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第35話 攻略の鍵
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外へ出てリリンと俺は目を疑った。
あちこちにバラバラになった蠢く肉片がそこに在ったのだ。
おそらく悪魔が音に反応して通りがかりの村人だったモノをやったのだろう。
辺りに漂う肉片の焼ける臭いに吐き気を覚えながら痛む足でリリンと進む。
「待って…」
リリンが腕を引っ張り家の間から見えた村の広場を指指し小声で話し掛ける。
そこには木に登ってまだ生きている女性が居た。
リリンが何かを訴えかける様な目で見つめるのでそんな場合ではないが確認したい事もあったので助けることにした。
「さて、どうするか…」
あまりモタモタしていても悪魔がやってくれば皆殺しは確実だ。
俺は近くに落ちていた石を手にして離れた場所に落ちていた金物に向かって投げた。
多分盗賊が襲ってきた時に誰かが手にしていたのであろう鍋の蓋の様な物に三個目で上手く当たり「カンッ」と音がした。
「アァ?!」
数名の村人だったモノがそれに反応しそっちに向かいだしその足音で残りの奴等も動き出す。
(今だ!)
リリンを影に待たせて足音を出来るだけ立てないようにしながら木に近付き口元に人差し指を立て静かにと合図を送りながら近付いていった。
それを理解しこっちが生きた人間だと気付いた年配の女性は頷きゆっくりと降りてくる。
ズリズリ…
そんな音がして奴等の意識がこちらに向いた?!
(やばい、逃げるぞ!)
急がず足音を立てないようにゆっくりと戻ったことで追い掛けられることなく建物の間へ入りもう一つ石を木に向かって投げた。
カンッ!
石が当たる音で奴等は再び気の方へ向かったのでそのまま俺達は町を囲う壁沿いに裏を歩いて進んだ。
周囲に何も居ない事を確認して振り替えるとリリンが抱き締められていた。
「リリンちゃん、無事で良かった…」
「おばさん…ロッツォが…助けてくれて…」
「そう…」
女性はロッツォの母親であった。
「しかし、一体何がどうなったのかしらね…」
「話に割り込んで悪い、この現状を何とかするために聞きたいことがある」
「あんた…ありがとうね、本当にもう駄目かと思ったよ…」
「礼は良い、聞かせてくれ。この騒動が始まった時に何か変な声が聞こえなかったか?」
「えっ?あぁそう…聞いたこと無い声が聞こえたよ…確か…」
思い出そうと目を瞑って上に顔をあげるロッツォの母親は口にする。
「『村の中心を燃やせ…LIFE1』だったかしら」
予感は確信に変わった。
これは誰にでも答えに辿り着けるヒントである。
そして、他の人間にも色々な内容が伝えられ合わせれば完全な目標が浮かび上がるんだ。
三つのヒントが合わさり仮説が完全な形になった。
「そうか…戻るぞ!」
俺の言葉に耳を疑う二人であった。
あちこちにバラバラになった蠢く肉片がそこに在ったのだ。
おそらく悪魔が音に反応して通りがかりの村人だったモノをやったのだろう。
辺りに漂う肉片の焼ける臭いに吐き気を覚えながら痛む足でリリンと進む。
「待って…」
リリンが腕を引っ張り家の間から見えた村の広場を指指し小声で話し掛ける。
そこには木に登ってまだ生きている女性が居た。
リリンが何かを訴えかける様な目で見つめるのでそんな場合ではないが確認したい事もあったので助けることにした。
「さて、どうするか…」
あまりモタモタしていても悪魔がやってくれば皆殺しは確実だ。
俺は近くに落ちていた石を手にして離れた場所に落ちていた金物に向かって投げた。
多分盗賊が襲ってきた時に誰かが手にしていたのであろう鍋の蓋の様な物に三個目で上手く当たり「カンッ」と音がした。
「アァ?!」
数名の村人だったモノがそれに反応しそっちに向かいだしその足音で残りの奴等も動き出す。
(今だ!)
リリンを影に待たせて足音を出来るだけ立てないようにしながら木に近付き口元に人差し指を立て静かにと合図を送りながら近付いていった。
それを理解しこっちが生きた人間だと気付いた年配の女性は頷きゆっくりと降りてくる。
ズリズリ…
そんな音がして奴等の意識がこちらに向いた?!
(やばい、逃げるぞ!)
急がず足音を立てないようにゆっくりと戻ったことで追い掛けられることなく建物の間へ入りもう一つ石を木に向かって投げた。
カンッ!
石が当たる音で奴等は再び気の方へ向かったのでそのまま俺達は町を囲う壁沿いに裏を歩いて進んだ。
周囲に何も居ない事を確認して振り替えるとリリンが抱き締められていた。
「リリンちゃん、無事で良かった…」
「おばさん…ロッツォが…助けてくれて…」
「そう…」
女性はロッツォの母親であった。
「しかし、一体何がどうなったのかしらね…」
「話に割り込んで悪い、この現状を何とかするために聞きたいことがある」
「あんた…ありがとうね、本当にもう駄目かと思ったよ…」
「礼は良い、聞かせてくれ。この騒動が始まった時に何か変な声が聞こえなかったか?」
「えっ?あぁそう…聞いたこと無い声が聞こえたよ…確か…」
思い出そうと目を瞑って上に顔をあげるロッツォの母親は口にする。
「『村の中心を燃やせ…LIFE1』だったかしら」
予感は確信に変わった。
これは誰にでも答えに辿り着けるヒントである。
そして、他の人間にも色々な内容が伝えられ合わせれば完全な目標が浮かび上がるんだ。
三つのヒントが合わさり仮説が完全な形になった。
「そうか…戻るぞ!」
俺の言葉に耳を疑う二人であった。
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