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中編 弘樹、女魔王をベットに連行し背後から責め立てる!
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「んっ・・・」
ベットの上で寝転がったままゆっくり目を開いた魔王シベリア。
半目で見慣れた天井をただ茫然と見つめるその様は、絵画に描かれたような美しさを魅せていた。
不老不死、永久に若さを保ち続ける彼女には老いと言う概念が無いのだ。
「お腹・・・・空いたかも・・・」
体を起こして発達途上とも言える裸体のままシベリアは立ち上がり、ベット横に畳まれた下着を身に着けていく。
下着に続き、自身の愛用するセーラー服を着、長い髪を手で服の中から出して小さくため息を吐く。
邪神に与えられた自身が愛用できる唯一無二の私服がこれだというのが納得できない彼女だが、これ以外に着る服が無いのだから仕方ない。
『破滅』と言うスキルのせいで通常の衣類であれば朽ち果ててしまうのだ。
それ以外にも永遠を生きる彼女が永い眠りに一度付けば、再び目覚めるまで数年、または十数年寝たままになるので衣類が現存出来ない場合もあるのだ。
「さて、どうしようかしら?」
この空間から出ると破滅の影響で世界は滅びへ向かってしまう。
その為、シベリア自身がこの部屋に留まっているのだが、ここには彼女が食べる物は勿論無い。
床に朽ち果てた猛者と呼ばれる彼女を倒そうと挑んできた者の慣れの果て、それが綺麗に片付けられた場所に立ちその名を呼ぶ。
「マルコ、起きなさい!」
それはこの世界の魔族から贈られた自動人形、主にシベリアの身の回りの世話を行う為だけに作られた機械の魔物である。
シベリアの呼びかけに答える様にそれは集まり形を成す。
虚空、何もない場所に塵が集まり渦を巻きながら形を形成していく・・・
元々はシベリアを内部から殺す為に作られた兵器であったが、それ以外に基本的な殺傷能力が備わっていなかった為にシベリア自身が傍に仕えさせるという約束で魔族領に赴くのを止めにした経緯がある。
と言ってもシベリア自身は世界を滅ぼす気は無いのだが・・・
『おはようございますシベリア様』
「えぇ、おはよう。私どれくらい寝てたのかしら?」
『10年と3か月と21日でございます』
「そう・・・」
そう言って遠い目で見つめる天井、時間の感覚もおかしくなりどれ程の時間をここで過ごしているのか彼女自身にももう分からない。
目の前でメイド服に着替えた人型の機械人形は動かずにシベリアの言葉を待つ・・・
おかっぱ頭の女性メイドの姿であるが、マルコには決まった姿形は存在しない。
ただシベリア自身が仕える人の姿をイメージしたのがこの形だっただけである。
「お腹が空いたわ、何か食べる物を用意してくれるかしら?」
『畏まりました』
そう答えたマルコは虚空から再び塵を集めだし、目の前に綺麗なテーブルセットを作り出した。
これもマルコの体である。
魔王であるシベリアには定期的に様々な物が献上されている、その中には勿論食材も含まれておりマルコはそれを部屋の外へ取りに出て行く・・・
献上品が回収される、つまりそれはシベリアが起きている証であり、この部屋が解放される時である。
人間と魔族の両方がシベリアに挑む事が出来る事を示す証でもあるので、献上物は常に新鮮な物が毎日交換されているのである。
『今日は新鮮なオーク肉が献上されておりました。ご希望はございますでしょうか?』
「そうね・・・オムライスが食べたいわ」
『畏まりました』
そう答えたマルコはオーク肉を調理しだす。
分子レベルにまで一度分解し、再び形成し直した米もどきと卵もどきを使って手際よく調理を進めるマルコ。
自身の体から作り出したフライパンにコンロを使って調理する様はまさに魔法である。
最早なんでもありな光景を面白そうに眺めるシベリア、彼女唯一の娯楽とも言っていいマルコの料理を満足そうに眺める。
数分後、ブロック状だったオーク肉1つからどうしてこれが出来るのか分からないオムライスが完成した。
半熟の卵は上に被せるのではなくチキンライスを包み込む形で形成されたオムライス、上には可愛い猫ちゃんがケチャップで描かれていた。
「美味しそう、いただきます」
『どうぞ』
幸せそうに食べるシベリア、長い長い時を生きて正常な感覚を失いつつある彼女が自我を保てているのは間違いなくマルコのお陰である。
そんな食事をしている最中であった。
「目覚めたか魔王シベリア!我が父の仇!ここでお前を打ち取って・・・」
突然扉が開かれ一組のパーティが突撃してきた。
口上を述べながら武器を構えて物々しい雰囲気で突入してきた一同はその光景に唖然とした。
それはそうであろう、攻め込んだ世界を滅ぼす事が出来る魔王の部屋に入ったらオムライスを女子高生が食べていたのだから。
だが・・・
「間違いありません!あれです!あれが魔王シベリアです!」
シベリアの事を理解した一人の女魔導士がそう叫んで魔法を放った!
それは氷の矢や水の矢、火の矢に光の矢・・・
様々な魔法で生み出された攻撃魔法がシベリア目掛けて一直線に飛んできた。
しかし・・・
『失礼します』
シベリアの前に在ったテーブルが一瞬にして消え、オムライスが空中に飛んでいく。
マルコがシベリアの前から全てを避けたのだ。
そしてそのままシベリアにぶつかった攻撃魔法の数々、しかしシベリア自身には何の影響も与えられなかった。
「が・・・」
「ぐ・・・え・・・」
「そん・・・・な・・・」
魔法がシベリアにぶつかるのとほぼ同時に魔法を放った一行に魔法の矢が突き刺さっていた。
彼女の特性『オールカウンター』が発動し、全ての魔法が全く同じ威力でパーティに返されたのだ。
一瞬にして数名が倒れる中、シベリアを父の仇と口にした男が雄たけびを上げながら駆け寄ってきた。
手に装備された剣を上段に構え、斬るというよりも叩き付けるようにシベリアの頭部に放たれた斬撃。
だが、それはシベリアの皮膚一枚も切り裂く事が出来ずはじき返されてしまう。
「ぐぁ・・・く、くそっ・・・」
男が立ち上がったその時には他のメンバーは既に逃げ出していた。
残されたのは数名の遺体と折れ曲がった剣を手にした男一人である。
震えながらもシベリアを睨みつける男、父の仇を目の前にした男の手は震えていた。
「もう終わりか?だったら帰るといい、無駄に死に急ぐこともないさ」
そう口にしたシベリアは避けられたオムライスの続きが食べたいのか、男から視線を外し空中に浮かぶオムライスに目をやっていた。
相手にもされてないという事実に悔しさが込み上げる、奇襲を行ったというのに殺された仲間になんと言えばいいのか・・・
だが、この場に居ても今の自分には何もできないという事実に打ちひしがれた男は膝をついたまま動かなかった・・・
帰ったところでどうする事も出来ない、魔王を倒す為に全てを捨ててここへ来たのだから・・・
「くそっ・・・くそっ・・・くそぉ・・・」
そう嘆く男、その男の肩に手が置かれた。
見た事も無い服装のその男は何も言う事なくシベリアの方へ向かって歩いていく・・・
その姿を見てシベリアは目を細める。
「お前・・・何者だ?」
「俺か?俺はお前をどうにかしてくれって邪神とか言うヤツに頼まれて来た弘樹って言う者だ。以後よろしくな」
そう言ってシベリアの目の前にまでやって来た弘樹は彼女の顎に手をやった。
俗に言う顎クイってやつである。
いままで一方的に攻撃しかされてこなかったシベリアは予想もしていなかった。
これから自分が一体何をされるのか・・・
「どういうつもり?」
「ん?なにがだい?」
顎を持ち上げられたシベリアは抱き抱えられていた。
俗に言うお姫様抱っこである、顔を持ち上げられ目を見合わせた時は眼術を使われるのかと思ったが違うようである。
「邪神に頼まれて私を倒しに来たんでしょ?」
「んーまぁそれはそうなんだけどね・・・」
そう言って先程まで寝ていたベットに連れていかれたシベリア。
正直このベットはマルコが関与していない物なので壊れると非常に困る物なのだ。
だからここで攻撃されるのは止めて欲しいと考えるシベリアであったが・・・
さわさわさわさわさわさわ・・・
後ろから包み込むように腕を回されて体を撫で始められたのだ。
服の上から撫でるその手に一体どういう意味があるのか分からないシベリアは困惑する。
だが、どんな攻撃で在ろうと自分にはダメージは通ることは無く、瞬時に相手に同等のダメージを与える反射を行う『オールカウンター』を持つので焦りは一切なかった。
この時までは・・・
きゅっきゅっさわ・・・さわ・・・
ぐり・・・ぐり・・・こり・・・こり・・・
服の上から肌を撫でられ、擦られ、指先で押され、皮膚を摘ままれる。
攻撃ではないその刺激は弘樹の手によって続けられ刺激により肌が少しだけ敏感になる。
そもそも痛みと言うモノを長らく経験していないシベリアは感覚が非常に鈍感になっていたのだ。
「くすぐったい・・・」
「そうかい?」
小さく呟いたその言葉に弘樹は返事をしつつもシベリアの体を撫で続ける・・・
くりくり・・・こりこり・・・
ぞりぞり・・・ぐにぐに・・・
何時の間にか制服の隙間に手を入れられ肌を直接触られていた。
それでも痛くも痒くも無い、ただただ食べ損なったオムライスが頭を過るシベリアは退屈としか考えていなかった。
何をされても無敵、不老不死だから死ぬ事も無い、だからこそ退化した彼女の体は刺激に飢えていたのかもしれない。
「・・・・・・っふ」
くすぐったい感覚から不意に口から洩れた小さな笑い声。
思えば誰かに触られたのも非常に久々で、長い間魔法か武器しか肌に触れた記憶しかないシベリアは気付かなかった。
「・・・・・・んぁ・・・っ」
思考が自身の口から洩れた声に停止した。
背中に感じる弘樹の体温に肌に触れる弘樹の手・・・
まさしく密着している状態で自分の口から洩れた声に疑問を持つが、シベリアは気のせいだと考えた。
今までにない攻撃を受けている自分、もしかしたら面白い何かがあるかもしれない、そう考えて弘樹の好きにさせてしまったのだ。
「なんだ・・・あれ・・・」
それはシベリアの事を父の仇だと言った男の声であった。
声を聴いて目を見開いて真っすぐにシベリアを見るその目にシベリアも気付いた。
ぎゅっと突然力の入る手・・・
頬が少し赤く染まり高揚する気持ちに困惑する・・・
くちゅくちゅ、うにうに・・・
ぐにぐに・・・ぷにぷに・・・
気付けば弘樹の手の動きは擦るのよりも揉んだり摘まんだ動きが増えていた。
シベリアは気付かない、呼吸が少しずつ荒くなり肌がプルプルと震え出している事に・・・
「ふ―――っ ふ―――っ・・・ ふ―――っ・・・」
あの見下した男に見られている、その視線が気持ちを高揚させていたのだ。
息が荒く、くすぐったかった筈の感触が何処か違う事にこの時やっと気づいた。
自分の知らない感覚に困惑しつつ、それでも自分が不死身で無敵だという変なプライドが見栄を張っていた。
結果・・・
「・・・っふぅうう・・・!!!」
ビクンっと体が震え全身に電気が走った。
感じた事の無い感覚に背中が仰け反る。
気付けば弘樹のシャツをギュッと握り締めて彼を引き寄せていた。
「シベリアちゃん・・・って呼んでいいかな?」
「・・・っっ!?」
耳元で囁かれた言葉に思わず歯を食いしばって力が入った。
体が仰け反り弘樹の肩に頭を押し付ける。
何時の間にか口は開きっぱなしになり、熱が籠もった吐息が漏れていた。
「暑そうだね」
「やっ・・・なっ・・・」
そういう弘樹の手がセーラー服のボタンに手を掛けた。
胸元のボタンを一つ外し、弘樹の手が上を脱がしていく・・・
「ぁ・・・」
上を脱げばスポーツブラしかしていない状態になり、火照った肌が汗をかいているのが直ぐに分かった。
何故抵抗しなかったのか、自分でも分からずシベリアは目を細め顔を背けた。
正面に見えていた男の視線が何故か恥ずかしく感じたからである。
だが・・・
「・・・え?」
弘樹の手が再び触れた途端変化が訪れた。
ビキッと胸の突起部が音を立てたかのように反応し大きくなったのだ。
自分の体の変化に驚きに満ちた声を上げるシベリアであるが、その乳首の突起に弘樹の手が伸びてきた。
「・・・んっ ッんお”ぁ”っ♡!!??」
摘ままれてクリっと捻られた瞬間、全身がビクンっと反応を示し変な声が口から洩れた。
思わず歯を食いしばって出た声に蓋をするが、お構いなしに弘樹の指は動き続けた。
「ん”ん”っ・・・♡ ん”ん”ん”っ・・・♡♡」
(なに・・・これ・・・ 今までと違う・・・っ)
止まらず漏れる息、声を殺そうと必死に我慢するが漏れる微声・・・
そして、ゾワッと新たな感覚がシベリアを襲う!
それは弘樹の手であった。
何時の間にか太ももに伸びていた片手が内腿を撫で始めていたのだ。
今まで上半身メインに刺激されていたその手が足の付け根を目指し、行ったり来たりを繰り返す・・・
「っんぅうぅ”う”♡♡」
大きくビクンビクンっと跳ねる体、頭を横に振って誤魔化そうとするが、弘樹の胸に後頭部を擦り付ける程度にしか動かせない。
何時の間にか涙目になっている自分に気付かず、ただただ弘樹の手によって刺激され続けるその手に反応を示すだけになっている体。
そう、彼には全てバレていたのだ。
「ここに早く触れてほしかったんでしょ?」
下着越し、だが的確にそこに在る女の子の穴に弘樹の指が到達した。
その瞬間、シベリアは達した。
「・・・・・・っイっっ・・・っ ん”~~――――ッ!!!?♡♡」
今までに感じた事も無い程の強張り、全身の緊張・・・
痙攣が連続する波の様に続けて全身を襲い、声にならない声があふれ出る。
信じられない程の感覚が次々と襲い掛かり、理解が出来ないシベリアの脳裏に浮かんだのはただ一つ・・・
(この人・・・私が自分から相手を攻撃する手段を持たない事を知っている!)
ベットの上で寝転がったままゆっくり目を開いた魔王シベリア。
半目で見慣れた天井をただ茫然と見つめるその様は、絵画に描かれたような美しさを魅せていた。
不老不死、永久に若さを保ち続ける彼女には老いと言う概念が無いのだ。
「お腹・・・・空いたかも・・・」
体を起こして発達途上とも言える裸体のままシベリアは立ち上がり、ベット横に畳まれた下着を身に着けていく。
下着に続き、自身の愛用するセーラー服を着、長い髪を手で服の中から出して小さくため息を吐く。
邪神に与えられた自身が愛用できる唯一無二の私服がこれだというのが納得できない彼女だが、これ以外に着る服が無いのだから仕方ない。
『破滅』と言うスキルのせいで通常の衣類であれば朽ち果ててしまうのだ。
それ以外にも永遠を生きる彼女が永い眠りに一度付けば、再び目覚めるまで数年、または十数年寝たままになるので衣類が現存出来ない場合もあるのだ。
「さて、どうしようかしら?」
この空間から出ると破滅の影響で世界は滅びへ向かってしまう。
その為、シベリア自身がこの部屋に留まっているのだが、ここには彼女が食べる物は勿論無い。
床に朽ち果てた猛者と呼ばれる彼女を倒そうと挑んできた者の慣れの果て、それが綺麗に片付けられた場所に立ちその名を呼ぶ。
「マルコ、起きなさい!」
それはこの世界の魔族から贈られた自動人形、主にシベリアの身の回りの世話を行う為だけに作られた機械の魔物である。
シベリアの呼びかけに答える様にそれは集まり形を成す。
虚空、何もない場所に塵が集まり渦を巻きながら形を形成していく・・・
元々はシベリアを内部から殺す為に作られた兵器であったが、それ以外に基本的な殺傷能力が備わっていなかった為にシベリア自身が傍に仕えさせるという約束で魔族領に赴くのを止めにした経緯がある。
と言ってもシベリア自身は世界を滅ぼす気は無いのだが・・・
『おはようございますシベリア様』
「えぇ、おはよう。私どれくらい寝てたのかしら?」
『10年と3か月と21日でございます』
「そう・・・」
そう言って遠い目で見つめる天井、時間の感覚もおかしくなりどれ程の時間をここで過ごしているのか彼女自身にももう分からない。
目の前でメイド服に着替えた人型の機械人形は動かずにシベリアの言葉を待つ・・・
おかっぱ頭の女性メイドの姿であるが、マルコには決まった姿形は存在しない。
ただシベリア自身が仕える人の姿をイメージしたのがこの形だっただけである。
「お腹が空いたわ、何か食べる物を用意してくれるかしら?」
『畏まりました』
そう答えたマルコは虚空から再び塵を集めだし、目の前に綺麗なテーブルセットを作り出した。
これもマルコの体である。
魔王であるシベリアには定期的に様々な物が献上されている、その中には勿論食材も含まれておりマルコはそれを部屋の外へ取りに出て行く・・・
献上品が回収される、つまりそれはシベリアが起きている証であり、この部屋が解放される時である。
人間と魔族の両方がシベリアに挑む事が出来る事を示す証でもあるので、献上物は常に新鮮な物が毎日交換されているのである。
『今日は新鮮なオーク肉が献上されておりました。ご希望はございますでしょうか?』
「そうね・・・オムライスが食べたいわ」
『畏まりました』
そう答えたマルコはオーク肉を調理しだす。
分子レベルにまで一度分解し、再び形成し直した米もどきと卵もどきを使って手際よく調理を進めるマルコ。
自身の体から作り出したフライパンにコンロを使って調理する様はまさに魔法である。
最早なんでもありな光景を面白そうに眺めるシベリア、彼女唯一の娯楽とも言っていいマルコの料理を満足そうに眺める。
数分後、ブロック状だったオーク肉1つからどうしてこれが出来るのか分からないオムライスが完成した。
半熟の卵は上に被せるのではなくチキンライスを包み込む形で形成されたオムライス、上には可愛い猫ちゃんがケチャップで描かれていた。
「美味しそう、いただきます」
『どうぞ』
幸せそうに食べるシベリア、長い長い時を生きて正常な感覚を失いつつある彼女が自我を保てているのは間違いなくマルコのお陰である。
そんな食事をしている最中であった。
「目覚めたか魔王シベリア!我が父の仇!ここでお前を打ち取って・・・」
突然扉が開かれ一組のパーティが突撃してきた。
口上を述べながら武器を構えて物々しい雰囲気で突入してきた一同はその光景に唖然とした。
それはそうであろう、攻め込んだ世界を滅ぼす事が出来る魔王の部屋に入ったらオムライスを女子高生が食べていたのだから。
だが・・・
「間違いありません!あれです!あれが魔王シベリアです!」
シベリアの事を理解した一人の女魔導士がそう叫んで魔法を放った!
それは氷の矢や水の矢、火の矢に光の矢・・・
様々な魔法で生み出された攻撃魔法がシベリア目掛けて一直線に飛んできた。
しかし・・・
『失礼します』
シベリアの前に在ったテーブルが一瞬にして消え、オムライスが空中に飛んでいく。
マルコがシベリアの前から全てを避けたのだ。
そしてそのままシベリアにぶつかった攻撃魔法の数々、しかしシベリア自身には何の影響も与えられなかった。
「が・・・」
「ぐ・・・え・・・」
「そん・・・・な・・・」
魔法がシベリアにぶつかるのとほぼ同時に魔法を放った一行に魔法の矢が突き刺さっていた。
彼女の特性『オールカウンター』が発動し、全ての魔法が全く同じ威力でパーティに返されたのだ。
一瞬にして数名が倒れる中、シベリアを父の仇と口にした男が雄たけびを上げながら駆け寄ってきた。
手に装備された剣を上段に構え、斬るというよりも叩き付けるようにシベリアの頭部に放たれた斬撃。
だが、それはシベリアの皮膚一枚も切り裂く事が出来ずはじき返されてしまう。
「ぐぁ・・・く、くそっ・・・」
男が立ち上がったその時には他のメンバーは既に逃げ出していた。
残されたのは数名の遺体と折れ曲がった剣を手にした男一人である。
震えながらもシベリアを睨みつける男、父の仇を目の前にした男の手は震えていた。
「もう終わりか?だったら帰るといい、無駄に死に急ぐこともないさ」
そう口にしたシベリアは避けられたオムライスの続きが食べたいのか、男から視線を外し空中に浮かぶオムライスに目をやっていた。
相手にもされてないという事実に悔しさが込み上げる、奇襲を行ったというのに殺された仲間になんと言えばいいのか・・・
だが、この場に居ても今の自分には何もできないという事実に打ちひしがれた男は膝をついたまま動かなかった・・・
帰ったところでどうする事も出来ない、魔王を倒す為に全てを捨ててここへ来たのだから・・・
「くそっ・・・くそっ・・・くそぉ・・・」
そう嘆く男、その男の肩に手が置かれた。
見た事も無い服装のその男は何も言う事なくシベリアの方へ向かって歩いていく・・・
その姿を見てシベリアは目を細める。
「お前・・・何者だ?」
「俺か?俺はお前をどうにかしてくれって邪神とか言うヤツに頼まれて来た弘樹って言う者だ。以後よろしくな」
そう言ってシベリアの目の前にまでやって来た弘樹は彼女の顎に手をやった。
俗に言う顎クイってやつである。
いままで一方的に攻撃しかされてこなかったシベリアは予想もしていなかった。
これから自分が一体何をされるのか・・・
「どういうつもり?」
「ん?なにがだい?」
顎を持ち上げられたシベリアは抱き抱えられていた。
俗に言うお姫様抱っこである、顔を持ち上げられ目を見合わせた時は眼術を使われるのかと思ったが違うようである。
「邪神に頼まれて私を倒しに来たんでしょ?」
「んーまぁそれはそうなんだけどね・・・」
そう言って先程まで寝ていたベットに連れていかれたシベリア。
正直このベットはマルコが関与していない物なので壊れると非常に困る物なのだ。
だからここで攻撃されるのは止めて欲しいと考えるシベリアであったが・・・
さわさわさわさわさわさわ・・・
後ろから包み込むように腕を回されて体を撫で始められたのだ。
服の上から撫でるその手に一体どういう意味があるのか分からないシベリアは困惑する。
だが、どんな攻撃で在ろうと自分にはダメージは通ることは無く、瞬時に相手に同等のダメージを与える反射を行う『オールカウンター』を持つので焦りは一切なかった。
この時までは・・・
きゅっきゅっさわ・・・さわ・・・
ぐり・・・ぐり・・・こり・・・こり・・・
服の上から肌を撫でられ、擦られ、指先で押され、皮膚を摘ままれる。
攻撃ではないその刺激は弘樹の手によって続けられ刺激により肌が少しだけ敏感になる。
そもそも痛みと言うモノを長らく経験していないシベリアは感覚が非常に鈍感になっていたのだ。
「くすぐったい・・・」
「そうかい?」
小さく呟いたその言葉に弘樹は返事をしつつもシベリアの体を撫で続ける・・・
くりくり・・・こりこり・・・
ぞりぞり・・・ぐにぐに・・・
何時の間にか制服の隙間に手を入れられ肌を直接触られていた。
それでも痛くも痒くも無い、ただただ食べ損なったオムライスが頭を過るシベリアは退屈としか考えていなかった。
何をされても無敵、不老不死だから死ぬ事も無い、だからこそ退化した彼女の体は刺激に飢えていたのかもしれない。
「・・・・・・っふ」
くすぐったい感覚から不意に口から洩れた小さな笑い声。
思えば誰かに触られたのも非常に久々で、長い間魔法か武器しか肌に触れた記憶しかないシベリアは気付かなかった。
「・・・・・・んぁ・・・っ」
思考が自身の口から洩れた声に停止した。
背中に感じる弘樹の体温に肌に触れる弘樹の手・・・
まさしく密着している状態で自分の口から洩れた声に疑問を持つが、シベリアは気のせいだと考えた。
今までにない攻撃を受けている自分、もしかしたら面白い何かがあるかもしれない、そう考えて弘樹の好きにさせてしまったのだ。
「なんだ・・・あれ・・・」
それはシベリアの事を父の仇だと言った男の声であった。
声を聴いて目を見開いて真っすぐにシベリアを見るその目にシベリアも気付いた。
ぎゅっと突然力の入る手・・・
頬が少し赤く染まり高揚する気持ちに困惑する・・・
くちゅくちゅ、うにうに・・・
ぐにぐに・・・ぷにぷに・・・
気付けば弘樹の手の動きは擦るのよりも揉んだり摘まんだ動きが増えていた。
シベリアは気付かない、呼吸が少しずつ荒くなり肌がプルプルと震え出している事に・・・
「ふ―――っ ふ―――っ・・・ ふ―――っ・・・」
あの見下した男に見られている、その視線が気持ちを高揚させていたのだ。
息が荒く、くすぐったかった筈の感触が何処か違う事にこの時やっと気づいた。
自分の知らない感覚に困惑しつつ、それでも自分が不死身で無敵だという変なプライドが見栄を張っていた。
結果・・・
「・・・っふぅうう・・・!!!」
ビクンっと体が震え全身に電気が走った。
感じた事の無い感覚に背中が仰け反る。
気付けば弘樹のシャツをギュッと握り締めて彼を引き寄せていた。
「シベリアちゃん・・・って呼んでいいかな?」
「・・・っっ!?」
耳元で囁かれた言葉に思わず歯を食いしばって力が入った。
体が仰け反り弘樹の肩に頭を押し付ける。
何時の間にか口は開きっぱなしになり、熱が籠もった吐息が漏れていた。
「暑そうだね」
「やっ・・・なっ・・・」
そういう弘樹の手がセーラー服のボタンに手を掛けた。
胸元のボタンを一つ外し、弘樹の手が上を脱がしていく・・・
「ぁ・・・」
上を脱げばスポーツブラしかしていない状態になり、火照った肌が汗をかいているのが直ぐに分かった。
何故抵抗しなかったのか、自分でも分からずシベリアは目を細め顔を背けた。
正面に見えていた男の視線が何故か恥ずかしく感じたからである。
だが・・・
「・・・え?」
弘樹の手が再び触れた途端変化が訪れた。
ビキッと胸の突起部が音を立てたかのように反応し大きくなったのだ。
自分の体の変化に驚きに満ちた声を上げるシベリアであるが、その乳首の突起に弘樹の手が伸びてきた。
「・・・んっ ッんお”ぁ”っ♡!!??」
摘ままれてクリっと捻られた瞬間、全身がビクンっと反応を示し変な声が口から洩れた。
思わず歯を食いしばって出た声に蓋をするが、お構いなしに弘樹の指は動き続けた。
「ん”ん”っ・・・♡ ん”ん”ん”っ・・・♡♡」
(なに・・・これ・・・ 今までと違う・・・っ)
止まらず漏れる息、声を殺そうと必死に我慢するが漏れる微声・・・
そして、ゾワッと新たな感覚がシベリアを襲う!
それは弘樹の手であった。
何時の間にか太ももに伸びていた片手が内腿を撫で始めていたのだ。
今まで上半身メインに刺激されていたその手が足の付け根を目指し、行ったり来たりを繰り返す・・・
「っんぅうぅ”う”♡♡」
大きくビクンビクンっと跳ねる体、頭を横に振って誤魔化そうとするが、弘樹の胸に後頭部を擦り付ける程度にしか動かせない。
何時の間にか涙目になっている自分に気付かず、ただただ弘樹の手によって刺激され続けるその手に反応を示すだけになっている体。
そう、彼には全てバレていたのだ。
「ここに早く触れてほしかったんでしょ?」
下着越し、だが的確にそこに在る女の子の穴に弘樹の指が到達した。
その瞬間、シベリアは達した。
「・・・・・・っイっっ・・・っ ん”~~――――ッ!!!?♡♡」
今までに感じた事も無い程の強張り、全身の緊張・・・
痙攣が連続する波の様に続けて全身を襲い、声にならない声があふれ出る。
信じられない程の感覚が次々と襲い掛かり、理解が出来ないシベリアの脳裏に浮かんだのはただ一つ・・・
(この人・・・私が自分から相手を攻撃する手段を持たない事を知っている!)
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葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
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