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前編 異世界最強の女魔王を倒すため邪神は弘樹を勧誘する

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「ふぅ・・・もう飽きたわ」

セーラー服のスカートをパッパッと払って少女は一歩前に出た。
満身創痍になった男達に向かって少女は告げる。

「次が最後よ、私を倒したいなら全力で来なさい」

少女の名は『シベリア』この世界では魔王と呼ばれる存在である。
しかし、その正体は邪神によってこの世界に転移した地球人である。

「くっそ・・・皆、俺に全魔力を分けてくれ!」
「任せろ!」
「うぉぉぉおおおお!!」
「ふぉおおおおお!!!」

この世界に転生したシベリアは凍るような眼差しを向けたまま両手を広げた。
その彼女に向かって放たれる極大魔法『ギガインフェルノ』。
数名の魔力を全て注ぎ解き放たれる小さな太陽はあらゆる物をその熱で溶解させる。
だが・・・

「残念ね・・・これじゃあ私には届かないわ」

そう告げてシベリアが体にぶつかっていたギガインフェルノを手で押し返す。
この世界の勇者と呼ばれる青年は知らなかった、シベリアが持つ邪神から貰った特性を・・・

完全物理防御、完全魔法無効化、完全属性攻撃無効化、完全特殊攻撃無効化、完全耐性、不老不死、封印拒絶、強制転移無効化、オールカウンター、そして・・・破滅。

あらゆる攻撃を無効化し、不死身な上に封印や強制的に何処かへ転移させる事も不可能。
そしてなにより恐ろしいのがオールカウンターと呼ばれる相手の攻撃を全て相乗させたカウンターを放つ攻撃。
彼女が完全過ぎて邪神は絶望した。
そもそもシベリアは邪神がこの世界に復活した際の依り代にする予定だったのだ。
だが邪神よりも無敵になってしまったシベリアは精神体であった邪神を返り討ちにしてしまったのだ。

そして、彼女の持つ最後の特性『破滅』。
これは存在していると全てに破滅をもたらす特性。
人や魔物に限らず全てを滅ぼす彼女は魔王にしてこの世界の全ての生命の敵となってしまったのだ。
彼女の存在が魔族と人間族が手を取り合う結果を生み、共に妥当シベリアに挑んだ。
だが、結果は見ての通りである。

「あっけない・・・本当退屈だわ・・・」

玉座に戻りシベリアはため息を一つ吐く。
この部屋を出ると世界を破滅に導いてしまう、だからこそ邪神が作り出したこの部屋から彼女は出る事が出来ないのだ。
最強にして最恐で最凶の魔王シベリア、彼女の前にはこの世界最強だった者達が消し炭になっていた。
彼女自身は世界を滅ぼす気など無い、だからこそこの部屋から出る事は無い。
シベリアは座ってた玉座を立ち上がり、玉座の後ろに在るベットに身を投げ出した。

「次は30年くらい寝ようかしら?」

不老不死の為、食事すらも必要でない彼女はゆっくりと目を瞑る。
次の来客が来るまで30年は必要だと考え眠る事にしたのだ。
再び世界最強となった者達が自分を滅ぼす為に訪れるその日まで・・・
しかし、彼女は知らなかった。
邪神がこの世界に召喚した一人の男の存在を・・・











「そういう訳で、君しか彼女をなんとかできそうな人間はいないんだ」
「へ~」

興味なさげに教室で邪神の言葉に返事する男。
彼の名は『弘樹』、実はこの学校の卒業生だ。
そして、彼の前には布で口を塞がれている女教師、『静香』が居た。
弘樹の指示通り授業中ずっと入れていたバイブを彼に見せながら震える彼女、二人は今日が初対面である。
今日の朝、弘樹は出勤途中の静香に痴漢をした。
それも電車の中などではない、徒歩で歩いている最中にだ。
だが・・・

「ほぎぃぃ♡」

すれ違いざまに服の上から撫でられたクリトリス、その瞬間絶頂した静香はビクンと痙攣しながらその場にしゃがみ込んだ。
今まで感じた事の無い様な衝撃的な快感に驚いたのだ。
そして・・・

「だ、大丈夫ですか?」

しゃがみ込んだ静香の背中にソッと手をやって声を掛けた弘樹。
その瞬間静香は顔を上げて再び絶頂した。

「がひゃ♡♡」

全身が震え、愛液が止めどなく溢れ出し、僅か数秒の間に2度目の絶頂。
信じられない程の快感が静香の体を駆け巡り彼女は弘樹に抱き着いた。

「んあっ♡ あっ♡♡」

弘樹の香りが、体温が、感触が全身を喜ばす。
身も心もその一瞬で奪われてしまったのだ。
そう、これが弘樹の持つ特性。

人間には波長と言うモノが在る、一番気持ちいい温度、一番美味しい味付け、一番感じるタイミング。
人と人に相性が在る様に、様々な要因で人と人は惹き付け合う様に出来ているのだ。
そして、弘樹は相手が無意識化で望む全ての特性を強制的に自分に思い通りにする事が出来るのだ。
催眠術にも似たこの特性を使って彼は今まで何人もの女を思い通りにしてきた。
時には自愛を持って、時には凌辱で、時にはペットとして・・・
全ては自分の思うがままに操る事が出来るのだ。

「お姉さん、名前は?」
「し、静香・・・」
「俺、静香との相性が凄い良いみたいだから夕方また会いたいな」
「わ、わた・・・しも・・・」
「それじゃあさ、これ・・・今日一日挿れててよ」

そう言って渡したバイブ・・・
それが今現在彼女がパンツの下に装着しているバイブなのだ。

「ねぇ、お願いだって。君しかあの世界を救えないんだ」
「と言ってもさ、俺には興味が無いから」

そう言って待ち構える静香のバイブにパンツの上から人差し指を優しく当てる。
途端に静香の子宮がキュン♡キュン♡と脈動し絶頂を招き寄せる。

「んぁぁ・・・♡」

涙を流しながら再び達した喜び、そしてもう目の前の男以外では満足できない体になった事実に彼女は満たされる。
弘樹の子を宿したいと全身が震え訴え始めた。
だが・・・

「ごめんね静香さん・・・俺、どうやら君に飽きたみたいなんだ」
「・・・ぇ?」
「だから最後にとびっきりのプレゼントしてあげるから、それでバイバイ」

そう言って弘樹は静香の下腹部に指を触れて、ゆっくりと下へと下がっていく・・・
たったそれだけ、それだけで静香は絶叫に近い声を出しそうになる。
口を布で塞がれていなければ絶対誰かに聞かれていたであろう・・・

「おびぃぃ♡♡ いぶぅぅぅぅぅうううう♡♡♡♡」

涙も鼻水も垂れ流しになり、股から愛液か潮か分からない液体が零れる。
だがそれでも弘樹の指から離れたくないのか痙攣しながら静香は耐える。
その指が自分のクリトリスに到達するその瞬間を味わう為に・・・

「ヤブゥウウウ♡♡♡♡ バダいぶぅぅううううううう♡♡♡♡♡♡♡♡」

何度も何度も絶頂を繰り返し、やがてその時は訪れた。
弘樹の指先が静香のクリトリスに到達したのだ。
その瞬間・・・

「くぁwすぇdrftghy?!?!?!?!?!?!!!!」

言葉にならない奇声を発しながら静香は白目を剥いてその場に倒れ込んだ。
意識を無くしてなお静香は痙攣を繰り返し、この快楽を知ってしまったからには永遠に忘れる事は出来ないだろう・・・
だから、弘樹は挿入だけはしない、本当にSEXをしてしまったら二度と誰とHしても感じる事すら出来なくなるだろうから・・・
それは弘樹の優しさでもあったのだ。

「あーあ、凄いね。でもそんな君でも彼女は倒せないかもしれない」
「ほぅ?」
「だってこの僕が最強の特性をふんだんに彼女に与えたからね」

押して駄目なら引いてみろとは良く言ったものである。
だが、この地球上の誰をこうやって堕としても物足りないと感じていたのも事実。
自分の子を宿らせるのであれば自分が永遠に相手をしたいと思える相手が良いと弘樹は考えていたのだ。
だから弘樹は尋ねた。

「もしかしたらそいつが俺の気に入る女かもしれない、一応聞くが戻って来られるんだよな?」
「勿論!気に入って君が勝ったら彼女を連れ帰らせてあげてもいいよ」

少し考えて弘樹は頷いた。
正直、自分がまともに全力SEXして耐えきれる女は地球上には存在しないというのは薄々気付いていた。
だからこそ弘樹はこの姿の半透明な自称邪神の口車に乗るのを考えたのだ。
例えこれが騙されていたとしても・・・

「それじゃあ仕方ないからちょっとだけ口車に乗ってやるよ」
「そう来なくっちゃ、じゃあ今から行くかい?」
「あぁ、それじゃあ静香。短い間だったけど楽しかったよ、バイブはプレゼントだ俺だと思って大事にしてくれ」

そう言い残し弘樹と邪神はその姿を消した。
後に残された静香が痙攣したまま泣いていたのを知らないまま・・・
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