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現実世界編

第3話 自分の存在がバレて逃げ出し自殺の方法を調べた

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「なんだか最近眠たそうね?」

同僚からそう言われ美佐は最近見る不思議な夢の事を話した。
誰かは分からない、だが毎晩その相手に夜中犯されている夢を見るのだ。
だが部屋の鍵は勿論掛かったまま、部屋に誰かが侵入した形跡も無い。
しかし、朝になると衣類は乱れ全身に気だるい感覚と自らの汗の臭いが部屋に充満していた。

「もしかしてさ・・・幽霊に犯されてるとか?」
「ははっ・・・まさかそんな・・・」

そう言われ美佐は思い当たる節がある事に気付いたのであった。






「おかえり~」

部屋でゴロゴロとしている俺の声に一切反応を示さずに美佐はベットに腰掛ける。
疲れているのかそのまま着替えもせずに眠りに付いてしまった。

「ちょっと最近犯りすぎたかもな」

ここ連日毎晩美佐を犯しているので彼女の疲労が溜まっているのは知っていた。
だが彼女に不用意な行動で気付かれると面倒なので出来るだけ自分の存在に繋がる要素は排除していた。
日中は電気を極力使わず着替えも1着のみで美佐が殆ど使わない場所に置いてコインランドリーを利用するようにしていた。

「んん・・・」

美佐が小さく呻いて少し苦しそうにしていたので胸元のボタンを外してやる。
チラリと見えたブラのゴクリと生唾を飲み込んで寝息を立てる彼女に優しく微笑む。
既に10回以上SEXをして彼女の喘ぐ顔を見続けているうちに俺も彼女に好意を抱き始めていた。

「ちょっと今日は早いけど・・・1回だけ・・・」

そう独り言を言って彼女のスカートの中に手を入れてパンストを脱がせる。
脱力している人の衣類を脱がすと言うのは中々難しい物で少し手間取りながらもゆっくりと実行をする。
パンストを脱がし終わったら次は下着だ。

「ずらして入れるか」

パンストを脱がすのに手間取ったせいで股間の張り詰めがキツくなっていたのでそのまま美佐に覆いかぶさる形で犯す事にした。
スカートをシワにならないように捲り上げパンツを横へずらしてアソコにソッとチンポをあてがう。
毎晩毎晩何回もSEXをし続けていたせいか先っぽを入れて刺激してやるだけで彼女は直ぐに濡れてアソコが開くようになっていた。
ゆっくりと、しかし確実に奥へ奥へと侵入していく俺のチンポ。
彼女から快楽を感じている感情が流れ込み感じている核心を得られた俺は徐々に腰の動きを激しくしていく。

「んっ・・・ぁっ・・・ぁぁ・・・」

流れ込む感情で美佐が絶頂に至る瞬間を理解できる俺はタイミングよく抜きさり彼女の太股に射精する。

「また一緒にイけたね」

そう言って眠り続ける彼女の少し開いた口にキスをしてティッシュで精液を拭き取る。
ここまでが連日の流れだ。
だが今日はこれだけにしようと決めていたので俺は部屋を静かに出て行く。
日中寝ていたせいで眠れないので暇潰しにあのコンビニに行った俺は気付かなかった。
美佐が帰ってからスマホを立てて録画していた事など・・・。







少しして適当に買った物を食べて手ブラで部屋に戻ったのだが様子がおかしかった。

「あれ?」

鍵は先日作った合鍵で締めた筈なのに開いていたのだ。
ソッとドアを開けて中へ入ると不思議な気配を感じた。
いや、これは・・・

美佐の事が気になった俺は部屋まで静かに移動してドアを開ける。
ベットを見るとそこに美佐が・・・

「貴方一体なんなの?!」

突如背後から聞こえた声に驚いて振り返る。
そこには美佐がスマホを手に立っていた。
その視線は手にしているスマホに行っており驚愕と恐怖に包まれた感情が流れ込んでくる。

「あぁ・・・なんて気持ちいいんだ」
「この変態!」
「えっ?!」

その瞬間後ろから誰かに押さえ込まれた。
うつ伏せに倒され腕を後ろで捻られる。

「美佐、こいつが本当に見えないの?!」
「うん、なんなの・・・これ?!」

そう、俺の能力は喜怒哀楽の4つの感情を食らった相手を無関心にさせることが出来る能力。
つまり俺を押さえ込んでいるヤツには勿論効果が出ず、そして美佐が手にしているスマホが全てを物語っていた。
肉眼では無関心になるので見る事も聞く事も出来ないのだがスマホのカメラを通せば見る事も聞く事も出来るのだ。

「そうか・・・そんな欠点があったのか」
「だまれこの変態!今すぐ警察に突き出してやるわ!」
「ちっしくったなぁ・・・」

そう呟きながら後ろから感じる感情に興奮を覚える俺。
美佐と後ろの誰か2人から流れ込む感情が非常に美味なのだ。
その俺の余裕の様子に怯え始めた2人の感情が更に美味しかった。

「降参だ。俺の負け、だから・・・さよならだ!」

そう言って俺は仕掛けを作動させる。
と言っても非常に簡単な物だ。
奥の寝室に仕掛けた装置をポケットの中のリモコンで起動させるだけ。
今の時代ホームセンターに行けば様々な物が売っている、俺は日中の暇な時間帯に買い物に出掛け仕掛けを作っていたのだ。

「えっ?なに?!煙?!」

寝室からモクモクと出続ける煙が取り押さえられている廊下にまで広がり慌てる2人、その感情をリアルタイムで見なくても分かる俺はタイミングを見計らって跳ね起きた!

「キャッ?!」

後ろから抑えていた女を突き飛ばして俺はそのまま外へ走って出て行く。
美佐との別れが突然だったのは仕方ないが彼女に対してだけは俺の能力は半永久的に使える。
逃げさえすればどうにでもなるのだ。
裸足のまま玄関の靴を手にし、外へ出た俺はそのまま階段で一気に1階まで駆け下りてマンションから走って出て行く。

「やった。逃げられたぞ!」

そのまま俺は約2週間振りに自分のアパートに戻るのであった・・・




「ふぅ・・・いやはや、しかし困ったな・・・」

アパートには郵便受けに入りきらないほどの郵便物がつめ込められ家賃の催促状も一緒に入っていた。
美佐の所から少しずつ抜いていた現金が少しは在るが今後の生活を行なうのには心許無い。
そして、俺は最大のミスを犯していた事に気付いた。

「あっ・・・これ・・・合格通知・・・」

そう、美佐と初めて会ったのはあの会社の面接である。
その会社から採用通知が届いていたのである。
きっと美佐は今日の事を警察に届けるだろう。
そして、色々な謎を残したまま自分に繋がる可能性にもしかしたら気付くかもしれない。
そうなれば名前も全て記載されている履歴書が向こうにある以上・・・

「しまったな、まさかあんな急に条件に合致する女と出会えるとは思わなかったから忘れてたわ」

この特殊能力の事をもしかしたら調べられるかもしれない・・・
そう考えると何故だか妙に恐怖を覚え怖くなっていく・・・
それはここ数日、常に誰かの感情が喰えていた事で安心していたのが1人になって今後の事が不安になったからであろう。
人間負の感情という物は連鎖的に積みあがっていくものである。

「金も無いし・・・これからどうしようか・・・」

真央は気付かなかった。
感情を喰らう事で快感を覚えるのは知っていたがその食べた感情の偏りが自身の精神状態に影響を及ぼすと言う事を。
そして、運命はまるでそれを求めるかのように真央をそこへ誘導した。

「捕まって牢屋に入ったり研究対象として監禁されるくらいなら自殺するってもありかもな・・・」

そう考え真央は自分の携帯でネット検索を行なった。
その内容は・・・

『気持ち良い自殺方法』

痛いのも苦しいのも人が出す感情を喰らうのは良いが、自分が体験するのは嫌な真央はまるで導かれるようにその言葉を検索した。
そして、出てきたそれに誘導されるように見入った。

「なんだ・・・これ・・・」

そこに表示されたのは悪魔召喚の儀式、簡単に言うと悪魔を呼び出して快感を与えてもらい対価として命を渡すと言う物であった。
まさしく気持ち良い死を実現する画期的な方法、それを迷う事無く即座に実践しようと真央は動き始めた。
まさかそれが彼の運命を大きく変える事になるとは夢にも思わずに・・・
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