した。

「いやぁ……んあっ、あっ、そ、んっ、そっこっ……」

 俺はGスポットを優しく刺激した。巫女の腰ががくがくと震えだす。

「だっ、だっ、めっ……、でっ、ちゃう……」

「そうだ。毒を出さなくちゃいけない」

 俺はリズムも速さも変えずにGスポットを刺激し続けた。

「やめてぇ……あ~、やめ、やめてえぇ……」

 巫女が腰を浮かせた。

「毒を出せ!」俺はGスポットへの刺激を一気に強めた。「ヒール!」

「ぁあっ! すごっ、い! あっ、やめ、あ、だめぇぇっ!」

 俺の指技に合わせて、とめどなく愛液が膣から吹き出す。

「とめてえっ!」

 巫女は石の祭壇のへりを掴み、必死に快感に耐えていた。

 全身を覆っていた赤紫色はどんどん薄くなっていき、ついには綺麗な肌の色を取り戻した。

 俺は最後に指をぐっと奥まで届かせた。

「ヒール」

 巫女はもう声を上げられなかった。全身を震わせて絶頂を遂げていた。

 俺が指をずりゅっと引き抜くと、最後の愛液がしゃばっと飛び出して祭壇に水たまりを作った。

 巫女はぼーっとした顔で俺を眺めていた。口の端から唾液がたれている。

 いったい自分がどうしてこんな事になっているのか、全く理解できていないだろう。

「毒は全部出たよ。よく頑張った。もう大丈夫だ」

 俺はぬるぬるじゃない方の手で巫女の頭を撫でた。

 巫女は上目遣いに俺を見ていた。一瞬の間があってハッとしていたから、たぶん毒を盛られたことは思い出したのかもしれない。

 その時、背後の扉がけたたましい音を立てて開いた。

「巫女さまあ!!」

 さっき俺をここまで案内した男が飛び込んできた。巫女の声を聞いて、居ても立っても居られなくなったのだろう。

 よくあることだ。

 俺は素早く巫女の神官衣を拾い上げて、巫女に被せた。だが神官衣の汗はまだ全然乾いてなくて、冷たかったようだ。

「きゃっ、冷たっ」

「開けんなって言ったでしょうよ」

 俺は男を睨みつけた。しかし男にとっては、巫女が言葉を発したことの方が重要だったようだ。

「目がっ、目が覚めましたか!」

 俺はにっと笑った。それからびちょびちょの手を見せた。

「ほら、毒がこんなに出た」

「お、おお」

 男がまじまじと見る。

 巫女は真っ赤になって神官衣で顔を隠した。

「じゃあ、あとで報酬よろしくね」

 もうここには用がない。さっさと退散するに限る。

 そう思い、手を振って出ていこうとした俺を、巫女がかすれた声で呼び止めた。

「あの、お名前を。あなたのお名前を教えていただけませんか……?」

「俺か?」俺は親指で自分を差した。「コイヤー・カカツテ。治癒師だ」
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