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第19話 四角い部屋の正体は魔物!
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あれからどれ程の日数が経過したか分からない。
数時間なのかもしれないし数日なのかもしれない。
ピコハンは適当にドアを開ける。
そして、次の四角い部屋に入りまた適当にドアを開ける。
暫く部屋を移動し続けるとまたあの白骨死体の在る部屋に辿り着いた。
「また戻って来たのか・・・」
精神的にかなりやつれ始めて来たピコハンはその白骨の横に座り込み天井を見上げる。
横を見ても天井を見ても見た目は変わらない・・・
一生ここから出れないかもしれない・・・
そう考えたピコハンは白骨死体の横に落ちているノートに目をやる。
「帰りたい・・・」
ピコハンはそう呟いて目を閉じる。
目に浮かんだのは優しかった父と母。
そして・・・妹?
そこまで考えてピコハンは異常を察した。
両親の優しかった頃の姿を思い浮かべていた上にそこに帰りたいと考えている事実に驚いた。
人捨てで捨てられてからのピコハンが出会ったルージュやアイやユティカの事を忘れていたのだ。
その異常な事態にピコハンの思考は巡る・・・
そう、考えれば直ぐに分かる事だったのだ。
ノートに書かれている字は自分の筆跡だと判断したがそのノートを自分は持っていない。
そして、ここは何が起こるか分からない魔物が住み着くダンジョンだ。
「何故ここに他の死体は無いんだ?」
そう、定期的に人捨ても行なわれているしトレジャーハンターもこのダンジョンには沢山挑んでその命を散らしている。
なのにも関わらずこんな訳の分からない空間が続く場所で自分の白骨死体しか無い訳が無い。
そこまで考えてピコハンは前回アイが永久ループのダンジョンからの脱出を手助けしてくれた事を思い出し普通じゃない行動を取れば何か変化が生まれるかもしれないと考えたのだ。
「試してみるか・・・」
ピコハンは正面のドアを開いた。
そのドアが閉まる前にダッシュで反対側へ行きそこのドアも開いた!
そして、ピコハンは見てしまった。
ドアを開いた先は闇が蠢いていたのだ。
ここに居ては永遠に出られない。
そう考えたピコハンはその闇の中へ飛び込んだ!
ひんやりとした空気が頬を撫で一つの気配を感じた!
ピコハンはそこへ向けて女王蟻の剣を振りぬいた!
ガィン!!
確かな手ごたえと共に闇が一気に晴れる!
視界が戻ったそこは同じ四角い部屋だったが正面のドアのドアノブをピコハンは叩き切っていたのだ!
すると全面のドアが一斉に開いてバタバタとドアが暴れる!
そこから覗いたのは蠢く肉であった。
まるで魔物の体内、そう感じたピコハンは後ろから流れて来た風を感じそっちへ駆け出す!
開き閉じを繰り返す背後のドアを蹴りで押し開け部屋から飛び出したピコハンが振り返るとドアの上の岩壁に目が二つ在った。
そう、先程までピコハンが居たのはこの魔物の口の中だったのだ!
「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
開いたドアから大声みたいな音が響きドアの付いた壁がピコハンの方へ動き出す!
ピコハンはドアを開けたら重力方向が変化して落下した時に出来た筈の痣が消えている事を確認し先程まで目の前の壁の魔物に幻覚を見せられていた事を理解した。
デモンズウォールと呼ばれる種類の魔物であった。
ダンジョン内に罠を仕掛けて獲物を幻覚で捕らえ徐々に消化して食す大型の魔物である。
今回のピコハンが引っ掛かった理由はドアノブに催眠効果が付属されており素手で触れると幻覚に落ちてしまいその腹の中で溶かされながら消化されるのであった。
「全く、こんな無茶苦茶な生き物が居るなんてな!」
そう独り言を言いながらピコハンは女王蟻の剣で壁を切りつける!
動いて迫って来ている壁は痛みを感じたのか二つの目を一瞬閉じて苦しそうな声をドアから発する!
確実にダメージが通っている事を確認したピコハンは迫る壁から離れすぎつ追いつかれないように後ろに下がりながら女王蟻の剣で切りつけまくった!
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ズババババババババババババババババ!!!!!!
硬かった壁ではあるが何度も斬り付ける事で欠けて削れ破片が飛び散る!
そして、遂に岩壁から緑色の液体が噴出した!
それが流れると共に前進を中断した壁に今度はピコハンが斬りつけまくりながら奥へ押し進めていく!
「があああああああああああああ!!!!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!
次々に吹き出す緑色の液体の量が増え地面に流れていくがピコハンは止まらない!
そして、遂にその壁が崩れた!
そこに見えたのは肉の塊!
ピコハンはそれを更に斬りつけていく!
バガァァァァアアアアン!
正面の肉壁を切りつけて奥が遂に見えるようになった時にそれは姿を現わした!
四角い部屋のドアが起き上がり外れてピコハン目掛けて飛んでくる!
「だあああああ!!!!」
女王蟻の剣でその飛んでくるドアを叩き切って動かなくしてピコハンは四角い部屋のドアが在った場所の奥にある肉の塊に目をやる。
そして、ピコハンは見つけた!
視線を感じて上を見上げるとそこの肉壁の間から巨大な目が覗き込んでいたのだ!
「みぃ~つけたぁあああああ!!!」
女王蟻の剣を構えてピコハンは飛び上がる!
垂直飛びにも関わらず天井まで4メートルあるのにピコハンはジャンプでそこに到達し目が肉の壁に隠れた場所を一気に突き刺す!
「BYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
ドアが在った場所から一斉に悲鳴にも似た声が響き四方の壁が一斉に砕けた!
ピコハンは支えがなくなったのか剣を持ったまま落下し足元のドアが在った空間に落ちないように着地する。
その手にしていた女王蟻の剣の先にはあの巨大な目玉が突き刺さっていた。
ピコハンはそれを確認し一気に振り上げてそのまま壁に叩き付ける様に振り下ろす!
目玉が潰れて破壊されると同時に全ての部屋を構成していた物が一斉に砕け一斉に光の粒子があちこちから飛び出しピコハンの体に飛び込んでいくのであった。
数時間なのかもしれないし数日なのかもしれない。
ピコハンは適当にドアを開ける。
そして、次の四角い部屋に入りまた適当にドアを開ける。
暫く部屋を移動し続けるとまたあの白骨死体の在る部屋に辿り着いた。
「また戻って来たのか・・・」
精神的にかなりやつれ始めて来たピコハンはその白骨の横に座り込み天井を見上げる。
横を見ても天井を見ても見た目は変わらない・・・
一生ここから出れないかもしれない・・・
そう考えたピコハンは白骨死体の横に落ちているノートに目をやる。
「帰りたい・・・」
ピコハンはそう呟いて目を閉じる。
目に浮かんだのは優しかった父と母。
そして・・・妹?
そこまで考えてピコハンは異常を察した。
両親の優しかった頃の姿を思い浮かべていた上にそこに帰りたいと考えている事実に驚いた。
人捨てで捨てられてからのピコハンが出会ったルージュやアイやユティカの事を忘れていたのだ。
その異常な事態にピコハンの思考は巡る・・・
そう、考えれば直ぐに分かる事だったのだ。
ノートに書かれている字は自分の筆跡だと判断したがそのノートを自分は持っていない。
そして、ここは何が起こるか分からない魔物が住み着くダンジョンだ。
「何故ここに他の死体は無いんだ?」
そう、定期的に人捨ても行なわれているしトレジャーハンターもこのダンジョンには沢山挑んでその命を散らしている。
なのにも関わらずこんな訳の分からない空間が続く場所で自分の白骨死体しか無い訳が無い。
そこまで考えてピコハンは前回アイが永久ループのダンジョンからの脱出を手助けしてくれた事を思い出し普通じゃない行動を取れば何か変化が生まれるかもしれないと考えたのだ。
「試してみるか・・・」
ピコハンは正面のドアを開いた。
そのドアが閉まる前にダッシュで反対側へ行きそこのドアも開いた!
そして、ピコハンは見てしまった。
ドアを開いた先は闇が蠢いていたのだ。
ここに居ては永遠に出られない。
そう考えたピコハンはその闇の中へ飛び込んだ!
ひんやりとした空気が頬を撫で一つの気配を感じた!
ピコハンはそこへ向けて女王蟻の剣を振りぬいた!
ガィン!!
確かな手ごたえと共に闇が一気に晴れる!
視界が戻ったそこは同じ四角い部屋だったが正面のドアのドアノブをピコハンは叩き切っていたのだ!
すると全面のドアが一斉に開いてバタバタとドアが暴れる!
そこから覗いたのは蠢く肉であった。
まるで魔物の体内、そう感じたピコハンは後ろから流れて来た風を感じそっちへ駆け出す!
開き閉じを繰り返す背後のドアを蹴りで押し開け部屋から飛び出したピコハンが振り返るとドアの上の岩壁に目が二つ在った。
そう、先程までピコハンが居たのはこの魔物の口の中だったのだ!
「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
開いたドアから大声みたいな音が響きドアの付いた壁がピコハンの方へ動き出す!
ピコハンはドアを開けたら重力方向が変化して落下した時に出来た筈の痣が消えている事を確認し先程まで目の前の壁の魔物に幻覚を見せられていた事を理解した。
デモンズウォールと呼ばれる種類の魔物であった。
ダンジョン内に罠を仕掛けて獲物を幻覚で捕らえ徐々に消化して食す大型の魔物である。
今回のピコハンが引っ掛かった理由はドアノブに催眠効果が付属されており素手で触れると幻覚に落ちてしまいその腹の中で溶かされながら消化されるのであった。
「全く、こんな無茶苦茶な生き物が居るなんてな!」
そう独り言を言いながらピコハンは女王蟻の剣で壁を切りつける!
動いて迫って来ている壁は痛みを感じたのか二つの目を一瞬閉じて苦しそうな声をドアから発する!
確実にダメージが通っている事を確認したピコハンは迫る壁から離れすぎつ追いつかれないように後ろに下がりながら女王蟻の剣で切りつけまくった!
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ズババババババババババババババババ!!!!!!
硬かった壁ではあるが何度も斬り付ける事で欠けて削れ破片が飛び散る!
そして、遂に岩壁から緑色の液体が噴出した!
それが流れると共に前進を中断した壁に今度はピコハンが斬りつけまくりながら奥へ押し進めていく!
「があああああああああああああ!!!!!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!
次々に吹き出す緑色の液体の量が増え地面に流れていくがピコハンは止まらない!
そして、遂にその壁が崩れた!
そこに見えたのは肉の塊!
ピコハンはそれを更に斬りつけていく!
バガァァァァアアアアン!
正面の肉壁を切りつけて奥が遂に見えるようになった時にそれは姿を現わした!
四角い部屋のドアが起き上がり外れてピコハン目掛けて飛んでくる!
「だあああああ!!!!」
女王蟻の剣でその飛んでくるドアを叩き切って動かなくしてピコハンは四角い部屋のドアが在った場所の奥にある肉の塊に目をやる。
そして、ピコハンは見つけた!
視線を感じて上を見上げるとそこの肉壁の間から巨大な目が覗き込んでいたのだ!
「みぃ~つけたぁあああああ!!!」
女王蟻の剣を構えてピコハンは飛び上がる!
垂直飛びにも関わらず天井まで4メートルあるのにピコハンはジャンプでそこに到達し目が肉の壁に隠れた場所を一気に突き刺す!
「BYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」
ドアが在った場所から一斉に悲鳴にも似た声が響き四方の壁が一斉に砕けた!
ピコハンは支えがなくなったのか剣を持ったまま落下し足元のドアが在った空間に落ちないように着地する。
その手にしていた女王蟻の剣の先にはあの巨大な目玉が突き刺さっていた。
ピコハンはそれを確認し一気に振り上げてそのまま壁に叩き付ける様に振り下ろす!
目玉が潰れて破壊されると同時に全ての部屋を構成していた物が一斉に砕け一斉に光の粒子があちこちから飛び出しピコハンの体に飛び込んでいくのであった。
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