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最終解
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そうだ、この問題の答えは『15』ではなく『12』だ。
俺はこの問題を知っている・・・
上から引き算を用いて計算していけば一見答えが導き出せる法則に当てはまるように見える・・・
だが最後の最後だ、もしも引き算の法則を用いた場合は一番下の数字は7ではなく8でなければならない。
だからこれの法則は別に在る。
それが分解加算だ。
2桁の数字ではなく単独の2つの数字、それぞれ4つの数字を足すと言う法則なのだ。
だから最初は7+2+9+9=27、次は2+7+4+5=18
知らないはずの法則を知っている。
それが俺の中の違和感を繋ぐ切欠となって俺は混乱しだす。
「違う、俺は、研究員、だけど、研究員じゃない・・・」
自分の両手を開いて利き手に残っていたペンだこに気が付く・・・
それをなぞりながら研究員では決してありえないそれに意識が引っ張られる。
どれほどの時間そうしていたのかは分からないが突然それは訪れた。
ドアがいきなり力任せに開けられ数名の防護服を着た男達が入ってきたのだ。
「なっなんだお前等?!」
突然の事に身構えるまもなく手にしていたペンを突きたてようとするが防護服がそれを通さない。
そのまま地面に押し付けられるように倒され捕縛された。
「くそっなんだ!?どういう事だ?!」
「いやいや、お疲れ様でした」
その言葉と共に部屋に入ってきたのは白衣を着た長身の男であった。
その男は両手を開いて嬉しそうにこちらへ近寄ってくる・・・
「な、何のマネだ?!」
「最初の実験への御協力本当にありがとうございました。それでは宣言通り貴方にはこれを・・・」
「っ?!」
その手に在ったのは注射器であった。
それを見た瞬間、男の脳裏に映像がフラッシュバックする。
「そうか、俺は大学生で・・・小説投稿サイトで読んだ物語りに・・・」
「ほっほっほっ驚きました。まさか記憶が戻り始めているのですか?これは重畳重畳、ウィルスに免疫がある被験者は大歓迎ですよ」
「止めろ!?離せ!離せー!!!!」
押さえつけられた腕に注射器の針が近付いていく・・・
「次は貴方が問題を解いている光景を一緒に観察する上司と言う立場でと言うのはどうでしょうかね?」
「くそっ!忘れないぞ!お前の顔は絶対に!何度だって思い出して復讐してやるからな!」
「それは面白い、では是非宜しくお願いしますね」
「あぐっ?!」
腕の血管に突き刺された注射器から液体が注入されていく・・・
それと共に脳が焼ける様に熱くなり思考が真っ白になっていく・・・
「あぁそれと、もしも貴方が壊れても次の被験者はこれを読んでいる人から『また』選びますから・・・」
消え去る最後の意識で聞こえたその言葉、俺は自分のスマホで問題が出される小説を読んでいて感想を送った事で特定され拉致されたのを思い出した。
もう直ぐ俺の意識は無くなる・・・だから読者である貴方へ・・・
ここまで・・・読んでしまった・・・のなら・・・逃げろ・・・じゃないと・・・俺の・・・様に・・・・・・・・・
完
俺はこの問題を知っている・・・
上から引き算を用いて計算していけば一見答えが導き出せる法則に当てはまるように見える・・・
だが最後の最後だ、もしも引き算の法則を用いた場合は一番下の数字は7ではなく8でなければならない。
だからこれの法則は別に在る。
それが分解加算だ。
2桁の数字ではなく単独の2つの数字、それぞれ4つの数字を足すと言う法則なのだ。
だから最初は7+2+9+9=27、次は2+7+4+5=18
知らないはずの法則を知っている。
それが俺の中の違和感を繋ぐ切欠となって俺は混乱しだす。
「違う、俺は、研究員、だけど、研究員じゃない・・・」
自分の両手を開いて利き手に残っていたペンだこに気が付く・・・
それをなぞりながら研究員では決してありえないそれに意識が引っ張られる。
どれほどの時間そうしていたのかは分からないが突然それは訪れた。
ドアがいきなり力任せに開けられ数名の防護服を着た男達が入ってきたのだ。
「なっなんだお前等?!」
突然の事に身構えるまもなく手にしていたペンを突きたてようとするが防護服がそれを通さない。
そのまま地面に押し付けられるように倒され捕縛された。
「くそっなんだ!?どういう事だ?!」
「いやいや、お疲れ様でした」
その言葉と共に部屋に入ってきたのは白衣を着た長身の男であった。
その男は両手を開いて嬉しそうにこちらへ近寄ってくる・・・
「な、何のマネだ?!」
「最初の実験への御協力本当にありがとうございました。それでは宣言通り貴方にはこれを・・・」
「っ?!」
その手に在ったのは注射器であった。
それを見た瞬間、男の脳裏に映像がフラッシュバックする。
「そうか、俺は大学生で・・・小説投稿サイトで読んだ物語りに・・・」
「ほっほっほっ驚きました。まさか記憶が戻り始めているのですか?これは重畳重畳、ウィルスに免疫がある被験者は大歓迎ですよ」
「止めろ!?離せ!離せー!!!!」
押さえつけられた腕に注射器の針が近付いていく・・・
「次は貴方が問題を解いている光景を一緒に観察する上司と言う立場でと言うのはどうでしょうかね?」
「くそっ!忘れないぞ!お前の顔は絶対に!何度だって思い出して復讐してやるからな!」
「それは面白い、では是非宜しくお願いしますね」
「あぐっ?!」
腕の血管に突き刺された注射器から液体が注入されていく・・・
それと共に脳が焼ける様に熱くなり思考が真っ白になっていく・・・
「あぁそれと、もしも貴方が壊れても次の被験者はこれを読んでいる人から『また』選びますから・・・」
消え去る最後の意識で聞こえたその言葉、俺は自分のスマホで問題が出される小説を読んでいて感想を送った事で特定され拉致されたのを思い出した。
もう直ぐ俺の意識は無くなる・・・だから読者である貴方へ・・・
ここまで・・・読んでしまった・・・のなら・・・逃げろ・・・じゃないと・・・俺の・・・様に・・・・・・・・・
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