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私の名前は北中美紀。
中学3年生だ。
私は中学の卒業旅行に実家の旅館に友達5人と一緒に来ていた。
それがあんな事になるなんて・・・
「肝試ししよっ!」
友達の一人がそう言ったのに対して親友だった真由ちゃんは嫌がった。
元々大人しい彼女は実は隠れゲーマーである事を私は知っている。
怖い物は全然平気なメンタルが非常に強い女の子である。
だから怖がって嫌がっているのではないのは知っていた。
「え~折角中学最後の旅行なんだからさ~」
そういう友達の言葉に渋々付き合うことになった私達。
内容は簡単だ。
森の中の細い道を通って奥にある社の賽銭箱にお金を入れて戻ってくるだけ。
途中で引き返して帰ってきても分からないんじゃないかと思ったがそれは言わないでおいた。
「えへへ~余裕だったわ」
一人目が戻ってきた。
両手を後頭部で組んで笑顔を見せる彼女は本当に余裕だったのだろう。
「ま、まぁこんなものでしょ?」
二人目は目を潤ませながら帰ってきた。
森といってもそれほど大きい物ではないので野生動物が生息している訳でもないからそれはそうだろう・・・
「んじゃ美紀行って来るね」
そう私に伝えて出発したのは親友の真由ちゃん。
そして、彼女は帰ってこなかった。
往復で5分ほどだというのに15分ほど経過しても戻ってこなかったのだ。
「ね・・・ねぇなんかやばくない?」
「探しに行こうか?ねぇ何処かで怪我とかしているかもよ」
「そうだね・・・行こうか」
そう言って私達は森の中へ足を踏み入れた。
一本道を周囲を警戒しながら進む5人・・・
何処かに真由ちゃんは隠れて私達を驚かそうとしているのかもしれないと警戒しながらゆっくりと奥へと進んでいったが結局真由ちゃんは見つからなかった。
「ねぇ、何処に行ったって言うのよ?」
「知らないよ、だってここまで一本道だったじゃない!」
「警察・・・そうよ警察を呼ぶべきよ!」
社の前で私達は口論をして来た道を戻りだす。
そして・・・それを見つけた。
「誰か・・・倒れてる?」
「えっ・・・まさか・・・お、お父さん?!」
真由が駆け出す。
そこに倒れていたのは旅館のオーナーで真由のお父さんであった。
帰ってこない娘を探しに来たのだろうとは予想できるのだがなんでこんな場所で倒れているのか全く予想が出来なかった。
しかも・・・
「息・・・してない・・・」
「嘘・・・き、救急車!救急車だよ!」
慌てて携帯電話で助けを呼ぶ。
そんな私は視線を感じて後ろを振り返った。
「ヒッ?!」
森の木の奥、そこにぼんやりと浮かぶ女の霊と男の霊が立っておりこちらをニヤニヤと眺めていた。
その姿に見覚えがあった・・・
女の服装は真由ちゃんと同じで男の姿は父親に似ていたのだ。
「や・・・やだぁああああああ!!!!」
友達もそれに気付いたのだろう、悲鳴を上げ、それにパニックになった私達は森の外へ駆け出して逃げるのであった。
あれ以来その森は立ち入り禁止となり行方不明になった真由ちゃんと亡くなった父に何があったのかは不明のまま。
だけど実家の旅館に行った時はいつも感じるのだ。
真由ちゃんと父がまだそこに居ると・・・
完
中学3年生だ。
私は中学の卒業旅行に実家の旅館に友達5人と一緒に来ていた。
それがあんな事になるなんて・・・
「肝試ししよっ!」
友達の一人がそう言ったのに対して親友だった真由ちゃんは嫌がった。
元々大人しい彼女は実は隠れゲーマーである事を私は知っている。
怖い物は全然平気なメンタルが非常に強い女の子である。
だから怖がって嫌がっているのではないのは知っていた。
「え~折角中学最後の旅行なんだからさ~」
そういう友達の言葉に渋々付き合うことになった私達。
内容は簡単だ。
森の中の細い道を通って奥にある社の賽銭箱にお金を入れて戻ってくるだけ。
途中で引き返して帰ってきても分からないんじゃないかと思ったがそれは言わないでおいた。
「えへへ~余裕だったわ」
一人目が戻ってきた。
両手を後頭部で組んで笑顔を見せる彼女は本当に余裕だったのだろう。
「ま、まぁこんなものでしょ?」
二人目は目を潤ませながら帰ってきた。
森といってもそれほど大きい物ではないので野生動物が生息している訳でもないからそれはそうだろう・・・
「んじゃ美紀行って来るね」
そう私に伝えて出発したのは親友の真由ちゃん。
そして、彼女は帰ってこなかった。
往復で5分ほどだというのに15分ほど経過しても戻ってこなかったのだ。
「ね・・・ねぇなんかやばくない?」
「探しに行こうか?ねぇ何処かで怪我とかしているかもよ」
「そうだね・・・行こうか」
そう言って私達は森の中へ足を踏み入れた。
一本道を周囲を警戒しながら進む5人・・・
何処かに真由ちゃんは隠れて私達を驚かそうとしているのかもしれないと警戒しながらゆっくりと奥へと進んでいったが結局真由ちゃんは見つからなかった。
「ねぇ、何処に行ったって言うのよ?」
「知らないよ、だってここまで一本道だったじゃない!」
「警察・・・そうよ警察を呼ぶべきよ!」
社の前で私達は口論をして来た道を戻りだす。
そして・・・それを見つけた。
「誰か・・・倒れてる?」
「えっ・・・まさか・・・お、お父さん?!」
真由が駆け出す。
そこに倒れていたのは旅館のオーナーで真由のお父さんであった。
帰ってこない娘を探しに来たのだろうとは予想できるのだがなんでこんな場所で倒れているのか全く予想が出来なかった。
しかも・・・
「息・・・してない・・・」
「嘘・・・き、救急車!救急車だよ!」
慌てて携帯電話で助けを呼ぶ。
そんな私は視線を感じて後ろを振り返った。
「ヒッ?!」
森の木の奥、そこにぼんやりと浮かぶ女の霊と男の霊が立っておりこちらをニヤニヤと眺めていた。
その姿に見覚えがあった・・・
女の服装は真由ちゃんと同じで男の姿は父親に似ていたのだ。
「や・・・やだぁああああああ!!!!」
友達もそれに気付いたのだろう、悲鳴を上げ、それにパニックになった私達は森の外へ駆け出して逃げるのであった。
あれ以来その森は立ち入り禁止となり行方不明になった真由ちゃんと亡くなった父に何があったのかは不明のまま。
だけど実家の旅館に行った時はいつも感じるのだ。
真由ちゃんと父がまだそこに居ると・・・
完
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