感情を喰らう魔王は勇者を殺せるか?

昆布海胆

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異世界編

第6話 異世界で勇者とガランドを見た

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そこは石で作られた建物の中であった。
気が付けば真央とサリアは駅弁スタイルで繋がったままそこに立っていたのだ。

「ここが・・・」
「そう、私の部屋」

チラリと周囲を見て自室に帰ってきたのを理解したサリアの言葉に真央は視線をベットに移す。
石と同じ色をしているのに柔らかい不思議な素材で出来たベットに膝を着いてそのままサリアを仰向けに繋がったまま寝かせる。
そして、互いにそのまま唇を重ね2人は更に愛し合う。

「はぁっあっ!!」

一体どれ程の時間SEXを続けていたのか分からないのだが真央もサリアも果てる事無く更なる快楽の為に互いを求める。
真央が射精をすればサリアが元気になり、サリアの喜びが真央を更に強化する。
気付けばいつの間にか八重歯が牙の様に尖り頭部からは角の様な物が生え始めていた。
サリアはそれを愛おしそうに撫で、舐め、愛撫する。
それは真央に気付かせる為でもあった。
自分が人間で無くなっていく自覚があるのか真央は少し気にした素振りを見せるが直ぐにサリアへの肉欲に没頭する。

「ふぁっっ!あ”~~~」

射精と共にサリアが至福の声を上げる。
この世界に移動して中に注がれる精液に含まれる魔力が濃くなり始めたのだ。
それがサリアの体内に染みこみサリアは自身を更に強化する。
そして、それを与えてくれた真央に崇拝の感情を更に強め真央は更に染まっていく・・・

「だ・・・めっだめぇぇええ!!お許し下さ・・・っご主人さまぁッ!」

気付けばサリアは真央の事をご主人様呼ばわりしていた。
だがそれが心地よいのか真央は嬉しそうな表情のままサリアの中を蹂躙し続ける。
不思議な事に人間界で出し続けた精液はサリアの中から毀れる事無く彼女の体内へ染み渡っていく。
これが本来のサリアなのだ。

「あひっあ”っひッあ”ッあ”~~~~」

続けて中へ出された精液がサリアを絶頂へと導く。
そこに居たのは互いを求める事しか頭に無い2匹の獣であった。






一体どれくらいの時間が経過しただろうか。
痙攣しながら口からだらしなく涎を垂らしたまま意識を失ったサリア。
その中からズルリと抜かれたチンポと共に中から夥しい精液が溢れ出す。
サリアの意識が無くなった為に感情が喰えなくなり真央に限界が訪れたのだ。

「ふぅ・・・」

幸せそうに意識を失ったままのサリアにシーツを掛けて真央はドアらしきものを開けて部屋から出て行く。
サリアが話していたガランドと呼ばれる魔王を探しに行こうとしていたのだ。
本来であればサリアを伴って行くべきだろう。
だが真央は1人で出て行った。
ガランドと言うのがどういう者なのか分からない、もしかしたら連れて行くとサリアに何かされるかもしれない。
今の真央は自分の体の中に溢れんばかりの力に酔っていた。
人を遥かに超えたその力で無理矢理認めさせるつもりだったのだ。
だが真央は知らない、サリアの感情から力を得て魔人となった今でさえガランドの足元にも及ばないと言う事に・・・




「何者だ?」

廊下を抜けて広間の様な場所に出た時に頭上から聞こえたその声に真央は戦慄した。
たった一言、それだけで真央は理解したのだ。
そこに居る何かは自分を遥かに凌駕した力を持っており返答を誤れば即自らの死が待っている事を・・・

「が・・・ガランド様でしょうか?」

真央は一瞬にして敗北を悟った。
しかし、サリアの事は何とか譲り受けたい・・・
その思いだけが彼を動かしていた。

「実は・・・自分は求心 真央と言いまして・・・サリアを頂きたく・・・」
「ほぅ・・・我の威圧に耐えるとは・・・人間でもなければ魔族でもない不思議な存在よ・・・」

そこに魔王が居た。
真央は声のする方を見上げた。
そこには巨人が居た。
身長は5メートルはあるだろうか、老人の様に年老いた顔が影を落とし表情は良く分からない。
だがそこにそれが居る事を知った瞬間押し潰されそうな重圧をその身に受けて膝が笑う。
自らの中へ食べきれないほどの好奇心と言う感情が流れ込み一気に吐き気を催した。

「うっうぇぇ・・・」

思わず口元を押さえて蹲ろうとするが体が硬直して動けない。
必死に現状をどうにかしようと固まる真央の直ぐ横でそれは聞こえた・・・

「ぅぅぅ・・・」

苦しそうな呻き声が聞こえ目だけを動かしてそちらを見る。
そこには人間の女が居た。
左腕が捻れ全身血塗れで完全に虫の息、それに対してガランドと思われる大男が口にする。

「まだ息があったか、勇者よ・・・」

そう言って大男の足が上がった。
ゆっくりとその足は勇者と呼ばれた女の上へと移動した。
最後に女は歯を食いしばって自らの上に降りてくる足を睨み付けたままその姿を足の下に消した。

ぐじゅっ

あまりにもおぞましい光景、そして真央はそのまま意識を失うのであった。
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