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第60話 第3の敵・・・地獄の帝王

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「ふぁっ・・・」

聖女リリシアは真っ暗な場所で全身を撫でまわされていた。
ヌロヌロとしたその手、それが泥の手である事を彼女は理解している。
どんなに抗おうとも全身を撫でる手に動かした部位が沈むだけで抵抗と言った抵抗が出来ないのだ。

「やめっ・・・はぅっ・・・」

聖女として『浄化』のスキルを持つリリシアは処女である。
このスキルは世界にただ一人、処女の女性しか持つことが出来ないスキルである。
その為、リリシアが処女で無くなるか、死なない限り他の誰かに『浄化』のスキルが移ることは無いのだ。

「触ら・・・ないでっ・・・あっ あぅっ・・・んっ・・・はぁ・・・」

今まで異性の魔物の体液を浴びて中毒症状に陥った者を助けてきたリリシア。
眼前で繰り広げられる浄化の儀式は人間同士のSEXそのもの、処女であるが知識としてリリシアはそれが何を行っているのかは勿論理解していた。
毎日繰り返される浄化の儀式、全てはバラモヌを倒して人間が勝利する為に必要とされている儀式、そう考えてリリシアは己の欲望を内に閉じ込め続けていた。
聖女の処女というのが処女膜が残っている事なのか、異性と性行為をする事なのか、もしかしたら中出しを受ける事なのか・・・
分からないが、自分が聖女として発見されるまでの間、一体どれ程の人間が魔物の精液中毒に陥って帰らぬ人になったか・・・

「はぁっ・・・あぅ・・・あ”っ!あ”っんぁぁあああああ!!!」

何度も気をやってしまったリリシアは考える、次の聖女を生み出す為に死ぬべきなのか・・・
処女で無くなればスキルは無くなるのだが、それを理解しているかのように膣に沈んだ泥の指は処女膜を破らないように奥へと侵入し始めたのだ。

「あっ!やだっ!うそっ!やっ・・・あぁっ・・・」

自分の中に生暖かい何かが侵入してくる、下腹部が圧迫され膣壁が刺激される。
聖女で無くなった・・・そうであればもう我慢する事など無い、死ぬよりもこの快楽に身を委ねたい・・・
そう考えたリリシアは口にする・・・

「す・・・すてーったぅ・・・」

微妙に発音しきれていなかったが、彼女の目の前にステータスウィンドウが広がる。
真っ暗な空間に自分だけが見える青いウィンドウが眩しく、片目を閉じながらそれを眺めるが・・・

「ふうぅっ・・・んふぅっ・・・んっな・・・なんで・・・ひぁっ!」

スキルの項目に表示されていた『浄化』を見て涙ぐみながら声を上げた時であった。
膣内へ侵入した指が『く』の字に曲がったのだ。
その時に触れたその部分から信じられない程の快楽が全身を駆け抜けた。
処女膜を自ら破らないように行ってきた自慰では決して得られなかった快楽。
それが理解できないままリリシアは思考を止める。

「はあ”っやっ──――――――――っくぅ――――――ああああああびぃひっ!」

いや、思考を止めざるを得なかった。
信じられない程の快楽、異性の魔物の体液を浴びた人間が虜になるのはこれかと誤認するほどの感覚がリリシアを襲った。
子宮が疼く、その言葉の通り快楽に身を委ねてしまったのだ。

「やめへっまたきちゃっ―――――――う”あっ―――――――あ”っ――――――――っっっ!!!!」

ぷしゃあっと潮が噴き出し声にならない絶頂が襲い掛かる。
全身が火照りきっている状態なのに更に体温が上がり、ビクンビクンっと電気を流されたかのように震える・・・

「いくっやっあ”あああああっ―――――ひっ・・・い”っ・・・っぅぁぁ・・・」

こんなのは自分の体じゃないと否定しようとするが、体が全てを受け入れ喜びに打ち震えていた。
その時であった。
フッと体を包んでいた生暖かい泥の手が離れていった。
冷たい土が背中に触れて解放されたのだと理解した。
何時の間にか膣内に入っていた手も抜かれたのか気怠さと余韻のみがリリシアに残る・・・
とさっと後頭部が地面に触れ、全身の痙攣が一瞬止んだ時であった。

「つっっ―――――ア”っ・・・あ”っ?!?!」

突然全身がガクガクと震えだしクリトリスと乳首が大きく勃起する。
嵐の前の前兆と言わんばかりに一瞬穏やかな瞬間があった次の瞬間それはやってきた。

「あっあ”あ”あ”あ”あ”あ”っ・・・ひっあ”っ・・・う・・・はあ”っ・・・あぅっ・・・」

寄せては返す波のように全身に波紋が広がる様に快楽が走り抜ける。
見ているのは天井だろうか・・・
自身の体が浮いているかのような感覚が徐々にやってきて、痛い筈の背中が地面を擦る・・・
自ら足で地面を押していたのだ。

「う”っ――――――イくっ・・・きちゃうっ・・・ ま た  お  おきいの   が    」

既に達しているのに絶頂が襲い掛かる。
波が上に覆いかぶさるように何度も何度も快楽が上に上に圧し掛かってきたのだ。
脳が焼ききれそうに視界がチカチカし、全身から体液があふれ出る。
涙も鼻水も涎も尿も愛液も垂れ流しになりながら足が地面を蹴りブリッジの姿勢になる。

「あ”っ―――――――――――がっ――――――――――」

止まらない絶頂、リリシアは白目を剥いて全身の力を全力で込めて達する・・・
膣の奥深くに残った指先だけの泥がその部分の刺激を止めた・・・

ボルチオ性感帯と呼ばれるその部分への刺激をマゾハンドは止めたのだ。
リリシアが体感した事の無い未知の絶頂、それの正体がこれだったのだ。
子宮口付近にある小さな突起、この部分こそが挿入した性行為で女性を絶頂へ導く一番の性感帯である。
それを理解していたのか、マゾハンドはそこだけのピンポイント刺激に切り替えていたのだ。

「ぐごごごごごご・・・心地よい・・・心地よいぞ」

失神寸前のリリシアの近くにそいつは居た。
3メートルもの巨体、両足の指が3本に3つの目、大きな角が頭部から左右に生えており、その両手には巨大な剣が握られた石像。
股間の部分に垂れ下がったそれは性器であろうか、先端から地面へと糸を引く液体が垂れていた。
苦しみ悶える姿が大好物という地獄の帝王、その名は『ドエスターク』。
本来であれば世界をリセットする為に自らの元へ訪れる筈の者が居るのだが、誰もやってこない為に不完全な復活を果たしたドエスターク。
自らを完全復活させる為に配下のマゾハンドを使って連れてこさせた人間たち。
実は、必要なのは人間ではないのだ・・・
その証拠に・・・

「ん”おぉ・・・ん”ぁぁ・・・こぉ・・・これ以上は・・・むり”ぃぃぃ・・・」

リリシアのすぐ横で別の女が泥の手に犯されていた。
黒い肌に頭から生えた黄色い角、魔族の雌である。
人間よりも頑丈で性行為に対しても、人間相手であれば絶倫な魔族にも関わらず、気が狂いそうになるほどの絶頂を味わっていた。
問題なのは受精する為の性行為が魔族の本能であるのに、相手はマゾハンド・・・
受精する事も満たされる事も事もないのである。
その為、快楽に身を委ねたとしても本能が違うと拒絶を示すのだ。

「ん”きゃあああああああああああっ!!!」

強すぎる快感は拒絶すると強烈な苦痛となる、本能的に絶頂を拒絶している為に魔族の雌は快楽を痛みへと変換し絶叫する・・・
そして、その様子を楽し気に眺めるドエスターク・・・
連れ去られた雄はマゾハンドのテコキで精液を搾り取られ、薄くなったバラモヌの精液と混ぜ合わされ新しいマゾハンドを生み出す・・・
連れ去られた雌はマゾハンドによって犯され受精する事無く体液を搾り取られる・・・
驚く事に、このマゾハンドは自身の指を無理やり相手に食わせる事で生き永らえさせる事が出来る・・・
まさに家畜として人間も魔族も等しくドエスタークに飼われることとなっていたのであった・・・

全ては雌から搾り取られた愛液を超凝縮して出来る『せかいじょのしずく』を生み出す為に・・・
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