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第64話 増え続ける虫と蘇生
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虫の中には様々な伝達方法で仲間へ情報を伝えるモノが居る。
例えば蜂、フェロモンを周囲に毒液と共に少量噴出し仲間へ敵の存在を知らせる。
このフェロモンを感じた仲間の蜂は興奮状態になり警戒心を一切なくして敵へ特攻を行なうのである。
ゾンビ映画等を想像してもらえば直ぐに分かると思うがあれに近い状態に周囲に居た同族を強制的に巻き込むのである。
そして、それは目の前に居る虫達にも似た様な事が起こっていたのである。
「ギ・・・ギ・・・」
虫に埋もれて呻き声しか出さなくなったその塊から緑色の液体が流れ出て動かなくなる。
その流れ出た液体すらも他の虫が群がりそこに虫の塊が出来上がった。
「ギャー!ギャー!!」
「ギギギャー!!」
その光景を離れて見ていた別の小鬼達から叫び声が上がる。
視線をそちらへやると先程虫を拾って食べた小鬼に向かって虫が這い寄っているのが見えた。
焦って踏み潰したりして攻撃を行なうその姿を見て奴等の知性がそれ程高くないのを感じたカインはジタンに肩を貸して部屋の壁近くへ移動した。
少なくとも虫を攻撃せずにここを脱出するには小鬼の大群の奥へ抜けるか入ってきた入り口から出るしかない。
だが入り口の戸の隙間から大量の虫達が這い上がってきている、そこから出るのは不可能だろう。
「くそっ・・・二人共虫を踏まないように、殺したら一斉に襲われます」
「えぇ・・・分かったわ」
「あぁ・・・なんて光景だ・・・」
あちこちで虫に覆い尽くされ動かなくなる小鬼。
少しすればその小鬼に群がっていた虫は周囲に散る。
そこに残るのは喰い散らかされた肉片が残る骨であった。
そんな光景があちこちで次々と繰り広げられ小鬼達は奥へと逃げようと動き出す。
だがその数が多すぎる為に奥からこちらへやってくる子鬼が邪魔になり押し合いになっていた。
「ギィアッ?!」
逃げようとした小鬼が入ってこようとする波に押されて後ろに転んだ。
その尻の下にはもちろん虫が居た。
潰れた虫の体液が背中に付いたのだろう、一斉に近くに居た虫たちが集まりその小鬼を覆い尽くす。
まさに地獄絵図であった。
天井や入り口からは次々と新しい虫たちが入ってきて足の踏み場がどんどん無くなっていく・・・
「ひぃっ?!」
「カミラさん動かないで!」
襲われたら間違い無く食い殺される。
そんな虫が自分達の足の上を這って移動するのだ。
その感触に悲鳴を上げるカミラの頭を胸に押し付けて落ち着かせる。
「大丈夫・・・大丈夫ですから・・・」
「気持ち悪いぜこれは・・・ぐっ?!」
ジタンの足を登ってこようとする虫が1匹おりそれに嫌な顔をするジタン。
だが振り払おうとして攻撃とみなされたら一斉に襲われる。
それが分かっているのでジタンは耐えていた。
しかし・・・
「でもこのままじゃあ・・・」
そこまで言った時であった。
最初に食い殺された小鬼の遺体が突如光を放った!
3人はそれに驚き視線を向ける。
光を嫌っているのか虫はその周囲だけを離れそこだけ虫の居ない空間が出来上がっていた。
そして、その中央で光に包まれた小鬼に驚く事が起こった。
光が小さくなり現れたそこには食い殺される前の姿の小鬼が立っていたのであった。
例えば蜂、フェロモンを周囲に毒液と共に少量噴出し仲間へ敵の存在を知らせる。
このフェロモンを感じた仲間の蜂は興奮状態になり警戒心を一切なくして敵へ特攻を行なうのである。
ゾンビ映画等を想像してもらえば直ぐに分かると思うがあれに近い状態に周囲に居た同族を強制的に巻き込むのである。
そして、それは目の前に居る虫達にも似た様な事が起こっていたのである。
「ギ・・・ギ・・・」
虫に埋もれて呻き声しか出さなくなったその塊から緑色の液体が流れ出て動かなくなる。
その流れ出た液体すらも他の虫が群がりそこに虫の塊が出来上がった。
「ギャー!ギャー!!」
「ギギギャー!!」
その光景を離れて見ていた別の小鬼達から叫び声が上がる。
視線をそちらへやると先程虫を拾って食べた小鬼に向かって虫が這い寄っているのが見えた。
焦って踏み潰したりして攻撃を行なうその姿を見て奴等の知性がそれ程高くないのを感じたカインはジタンに肩を貸して部屋の壁近くへ移動した。
少なくとも虫を攻撃せずにここを脱出するには小鬼の大群の奥へ抜けるか入ってきた入り口から出るしかない。
だが入り口の戸の隙間から大量の虫達が這い上がってきている、そこから出るのは不可能だろう。
「くそっ・・・二人共虫を踏まないように、殺したら一斉に襲われます」
「えぇ・・・分かったわ」
「あぁ・・・なんて光景だ・・・」
あちこちで虫に覆い尽くされ動かなくなる小鬼。
少しすればその小鬼に群がっていた虫は周囲に散る。
そこに残るのは喰い散らかされた肉片が残る骨であった。
そんな光景があちこちで次々と繰り広げられ小鬼達は奥へと逃げようと動き出す。
だがその数が多すぎる為に奥からこちらへやってくる子鬼が邪魔になり押し合いになっていた。
「ギィアッ?!」
逃げようとした小鬼が入ってこようとする波に押されて後ろに転んだ。
その尻の下にはもちろん虫が居た。
潰れた虫の体液が背中に付いたのだろう、一斉に近くに居た虫たちが集まりその小鬼を覆い尽くす。
まさに地獄絵図であった。
天井や入り口からは次々と新しい虫たちが入ってきて足の踏み場がどんどん無くなっていく・・・
「ひぃっ?!」
「カミラさん動かないで!」
襲われたら間違い無く食い殺される。
そんな虫が自分達の足の上を這って移動するのだ。
その感触に悲鳴を上げるカミラの頭を胸に押し付けて落ち着かせる。
「大丈夫・・・大丈夫ですから・・・」
「気持ち悪いぜこれは・・・ぐっ?!」
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だが振り払おうとして攻撃とみなされたら一斉に襲われる。
それが分かっているのでジタンは耐えていた。
しかし・・・
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そこまで言った時であった。
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光を嫌っているのか虫はその周囲だけを離れそこだけ虫の居ない空間が出来上がっていた。
そして、その中央で光に包まれた小鬼に驚く事が起こった。
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