短編集(18禁)

昆布海胆

文字の大きさ
上 下
9 / 12

LET'S DO IT? ※ホラー?

しおりを挟む
玄関のドアを開けて中へ入る。
少し湿気の香りがするがそこは俺の俺だけの部屋である。

「ただいま」

誰も居ない部屋に声を掛ける。
すぐに彼女は俺に纏わりついてきた。
優しい指先が頬を撫でる。

「うん、大丈夫浮気なんてしていないよ」

俺はドアに鍵を掛けてベットへと移動して上着を脱いだ。
腰掛けたベットの軋む音、それしか聞こえない部屋が寂しくてテレビの電源を入れる。
仰向けに寝転がり天井を見詰める。

「明日はゆっくりしよう」

その言葉を待っていたかのように彼女は俺のアソコを咥えて来た。
帰ってきたばかりで汗も流していない俺のアソコを一切の拒否感無く自ら口に含んだのだろう。
柔らかい感覚が下腹部を包み込む。

「いいよ、ずっと待たせていたからね」

その言葉が嬉しかったのか彼女は自ら挿入した。
恐ろしいほどの快感が全身を駆け巡り直ぐに俺は達するが納まる事無く何度も何度も彼女は腰を振り続ける。
俺は立ち上がり冷蔵庫から麦茶を取り出し一口の見込む。
冷えた麦茶が喉を通過するのと同時に何度目か分からない射精が彼女の中へ注がれる。

「少し寝るかな」

再びベットに横になり目を瞑った。
その間も彼女はずっと俺とSEXをし続ける。
一体どんな容姿をしているのか・・・
一体どんな声で喘いでいるのか・・・
俺には彼女の姿は見えない。
だがこの部屋から出れない彼女は俺が帰ってくると喜び俺を求める。
それだけで十分であった・・・





半年前・・・

「えぇ?!こんなに安いんですか?!」
「はい・・・まぁ・・・事情が事情ですからね・・・」

不動産屋で紹介されたアパートが驚く程安かったのに声をあげていた。
事故物件ではないが、その部屋は訳在り物件であった。
なんでも女性が住むと恐怖体験を繰り返し、男性が住むと衰弱していくのだという・・・

「まぁ霊なんてこの世に居るわけ無いですからね」
「皆さんそうおっしゃるのですがねぇ~」

店員の態度が気にはなるが済むだけで衰弱するなんてありえない。
そう考える俺は値段に釣られて部屋を軽く見ただけで契約した。
そして、住み始めた初日の夜・・・
そいつは俺を夜這いしてきた。

「んっ・・・なんだ?」

下腹部に生暖かい感覚があり目を覚ますが布団はそのまま被っている。
ズボンも下着も履いたままなのにアソコが何かに包み込まれているような感覚を受けたのだ。

「君は?」

姿は見えない、だが月明かりに照らされた壁にシルエットの様な物が映り込んだのだ。
髪の長い女・・・
それが俺の下腹部に頭を沈めていた。
恐怖は無かった。
影に布団が映っていないのにも関わらず安心しきっていたのだ。
こいつは無害だと無意識かで理解していた。

「怖がらなくてもいいよ」

シルエットを見られて驚いたのか彼女は動くのをやめていた。
だから俺は続けて欲しくてそう答える。
それが嬉しかったのか先程よりも強く下腹部に快感を覚えた。
最初の夜はそれだけであった・・・
だが日を重ねるごとに行為はエスカレートしていき、遂に彼女は俺と一つになった。
その日から続く俺と彼女の共同生活はほぼ常にSEXし続けている状態となっていた。
驚く事に何度も何度も射精する感覚はあるのだが実際には精液は出ておらずパンツは乾いたままである。
だが疲労はあるのだろう、事実俺の体重はこの1ヶ月で15キロは減った。
元々肉付きが良すぎた体格なのでスッキリした容姿に周囲からの評判は凄く良い。
生気を吸い取られゲッソリしている訳でもなく、むしろ健康的と言われるほどである。

「でもお前良く食べるよな~なんでそれで痩せてくんだ?」
「その分消費しているからだよ」

そんな同僚との会話中も人の3倍は食べ物を食べていた。
俺は幸せだった。
好きな物をどれだけ食べても痩せる、部屋に帰れば気持ち良い体験が出来る。
生きているって素晴らしいとまで感じていたのだ。





「うっ」

彼女の中へ射精する感覚と共に目が覚めた。
窓の外は生憎の雨模様で、薄暗い様子が目に入った。
朝食を食べに行こうかと立ち上がった時であった。

「へっ?」

後ろから何かに押されたのだ。
ベットに上体を乗せるように倒れた俺は意味が分からなかった。
彼女は俺の首に腕を回して抱きつきながら今も繋がっている。
しかし、背中を押されたのは別の手なのだ。

「えっ?えっ?えっ?」

意味が分からないまま何かが尻に触れる。
恐怖で嫌な汗が噴出す。
その間も彼女は必死に俺から精液を搾り取ろうと腰を動かし続けていた。
気持ちいいのは気持ちいいのだが背後に感じる不快感がそれを凌駕し始める。
そして・・・耳元で良い声が聞こえた・・・

『オレハノンケデモクッチマウンダゼ』

そして、俺の中に何かが入ってきた。
止まらない射精、止まらない冷や汗、止まらない全身の痙攣・・・
部屋で「アーーーッ!!!」と言う絶叫が響いたのだがそれを聞いた者は居なかった・・・






翌日、仕事に出社しなかった俺を心配して見に来た同僚が来た・・・
鍵の掛かっていなかったドアを開ける・・・

「おい・・・居るのか?」

返事は返ってこない。
だがギシギシと何かが軋む音が延々と続く。
恐る恐る部屋に入ってそれを見て固まった・・・
ベットの上で白目を剥いて涎を垂らしながら丸めた布団に向かって腰を振り続ける俺の姿がそこに在ったのだ・・・

「ヒッヒィイイイイイ!!!」

外へと逃げ出した同僚の通報で救急車が呼ばれ俺は救助された。
しかし、俺は意識を取り戻す事は無かった・・・
ただ救助に来た人たちの話では部屋に入った時に不思議な声が聞こえたのだと言う・・・
それが一体なんと言っていたのかは彼等の口からは語られる事は無かった・・・

『ヤラナイカ』


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

その他 短編集

昆布海胆
大衆娯楽
ファンタジー以外の短編はこちらに掲載したいと思います

処理中です...