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第92話 最悪最凶スキル『デスゲームメーカー』生存確率…0%
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「助かった・・・のか・・・」
ロッツォ国王が頭上に表示されていた死のカウントダウン表示が消えた事に言葉を漏らす。
それを切欠に絶望に沈んでいた者達は頭上に表示されていたカウントが消えている事に気付き我に返る。
一人が歓声を上げたのを切欠に次々と呼応して喜びの雄叫びが上がっていく!
「リューイチ・・・」
ギルドマスタージタンはイナバンと共に消えた竜一の姿を探す。
彼がイナバンを倒した事で救われたのを知っているのは僅か数名。
竜一の頼みでそれを公開する気は無かった。
「あの人間がやったのか?」
「リリン様・・・」
立ち尽くすジタンの後ろから声が掛かる。
魔王リリンである。
「私にも理解できない何かであろうが私達は救われたのは間違いないな」
「はい」
「宣言どおり私はあやつの嫁に行っても良いのだがな・・・」
そこに竜一は居ない。
999年の時を生きたリリンは魔王が背負う運命から解き放たれて女として人生を桜花する気なのかもしれない。
その時であった。
イナバンと竜一が消えたその場所に黒い靄が発生してその中から竜一が姿を現した。
「リューイチ?!」
ジタンが名を呼び駆け寄る、しかし竜一は近寄ってくるジタンに視線を合わせずに後ろに居るリリンを見詰め続ける・・・
明らかに異様な雰囲気にジタンは立ち止まり後ろを振り返る。
そんなジタンを無視してリリンが竜一の方へ歩み寄る・・・
「見事だ人間!どうだ?私の夫になる気は無いか?」
その言葉に周囲に居た人間達は耳を疑った。
世界を救った竜一に魔王がプロポーズしたのだ。
だが竜一はリリンを見詰めながら口にする。
「悪いな、俺には待ってくれている人が居るんだ」
棒読み、形式的なその言葉にリリンは少し悲しそうな表情を浮かべるが大きく溜め息を一つ吐いて無表情になり竜一を見詰め返す。
「いつ気付いた?」
「今さっきさ、何で今まで気付かなかったんだろうな」
周囲のジタンを含む者達は一体2人が何を話しているのか分からない。
だがそれは突然訪れた。
「上手くできたと思ったんだがな」
リリンは片手を上げると周囲は停止した。
まるで時間が止まったかのように停止した世界の中、竜一とリリンは向かい合う・・・
「まっ気付いたのは偶然だよ、世界そのものを作り出してその世界が本当の世界だと誤認させる手法でデスゲームを組み上げたのもあったし・・・なにより、前回の神の淘汰で全ての生命は死滅しているにも関わらず人類の文明は発展し過ぎていたからね」
「ふふふ・・・本当に君は頭が良いんだね」
「学校の勉強は全然出来なかったんだけどね」
「それで、私だと結論付けた理由は?」
「消去法さ、一番長く生きているのが君で人類を誘導するとするならば一番都合が良いだろうからね」
「ふふふふ・・・見事だ」
そう言ってリリンが笑うと共に世界が闇に包まれた。
そこは完全な闇の世界、そこに竜一とリリンだけが存在している。
竜一が気付いた事・・・
それは自分は死んで転生したのではなくリリンがデスゲームメーカーで作り出した世界に取り込まれていたと言う事実。
そして、リリンこそがこの世界を作り出した主であると言う事。
「さて、後は君次第だ。私は君と夫婦になって君の残りの人生を共に生きても良かったんだがな」
「悪いな、きっと待ってるから・・・」
「全く・・・お前達は・・・」
そう言い残しリリンも姿を消した。
その空間に残るのは竜一ただ1人。
時間も停止し一切の変化が無いその世界で竜一は目を閉じてそれを発動させる。
「デスゲームメーカーEDIT発動!」
とある病院の集中治療室、そこに竜一は寝ていた。
白根が目を覚まさない竜一の手を握り締め泣きそうな顔で見詰める。
そして、規則正しく鳴り続けていた心拍を知らせる機械音がピーと鳴り響いた。
坂上の死を知らせるその音の中、白根は坂上の手をただ握りしめる・・・
既に手遅れだと医者も判断したのであろう、無菌である筈の集中治療室にも関わらずそのまま白根は入っていたのだ。
しかし、その時に奇跡は起こった。
ピーーーーーーーッピッピッピッピ・・・
鼓動が停止した音が続いていたのが途切れて鼓動が戻ったのだ。
竜一の心肺が停止した事で駆けつけた医者は病室に入るなり目を疑った。
そこにはベットの上で目を開いた竜一が白根の顔を引き寄せて口付けをしているのだから・・・
『本当に彼は人間なのですかね?この世界の真理に到達してしまうとか有り得ませんよ』
竜一の居る病院の遥か上空に黒髪の少女姿のそいつは居た。
見下ろしながら竜一をどうするか考えたが小さく笑って視線を反らした。
『まっ仮にも私が認めた者なのですから別に良いでしょう』
そう言ってそいつは闇の中へ消える。
異世界でリリンと言う魔王に成りすましていたそいつは竜一が世界でただ1人気付いてしまったのを知った上で放置する事にしたのだ。
この世界そのモノが全ての生命が死へ向かって抗い続けるデスゲームメーカーで作り出された世界と言う事を知っているにも関わらず。
竜一が神であるイナバンを倒した事で得たポイントを全て使って、自分を元の世界へ戻して自身を全開させたのでこれ以上何もする必要がなくなったからだ。
他者の死があれば竜一はデスゲームメーカーを使用する事が出来るが、この世界に居る限りは使う事はないだろうと言う判断だ。
集中治療室のベットの上に正座して白根に向かう合う竜一は先程のキスに動揺しまくっている白根に伝えた。
「俺は・・・白根 優里、君の事が好きだ。付き合って下さい」
突然の告白、生死の境を彷徨い一度死んで直ぐに息を吹き返し突然キスをして告白してきた幼馴染。
正直何がどうなっているのか全く分からないが拒否する理由が存在しない白根は涙で真っ赤になった目をそのままに答える・・・
「はいっ!」
目の前で繰り広げられる告白劇に駆けつけた医者はそのままそっと集中治療室を後にする。
この世界には死が満ちている。
全てのモノに死が必ず訪れる世界が黒髪少女の姿の死神が作り出したデスゲームなのである。
デスゲームメーカー、それは世界を作り出す神のスキルである・・・
完
ロッツォ国王が頭上に表示されていた死のカウントダウン表示が消えた事に言葉を漏らす。
それを切欠に絶望に沈んでいた者達は頭上に表示されていたカウントが消えている事に気付き我に返る。
一人が歓声を上げたのを切欠に次々と呼応して喜びの雄叫びが上がっていく!
「リューイチ・・・」
ギルドマスタージタンはイナバンと共に消えた竜一の姿を探す。
彼がイナバンを倒した事で救われたのを知っているのは僅か数名。
竜一の頼みでそれを公開する気は無かった。
「あの人間がやったのか?」
「リリン様・・・」
立ち尽くすジタンの後ろから声が掛かる。
魔王リリンである。
「私にも理解できない何かであろうが私達は救われたのは間違いないな」
「はい」
「宣言どおり私はあやつの嫁に行っても良いのだがな・・・」
そこに竜一は居ない。
999年の時を生きたリリンは魔王が背負う運命から解き放たれて女として人生を桜花する気なのかもしれない。
その時であった。
イナバンと竜一が消えたその場所に黒い靄が発生してその中から竜一が姿を現した。
「リューイチ?!」
ジタンが名を呼び駆け寄る、しかし竜一は近寄ってくるジタンに視線を合わせずに後ろに居るリリンを見詰め続ける・・・
明らかに異様な雰囲気にジタンは立ち止まり後ろを振り返る。
そんなジタンを無視してリリンが竜一の方へ歩み寄る・・・
「見事だ人間!どうだ?私の夫になる気は無いか?」
その言葉に周囲に居た人間達は耳を疑った。
世界を救った竜一に魔王がプロポーズしたのだ。
だが竜一はリリンを見詰めながら口にする。
「悪いな、俺には待ってくれている人が居るんだ」
棒読み、形式的なその言葉にリリンは少し悲しそうな表情を浮かべるが大きく溜め息を一つ吐いて無表情になり竜一を見詰め返す。
「いつ気付いた?」
「今さっきさ、何で今まで気付かなかったんだろうな」
周囲のジタンを含む者達は一体2人が何を話しているのか分からない。
だがそれは突然訪れた。
「上手くできたと思ったんだがな」
リリンは片手を上げると周囲は停止した。
まるで時間が止まったかのように停止した世界の中、竜一とリリンは向かい合う・・・
「まっ気付いたのは偶然だよ、世界そのものを作り出してその世界が本当の世界だと誤認させる手法でデスゲームを組み上げたのもあったし・・・なにより、前回の神の淘汰で全ての生命は死滅しているにも関わらず人類の文明は発展し過ぎていたからね」
「ふふふ・・・本当に君は頭が良いんだね」
「学校の勉強は全然出来なかったんだけどね」
「それで、私だと結論付けた理由は?」
「消去法さ、一番長く生きているのが君で人類を誘導するとするならば一番都合が良いだろうからね」
「ふふふふ・・・見事だ」
そう言ってリリンが笑うと共に世界が闇に包まれた。
そこは完全な闇の世界、そこに竜一とリリンだけが存在している。
竜一が気付いた事・・・
それは自分は死んで転生したのではなくリリンがデスゲームメーカーで作り出した世界に取り込まれていたと言う事実。
そして、リリンこそがこの世界を作り出した主であると言う事。
「さて、後は君次第だ。私は君と夫婦になって君の残りの人生を共に生きても良かったんだがな」
「悪いな、きっと待ってるから・・・」
「全く・・・お前達は・・・」
そう言い残しリリンも姿を消した。
その空間に残るのは竜一ただ1人。
時間も停止し一切の変化が無いその世界で竜一は目を閉じてそれを発動させる。
「デスゲームメーカーEDIT発動!」
とある病院の集中治療室、そこに竜一は寝ていた。
白根が目を覚まさない竜一の手を握り締め泣きそうな顔で見詰める。
そして、規則正しく鳴り続けていた心拍を知らせる機械音がピーと鳴り響いた。
坂上の死を知らせるその音の中、白根は坂上の手をただ握りしめる・・・
既に手遅れだと医者も判断したのであろう、無菌である筈の集中治療室にも関わらずそのまま白根は入っていたのだ。
しかし、その時に奇跡は起こった。
ピーーーーーーーッピッピッピッピ・・・
鼓動が停止した音が続いていたのが途切れて鼓動が戻ったのだ。
竜一の心肺が停止した事で駆けつけた医者は病室に入るなり目を疑った。
そこにはベットの上で目を開いた竜一が白根の顔を引き寄せて口付けをしているのだから・・・
『本当に彼は人間なのですかね?この世界の真理に到達してしまうとか有り得ませんよ』
竜一の居る病院の遥か上空に黒髪の少女姿のそいつは居た。
見下ろしながら竜一をどうするか考えたが小さく笑って視線を反らした。
『まっ仮にも私が認めた者なのですから別に良いでしょう』
そう言ってそいつは闇の中へ消える。
異世界でリリンと言う魔王に成りすましていたそいつは竜一が世界でただ1人気付いてしまったのを知った上で放置する事にしたのだ。
この世界そのモノが全ての生命が死へ向かって抗い続けるデスゲームメーカーで作り出された世界と言う事を知っているにも関わらず。
竜一が神であるイナバンを倒した事で得たポイントを全て使って、自分を元の世界へ戻して自身を全開させたのでこれ以上何もする必要がなくなったからだ。
他者の死があれば竜一はデスゲームメーカーを使用する事が出来るが、この世界に居る限りは使う事はないだろうと言う判断だ。
集中治療室のベットの上に正座して白根に向かう合う竜一は先程のキスに動揺しまくっている白根に伝えた。
「俺は・・・白根 優里、君の事が好きだ。付き合って下さい」
突然の告白、生死の境を彷徨い一度死んで直ぐに息を吹き返し突然キスをして告白してきた幼馴染。
正直何がどうなっているのか全く分からないが拒否する理由が存在しない白根は涙で真っ赤になった目をそのままに答える・・・
「はいっ!」
目の前で繰り広げられる告白劇に駆けつけた医者はそのままそっと集中治療室を後にする。
この世界には死が満ちている。
全てのモノに死が必ず訪れる世界が黒髪少女の姿の死神が作り出したデスゲームなのである。
デスゲームメーカー、それは世界を作り出す神のスキルである・・・
完
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