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第5話 不老不死の真の恐怖・・・
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(痛い!痛い痛い痛い痛い痛い!!!)
心臓が摘出され血液を送るポンプが無くなったのだ。
それに伴い血液によって送られてくる酸素が届かなくなり臓器が活動できなくなっていった・・・
本来であれば脳が酸素不足に陥って意識が無くなる、だが不老不死である私に訪れたのはとてつもない激痛の嵐であった。
(が・・・ぁ・・・ぎ・・・・・・)
脳が酸素を得られず思考が定まらなくなる、各臓器が活動不全を起こし動かなくなる・・・
それはとてつもない激痛であり、意識は闇に沈んでいく・・・
だが死ねない私には激痛が絶え間なく襲い続ける地獄の始まりであった。
何も分からない、何も見えない、何も聞こえない・・・
闇の中に溶け込んだような状態で全身全ての個所から激痛が続いたのだ。
それはまさに地獄そのものであった。
手術台の上で心臓が摘出された後も様々な臓器が摘出され私の体はどんどんバラバラになっていっていた。
だがもう私にはそれが理解できない、混濁している意識の中激痛だけが自分が生きている証として襲い掛かり続けていた。
生きているとは何か?
五感を全て失った人間は生きていると言えるのか?
その答えを示すかのように痛みだけが私に生きている証を示し続けた・・・
各臓器は個別に保管され脳すらも取り外された私の体の何処に魂が宿っているのか分からない。
だが、無限の苦痛の中に居る私は確かにここに居るのだ。
唯一の救いだったのは人間は慣れる生き物である。
やがて恐ろしい程の痛みは薄らいでいくように慣れて溶けるように消えていった・・・
自分がどうなっているのかも分からない、考える事はほとんど出来ない・・・
痛みが感じなくなった事だけが私の安らぎであった・・・
私は闇に溶けた・・・
考える事も感じる事も行わなくなった私は夢の中に居るような感覚のままそこに存在し続けた・・・
永遠の孤独・・・それを感じる度に何故終わらないのか?とだけ無意識に何度も何度も考えようとした・・・
だが答えは出ない、何故自分が不老不死になったのかすらも思い出せないのだ。
思考は殆ど動いておらず、ただその事を考えるだけで数年の月日を要している事すらも私には分からなかった。
そして、闇の中で私は終わりを感じた。
それは私が不老不死になってから76億年と言う途方もない年月が過ぎた時であった。
人体実験でバラバラにされ保管されていた私の体は忘れ去られ破棄されていた。
結局体を幾ら調べても私が不老不死な理由も解明できず諦められていたのだ。
だから私は破棄されてその時を迎えていた・・・
そう・・・
太陽が死滅して地球を飲み込んだのだ。
人類は他の星へ既に移住しており崩壊して消滅していく地球と私は共に消滅していく・・・
個体、液体、気体・・・
それよりも細かく原子レベルよりもバラバラになり完全に消滅を迎えた私が感じたのは光であった・・・
闇の中に溶けた私が一瞬とはいえ光を感じれたその瞬間・・・
それは待ち望み続けていた安らぎを与えてくれるものだった・・・
私は、その瞬間・・・遂に死ぬ事が出来たのであった・・・
「ピピピッピピピッピピピッ・・・」
音と共に目の前に天井があった。
一体いつ以来の景色か・・・
私は体を起こした。
「目が・・・見える・・・声が・・・出せる・・・手、私の手・・・私の足・・・体がある!」
自分の体が五体満足である事に歓喜し目を疑った。
そして、混乱する私は耳に聞こえるタイマーの音を聞いて記憶がフラッシュバックする。
(そうだ・・・この音は・・・私が不老不死になったその瞬間の・・・)
私は絶望した。
この音が聞こえたこの瞬間は自分が不老不死になったその時なのだ。
不老不死になった私は再び終わらない地獄を体験しなければならないのか。
しかし、私の脳裏に一つの考えが浮かんだ・・・
「そうだ、私を不老不死にしたあの悪魔・・・まだアソコに居る筈!」
私はホテルを飛び出して悪魔の元へ向かうのであった・・・
心臓が摘出され血液を送るポンプが無くなったのだ。
それに伴い血液によって送られてくる酸素が届かなくなり臓器が活動できなくなっていった・・・
本来であれば脳が酸素不足に陥って意識が無くなる、だが不老不死である私に訪れたのはとてつもない激痛の嵐であった。
(が・・・ぁ・・・ぎ・・・・・・)
脳が酸素を得られず思考が定まらなくなる、各臓器が活動不全を起こし動かなくなる・・・
それはとてつもない激痛であり、意識は闇に沈んでいく・・・
だが死ねない私には激痛が絶え間なく襲い続ける地獄の始まりであった。
何も分からない、何も見えない、何も聞こえない・・・
闇の中に溶け込んだような状態で全身全ての個所から激痛が続いたのだ。
それはまさに地獄そのものであった。
手術台の上で心臓が摘出された後も様々な臓器が摘出され私の体はどんどんバラバラになっていっていた。
だがもう私にはそれが理解できない、混濁している意識の中激痛だけが自分が生きている証として襲い掛かり続けていた。
生きているとは何か?
五感を全て失った人間は生きていると言えるのか?
その答えを示すかのように痛みだけが私に生きている証を示し続けた・・・
各臓器は個別に保管され脳すらも取り外された私の体の何処に魂が宿っているのか分からない。
だが、無限の苦痛の中に居る私は確かにここに居るのだ。
唯一の救いだったのは人間は慣れる生き物である。
やがて恐ろしい程の痛みは薄らいでいくように慣れて溶けるように消えていった・・・
自分がどうなっているのかも分からない、考える事はほとんど出来ない・・・
痛みが感じなくなった事だけが私の安らぎであった・・・
私は闇に溶けた・・・
考える事も感じる事も行わなくなった私は夢の中に居るような感覚のままそこに存在し続けた・・・
永遠の孤独・・・それを感じる度に何故終わらないのか?とだけ無意識に何度も何度も考えようとした・・・
だが答えは出ない、何故自分が不老不死になったのかすらも思い出せないのだ。
思考は殆ど動いておらず、ただその事を考えるだけで数年の月日を要している事すらも私には分からなかった。
そして、闇の中で私は終わりを感じた。
それは私が不老不死になってから76億年と言う途方もない年月が過ぎた時であった。
人体実験でバラバラにされ保管されていた私の体は忘れ去られ破棄されていた。
結局体を幾ら調べても私が不老不死な理由も解明できず諦められていたのだ。
だから私は破棄されてその時を迎えていた・・・
そう・・・
太陽が死滅して地球を飲み込んだのだ。
人類は他の星へ既に移住しており崩壊して消滅していく地球と私は共に消滅していく・・・
個体、液体、気体・・・
それよりも細かく原子レベルよりもバラバラになり完全に消滅を迎えた私が感じたのは光であった・・・
闇の中に溶けた私が一瞬とはいえ光を感じれたその瞬間・・・
それは待ち望み続けていた安らぎを与えてくれるものだった・・・
私は、その瞬間・・・遂に死ぬ事が出来たのであった・・・
「ピピピッピピピッピピピッ・・・」
音と共に目の前に天井があった。
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私は体を起こした。
「目が・・・見える・・・声が・・・出せる・・・手、私の手・・・私の足・・・体がある!」
自分の体が五体満足である事に歓喜し目を疑った。
そして、混乱する私は耳に聞こえるタイマーの音を聞いて記憶がフラッシュバックする。
(そうだ・・・この音は・・・私が不老不死になったその瞬間の・・・)
私は絶望した。
この音が聞こえたこの瞬間は自分が不老不死になったその時なのだ。
不老不死になった私は再び終わらない地獄を体験しなければならないのか。
しかし、私の脳裏に一つの考えが浮かんだ・・・
「そうだ、私を不老不死にしたあの悪魔・・・まだアソコに居る筈!」
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