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第32話 熊肉のフルコース
しおりを挟む会場の地面は雨でヌルヌルになりとてもまともに走れる状況ではなかった。
それでも二人は奮闘し結果・・・
「ゴール!!! 1着ルーシー選手! 2着さやか選手!」
山の中でトレーニングと言う土の状況が変わる場所で練習をしていた二人は他のエルフよりかなり有利に走れ無事にワンツーフィニッシュを決めた。
決して他のメンバーが弱かった訳ではなかった。
こうして二人はオリンピックにエントリーされ1週間後のオリンピックにて選手として出場しているのだった・・・
「ルーシー遂に勝負の時ね!」
「さやか、私に勝てるなら約束通りケビンとの結婚認めてあげるわ」
「別にケビンは彼方の物じゃないでしょ?」
「う…五月蝿いわね!私に勝たないと私は身を引かないわよ!」
「私は別に二人一緒にケビンの奥さんでも良いのに…」
さやかはこれまでの出来事を思い出しながらルーシーと会話していた。
思い起こせば色々なことがあったもんだ・・・
「ママーガンバレー!」
マヤの応援の声がさやかの耳に届く。
応援席からかなり距離があるのにも関わらずだ。
ケビンはいつも通り私達が自分達で答えを出すと信じて待ってくれている。
私は彼の方へ少しだけ視線を向け片手を挙げるだけ。
ルーシーは私が勝ったらケビンと結婚するって言うと思ってるみたいだけど私は勝ったら私と一緒にケビンのお嫁さんになるように言うつもりだ。
何度もケビンも私もルーシーには伝えてるのに聞き耳を持たないっというか聞いてないから困ったもんだ。
「何笑ってるのよ」
ルーシーがこちらをみて怒っている。
昔は同性愛なんて気持ち悪いとか思ってたのに本当なんでルーシーの事も好きになっちゃったんだろう。
でも不思議でも何でもいい、私はこの自分の気持ちが凄い嬉しい。
人を愛せるって本当に素晴らしい事だと思う。
私は私の願いを叶える為にも勝つ!
地区大会では走りなれているルーシーの方が早かったけどこのしっかりした地面なら負ける気がしない!
「なんでもないよ、愛してるよルーシー」
「ばっいきなり何言ってるのよ! 私だって・・・」
「分かってる、だから今日は負けないよ!」
「こっちこそ!」
私たちは開始の合図を待ち、会話を中断する。
今は前しか見ない、例え誰が相手でもルーシーがTOPを走るなら私は更にその前を目指す!
たとえそれが最強の座であってもルーシーがその前に居るなら私もそこに行く!
「位置について、ヨーイ・・・」
私は全身の力を抜いてリラックスする、ベストコンディションで走り抜けるためだ。
呼吸を整えて目を閉じて耳に全神経を傾ける。
「スタート!」
合図と共に一斉に走り出した!
風が頬を撫でる。
音が消えて景色がスローモーションに流れる。
無駄の無いフォームで一歩・・・また一歩・・・
ただ足を前に出す事だけを考える。
全ての感覚が走る事にだけ特化して私を包み込む。
もう何も考えてない、ただ少しでも早くゴールへ・・・
そして、ゴールが目前に迫ってきた。
コレで終わる・・・
それが失敗だった・・・
この終わりを考えた事で少しだけ、本当にホンの少しだけ腕の振りに無駄が生まれた。
その瞬間耳に音が戻ってきた。
直ぐ真横に聞こえる愛する人の聞きなれた息遣い・・・
あぁ、相変わらずルーシーの走るリズムは綺麗だな・・・
私は勝負している事が完全に頭から抜けていた。
それでも少しでも早くゴールに到達しなければならないと本能が叫び体を更に前に加速させる。
そして・・・
「ゴーーーーーーール!!!!!」
殆ど同着に見えた。
いや、むしろ私の方が少しだけ早かった筈だ。
私は自分の勝利を疑わず乱れた呼吸を整えていた。
ふわっと私を包み込む腕があった。
ルーシーだ。
その目には涙が溢れていた。
あぁ、彼女も全てを出し切って戦ってくれたんだと分かった。
そして、ラクリマにゴールの瞬間の映像が映し出される・・・
「優勝したのは・・・」
会場が一気に静かになる。
そして、私はその映像を見た。
そこにはそのまま走り抜けようとしている私とまるで前に倒れるように上半身をゴールの瞬間に前に倒して突き出しているルーシーの姿が映し出されていた。
あぁ、そうか・・・
さやかはその時初めて気付いた。
私はルーシーと戦っている気がしていただけで自分としか戦ってなかったのか、そしてルーシーは私を見て私と戦ってくれていた。
その差が映像に完全に映し出されていた。
「ルーシー選手!!!!」
沸きあがる歓声!
立ち上がって拍手をルーシーに送る観客達。
その時、私は初めてルーシーに負けた。
閉会式が終わり帰りの魔法陣で11区の町まで転送される。
あれからルーシーとは一言も話していない。
きっと次に話す時が彼女と最後に話す時だから。
4人は何も言わずケビンの家に帰った。
そして、ルーシーはさやかとケビンの前で口を開いた。
「終わったわ。さやか、今まで本当にありがとう楽しかったわ」
「うん」
「だけど約束は約束だよ、悪いけどこれだけは譲れない」
「うん」
「私はケビンと結婚する!」
「・・・うん」
ルーシーの発言にマヤも少し沈んでいる様子だった。
元から分かっていた事だ。
私が勝たなければこうなるのは目に見えていた。
なのに私はルーシーと戦わず自分とばかり戦ってしまった。
この結果は仕方ないんだ・・・
「だから命令よさやか!」
「うん?」
「私は貴女も愛しているわ!だから私と結婚しなさい!」
「はぁ?」
「なによ、悟りなさいよ!私はケビンと貴女二人と結婚するって言ってるのよ!」
「えっと・・・この国じゃ女同士は結婚できないんだけど・・・」
「えっ?そうなの?」
「私もルーシーの事は好きだよ、愛してる・・・」
「だったらさ」
ケビンが初めて口を開く。
「二人揃って俺と結婚するって事でどうかな?」
「・・・うん、それ採用!流石私のケビンナイスアイデアよ!」
二人は笑い出す。
突然の息の合った笑いに驚くルーシー。
二人はずっと何回もそれを伝えていたのに聞かなかったのはルーシーだと笑っていたのだ。
しかし、それで終わりはしなかった・・・
「それじゃあ私もケビンのお嫁さんになるー!」
マヤまで言い出したのだ。
こうしてケビンの家ではその夜、オリンピック優勝&準優勝を祝って大宴会が開催されるのであった。
メインに出されたのはケビンが山でゲットしてきた熊肉のフルコースであった。
から揚げに刺身にホルモン焼きに・・・
翌日胃もたれを覚悟する面々であった。
-----翌週-----
「それじゃ今日から宜しくね、ケビン」
「あぁ、ルーシーの荷物はこれで全部なのか?」
今日はルーシーがケビンの家に引っ越してくる日だ。
この世界では結婚式と言ったモノは存在せず仲間内で披露宴に近いパーティを開くだけなのだがケビンは山の中で住んでいるのでそれ程知人が多くない。
その為、そういったことは行わずそのまま同棲するかのような流れで今日から一緒に住む事にしたのだ。
「それと、さやか!」
「ん?なn・・・」
突然名前を呼ばれて振り返ったさやかの唇を奪うルーシー。
久しぶり・・・凄く久しぶりのルーシーの唇からは甘い香りがした。
「これから宜しくね、今夜は寝かせないんだから」
「おいおい、俺が旦那なんだが一応・・・」
「こっちこそ、朝まで覚悟してよ」
「いや、俺を無視するなよ」
ケビン完全におまけである。
「それとね、マヤ」
「なーに?ルーシーお姉ちゃん」
「イイのよ、私は知ってるから。私の事もルーシーママって呼んでいいのよ」
「?!・・・ルーシー・・・ママ・・・」
「うん、マヤおいで」
そう言ってマヤを初めて抱きしめるルーシー。
マヤは泣いていた。
ずっと我慢していたのだ。
母親に娘だと名乗れない辛さ、それをルーシーは理解して今日遂に受け止めたのだ。
「それでね、マヤに渡したいモノがあるの。」
「ん?なーに?」
「これはね、私の家に代々受け継がれてきた家宝なんだよね」
そう言ってルーシーはボロボロの布の様なモノを魔法で封印された小さな箱から取り出す。
「何でもね、私のすっごい昔のご先祖様が助けてもらった大親友から預かった物らしいんだ」
その布を破れないように丁寧に開いくとそこには小さな紫色の宝石が在った。
「もしもね、これの持ち主が受け取りに来たら返して欲しいんだ」
さやかは目を見開いてそれを見ていた。
そして、布を見て確信した・・・
「その・・・家紋は・・・」
「ん?あっこれ?なんでもねすっごい変わった名前だったらしく読める人がその時代にも殆ど居なかったんだって・・・」
「尹小田口絵の家紋・・・」
「?!なっなんでそれを?!」
さやかはその後、ルーシーに説明した。
日本で親友の和井りあらにそれを預けた事、この世界に車の事故で来たこと・・・
6000年以上の時を超えて守られた約束はこの日守られた。
これは御伽噺の様な奇跡の話・・・
人と人が繋いだ想いと愛の物語・・・
人生とは一体何が起こるのか本当に分からない運命の物語・・・
「ルーシーママ、私それ受け取れないよ。だって私もケビンのお嫁さんになるもん!」
マヤの発言に二人はケビンを見て否定も肯定もしないケビン・・・
「「まったくこの人は・・・」」
息の合った二人は今日も二人一緒に旦那を愛し互いを愛しその内成長の早いもう一人も一緒に愛し合うのであろう。
-----『完』-----
これにて『普通のOLだった私がダイエットしたらエルフとオリンピックで競って史上最強を目指してた。』 は完結です。
女性を主人公に愛をテーマに物語を書いてみましたがどうだったでしょうか?
どうにも作者の実力不足だったり頭がぶっ飛んでいる為に理解に苦しむシーンとか多かったかもしれませんがそれでも最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
次回作の話なのですが。
やはり12月は忙しく年始も色々と多忙になりそうなので暫くは新作は書かず現在連載中の作品に力を入れていきたいと思います。
それではここまでお付き合い本当にありがとうございました。
読んでみた感想なんでもいいので是非コメント欄に書いて下さい。
それではまた他の作品でお会いしましょう。
それでも二人は奮闘し結果・・・
「ゴール!!! 1着ルーシー選手! 2着さやか選手!」
山の中でトレーニングと言う土の状況が変わる場所で練習をしていた二人は他のエルフよりかなり有利に走れ無事にワンツーフィニッシュを決めた。
決して他のメンバーが弱かった訳ではなかった。
こうして二人はオリンピックにエントリーされ1週間後のオリンピックにて選手として出場しているのだった・・・
「ルーシー遂に勝負の時ね!」
「さやか、私に勝てるなら約束通りケビンとの結婚認めてあげるわ」
「別にケビンは彼方の物じゃないでしょ?」
「う…五月蝿いわね!私に勝たないと私は身を引かないわよ!」
「私は別に二人一緒にケビンの奥さんでも良いのに…」
さやかはこれまでの出来事を思い出しながらルーシーと会話していた。
思い起こせば色々なことがあったもんだ・・・
「ママーガンバレー!」
マヤの応援の声がさやかの耳に届く。
応援席からかなり距離があるのにも関わらずだ。
ケビンはいつも通り私達が自分達で答えを出すと信じて待ってくれている。
私は彼の方へ少しだけ視線を向け片手を挙げるだけ。
ルーシーは私が勝ったらケビンと結婚するって言うと思ってるみたいだけど私は勝ったら私と一緒にケビンのお嫁さんになるように言うつもりだ。
何度もケビンも私もルーシーには伝えてるのに聞き耳を持たないっというか聞いてないから困ったもんだ。
「何笑ってるのよ」
ルーシーがこちらをみて怒っている。
昔は同性愛なんて気持ち悪いとか思ってたのに本当なんでルーシーの事も好きになっちゃったんだろう。
でも不思議でも何でもいい、私はこの自分の気持ちが凄い嬉しい。
人を愛せるって本当に素晴らしい事だと思う。
私は私の願いを叶える為にも勝つ!
地区大会では走りなれているルーシーの方が早かったけどこのしっかりした地面なら負ける気がしない!
「なんでもないよ、愛してるよルーシー」
「ばっいきなり何言ってるのよ! 私だって・・・」
「分かってる、だから今日は負けないよ!」
「こっちこそ!」
私たちは開始の合図を待ち、会話を中断する。
今は前しか見ない、例え誰が相手でもルーシーがTOPを走るなら私は更にその前を目指す!
たとえそれが最強の座であってもルーシーがその前に居るなら私もそこに行く!
「位置について、ヨーイ・・・」
私は全身の力を抜いてリラックスする、ベストコンディションで走り抜けるためだ。
呼吸を整えて目を閉じて耳に全神経を傾ける。
「スタート!」
合図と共に一斉に走り出した!
風が頬を撫でる。
音が消えて景色がスローモーションに流れる。
無駄の無いフォームで一歩・・・また一歩・・・
ただ足を前に出す事だけを考える。
全ての感覚が走る事にだけ特化して私を包み込む。
もう何も考えてない、ただ少しでも早くゴールへ・・・
そして、ゴールが目前に迫ってきた。
コレで終わる・・・
それが失敗だった・・・
この終わりを考えた事で少しだけ、本当にホンの少しだけ腕の振りに無駄が生まれた。
その瞬間耳に音が戻ってきた。
直ぐ真横に聞こえる愛する人の聞きなれた息遣い・・・
あぁ、相変わらずルーシーの走るリズムは綺麗だな・・・
私は勝負している事が完全に頭から抜けていた。
それでも少しでも早くゴールに到達しなければならないと本能が叫び体を更に前に加速させる。
そして・・・
「ゴーーーーーーール!!!!!」
殆ど同着に見えた。
いや、むしろ私の方が少しだけ早かった筈だ。
私は自分の勝利を疑わず乱れた呼吸を整えていた。
ふわっと私を包み込む腕があった。
ルーシーだ。
その目には涙が溢れていた。
あぁ、彼女も全てを出し切って戦ってくれたんだと分かった。
そして、ラクリマにゴールの瞬間の映像が映し出される・・・
「優勝したのは・・・」
会場が一気に静かになる。
そして、私はその映像を見た。
そこにはそのまま走り抜けようとしている私とまるで前に倒れるように上半身をゴールの瞬間に前に倒して突き出しているルーシーの姿が映し出されていた。
あぁ、そうか・・・
さやかはその時初めて気付いた。
私はルーシーと戦っている気がしていただけで自分としか戦ってなかったのか、そしてルーシーは私を見て私と戦ってくれていた。
その差が映像に完全に映し出されていた。
「ルーシー選手!!!!」
沸きあがる歓声!
立ち上がって拍手をルーシーに送る観客達。
その時、私は初めてルーシーに負けた。
閉会式が終わり帰りの魔法陣で11区の町まで転送される。
あれからルーシーとは一言も話していない。
きっと次に話す時が彼女と最後に話す時だから。
4人は何も言わずケビンの家に帰った。
そして、ルーシーはさやかとケビンの前で口を開いた。
「終わったわ。さやか、今まで本当にありがとう楽しかったわ」
「うん」
「だけど約束は約束だよ、悪いけどこれだけは譲れない」
「うん」
「私はケビンと結婚する!」
「・・・うん」
ルーシーの発言にマヤも少し沈んでいる様子だった。
元から分かっていた事だ。
私が勝たなければこうなるのは目に見えていた。
なのに私はルーシーと戦わず自分とばかり戦ってしまった。
この結果は仕方ないんだ・・・
「だから命令よさやか!」
「うん?」
「私は貴女も愛しているわ!だから私と結婚しなさい!」
「はぁ?」
「なによ、悟りなさいよ!私はケビンと貴女二人と結婚するって言ってるのよ!」
「えっと・・・この国じゃ女同士は結婚できないんだけど・・・」
「えっ?そうなの?」
「私もルーシーの事は好きだよ、愛してる・・・」
「だったらさ」
ケビンが初めて口を開く。
「二人揃って俺と結婚するって事でどうかな?」
「・・・うん、それ採用!流石私のケビンナイスアイデアよ!」
二人は笑い出す。
突然の息の合った笑いに驚くルーシー。
二人はずっと何回もそれを伝えていたのに聞かなかったのはルーシーだと笑っていたのだ。
しかし、それで終わりはしなかった・・・
「それじゃあ私もケビンのお嫁さんになるー!」
マヤまで言い出したのだ。
こうしてケビンの家ではその夜、オリンピック優勝&準優勝を祝って大宴会が開催されるのであった。
メインに出されたのはケビンが山でゲットしてきた熊肉のフルコースであった。
から揚げに刺身にホルモン焼きに・・・
翌日胃もたれを覚悟する面々であった。
-----翌週-----
「それじゃ今日から宜しくね、ケビン」
「あぁ、ルーシーの荷物はこれで全部なのか?」
今日はルーシーがケビンの家に引っ越してくる日だ。
この世界では結婚式と言ったモノは存在せず仲間内で披露宴に近いパーティを開くだけなのだがケビンは山の中で住んでいるのでそれ程知人が多くない。
その為、そういったことは行わずそのまま同棲するかのような流れで今日から一緒に住む事にしたのだ。
「それと、さやか!」
「ん?なn・・・」
突然名前を呼ばれて振り返ったさやかの唇を奪うルーシー。
久しぶり・・・凄く久しぶりのルーシーの唇からは甘い香りがした。
「これから宜しくね、今夜は寝かせないんだから」
「おいおい、俺が旦那なんだが一応・・・」
「こっちこそ、朝まで覚悟してよ」
「いや、俺を無視するなよ」
ケビン完全におまけである。
「それとね、マヤ」
「なーに?ルーシーお姉ちゃん」
「イイのよ、私は知ってるから。私の事もルーシーママって呼んでいいのよ」
「?!・・・ルーシー・・・ママ・・・」
「うん、マヤおいで」
そう言ってマヤを初めて抱きしめるルーシー。
マヤは泣いていた。
ずっと我慢していたのだ。
母親に娘だと名乗れない辛さ、それをルーシーは理解して今日遂に受け止めたのだ。
「それでね、マヤに渡したいモノがあるの。」
「ん?なーに?」
「これはね、私の家に代々受け継がれてきた家宝なんだよね」
そう言ってルーシーはボロボロの布の様なモノを魔法で封印された小さな箱から取り出す。
「何でもね、私のすっごい昔のご先祖様が助けてもらった大親友から預かった物らしいんだ」
その布を破れないように丁寧に開いくとそこには小さな紫色の宝石が在った。
「もしもね、これの持ち主が受け取りに来たら返して欲しいんだ」
さやかは目を見開いてそれを見ていた。
そして、布を見て確信した・・・
「その・・・家紋は・・・」
「ん?あっこれ?なんでもねすっごい変わった名前だったらしく読める人がその時代にも殆ど居なかったんだって・・・」
「尹小田口絵の家紋・・・」
「?!なっなんでそれを?!」
さやかはその後、ルーシーに説明した。
日本で親友の和井りあらにそれを預けた事、この世界に車の事故で来たこと・・・
6000年以上の時を超えて守られた約束はこの日守られた。
これは御伽噺の様な奇跡の話・・・
人と人が繋いだ想いと愛の物語・・・
人生とは一体何が起こるのか本当に分からない運命の物語・・・
「ルーシーママ、私それ受け取れないよ。だって私もケビンのお嫁さんになるもん!」
マヤの発言に二人はケビンを見て否定も肯定もしないケビン・・・
「「まったくこの人は・・・」」
息の合った二人は今日も二人一緒に旦那を愛し互いを愛しその内成長の早いもう一人も一緒に愛し合うのであろう。
-----『完』-----
これにて『普通のOLだった私がダイエットしたらエルフとオリンピックで競って史上最強を目指してた。』 は完結です。
女性を主人公に愛をテーマに物語を書いてみましたがどうだったでしょうか?
どうにも作者の実力不足だったり頭がぶっ飛んでいる為に理解に苦しむシーンとか多かったかもしれませんがそれでも最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
次回作の話なのですが。
やはり12月は忙しく年始も色々と多忙になりそうなので暫くは新作は書かず現在連載中の作品に力を入れていきたいと思います。
それではここまでお付き合い本当にありがとうございました。
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