最悪最凶スキル『デスゲームメーカー』生存確率…

第２７話 目覚めは悲劇と共に

「はははっ！さぁこいつがこの村の悪魔だ！こいつは俺の部下数名を無惨な人とは思えない方法で殺害した。こいつを俺達が処分してやるぞ！」

意識が覚醒すると聞こえてきたのはそんな大声であった。
地面に転がされ後ろ手に縛られているのを確認し視線を向ける。
そこには村の人々が一ヶ所に集められ盗賊達がそれを囲っていた。
そして、頭の手にリリンが捕まっていた。

「いやぁ！リリンを返して！」

女性が叫ぶのを村の人々が押さえてる。
言動から母親と思われるその人はリリンに似ていた。

「んん？こいつさえ差し出せば俺達はこの村を出ていくんだがなぁ」

頭のその言葉に村人はリリンを見捨てる気なのだろう。
双方の間に倒れてる男をリリンはじっと見ていた。

「俺達もこんな酷いことをこれ以上続けたくは無いんだがなぁ～」

そう言って盗賊の一人が捕まえられている女に向かって短剣を投げた。
それが顔のすぐ横に突き刺さり息を飲む女性。

「悪魔との決別の印にお前達がそいつを殺せ」

村人達に向かって言い放った言葉に誰もが目を丸くしていた。
盗賊の手ではなく村人の手でリリンの母親を殺せと命令しているのだ。

「そいつが最後の悪魔憑きだ。死んだのを確認したら俺達は出ていくよ」

その言葉に一人がその短剣を手にした。
リリンの母親を見下ろしブツブツと何かを呟きながらそれを振り上げる。
リリンは何かを叫ぼうと口をパクパクさせるが声になら無い。
そして、無情にも短剣は押さえ付けられていたリリンの母親の首へと降り下ろされた。

ザシュッと刺さる音だけが聞こえ全ての音が消え去った。

飛び散る血の飛沫がリリンの母親の命と共に飛び散っていく…

ピクピクと痙攣をした母親はゆっくりと痙攣を止め動かなくなっていく。
ただそれをリリンは見つめ続けるのであった…