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第58話 ギルド登録とスマイル館に名前が決定
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「わ・・・ワテがオーナーかいな?!」
「スケさんなら大丈夫だよ」
奴隷達を解放した夜、スケさんの家まで戻ったナナシ達は今後の話し合いを行なっていた。
このままこの町で暮らすのもアリかとは思うがナナシは世界の何処かにきっと居る魔育園の皆とアデルを見つける為に近々旅立つつもりであった。
「そこで相談なんだけど、もう知ってると思うけど俺には金を稼ぐスキルがあるんだ」
「まぁ・・・そりゃーなー」
この数日一緒に暮らしていてナナシが何処からとも無く大金を出現させているのは見ていた。
そして、今日の説明でそれが面白い事をやる事で発生するというのもなんとなく理解していた。
ナナシもコノ世界を見ている観測者と呼ばれる者達がナナシの相棒である嵐によって作られた動画を視聴する事でお金が発生しているとは想像も出来ない。
ある意味、神がナナシの行動を見てオヒネリを支払っていると言った方が納得出来そうだが、そう説明すると色々と面倒な事になるのは想像に容易いので行なわなかった。
「だからスケさん、それにネネとナナの3人が協力し合ってアソコを経営していって欲しいんだ」
ナナシの言葉に突然名前を呼ばれたネネとナナは驚いて首を横に振る。
だがネネとナナはこの町出身な上に一緒にこの先の旅に付き合わせるわけには行かない。
「頼むよ、俺たちはもうちょっとしたら旅に出ようかと思ってるから」
そう言うナナシの言葉にルリエッタはナナシの袖の端を摘むように掴む。
離れないと言う意思表示であった。
リルは元々生活する為にナナシの金目当てで付き合っていただけではあるがこの数日で考え方が変わっていた。
「あたしはアンタに付いて行くよ」
「ん?あぁミスリルは好きにしてくれて良いよ」
「だからミスリルって言うなって!」
「あの・・・あたしも・・・」
「ルリエッタは一緒に来てもらわないと困る、だろ?」
ナナシと見詰め合う事で顔を真っ赤にするルリエッタ。
2人だけの秘密なのだ、ルリエッタが居なければナナシは嵐と連絡が取れず入金も出来ないと言うことは・・・
「それで相談なのは、この先どうやってあの店にお金を送金するかなんだよな・・・」
そう、旅に出るという事はナナシがこの町から居なくなるという事である。
そうなれば面白い映像を店で作って嵐が動画にして報酬が入金されてもスケさんに渡せなければ店自体が存続できないのだ。
しかし・・・
「あら?それならギルド口座を作ったらいいんじゃないかしら?」
出来上がった夕飯を手にしたスケ母の言葉に一同は詳しい話を求めるのであった。
翌朝、ナナシとスケさんはスケ母から教わったギルドへ来ていた。
スケ母の話ではギルドには口座と呼ばれるお金を預けるシステムが存在しており、町々で振込みも行なえる特殊なモノがあるのだ。
簡単に言うと銀行ATMの様な便利なモノが在ると言うことであった。
「次の方どうぞ」
「あっすみません、俺ら2人ギルド登録をお願いしたいんですが」
「承りました。それではこちらに必要事項を・・・」
出された用紙にナナシとスケさんは記入していく・・・
そして、口座を開設するに当たってギルド登録の証明として、依頼を何か1つ受けていかなければならないと言われ依頼ボードを眺める二人・・・
「冒険者ギルドってのに近い感じだね、でも依頼内容が本当色々あるなぁ~」
「ナナシやったらお金を使って解決できる事がえーんやないか?」
「んーでもそれだとちょっとな、折角だから報酬を得たら残高プラスにしたいじゃん」
「それもそーやな、んじゃこれなんかどうや?」
そう言ってスケさんが手にしたのは
『庭の小石の除去』
と言う依頼であった。
簡単に言うとグラウンドの石を回収して怪我をしないようにするみたいな感じである。
だが・・・
「でもそれじゃ視聴者は面白くないだろ?折角だから・・・」
ナナシは手を伸ばして端にずっと前から貼られていたであろう紙を手に取った。
「こういう面白そうなやつやろうじゃないか」
「へ~なにか案があるんやな?」
「あぁ・・・とびっきりのやつがね」
あくどい顔を見せる2人、そこに書かれていた依頼内容は・・・
『姉を驚かせて下さい』
と言う依頼であった。
早速受付で依頼登録を行いナナシとスケさんは店へと足を運ぶ・・・
「「「「「お帰りなさいませご主人様とオーナー」」」」」
「うぉっ?!」
「なっなんや?!」
店に戻ったナナシとスケさんを待っていたのは綺麗に整列した者達の礼であった。
余りの驚きに固まっているナナシとスケさんの姿を見てしてやったりと言った感じでネネとナナが誰かと一緒に笑っていた。
そう、昨日の料理対決で見事優勝を果たして店の料理長と言う立場を確立させた元奴隷の女性。
青い髪を後ろでポニーテールにして縛る垂れ目のおっとりした美少女であった。
「はぁ・・・ヴァニラ驚かされたわ」
「にひひっこんな感じで良いんだよね?」
「うんバッチシだよ!面白かった!」
昨日ナナシの言った面白い事をやってくれ、と言う指示を見事に理解して実践して見せたヴァニラをナナシが親指を立てて褒める。
その横に立っていたネネとナナが一緒に嬉しそうにはしゃぐ光景を見ながらナナシは店の天井を見上げる。
「よし、店の名前が決まった!この店は・・・笑顔が絶えない『スマイル館』にしよう!」
ナナ、ネネ、ヴァニラの3人の笑顔を見て思いついたナナシの付けた名前は、満場一致で即座に決定し直ぐに気持ちを切り替えてナナシは今日の話を行なう。
即ち、今後活動を続ける上で口座が必要でそれの為の依頼を受けてきたので協力者を求めたのだ。
「へぇ・・・お姉さんを驚かせるのが依頼ですか・・・」
「面白そう、ねぇナナシさん成功したら御褒美もらえるの?」
「ををっオーナーはあまり当てにならなそうだからナナシさんお願いします!」
話を聞いた従業員達が嬉しそうにナナシに語りかけてくる。
本来であればここの生活を行う為の必要経費は全てナナシが出しているのだが、それとは別に昨日の優勝賞金の様な物が欲しいとの事であった。
その言葉にナナシは即答で許可を出す。
お金を支払ったとしても良い動画が取れれば十分に元は取れるし、みんなのやる気が上がるのならもっと良い動画に仕上がる筈であるからだ。
そして、ナナシは15人程を同行させ依頼主の妹さんの所へ向かうのであった・・・
「スケさんなら大丈夫だよ」
奴隷達を解放した夜、スケさんの家まで戻ったナナシ達は今後の話し合いを行なっていた。
このままこの町で暮らすのもアリかとは思うがナナシは世界の何処かにきっと居る魔育園の皆とアデルを見つける為に近々旅立つつもりであった。
「そこで相談なんだけど、もう知ってると思うけど俺には金を稼ぐスキルがあるんだ」
「まぁ・・・そりゃーなー」
この数日一緒に暮らしていてナナシが何処からとも無く大金を出現させているのは見ていた。
そして、今日の説明でそれが面白い事をやる事で発生するというのもなんとなく理解していた。
ナナシもコノ世界を見ている観測者と呼ばれる者達がナナシの相棒である嵐によって作られた動画を視聴する事でお金が発生しているとは想像も出来ない。
ある意味、神がナナシの行動を見てオヒネリを支払っていると言った方が納得出来そうだが、そう説明すると色々と面倒な事になるのは想像に容易いので行なわなかった。
「だからスケさん、それにネネとナナの3人が協力し合ってアソコを経営していって欲しいんだ」
ナナシの言葉に突然名前を呼ばれたネネとナナは驚いて首を横に振る。
だがネネとナナはこの町出身な上に一緒にこの先の旅に付き合わせるわけには行かない。
「頼むよ、俺たちはもうちょっとしたら旅に出ようかと思ってるから」
そう言うナナシの言葉にルリエッタはナナシの袖の端を摘むように掴む。
離れないと言う意思表示であった。
リルは元々生活する為にナナシの金目当てで付き合っていただけではあるがこの数日で考え方が変わっていた。
「あたしはアンタに付いて行くよ」
「ん?あぁミスリルは好きにしてくれて良いよ」
「だからミスリルって言うなって!」
「あの・・・あたしも・・・」
「ルリエッタは一緒に来てもらわないと困る、だろ?」
ナナシと見詰め合う事で顔を真っ赤にするルリエッタ。
2人だけの秘密なのだ、ルリエッタが居なければナナシは嵐と連絡が取れず入金も出来ないと言うことは・・・
「それで相談なのは、この先どうやってあの店にお金を送金するかなんだよな・・・」
そう、旅に出るという事はナナシがこの町から居なくなるという事である。
そうなれば面白い映像を店で作って嵐が動画にして報酬が入金されてもスケさんに渡せなければ店自体が存続できないのだ。
しかし・・・
「あら?それならギルド口座を作ったらいいんじゃないかしら?」
出来上がった夕飯を手にしたスケ母の言葉に一同は詳しい話を求めるのであった。
翌朝、ナナシとスケさんはスケ母から教わったギルドへ来ていた。
スケ母の話ではギルドには口座と呼ばれるお金を預けるシステムが存在しており、町々で振込みも行なえる特殊なモノがあるのだ。
簡単に言うと銀行ATMの様な便利なモノが在ると言うことであった。
「次の方どうぞ」
「あっすみません、俺ら2人ギルド登録をお願いしたいんですが」
「承りました。それではこちらに必要事項を・・・」
出された用紙にナナシとスケさんは記入していく・・・
そして、口座を開設するに当たってギルド登録の証明として、依頼を何か1つ受けていかなければならないと言われ依頼ボードを眺める二人・・・
「冒険者ギルドってのに近い感じだね、でも依頼内容が本当色々あるなぁ~」
「ナナシやったらお金を使って解決できる事がえーんやないか?」
「んーでもそれだとちょっとな、折角だから報酬を得たら残高プラスにしたいじゃん」
「それもそーやな、んじゃこれなんかどうや?」
そう言ってスケさんが手にしたのは
『庭の小石の除去』
と言う依頼であった。
簡単に言うとグラウンドの石を回収して怪我をしないようにするみたいな感じである。
だが・・・
「でもそれじゃ視聴者は面白くないだろ?折角だから・・・」
ナナシは手を伸ばして端にずっと前から貼られていたであろう紙を手に取った。
「こういう面白そうなやつやろうじゃないか」
「へ~なにか案があるんやな?」
「あぁ・・・とびっきりのやつがね」
あくどい顔を見せる2人、そこに書かれていた依頼内容は・・・
『姉を驚かせて下さい』
と言う依頼であった。
早速受付で依頼登録を行いナナシとスケさんは店へと足を運ぶ・・・
「「「「「お帰りなさいませご主人様とオーナー」」」」」
「うぉっ?!」
「なっなんや?!」
店に戻ったナナシとスケさんを待っていたのは綺麗に整列した者達の礼であった。
余りの驚きに固まっているナナシとスケさんの姿を見てしてやったりと言った感じでネネとナナが誰かと一緒に笑っていた。
そう、昨日の料理対決で見事優勝を果たして店の料理長と言う立場を確立させた元奴隷の女性。
青い髪を後ろでポニーテールにして縛る垂れ目のおっとりした美少女であった。
「はぁ・・・ヴァニラ驚かされたわ」
「にひひっこんな感じで良いんだよね?」
「うんバッチシだよ!面白かった!」
昨日ナナシの言った面白い事をやってくれ、と言う指示を見事に理解して実践して見せたヴァニラをナナシが親指を立てて褒める。
その横に立っていたネネとナナが一緒に嬉しそうにはしゃぐ光景を見ながらナナシは店の天井を見上げる。
「よし、店の名前が決まった!この店は・・・笑顔が絶えない『スマイル館』にしよう!」
ナナ、ネネ、ヴァニラの3人の笑顔を見て思いついたナナシの付けた名前は、満場一致で即座に決定し直ぐに気持ちを切り替えてナナシは今日の話を行なう。
即ち、今後活動を続ける上で口座が必要でそれの為の依頼を受けてきたので協力者を求めたのだ。
「へぇ・・・お姉さんを驚かせるのが依頼ですか・・・」
「面白そう、ねぇナナシさん成功したら御褒美もらえるの?」
「ををっオーナーはあまり当てにならなそうだからナナシさんお願いします!」
話を聞いた従業員達が嬉しそうにナナシに語りかけてくる。
本来であればここの生活を行う為の必要経費は全てナナシが出しているのだが、それとは別に昨日の優勝賞金の様な物が欲しいとの事であった。
その言葉にナナシは即答で許可を出す。
お金を支払ったとしても良い動画が取れれば十分に元は取れるし、みんなのやる気が上がるのならもっと良い動画に仕上がる筈であるからだ。
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