絶対無敵のアホウ

昆布海胆

文字の大きさ
上 下
11 / 25

第11話 反撃の狼煙はコスプレで

しおりを挟む
「それじゃあまずはこの組織を壊滅させようか」
「「「「分かったナリ」」」」

ヒロシの前に並ぶのは数十体の人造人間殺すK。
ヒロシの指示を受けそのまま建物内に居る雑魚共を一掃しに散ります。

「な・・・なんだぁこいつらはぁあああ?!」
「ひぇええええおたすけー!!!!」
「痛い・・・救急車呼んで・・・」
「俺の財宝か?欲しけりゃくれてやる!探せ!この世の全てをそこに置いてきた!」
「さらばだブルマ・・・トランクス・・・そして・・・カカロット・・・」
「許せサスケ・・・ ・・・これで最後だ」

あちこちから断末魔なのか分からない叫び声が響く中ヒロシはクリスに休みながらシエルを見張るように告げ台所へ向かった。
そして、アレの準備を始めるのであった・・・




「任務完了ナリ!」

いつの間にかリーダーが決まったのか1体の殺すKが掃除機のホースで出来た腕で敬礼をクリスに行なう。
ちょっと引きながらもクリスは「お疲れ」と告げその光景を見る。
数十体居た殺すKは流石に無傷ではなく腕が千切れた者や壊されている者も居た。
しかし、再びシエルと共にそれを目の当たりにして冷や汗を流す。

「壊れたパーツ交換完了ナリ!」

破損した部品を他の破損した殺すKと交換して何体か動かなくなったのだがそこには完全体となった殺すK達が揃っていた。
そこへヒロシが戻ってくる。

「おっお疲れ、とりあえずこれでも喰って待ってろ」

そう言ってヒロシが置いた大皿を見て目を輝かせる殺すK達。
そう、殺すKの大好物コロッケである!
台所で調理している様を見ていたシエルは心の中で叫ぶ。

(千切りしていたキャベツはどうした?!)

お約束である。
そうしている間にもヒロシ手作りの料理がクリスとシエルの前に置かれる。
クリスの前に置かれたのは丼物であった。

「おあがりよ!」

ヒロシ、いつの間にか左腕に白い帯状の何かを巻いてハチマキをしていた。
そして、クリスはその丼の中を覗きこむ。
下に敷かれた白いご飯の上に乗せられた具材、そう・・・化けるふりかけご飯である!
四角く切られた煮疑りがご飯の余熱で溶けて白いご飯と混ざります。
それを一口食べたクリスはその味に目を見開き一気に駆け込みます!

「こ、これは?!」

クリスの驚く声が響く!
それはそうだろう、クリスは丼を手に持ちその中の料理を口へと流し込んでいた筈である。
にも関わらずクリスは着ていた衣類がはだけてその肉体を公開していたのである!
そう、これが俗に言う『おはだけ』である!

「御粗末!」

ヒロシがハチマキを取り去り宣言する!
そしてクリスは慌ててシエルの方へ目をやった。
そう、自分がヒロシの料理を食べてはだけたと言う事は・・・

「美味い・・・こ・・・これは・・・果てしなく・・・」

シエルが口にしたのはカツ丼であった。
切り口が赤い無菌豚、いやSPF豚を使用した赤いカツ丼である!
それを手にしたままシエルは立ち上がる!

「美ーー味ーーーいーーーーぞーーーーーーー!!!!!!」

そして、そのまま駆け出していった。
おはだけが拝めると期待していたクリスは固まり、ヒロシはいつの間にか着替えていた自分の頭に乗っているコック帽を取ってニコリと笑う。
先程の食劇なソーマ的雰囲気から一瞬でミスターな味っ子的雰囲気に早着替えしたヒロシに突っ込みを入れる事無くクリスは再び化けるふりかけご飯を食べるのであった。





「もう喰えないナリ~」

大量に在ったコロッケを全て完食した殺すK達、いつのまにか壊れた部品で作られていた固体もそこに加わっていた。
不思議な事にヒロシが布を壊れた殺すKに被せるとその固体は元通り修理されて再び動き出したのだ。
そう、皆大好きドラちゃんのタイムな風呂敷であった。

「よし、それじゃあこれからもう一つの組織であるロチの所へ攻め込む!だけど今から伝える奴等はクリスが戦うから決して倒してしまわないようにま!」
「分かったナリ」
「よし、それじゃあこれを全員持て」

そう言ってヒロシが置いたのは短い銀色の筒であった。
片手で持てるそれを全ての殺すKが手にした所でクリスの方を見て頷いて一同はあのビルへ向けて移動を開始するのであった。



「な、なんだお前等?!」
「うん、雑魚に用は無いから」
「グエッ」

ヒロシ、建物の入り口に居た相手に問答無用で手にしていたそれを投げつけて意識を奪う!
飛んでいったそれはチェーンで繋がれており門番の顔面に直撃してそのままヒロシの手に戻ってくる。
黒いグローブをはめたそれをしっかりとキャッチしてそれを見せ付けるヒロシ!
それはヨーヨーであった。
パカリとヨーヨーの側面が開いて桜模様の大紋が晒される!
そして、何故かいつの間にか黒いセーラー服を着て女装しており高らかに宣言する!

「スケ番まで張ったこのヒロシが、何の因果か落ちぶれて、今じゃマッポの手先、笑いたければ笑うがいいさ!だがな、手前達みたいな汚い野郎を許しちゃおけねーんだ!」
「な、なんだ・・・一体アイツは何を言ってるんだ?!」

すっかりスケ番な刑事に成り切っているヒロシは他の立ち止まっている男達に高らかと宣言する。
その異様な光景に誰もが固唾を呑んでいた。
だが目を疑う光景はこれだけではなかった。

「ほっほっほっ」

黒いセーラー服で女装をしていた筈のヒロシから誰も目を離していない筈なのに一瞬でヒロシは老人に変装していたのだ。
その手にあるのはヨーヨーではなく印籠。

「スケベェさん、カクベェさん・・・殺っておしまいなさい!」
「「「「行くナリ!!!」」」」

水戸の黄門ヒロシ様の宣言で背後に控えていた殺すK達は一斉にビルへと攻め込む!
殺すK達が手にしていた銀色の筒にあるスイッチを入れると筒の先に光り輝く刃が出現し入り口のドアをそこに立つ人間ごと切り裂いて中へと突入していった。

「うーん、流石スターオーズのビームサーベルだ。見事な切れ味だ。シュゴー・・・シュゴー・・・」

今度は老人の格好から全身黒い衣装に着替えて呼吸音を響かせるダースなヒロシベーダー。
先程から続く意味不明な展開に1人付いていけなくて固まるクリスであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

GAME CHANGER 日本帝国1945からの逆襲

俊也
歴史・時代
時は1945年3月、敗色濃厚の日本軍。 今まさに沖縄に侵攻せんとする圧倒的戦力のアメリカ陸海軍を前に、日本の指導者達は若者達による航空機の自爆攻撃…特攻 で事態を打開しようとしていた。 「バカかお前ら、本当に戦争に勝つ気があるのか!?」 その男はただの学徒兵にも関わらず、平然とそう言い放ち特攻出撃を拒否した。 当初は困惑し怒り狂う日本海軍上層部であったが…!? 姉妹作「新訳 零戦戦記」共々宜しくお願い致します。 共に 第8回歴史時代小説参加しました!

強さがすべての魔法学園の最下位クズ貴族に転生した俺、死にたくないからゲーム知識でランキング1位を目指したら、なぜか最強ハーレムの主となった!

こはるんるん
ファンタジー
気づいたら大好きなゲームで俺の大嫌いだったキャラ、ヴァイスに転生してしまっていた。 ヴァイスは伯爵家の跡取り息子だったが、太りやすくなる外れスキル【超重量】を授かったせいで腐り果て、全ヒロインから嫌われるセクハラ野郎と化した。 最終的には魔族に闇堕ちして、勇者に成敗されるのだ。 だが、俺は知っていた。 魔族と化したヴァイスが、作中最強クラスのキャラだったことを。 外れスキル【超重量】の真の力を。 俺は思う。 【超重量】を使って勇者の王女救出イベントを奪えば、殺されなくて済むんじゃないか? 俺は悪行をやめてゲーム知識を駆使して、強さがすべての魔法学園で1位を目指す。

ラストダンジョンをクリアしたら異世界転移! バグもそのままのゲームの世界は僕に優しいようだ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はランカ。 女の子と言われてしまう程可愛い少年。 アルステードオンラインというVRゲームにはまってラストダンジョンをクリア。 仲間たちはみんな現実世界に帰るけれど、僕は嫌いな現実には帰りたくなかった。 そんな時、アルステードオンラインの神、アルステードが僕の前に現れた 願っても叶わない異世界転移をすることになるとは思わなかったな~

幻想神姫ヴァルキュリア・ミラージュ

黒陽 光
ファンタジー
 ――――守りたいヒトたちの、守りたい笑顔の為に。  戦部戒斗は幼馴染みのアンジェリーヌ・”アンジェ”・リュミエールや、居候している記憶喪失の乙女・間宮遥とともに実家の喫茶店を手伝う日々を送っていた。  ある日、学園に通うアンジェのクラスに真っ赤な髪の転入生が訪れる。その名はセラフィナ・”セラ”・マックスウェル。新しい友達が出来たと喜ぶアンジェと、そして満更でもない様子のセラ。戒斗や遥とも知り合い、そうして皆は幸せな日々を送っていた。  ――――だが、その平穏な日々は何の前触れもなく崩れ去ることになる。  戒斗たちの前に突然姿を現した異形の怪物・バンディット。誰も太刀打ち出来ないまま、人々が襲われていく。  そして、バンディットは戒斗とアンジェまでもを毒牙に掛けようとした。 「…………お二人を守れるのなら。誰かの笑顔を、戒斗さんやアンジェさんの笑顔を守れるのなら……私は、戦います」 「――――チェンジ・セイレーン!!」  その瞬間――――間宮遥は人ならざる存在へと生まれ変わる。人類の進化形、乙女の秘めた可能性の具現化。人間の守護者たる、武力を司りし神の遣い――――神姫ウィスタリア・セイレーンへと。  蒼の乙女が人を超えた戦乙女へと覚醒する時、物語の歯車は回り出す。神姫とバンディット、人智を越えた超常の戦いが、今まさに始まろうとしていた――――。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

処理中です...