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第60話 見えていたのは全て幻
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「えっ?!」
リリンは手を離した訳ではなかった。
まるでそこへリリンが入ることを拒絶するように入り口に手が届く場所まで行けなかったのだ。
しかし、カインの手はリリンと繋いだ形のままであった。
「待ってお兄さん!」
そう叫ぶリリンだったがその声は届かない。
3人とも中へ入りその後をあの緑の人形の生き物が着いていく。
嫌な予感がして私は飛び出そうとするがそこから先は見えない壁があるようにリリンを拒んでいた。
『ゲギャ!臭い!臭い!お前臭い!』
「きゃあっ?!」
後ろから横へ押し退けられリリンは転ぶ。
そこにはあの王冠のようなモノを頭にした緑の化け物が居た。
『アイツらは餌食!お前要らん!帰れギャ!』
「待って!お兄さん達をどうするつもり?!」
『喰う!久々の肉!孕み袋!』
言葉が通じることでリリンは何とか説得しようと試みる。
非力な自分に出来る事はこれしかないと考えていたからだ。
『臭い!あっちいけ!ギャギヤ!』
「きゃぁぁ!!」
王冠を被ったそいつが手から小さな竜巻みたいなものを出してリリンを突き飛ばす。
リリンが尻餅を付いた間にそいつらは中へと入り入り口が塞がれてしまった。
「何とかしないと…」
入り口はボロボロの木のドア一枚だが触ることも近付く事も出来ない。
それならとリリンは雨の中ぬるかみに足を取られながら建物の側面へ回り込んだ。
そして、小窓の様な大きな穴を見付け近寄る…
だが中は道中と同じ黄色い霧のような物が篭っておりよく見えなかった。
入り口と同じように近付くと見えない壁がありリリンはそこの手を付けて中を覗き見る。
少しずつ中の霧が薄くなりそれが見えるようになりリリンは声をあげた!
「ジタンさん!おばさん!」
なんと床に倒れた二人に何人かのあの緑の化け物が近寄って触っているのだ。
そして、お兄さんがこっちを見た。
リリンは見えない壁を手で強く叩くのであった!
リリンは手を離した訳ではなかった。
まるでそこへリリンが入ることを拒絶するように入り口に手が届く場所まで行けなかったのだ。
しかし、カインの手はリリンと繋いだ形のままであった。
「待ってお兄さん!」
そう叫ぶリリンだったがその声は届かない。
3人とも中へ入りその後をあの緑の人形の生き物が着いていく。
嫌な予感がして私は飛び出そうとするがそこから先は見えない壁があるようにリリンを拒んでいた。
『ゲギャ!臭い!臭い!お前臭い!』
「きゃあっ?!」
後ろから横へ押し退けられリリンは転ぶ。
そこにはあの王冠のようなモノを頭にした緑の化け物が居た。
『アイツらは餌食!お前要らん!帰れギャ!』
「待って!お兄さん達をどうするつもり?!」
『喰う!久々の肉!孕み袋!』
言葉が通じることでリリンは何とか説得しようと試みる。
非力な自分に出来る事はこれしかないと考えていたからだ。
『臭い!あっちいけ!ギャギヤ!』
「きゃぁぁ!!」
王冠を被ったそいつが手から小さな竜巻みたいなものを出してリリンを突き飛ばす。
リリンが尻餅を付いた間にそいつらは中へと入り入り口が塞がれてしまった。
「何とかしないと…」
入り口はボロボロの木のドア一枚だが触ることも近付く事も出来ない。
それならとリリンは雨の中ぬるかみに足を取られながら建物の側面へ回り込んだ。
そして、小窓の様な大きな穴を見付け近寄る…
だが中は道中と同じ黄色い霧のような物が篭っておりよく見えなかった。
入り口と同じように近付くと見えない壁がありリリンはそこの手を付けて中を覗き見る。
少しずつ中の霧が薄くなりそれが見えるようになりリリンは声をあげた!
「ジタンさん!おばさん!」
なんと床に倒れた二人に何人かのあの緑の化け物が近寄って触っているのだ。
そして、お兄さんがこっちを見た。
リリンは見えない壁を手で強く叩くのであった!
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