短編集(18禁)

昆布海胆

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願い通りの異世界へ・・・

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「はぁ・・・早く童貞卒業したいな・・・」

満員電車の中、谷本 満は一人呟く・・・
彼の周囲に居た人にその声が届いたのか微妙に近くの男性の口元がニヤける。
まさに思春期真っ只中の満は童貞をこじらせていた。

「俺、昨日彼女の家で卒業しちゃったよ!」

同級生の昨日の話を聞いてから自分が置いていかれていると感じた満は昨日からずっとモンモンして過ごしていた。
ゴムありでもいい、一度でいいから女性に挿入してみたい!
そう考えた満は風俗デビューも視野に入れながらいつもの通学路を歩きそのまま都内の満員電車に揺られていた。
学校に本来なら行かなければならないのだが満はもう我慢が出来なかった。
このままだとおかしくなって性犯罪に走るかもしれないと感じた満は学校には行かず全く反対方向へ向かっていたのだ。

「次は~凍狂~凍狂~」

電車内にアナウンスが流れ凍狂駅に到着するのに気付いた満は意を決して人ごみの流れに合わせて進んでいく・・・
改札を抜けて街中を歩き目的のその場所を目指して一直線であった。
既に勃起が歩くのを阻害する程続いており先端からカウパーと呼ばれる先走り汁がパンツに染み込んでいるのを気にせずに満は雑居ビルの間の路地に入っていく・・・
人が2人並ぶのが困難な程狭い道を進むとその一番奥には一人の占い師が居た。
赤いフードを深く被り赤いシーツが敷かれた小さなテーブルの前にこっちを向いて座るその占い師の顔が少しだけ上がった。
口元が満から見える高さまで上がったところで占い師から語りかけられる。

「おや、その若さでここに来るなんて珍しいねぇ・・・」

まだその占い師まで10メートルは離れているにも関わらず脳内に声が届いた様に満にはその言葉がしっかりと聞こえた。
都内のざわめきもこの路地に入ってからはまるで聞こえなくなりビルの谷間は昼間だというのに真っ暗である。
そんな中、満は占い師に近寄り口にする。

「ここに来れば願いの叶う異世界に行けると聞きました」

満のその言葉に嬉しそうに口元を歪める占い師は赤いシーツの上に何処からか出した水晶玉を1つ置いた。
赤いローブを纏った占い師の手がその水晶玉に翳されるとその中に光が浮かび上がる。

「それは良いが、坊やはここがどういう所なのか分かっているのかい?」
「残りの人生全てを対価として願いの叶う異世界へ旅立たせてくれる場所・・・ですよね?」
「分かってるなら良いさ、それが坊やの願いならね」

そう、満は自分の人生を終わらせる気でここに来たのだ。
童貞だった自分が初めての相手として考えていた幼馴染の瞳と言う娘が居る。
小さい頃からいつも一緒だった彼女といつか付き合って結婚して初めてを共にと10年以上考えていた満は昨日絶望したのだ。
瞳がクラスメイトと処女を捨てた話をしていたのを聞いてしまったのだ。
しかも相手は自分の知らない男で彼女の口から彼氏と言っていたのだ。
これを一緒に耳にしたクラスメイトも彼女と昨日童貞を捨てたと話し始めた。
正直最初は絶望で目の前が真っ暗であったがそんな事は直ぐにSEXしたいと思う気持ちが上書きされた。
いや、正確には自暴自棄になっていたのであろう。
このままだと誰彼構わず通りすがりの女性をレイプしそうに感じた満は以前見たネットの噂話を思い出した。

『凍狂の△△ビル、その横の路地を奥まで行くとそこで願いの叶う異世界に行ける』

全く信じては居なかった。
だが性欲に支配された思春期真っ只中の満は何故かそれを鮮明に思い出し気が付けばそこへ向かっていたのだ。

「それじゃ、この世界とはお別れになるけど悔いは無いんだね?」
「あぁ、もう生きていても何の希望も無いから・・・」

高々30年も生きていない満の言葉は非常に軽かった。
この先の人生に新しい出会いや色々な事もある筈なのにそれを一切視野に入れていないその言葉に占い師は嬉しそうに語りかける。

「分かった。それじゃあ水晶玉に手を置いてどんな異世界に行きたいか口にするといい・・・」
「こうですか?」

満は水晶玉の上に右掌を置いた。
ヒンヤリとした感覚に一瞬思いとどまりそうになったが先程から痛いほど続いている勃起が彼を後押しした。
そして、目を閉じて口に出す・・・

「生で女の娘と沢山、沢山SEXがしたい!」

満の考えるラノベの様な異世界、そこは美少女達に囲まれてハーレムを気付いて次々と誰もが自分に求愛し体を重ねる夢の様な異世界。
それを思い浮かべたまま目を閉じる満に占い師の声が届く・・・

「分かった。それじゃ行ってくるといい・・・ひっひっひっ良い旅を祈っているよ・・・」

その言葉を最後に満の意識は闇の中へ沈んでいく・・・
自らの意識と共に呼吸も弱くなるのを感じつつその浮遊感にも似た感覚に安堵した満は抵抗する事無く身を委ねたのであった・・・







「・・・・・・そこ・・・・いい・・・・・・いいの・・・・・・もっと・・・・・・・」

ゆっくりと意識が覚醒していくのを感じながら下腹部に重さを感じた満はゆっくりと目を開いた。
すると突然口を何か柔らかい物で塞がれて驚き目を見開く!
それと同時にこみ上げるそれを理解した。
そう、射精感である!

「あっ出る?出るのね?早くっ中に出して!」

その声から自分が今何をしているのか直ぐに理解した。
仰向けに裸で寝ている自分の腰に跨る女性の青い髪がチラリと見えた。
そして、口が開放され銀髪の少女の大きな目が満を見詰め微笑む。
一目惚れであった。
だがその気持ちは股間から放出される精液と共に流れていく・・・

「あっ!出たっ?凄い!凄いよぉお!!暖かいよぉおおお!!!」

青い髪の女性は自分よりも年上のお姉さんでその人の膣内に自分の精液が流れ込んでいくのを満は理解した。
すると物凄い快感が突如満を襲い脳内が焼け付くようにピリピリする!
体を仰け反らせ絶頂したのか青い髪の女性は少しの間震えて絶頂を堪能した後、両手を満の胸板に置いて繋がったまま抱きついてくる。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

荒い呼吸が彼女から聞こえて彼女を抱きしめ返そうとした満であったが腕が動かない事に気が付いた。
いや、正確には腕の感覚が無いのだ。
ゆっくりと顔を横に向けるとそこには・・・腕が無かった。
肩から先が無くなっておりそれに青ざめた満であったが直ぐにそんな満の口を塞ぐ青い髪の女性の唇に惑わされる・・・

(もう・・・どうなっても・・・いいかも・・・)

今もなお続く快感に満は考えるのを放棄した・・・
そして、その意識は再び沈んでいく・・・








「んっ・・・これ・・・凄い・・・硬くて・・・・んんんっ・・・」

再び声が聞こえてゆっくりと目を開くと今度は先程の銀髪の少女が満の上に跨っていた。
見た感じ胸も小さく10台前半だと言われても納得のいく体を見て罪悪感に襲われるが下腹部からこみ上げる快感に直ぐにどうでも良くなった。
そして、満は再び射精を行なう。
先程と同じ様に大量の精液が彼女の中へ流れ込むのを感じた満は驚きながらもその快感に浸る。

「ふぁっ!そんな・・・いきなり出すなんて・・・しゅごい・・・しゅごいのぉおお・・・・」

銀髪の少女もフルフルと体を揺らしながら絶頂しているように見えてそれが非常に嬉しくなった満であったが動かない手足の感覚にまた急速に気持ちが沈む・・・
そして、再び意識は深く沈んでいく・・・





「あんっ・・・これ・・・いいわね・・・ひぐっ!」

また声が聞こえ下腹部が快感に包まれている感覚で覚醒した満は目を開く。
そこには金髪の狐耳の女性が跨っていた。
美しいと言う言葉が文字通りに合うその髪が彼女の体と共に揺れる・・・
そして、満はまた中へ精を放つ・・・

「んぁっ!やだっ・・・そんないきなり・・・あぁ・・・美味しい・・・」

美味しい?その言葉が聞こえた満は彼女に視線をやる。
流れ込む快感の中へ沈みそうになる意識を必死に押さえて今度は意識が沈まないように耐える満・・・
そして、途切れそうになる意識の中・・・満は聞いてしまった。

「次の方・・・どうぞ・・・」

アナウンス?
そして、自分のそれを抜いて流れ出る精液を指ですくって舐め取る金髪狐耳の女性は満足気に去っていく・・・
予想通りそこには自分の足は既に無く首以外一切身動きが取れない事を理解する。

「う・・・そ・・・だ・・・ろ・・・」

声がまともに出ないと言うのも驚きであったがそれ以上に驚く事が起きた!
なんと自分が寝ている布団の様な物から光が上がり自分の体の汚れが綺麗に無くなり性欲が復活したのだ。
そして、入ってきた緑の髪をした女性はワンピースを指先で摘んで自分に跨る・・・

「ん・・・んぁっ・・・・すご・・・おっきい・・・・」

抵抗しようにも身動きが取れず声も出せないのでどうする事も出来ない満は再びSEXの快感に身を委ねるのであった・・・


















「ふふっ・・・きっと幸せな体験をしているのでしょうね」

暗い一室の中、満は頭に機械を被らせられ座らされていた。
手足は動かないように固定され股間と口には機械が取り付けられている。

「先月の商品が出荷になったから丁度良かったよ、またよろしく頼むな」
「えぇ・・・」

満は絶頂したのか体をビクビクと痙攣させる。
すると下半身にセットされた機械がその精子を吸い上げていく・・・
満の体はここで買取が行なわれるまで体液などを搾取され最低限の延命処置のみで生かされ続ける・・・
そして、買取先が決まればそこへ出荷されるのである・・・

「しかしVRとは便利な機械もあったものね」
「あぁ、薬で眠らせるみたいな副作用も無いしな、見せたい映像を機械を使って体感しながら現実の様に味わえるから健康体のまま生きた新鮮な体を保管できる、臓器販売業者にとってもいい時代になったもんさ」

男が視線を横にやると老若男女様々な人が椅子の様な物に固定されていた。
それを一緒に見詰める占い師を演じていた女性は口元を歪めながら外へ向かって歩いていく・・・

「それじゃ皆さんさようなら・・・良い異世界ライフを・・・」

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