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第41話 人類の転生
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「ホラッ動けるってのならあんたはこっちだ!」
ガガがナナシの拘束を解いて首輪と足枷だけを装着し立ち上がらせる。
一体どれくらいの期間意識が無かったのか筋肉が衰えて真っ直ぐに立つ事も辛かった・・・
「フンッ、レディーガガとかこんなオバサンに下手に出ても何もしてやらないよ!」
とか良いつつゆっくりと自分の足で歩くナナシを待つガガ・・・
どうにも勘違いしてレディーの響きが気に入ったようである。
オバサンのツンデレとか誰得よ?
「お、俺どのくらい意識無かったんですか?」
「そうさねぇ~あの日からなら3ヶ月って所かな?」
「3ヶ月?!」
アナザーゴブリンを倒した直後に天変地異とも言えるあの異常現象が起こりそこで意識が無くなった・・・
そうだ・・・あの場には!
「お、俺の他にもまだ居たと思うんですが!」
「あぁん?さっきの中に知り合いが居たのかい?心配する事はないよ、人間として生きていけないから別の種族に転生するだけだから」
「別の種族?」
「あの日、世界は大きく変わったのさ」
遠い目をするガガは3ヶ月前の事を思い出しながら語った・・・
「あの日ね、この世界に充満していた魔素が変化した。魔素ってのは分かるね?」
「確か・・・呼吸するのに必要なものですよね?」
ナナシは記憶を辿りながら嵐が説明してくれた内容を思い出す。
この世界には酸素ではなく魔素が空気中に存在している、人々はそれを使って呼吸をしていたのだ。
「そうさね、それがあの日・・・7つの世界が混ざり合って融合したのと同時に変化してね、魔素を使って呼吸していた生き物は全て意識を失ったのさ」
そう言いながらガガはポポの方を見る。
するとポポは後ろを向いて背中の肌着を捲る・・・
そこには宝石の様な物が吸着し鼓動をしていた。
「人間の体内には魔石が在るのは知ってるよね?それが使い物にならなくなったから人間は活動できなくなった。そこで奇跡的に適応出来た人間は最後の手段に出た・・・それが他世界の魔石を埋め込んで転生させるって訳さ」
「人間に別の魔石を埋め込んで・・・転生・・・」
その言葉に恐怖すら覚えた。
要するに腎臓臓器を植えつけて生き長らえたと言えば簡単な話なのだがその結果が目の前の2人である。
「ふふふっ・・・あんたの様に人の身のまま適応出来たのはほんの僅かさ、世界が混ざって別の世界の魔石を使うしかなかったからこの様に私も人間じゃ無くなったからね」
そう言ってガガは腕を出して袖を捲くった。
「っ?!」
そこには手首から先の腕が骨しか無かった。
その異様な光景が脳裏に焼きつく・・・
「あの日から7つの世界で起こった大戦争がもし続いていたらこの世界はもう終わっていたのかもね・・・」
そう言ってポポの手を握るガガ・・・
それをしっかりと握り返しガガを肩を抱き寄せるポポ・・・
その様子からとてつもない苦労が在ったのだろうとナナシは理解した。
「さぁ、無駄話はここまでだ。もう動けるんだろ?さっさと外へでるよ!」
気付けばプルプルしていた足も安定しゆっくりであるが普通に歩けるようになっていた。
自分の体ながらそのありえない事に驚きつつ、二人に続いて馬車の様な物から外へ出た。
「なん・・・だこれ・・・・」
「フフフッ驚いたかい?これが今の世界さ」
草原にも見えなくない広場から草の変わりに骨が生えている。
いや、横を見れば木すらも骨なのだ。
そして、2人の視線の先・・・左の山の上に目をやるとそこにそれは在った・・・
「あれがこの世界を統治するお方が居られる城・・・『骨王城』さ」
ポポが口にしる言葉にナナシも続いて口にした。
「骨王城・・・世界を統治するお方・・・」
巨大な骨で組まれた城が山の上に存在しその異様な圧力をナナシはヒシヒシと感じるのであった。
ガガがナナシの拘束を解いて首輪と足枷だけを装着し立ち上がらせる。
一体どれくらいの期間意識が無かったのか筋肉が衰えて真っ直ぐに立つ事も辛かった・・・
「フンッ、レディーガガとかこんなオバサンに下手に出ても何もしてやらないよ!」
とか良いつつゆっくりと自分の足で歩くナナシを待つガガ・・・
どうにも勘違いしてレディーの響きが気に入ったようである。
オバサンのツンデレとか誰得よ?
「お、俺どのくらい意識無かったんですか?」
「そうさねぇ~あの日からなら3ヶ月って所かな?」
「3ヶ月?!」
アナザーゴブリンを倒した直後に天変地異とも言えるあの異常現象が起こりそこで意識が無くなった・・・
そうだ・・・あの場には!
「お、俺の他にもまだ居たと思うんですが!」
「あぁん?さっきの中に知り合いが居たのかい?心配する事はないよ、人間として生きていけないから別の種族に転生するだけだから」
「別の種族?」
「あの日、世界は大きく変わったのさ」
遠い目をするガガは3ヶ月前の事を思い出しながら語った・・・
「あの日ね、この世界に充満していた魔素が変化した。魔素ってのは分かるね?」
「確か・・・呼吸するのに必要なものですよね?」
ナナシは記憶を辿りながら嵐が説明してくれた内容を思い出す。
この世界には酸素ではなく魔素が空気中に存在している、人々はそれを使って呼吸をしていたのだ。
「そうさね、それがあの日・・・7つの世界が混ざり合って融合したのと同時に変化してね、魔素を使って呼吸していた生き物は全て意識を失ったのさ」
そう言いながらガガはポポの方を見る。
するとポポは後ろを向いて背中の肌着を捲る・・・
そこには宝石の様な物が吸着し鼓動をしていた。
「人間の体内には魔石が在るのは知ってるよね?それが使い物にならなくなったから人間は活動できなくなった。そこで奇跡的に適応出来た人間は最後の手段に出た・・・それが他世界の魔石を埋め込んで転生させるって訳さ」
「人間に別の魔石を埋め込んで・・・転生・・・」
その言葉に恐怖すら覚えた。
要するに腎臓臓器を植えつけて生き長らえたと言えば簡単な話なのだがその結果が目の前の2人である。
「ふふふっ・・・あんたの様に人の身のまま適応出来たのはほんの僅かさ、世界が混ざって別の世界の魔石を使うしかなかったからこの様に私も人間じゃ無くなったからね」
そう言ってガガは腕を出して袖を捲くった。
「っ?!」
そこには手首から先の腕が骨しか無かった。
その異様な光景が脳裏に焼きつく・・・
「あの日から7つの世界で起こった大戦争がもし続いていたらこの世界はもう終わっていたのかもね・・・」
そう言ってポポの手を握るガガ・・・
それをしっかりと握り返しガガを肩を抱き寄せるポポ・・・
その様子からとてつもない苦労が在ったのだろうとナナシは理解した。
「さぁ、無駄話はここまでだ。もう動けるんだろ?さっさと外へでるよ!」
気付けばプルプルしていた足も安定しゆっくりであるが普通に歩けるようになっていた。
自分の体ながらそのありえない事に驚きつつ、二人に続いて馬車の様な物から外へ出た。
「なん・・・だこれ・・・・」
「フフフッ驚いたかい?これが今の世界さ」
草原にも見えなくない広場から草の変わりに骨が生えている。
いや、横を見れば木すらも骨なのだ。
そして、2人の視線の先・・・左の山の上に目をやるとそこにそれは在った・・・
「あれがこの世界を統治するお方が居られる城・・・『骨王城』さ」
ポポが口にしる言葉にナナシも続いて口にした。
「骨王城・・・世界を統治するお方・・・」
巨大な骨で組まれた城が山の上に存在しその異様な圧力をナナシはヒシヒシと感じるのであった。
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