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第94話 更なる絶望、総勢38体のデヌピサロ
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光へと消滅していくデヌピサロ。
神々しく美しいその光景に誰もが動かない、いや動けないのだ。
既に絶頂によって限界まで体力を使い果たした男性陣、その誰もが限界を迎えデヌピサロの消滅に合わせる様にその命を終わらせていく・・・
例えデヌピサロ自身が消滅したとしても、その体から発せられた体液が消滅するには時間を要したのだ。
それが・・・
「いや、ゼロ・・・ゼロオオオオオオオオオオ!!」
「うそ・・・うそよ・・・」
騎乗位のまま叫ぶセリシアと嘆くレイラ。
共に膣内に射精されたまま、その命が終わるのを感じ取ったのであろう。
特にレイラに至っては酷く深刻な状況であった。
『化かす者』それは他者にその存在を見抜かれた時にデメリットが存在するユニークスキルなのである。
完全に見抜かれた際に対象から呪いの様なモノを受けるのである。
今回レイラが受けたのは、ダノンに対する熱烈な親愛と好意・・・
今のレイラにとってダノンを失うと言うのは最愛の者を亡くすにも等しい状況になっていたのだ。
しかもそれが自身の中に命を吐き出して果てるという最後なのだから・・・
そして、他にも・・・
「か・・・かはっ・・・」
吐血し地面に屈ぷすソアラ。
彼女もまた限界を迎えていた。
ただでさえ狂う程の体液の中、デヌピサロの『イキつく波動!』をもろに受けたのだ。
平気な筈が無かった。
だが・・・
「そ、それでは・・・アイツを救ってくれるんだよな?」
他者の事など知った事かとローザに詰め寄るのはバラモヌ。
そう、バラモヌは死したカヌダタを生き返らせる為にデヌピサロ討伐に協力したのだ。
しかし・・・
「ローザどうするの・・・」
地面に落ちた衝撃で怪我をしたのか、頭から血を流したままアイリスが尋ねてきた。
空飛ぶベットの上で自慰に浸っていた下半身丸出しの彼女、その手に握られているのは1枚の『世界樹の葉』。
そう、この場で死んだ者は何名も居るが生き返らせるのは1人だけなのだ。
ローザに近寄ったアイリスをキッと睨みつけ、バラモヌは濃厚な魔力を纏ったまま近づいてくる。
徐々にではあるが体液が飛散し始め、アイリスの高揚した表情が少し落ち着きを取り戻しつつあるが、ローザは疑似魔王化を解いてはいなかった。
直ぐ横ではシズもまた疑似魔王化状態のまま構えている、だから奪い取るという選択をバラモヌは選べなかったのだ。
「ごめんなさい、だけどまだ・・・」
そこまでローザが口にした時であった。
突然上がる笑い声、誰もがその声に視線をやった。
その先に居るのは勿論・・・トーマスである。
「見事、素晴らしいよ本当に見事だ!私が生み出したこの世界の生き物を生み出す最強の生物、それが究極に進化したそれをまさか本当に倒してしまうなんて。あぁ今回は本当に良い事が沢山あったよ」
そう言って両手を広げ喜ぶトーマスに向かってバラモヌが魔法を放った!
「貴様は黙ってろ!『メラゾーヌ!』」
それはただの火炎魔法では無かった。
両手からそれぞれ放たれた2つのメラゾーヌが空中で融合し、地面を融解させながらトーマスに向かった。
だが・・・
「んー残念だね~この世界の君たちが発生させる概念では管理者である我々には影響を及ぼす事が出来ないのだよ」
爆発しているその中でトーマスは普通に会話を続けていた。
まるでCGを合成させているかのように、同じ場所に居るのに別の場所に居る様な・・・
爆風すらも感じていない様にトーマスは気にせずに話を続けていた。
だが・・・
「でもそれは貴方も同じよね?私達を害する行為は出来ないですもんね?」
「はははっそうだね、だけどローザ・・・君はもう目障りだからお別れしようかと思ってるんだ」
「それは・・・」
「うん、リンちゃんだったかな?この世界で生まれた僕達人間と同じ奇跡の存在を見つけたからね、君みたいな中途半端な存在はもう次の世界には要らないんだよ」
その言葉にローザは何も言い返さない。
だがシズとアイリスは気付いていた。
リンが『不屈』スキルを保持した状態でユウキの2連続膣内射精レベリングを受けた結果そうなったのだという事を。
それをトーマスが知らないのはローザが故意に情報を伏せているからなのだと理解したのだ。
そう、ローザはアリアにリンに対して行った事の詳細を説明してはいなかったのだ。
だからアリアもトーマスも知らないのだ。
まさか自分達が探している存在をユウキの力を借りれば自由に作り出せるという事実を!
「でも残念ね、貴方は手を下せないし、貴方が生み出した存在では私達やそこにいる魔王バラモヌは倒せないわよ」
「ふふふ・・・そうだね、普通ならそうだ。だから僕は奮発させて貰う事にするよ」
「奮発?」
意味が分からないとばかりに首を傾げるローザ達。
その仕草に満足したのか嬉しそうにトーマスは続けた。
「そうさ、君達は本当に僕の想像を超えた存在に至った。だからこそ僕の持っているポイントを使って最高のプレゼントを贈る事にしたんだよ。なぁに心配は要らない、僕のポイントを全て使ってもまだアリアのポイントが残っているからね。彼女が新しい世界を作ってくれたらポイントが貯まるのをゆっくりと3人で待たせて貰うから」
そう言ってパチンっとトーマスは指を鳴らした。
世界が揺れる・・・
まさしくその言葉通りと言わんばかりに物凄い振動が世界を襲った。
今から何が始まるのか、トーマスに対して何かを行う事も出来ず、トーマスから何かをされる事は無い、であれば地殻変動でも起こそうとしているのか?
そう考えさせられたが、ローザは知っている。
トーマスは地殻変動と言った事は出来ず、それは世界を作り上げるアリアが出来る事なのだと。
だからこそ黙ってそれを見守る、トーマスは気付かない・・・ローザの口元が歪んでいる事に・・・
「う・・・そ・・・だ・・・ろ・・・」
それはバラモヌの口から漏れた言葉であった。
その目が見開かれ、言葉に困るのも仕方ないだろう。
地面が隆起し、8つの土の塊が出現したのだ。
そして、それが砕ける様に壊れその中からそいつ等は現れた。
「「「「「「「「グゴゴゴゴゴゴゴ・・・」」」」」」」」
一斉にその口から洩れる聞き覚えのある声・・・
それは先程倒したばかりの最終形態となったデヌピサロ8体であった。
その全ての目がローザを睨みつけた。
「くっ?!」
慌ててシズは疑似魔王化状態を維持したまま魔力の槍を出現させて構えた。
今の所8体のデヌピサロの体からは体液が放出されていないが、いつ再び放出が始まるか分からない、だから魔力消費がリアルタイムで凄い疑似魔王化はまだ解かずに・・・
だが、ローザは動かない、まるで何か策が在るかのように・・・
「どうだい?さっきの最強状態をコピーしたデヌピサロ達だよ。さぁ絶望の表情を浮かべると良いさ」
「それで、私達を倒せるつもりなのかしら?」
「へぇ・・・随分と余裕みたいだけど万が一と言う事もあるからね・・・ならば全部投下するとしよう」
そう言ってトーマスが後ろのバラモヌ城に手をかざす。
するとその城が崩れ、中から30体ものデヌピサロの大群が中から出てきた。
総勢38体のデヌピサロ軍団、今はまだ命令を待っているのか動く様子は無く、体液の放出は始まっていないが、その全てが先程苦戦してなんとか倒した存在と同じものだと誰もが感じ取っていた。
「お・・・終わりだ・・・」
「無理よ・・・」
亡骸となったゼロとダノンを抱き締めて嘆くセリシアとレイラ。
それはそうだろう、どう考えても絶望しかない状況である。
たった1体相手でもあれ程苦戦した大魔王が38体、世界の終わりにか考えられないのは当然である。
戦闘が始まれば体液の放出が始まり、人類は間違いなく絶滅して世界はリセットされる。
なんとかここに居る者が逃げてそれを回避したとしても、移動系スキルの影響を受けないバラモヌがこの場から逃げる事が出来ない為、殺されて世界はリセットされる。
「そう、詰み、まさしくこれが詰みと言うモノだよ」
「そん・・・な・・・」
ローザが肩を落として疑似魔王化を解いた。
その視界に入るデヌピサロ達にやっと絶望したのだとトーマスは嬉々として笑い声を上げる。
だからこそ、聞き取れなかった・・・
ローザが発したその言葉を・・・
『「今よ・・・『緊急延命』を発動して」』
ローザのその言葉を待っていたのは赤髪メイド、先程のデヌピサロとの戦闘で被害を受けない為に何時の間にかゼロの元を離れていた彼女はローザの指示を待っていた。
全てはこの時の為に、トーマスが持つ全てのポイントを使い切ってしまうのを・・・
「いきます!『ラストロン!』」
その声は上空から聞こえた!?
彼女達が戦う真上、そこに赤髪メイドはスキル『神鳥のたましい』で飛んで待っていたのだ!
その身を神鳥にする事で物理攻撃を当たらなくして、デヌピサロからの『イキつく波動!』のみに気を付けてローザからの指示通りずっと・・・
そして、空中で人に戻って落下しながら唱えたのは一定範囲に居る味方全体を鉄の塊にし、あらゆる攻撃を一切無効化する魔法。
膨張するように魔法の効果範囲が広がり、本人含めその場にいる生者も死者も次々と鉄の塊に変化していく・・・
その中には何かを叫ぼうとしたバラモヌも勿論含まれていた・・・たった一人を除いて・・・
「やぁああああああああ!!!!『ジゴヌパーク!』」
この場で唯一疑似魔王化を解いていないシズが空中に飛び上がりスキルを放った!
シズは赤髪メイドが魔法を使用するその一瞬、赤髪メイドに対して敵意をむき出しにして『ラストロン』の範囲から故意に逃れたのだ!
そして、シズが使用したそれは地獄から雷を呼び寄せ、辺りを薙ぎ払う槍の究極奥義!
敵味方関係なく空中に居るシズの掲げた槍から黒い雷が暴れまわる!
方向性も目的も皆無でただただ災害と言えるだけの奥義スキル、その威力は凄まじく疑似魔王化しているシズの腕すらも電撃で焼けていく!
敵も味方も無差別に攻撃するスキルであるが、ラストロンの影響でこちら側への被害は使用者であるシズのみである。
だが、この世界の住人には影響を受けないトーマスは一瞬驚いた表情を一変させ笑みを浮かべる。
当然である、いくら最強の奥義であろうと、この程度でデヌピサロは1体すらも倒す事は出来ないのだ。
せいぜい傷を負わせて更に進化を促すのが関の山、そしてシズの攻撃と同時に全てのデヌピサロの身体から体液を放出開始される。
実に濃度38倍となったそれは周囲に落ちて破壊の限りを続ける地獄の雷すらも無視し、物凄い速度で飛散していく・・・
視界すらも全てを埋め尽くし、それで何も見えなくしていくその光景、人間サイドは全員が鉄の塊と化し、敵は宙に居るシズ一人・・・
トーマスはシズに向けて指を向け告げる・・・
「あれを殺せ!」
一斉に38体のデヌピサロから様々な魔法と幾つもの『イキつく波動!』が地獄の雷に打たれながら放たれる!
『イキつく波動!』それが光の速度で先にシズに到達しシズの疑似魔王化を解除させ、ジゴヌパークすらも消し去った。
その後で全ての魔法が空中でシズを中心にぶつかり大爆発を引き起こす。
余りにも凄まじい爆発は空の景色すらも塗り替える程激しく、大きすぎる爆発音は全ての音を消し飛ばした!
終わった、鉄へと変化した人間やバラモヌはデヌピサロの『イキつく波動!』で解除され直ぐに殺される事だろう。
「ポイントを少しは残すべきだったか?ハハッ・・・」
余りにも余裕の決着、何か策が在るのかと思ったトーマスを呆れさせるのに十分な結末。
ローザの最後の作戦がシズが放った『ジゴヌパーク』と言う拍子抜けのブラフだったと呆れたトーマスは気付かなかった。
カヌダタの遺体に寄り添って『クッイクタイム』を使用しているハナの姿が、ラストロンの影響で元の姿であるリリシアに戻っている事に・・・
そして、今まさに空から落ちてくる太陽の様なそれに・・・
爆発音の中、地面に落下した鉄となった赤髪メイド。
その彼女の居る更に遥か上、そこに浮かぶこの世界最強のメイド・・・
その名は・・・ハナ!
「これで終わりです!『ヌダンテ!』」
それは時が巻き戻る前、バラモヌに体を乗っ取られたハナの肉体でバラモヌが使用したアリアハノ全てを飲み込んだ究極魔法。
意識の在る状態で使用された事で記憶に残っていたこの究極魔法、それはハナとバラモヌの全魔力を掛け合わせる事で実現されていた魔法。
これを使用する為、この最終決戦までの数日間、ハナは毎日ユウキとのレベリングの際に魔力をアップさせるスキル『魔力増幅』や『魔力超自然回復』等を会得し続けていた。
そして、『魔法待機』のスキルを用い『疑似魔王化』で作り出した魔王の魔力玉に人間状態での魔力を注ぎ込み完成させていたのだ。
全てはこの一撃の為、ハルヌゲドンで魔物との乱闘の最中、バラモヌを南のオーストに飛ばした直後から準備をし続けていた。
だが、ハナが最終決戦に参戦しないのは不自然だとアリアに気付かれてはならない。
その為、変化の杖を使った聖女リリシアがユウキから数日で覚えさせてもらった戦闘スキルを使い、ハナを装い参戦していたのだ。
口調やローザへの呼び方でバレる可能性を上手く誤魔化し・・・
しかし、戦闘時のレベルの差で気付かれてはいけない、そこでローザはカヌダタの死を逆に利用した。
聖女リリシアにハナの姿のまま『クッイクタイム』で死体を保存させる事を思い付いたのだ。
当初の予定とはいくつかの予定外が起こり、『ときのすな』は無くなり、バラモヌはこの場に現れ、デヌピサロは更に強くなり、何名もの死者が出た。
それでもこの最終決戦の為に組み上げ、何度もリアルタイムで軌道修正された作戦は今、完了した。
「なっ?!」
気付いた時にはもう遅かった。
全ては作戦通り、鉄の塊となった者を『イキつく波動!』で解除されない為、シズが囮となって飛び上がった事。
デヌピサロ達の一斉攻撃で視界と耳を自ら封じてしまった事・・・
トーマスは全てを飲み込む究極魔法『ヌダンテ』が着弾するその一瞬で自分がハメられた事を自覚した。
ローザの目的が、トーマスの全てのポイントを使い切らせて敵を殲滅するという事に・・・
瓦礫も地表も音もヌダンテによって飲み込まれ、38体居たデヌピサロは放出した体液諸共蒸発するように何もかもと共に消えていく・・・
完全勝利と言う状況から完全敗北真っ逆さま、そんな状態に陥ったトーマスだが・・・その表情に驚きは在っても焦りは存在しない。
だからトーマスは待つ、シズを犠牲にして全てのデヌピサロを倒したローザ達の鉄化が解除され現実を突きつける事で絶望の表情を拝む為に・・・
空に浮かんでいる世界最強のハナが居たとしても、これ以上はどうしようもないという現実を・・・
神々しく美しいその光景に誰もが動かない、いや動けないのだ。
既に絶頂によって限界まで体力を使い果たした男性陣、その誰もが限界を迎えデヌピサロの消滅に合わせる様にその命を終わらせていく・・・
例えデヌピサロ自身が消滅したとしても、その体から発せられた体液が消滅するには時間を要したのだ。
それが・・・
「いや、ゼロ・・・ゼロオオオオオオオオオオ!!」
「うそ・・・うそよ・・・」
騎乗位のまま叫ぶセリシアと嘆くレイラ。
共に膣内に射精されたまま、その命が終わるのを感じ取ったのであろう。
特にレイラに至っては酷く深刻な状況であった。
『化かす者』それは他者にその存在を見抜かれた時にデメリットが存在するユニークスキルなのである。
完全に見抜かれた際に対象から呪いの様なモノを受けるのである。
今回レイラが受けたのは、ダノンに対する熱烈な親愛と好意・・・
今のレイラにとってダノンを失うと言うのは最愛の者を亡くすにも等しい状況になっていたのだ。
しかもそれが自身の中に命を吐き出して果てるという最後なのだから・・・
そして、他にも・・・
「か・・・かはっ・・・」
吐血し地面に屈ぷすソアラ。
彼女もまた限界を迎えていた。
ただでさえ狂う程の体液の中、デヌピサロの『イキつく波動!』をもろに受けたのだ。
平気な筈が無かった。
だが・・・
「そ、それでは・・・アイツを救ってくれるんだよな?」
他者の事など知った事かとローザに詰め寄るのはバラモヌ。
そう、バラモヌは死したカヌダタを生き返らせる為にデヌピサロ討伐に協力したのだ。
しかし・・・
「ローザどうするの・・・」
地面に落ちた衝撃で怪我をしたのか、頭から血を流したままアイリスが尋ねてきた。
空飛ぶベットの上で自慰に浸っていた下半身丸出しの彼女、その手に握られているのは1枚の『世界樹の葉』。
そう、この場で死んだ者は何名も居るが生き返らせるのは1人だけなのだ。
ローザに近寄ったアイリスをキッと睨みつけ、バラモヌは濃厚な魔力を纏ったまま近づいてくる。
徐々にではあるが体液が飛散し始め、アイリスの高揚した表情が少し落ち着きを取り戻しつつあるが、ローザは疑似魔王化を解いてはいなかった。
直ぐ横ではシズもまた疑似魔王化状態のまま構えている、だから奪い取るという選択をバラモヌは選べなかったのだ。
「ごめんなさい、だけどまだ・・・」
そこまでローザが口にした時であった。
突然上がる笑い声、誰もがその声に視線をやった。
その先に居るのは勿論・・・トーマスである。
「見事、素晴らしいよ本当に見事だ!私が生み出したこの世界の生き物を生み出す最強の生物、それが究極に進化したそれをまさか本当に倒してしまうなんて。あぁ今回は本当に良い事が沢山あったよ」
そう言って両手を広げ喜ぶトーマスに向かってバラモヌが魔法を放った!
「貴様は黙ってろ!『メラゾーヌ!』」
それはただの火炎魔法では無かった。
両手からそれぞれ放たれた2つのメラゾーヌが空中で融合し、地面を融解させながらトーマスに向かった。
だが・・・
「んー残念だね~この世界の君たちが発生させる概念では管理者である我々には影響を及ぼす事が出来ないのだよ」
爆発しているその中でトーマスは普通に会話を続けていた。
まるでCGを合成させているかのように、同じ場所に居るのに別の場所に居る様な・・・
爆風すらも感じていない様にトーマスは気にせずに話を続けていた。
だが・・・
「でもそれは貴方も同じよね?私達を害する行為は出来ないですもんね?」
「はははっそうだね、だけどローザ・・・君はもう目障りだからお別れしようかと思ってるんだ」
「それは・・・」
「うん、リンちゃんだったかな?この世界で生まれた僕達人間と同じ奇跡の存在を見つけたからね、君みたいな中途半端な存在はもう次の世界には要らないんだよ」
その言葉にローザは何も言い返さない。
だがシズとアイリスは気付いていた。
リンが『不屈』スキルを保持した状態でユウキの2連続膣内射精レベリングを受けた結果そうなったのだという事を。
それをトーマスが知らないのはローザが故意に情報を伏せているからなのだと理解したのだ。
そう、ローザはアリアにリンに対して行った事の詳細を説明してはいなかったのだ。
だからアリアもトーマスも知らないのだ。
まさか自分達が探している存在をユウキの力を借りれば自由に作り出せるという事実を!
「でも残念ね、貴方は手を下せないし、貴方が生み出した存在では私達やそこにいる魔王バラモヌは倒せないわよ」
「ふふふ・・・そうだね、普通ならそうだ。だから僕は奮発させて貰う事にするよ」
「奮発?」
意味が分からないとばかりに首を傾げるローザ達。
その仕草に満足したのか嬉しそうにトーマスは続けた。
「そうさ、君達は本当に僕の想像を超えた存在に至った。だからこそ僕の持っているポイントを使って最高のプレゼントを贈る事にしたんだよ。なぁに心配は要らない、僕のポイントを全て使ってもまだアリアのポイントが残っているからね。彼女が新しい世界を作ってくれたらポイントが貯まるのをゆっくりと3人で待たせて貰うから」
そう言ってパチンっとトーマスは指を鳴らした。
世界が揺れる・・・
まさしくその言葉通りと言わんばかりに物凄い振動が世界を襲った。
今から何が始まるのか、トーマスに対して何かを行う事も出来ず、トーマスから何かをされる事は無い、であれば地殻変動でも起こそうとしているのか?
そう考えさせられたが、ローザは知っている。
トーマスは地殻変動と言った事は出来ず、それは世界を作り上げるアリアが出来る事なのだと。
だからこそ黙ってそれを見守る、トーマスは気付かない・・・ローザの口元が歪んでいる事に・・・
「う・・・そ・・・だ・・・ろ・・・」
それはバラモヌの口から漏れた言葉であった。
その目が見開かれ、言葉に困るのも仕方ないだろう。
地面が隆起し、8つの土の塊が出現したのだ。
そして、それが砕ける様に壊れその中からそいつ等は現れた。
「「「「「「「「グゴゴゴゴゴゴゴ・・・」」」」」」」」
一斉にその口から洩れる聞き覚えのある声・・・
それは先程倒したばかりの最終形態となったデヌピサロ8体であった。
その全ての目がローザを睨みつけた。
「くっ?!」
慌ててシズは疑似魔王化状態を維持したまま魔力の槍を出現させて構えた。
今の所8体のデヌピサロの体からは体液が放出されていないが、いつ再び放出が始まるか分からない、だから魔力消費がリアルタイムで凄い疑似魔王化はまだ解かずに・・・
だが、ローザは動かない、まるで何か策が在るかのように・・・
「どうだい?さっきの最強状態をコピーしたデヌピサロ達だよ。さぁ絶望の表情を浮かべると良いさ」
「それで、私達を倒せるつもりなのかしら?」
「へぇ・・・随分と余裕みたいだけど万が一と言う事もあるからね・・・ならば全部投下するとしよう」
そう言ってトーマスが後ろのバラモヌ城に手をかざす。
するとその城が崩れ、中から30体ものデヌピサロの大群が中から出てきた。
総勢38体のデヌピサロ軍団、今はまだ命令を待っているのか動く様子は無く、体液の放出は始まっていないが、その全てが先程苦戦してなんとか倒した存在と同じものだと誰もが感じ取っていた。
「お・・・終わりだ・・・」
「無理よ・・・」
亡骸となったゼロとダノンを抱き締めて嘆くセリシアとレイラ。
それはそうだろう、どう考えても絶望しかない状況である。
たった1体相手でもあれ程苦戦した大魔王が38体、世界の終わりにか考えられないのは当然である。
戦闘が始まれば体液の放出が始まり、人類は間違いなく絶滅して世界はリセットされる。
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だからこそ、聞き取れなかった・・・
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全てはこの時の為に、トーマスが持つ全てのポイントを使い切ってしまうのを・・・
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その身を神鳥にする事で物理攻撃を当たらなくして、デヌピサロからの『イキつく波動!』のみに気を付けてローザからの指示通りずっと・・・
そして、空中で人に戻って落下しながら唱えたのは一定範囲に居る味方全体を鉄の塊にし、あらゆる攻撃を一切無効化する魔法。
膨張するように魔法の効果範囲が広がり、本人含めその場にいる生者も死者も次々と鉄の塊に変化していく・・・
その中には何かを叫ぼうとしたバラモヌも勿論含まれていた・・・たった一人を除いて・・・
「やぁああああああああ!!!!『ジゴヌパーク!』」
この場で唯一疑似魔王化を解いていないシズが空中に飛び上がりスキルを放った!
シズは赤髪メイドが魔法を使用するその一瞬、赤髪メイドに対して敵意をむき出しにして『ラストロン』の範囲から故意に逃れたのだ!
そして、シズが使用したそれは地獄から雷を呼び寄せ、辺りを薙ぎ払う槍の究極奥義!
敵味方関係なく空中に居るシズの掲げた槍から黒い雷が暴れまわる!
方向性も目的も皆無でただただ災害と言えるだけの奥義スキル、その威力は凄まじく疑似魔王化しているシズの腕すらも電撃で焼けていく!
敵も味方も無差別に攻撃するスキルであるが、ラストロンの影響でこちら側への被害は使用者であるシズのみである。
だが、この世界の住人には影響を受けないトーマスは一瞬驚いた表情を一変させ笑みを浮かべる。
当然である、いくら最強の奥義であろうと、この程度でデヌピサロは1体すらも倒す事は出来ないのだ。
せいぜい傷を負わせて更に進化を促すのが関の山、そしてシズの攻撃と同時に全てのデヌピサロの身体から体液を放出開始される。
実に濃度38倍となったそれは周囲に落ちて破壊の限りを続ける地獄の雷すらも無視し、物凄い速度で飛散していく・・・
視界すらも全てを埋め尽くし、それで何も見えなくしていくその光景、人間サイドは全員が鉄の塊と化し、敵は宙に居るシズ一人・・・
トーマスはシズに向けて指を向け告げる・・・
「あれを殺せ!」
一斉に38体のデヌピサロから様々な魔法と幾つもの『イキつく波動!』が地獄の雷に打たれながら放たれる!
『イキつく波動!』それが光の速度で先にシズに到達しシズの疑似魔王化を解除させ、ジゴヌパークすらも消し去った。
その後で全ての魔法が空中でシズを中心にぶつかり大爆発を引き起こす。
余りにも凄まじい爆発は空の景色すらも塗り替える程激しく、大きすぎる爆発音は全ての音を消し飛ばした!
終わった、鉄へと変化した人間やバラモヌはデヌピサロの『イキつく波動!』で解除され直ぐに殺される事だろう。
「ポイントを少しは残すべきだったか?ハハッ・・・」
余りにも余裕の決着、何か策が在るのかと思ったトーマスを呆れさせるのに十分な結末。
ローザの最後の作戦がシズが放った『ジゴヌパーク』と言う拍子抜けのブラフだったと呆れたトーマスは気付かなかった。
カヌダタの遺体に寄り添って『クッイクタイム』を使用しているハナの姿が、ラストロンの影響で元の姿であるリリシアに戻っている事に・・・
そして、今まさに空から落ちてくる太陽の様なそれに・・・
爆発音の中、地面に落下した鉄となった赤髪メイド。
その彼女の居る更に遥か上、そこに浮かぶこの世界最強のメイド・・・
その名は・・・ハナ!
「これで終わりです!『ヌダンテ!』」
それは時が巻き戻る前、バラモヌに体を乗っ取られたハナの肉体でバラモヌが使用したアリアハノ全てを飲み込んだ究極魔法。
意識の在る状態で使用された事で記憶に残っていたこの究極魔法、それはハナとバラモヌの全魔力を掛け合わせる事で実現されていた魔法。
これを使用する為、この最終決戦までの数日間、ハナは毎日ユウキとのレベリングの際に魔力をアップさせるスキル『魔力増幅』や『魔力超自然回復』等を会得し続けていた。
そして、『魔法待機』のスキルを用い『疑似魔王化』で作り出した魔王の魔力玉に人間状態での魔力を注ぎ込み完成させていたのだ。
全てはこの一撃の為、ハルヌゲドンで魔物との乱闘の最中、バラモヌを南のオーストに飛ばした直後から準備をし続けていた。
だが、ハナが最終決戦に参戦しないのは不自然だとアリアに気付かれてはならない。
その為、変化の杖を使った聖女リリシアがユウキから数日で覚えさせてもらった戦闘スキルを使い、ハナを装い参戦していたのだ。
口調やローザへの呼び方でバレる可能性を上手く誤魔化し・・・
しかし、戦闘時のレベルの差で気付かれてはいけない、そこでローザはカヌダタの死を逆に利用した。
聖女リリシアにハナの姿のまま『クッイクタイム』で死体を保存させる事を思い付いたのだ。
当初の予定とはいくつかの予定外が起こり、『ときのすな』は無くなり、バラモヌはこの場に現れ、デヌピサロは更に強くなり、何名もの死者が出た。
それでもこの最終決戦の為に組み上げ、何度もリアルタイムで軌道修正された作戦は今、完了した。
「なっ?!」
気付いた時にはもう遅かった。
全ては作戦通り、鉄の塊となった者を『イキつく波動!』で解除されない為、シズが囮となって飛び上がった事。
デヌピサロ達の一斉攻撃で視界と耳を自ら封じてしまった事・・・
トーマスは全てを飲み込む究極魔法『ヌダンテ』が着弾するその一瞬で自分がハメられた事を自覚した。
ローザの目的が、トーマスの全てのポイントを使い切らせて敵を殲滅するという事に・・・
瓦礫も地表も音もヌダンテによって飲み込まれ、38体居たデヌピサロは放出した体液諸共蒸発するように何もかもと共に消えていく・・・
完全勝利と言う状況から完全敗北真っ逆さま、そんな状態に陥ったトーマスだが・・・その表情に驚きは在っても焦りは存在しない。
だからトーマスは待つ、シズを犠牲にして全てのデヌピサロを倒したローザ達の鉄化が解除され現実を突きつける事で絶望の表情を拝む為に・・・
空に浮かんでいる世界最強のハナが居たとしても、これ以上はどうしようもないという現実を・・・
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